医療
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55 巻, 12 号
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  • 久永 欣哉
    2001 年 55 巻 12 号 p. 587-591
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    パーキンソン病は振戦, 無動, 固縮姿勢反射障害を主徴とする神経変性疾患で, 本邦の患者数は約12万人と推定されている. 主病巣である中脳の黒質などの神経細胞にはレビー小体が観察されるが, このレビー小体が大脳皮質などにも広く分布し, 痴呆症状などを呈する疾患は「びまん性レビー小体病」として知られている. 本邦の当疾患患者数は少なくとも約20万人と見積もられ, その多くはアルツハイマー病の病理変化をともなうが, これをともなわずレビー小体のみがびまん性に分布するいわゆる「純粋型」は少なくとも約2万人と推定される. 「純粋型」びまん性レビー小体病とパーキンソン病のあいだには連続性, 共通性があり, それぞれ別の疾患と考えるよりも, むしろ多因子性神経性疾患であるパーキンソン病のなかに何らかの原因が加わって病変が広がり易い一つの亜型があると考える方が考えやすい.
  • 戸田 宏幸, 岸田 日帯, 金子 清俊
    2001 年 55 巻 12 号 p. 592-596
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    「ヒト海綿状脳症患者のケアと感染対策のためのWHO審議会」(1999年3月23~26日, Geneva, Switzerland)によるプリオン病感染対策のガイドラインを紹介した. プリオン病の感染媒体は一般の消毒法や滅菌条件に強く抵抗するため, 特別な感染対策が必要となる. 中枢神経や眼球は「高感染性組織」で特に危険度が高い. 組織を扱う器具類は可能な限り使い捨てとして焼却するか, ガイドラインを参考に状況に応じた汚染除去法を選択する必要がある.
  • ―終末期の気管切開と人工呼吸器をどうすべきか―
    馬木 良文, 乾 俊夫, 松下 隆哉, 足立 克仁, 北口 浩史, 山尾 哲
    2001 年 55 巻 12 号 p. 597-600
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    症例は, 78歳, 女性. ミオクローヌスをともない急速に進行する痴呆に続き, 無動性無言となった. 脳波で周期性同期性放電がみられ, 頭部MRI拡散強調法で大脳皮質, 基底核に高信号をみとめた. 髄液では14-3-3蛋白が検出され, Creutzfeldt-Jakob病(CJD)と診断した. 本例はその後重症肺炎を合併し, 家族が胃ろう造設と気管切開および人口呼吸器による延命を希望された. 十分なインフォームド・コンセントの下に家族と話し合い, 再度検討した結果, 高カロリー輸液は行うも, これらの侵襲的処置は行わなかった.
    CJD患者の終末期医療のあり方については, 今なお未解決の問題が多い. 家族に十分良く説明し理解を得た上で協議し決定されることになる. 人工呼吸など従来のような延命治療の選択が最良とは考えられない. 一方, 本疾患であることを理由に終末期延命治療を拒否することは難しい. したがって正確な疾患情報を家族と共有し協議することが必要である. われわれは, 常に本症の新知識を得て, 確実な感染予防対策を実践し診療に当ることが重要であろう.
  • 湯浅 龍彦, 根本 英明, 木村 暁夫, 吉野 英, 山田 滋雄, 西宮 仁
    2001 年 55 巻 12 号 p. 601-605
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    慢性硬膜下血腫除去術の直後に発症したCreutzfeldt-Jakob病(CJD)を経験した. これはきわめて特殊な経過であり, 術前にはもちろん, 術後においてもCJDの診断を下すことは困難であった. そのなかで, 進行性に悪化する臨床症状に加えて拡張強調MRIがCJDの診断の糸口になった. つまり, 脳波に未だ周期性同期性放電(PSD)の出現していない発病初期の脳MRIにおいて, T1強調画像やT2強調画像にほとんど変化がみられないのに対し, 拡張強調MR画像に明瞭な病変がみられたことは特異なことであった.
    また, 本例においてはCJDの初期の臨床症状は明らかな左右差をもって発症しており, かつ, 同時期の脳MRIの病変分布にもまた著しい左右差が見られた. これは先行した慢性硬膜下血腫がCJDの脳病変の発現経過に影響を与えたものと推論され興味深いことであった.
    さらに本例は, CJD患者が外科手術を受ける事態が現実に起こりうることを示すものであり, CJDの診療に当る施設においては, 感染防御対策の面からだけでなく, 手術を受け入れるために必要な整備と具体的な手順書を早急に整えるべきであろう.
  • 大隅 悦子, 今井 尚志
    2001 年 55 巻 12 号 p. 606-609
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    亜急性の痴呆症, 口唇・四肢のミオクローヌス様の不随意運動からクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)が疑われたが, 発症後約1年で進行の停止した69歳女性を報告した. 経過・検査結果から栄養障害性疾患・変性疾患・傍悪性腫瘍症候群・血管内悪性リンパ腫は否定的であった. 一時的に除皮質硬直様姿勢を呈し, 意思疎通不能となったが, その後改善傾向を示し, 最近6ヵ月間は症状は固定している. 脳MRI上は軽度ながら萎縮が進行しているが, 脳波所見は経時的に改善しつつある.
  • 武者 広隆, 邊見 弘
    2001 年 55 巻 12 号 p. 610-611
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    最近, マスコミを中心に医療事故が大きな社会問題として取り上げられている. 厚生省においても, 国立病院部政策医療課が中心となり, リスクマネージメントスタンダードマニュアルが作成され, 各施設での医療事故防止体制の確立を促しつつある. 一つの大きな医療事故の背景には, 29の小さな事故があり, それらの背景には約300ものニアミスが隠れているという. したがって, ニアミス事例の検討こそ, 将来の医療事故防止のために行わなければならないものであり, その検討結果の職員への公表と対策が大切である. このシンポジウムにおいては, 医療事故防止対策について, 川村治子杏林大学教授より基調講演を頂くとともに, 3名に医療現場より発言をもとめた.
    川村教授からは, ヒヤリ・ハット事例の事故防止のための有用な理由についての解説とともに, 医療事故には, 医療行為がからんで発生した事故と, 医療行為のからまない事故の2群に分けられ, これらを整理して, その内容を検討する必要性が強調された. いくつかの具体的事例の提示とその危険要因の解説もあり, 多数事例を患者と発生状況から分析することが, 事故防止などの基本的かつ共通の考え方を整理するのに有用であることが示された.
    医療の現場より, 医師の立場からは診療内容の情報公開の必要性を, 看護の立場からは医療の現場において, 看護職のリスクマネージャーとしての活動の重要性を, また, コメディカルの立場からは医師からの情報発信の必要性, さらに職員間のコミュニケーションの充実が大切であることが示された.
  • 川村 治子
    2001 年 55 巻 12 号 p. 612-616
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 野見山 延
    2001 年 55 巻 12 号 p. 617-618
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 豊田 百合子
    2001 年 55 巻 12 号 p. 619-621
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 三島 正彦
    2001 年 55 巻 12 号 p. 622-623
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 田上 哲也, 葛谷 英嗣, 葛谷 英嗣
    2001 年 55 巻 12 号 p. 624-627
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 舟川 格, 関口 兼司, 陣内 研二
    2001 年 55 巻 12 号 p. 628-630
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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