医療
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56 巻, 7 号
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  • 廣島 和夫
    2002 年56 巻7 号 p. 387-392
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    小児特定疾患に含まれる病態に加えて, 対応が困難な運動器四肢先天性欠損をも含む広義の治療困難な病態を小児難病として総説した. 骨系統疾患群である骨形成不全症においては, 骨粗鬆症を改善させる内科治療と, 四肢の変形矯正による荷重肢の再建によって骨質が改善され, より高い運動機能の維持が可能であることを概説した.
    また, 中枢性・末梢性進行性麻痺を呈する色素性乾皮症においては, 乳児期からのリハビリテーションが可及的に運動機能の退行を遅らせ, また足部変形によって急速に損なわれる歩行機能は矯正手術によって救われるという事実から, 積極的・総括的な治療が病期の最期まで全身状態の維持に有用であることが分かった. さらに延命化にも関与していることが窺われた.
  • (2)ALSとともに生きる人からのメッセージと病名告知憲章(草案)
    湯浅 龍彦, 水町 真知子, 若林 佑子, 川上 純子, 吉本 佳預子
    2002 年56 巻7 号 p. 393-400
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病名告知(以下はALS-ICと略す)は告げる側にも, また告げられる患者や家族にとっても重要な作業である. 特に患者にとっては, その後の一生を決める重大な事態である. しかし, ALS-ICのあり方を検討しようにも, 従来患者の直接の意見を反映したものはなかった. 今回の調査では, ALS-ICに関する患者の直接の意見が得られた. その結果を報告し, ALSと共に生きる人(患者)の立場からALS-ICの現状を明らかにし, ALSの病名告知にそれを受ける側の意見を反映させたい.
  • ―神経・筋疾患ネットワーク関連施設および開業神経内科医へのアンケート調査より―
    阿部 憲男, 千田 圭二, 清水 博, 舟川 格, 湯浅 龍彦
    2002 年56 巻7 号 p. 401-406
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    神経難病患者の在宅医療支援体制の現状を把握するために, 精神・神経疾患研究委託費「神経疾患の予防・診断・治療に関する臨床研究」を構成している国立病院・療養所37施設と, 96人の開業神経内科医に対してアンケート調査を実施した. 国立病院・療養所では, 12施設が在宅医療支援のための委員会を設置し, 19施設が訪問診療を行っていた. 在宅医療患者の緊急時の対応は, 24時間体制で往診に応えられる施設は1施設のみで, 他の施設は救急車またはかかりつけ医による対応をとっていた.
    開業神経内科医が近隣の国立病院・療養所へ期待することは, 入院患者の受け入れ, 医学情報の提供, 学術交流, 在宅医療相談, 症例検討会の実施などであった. 在宅医療を支援するに当たっては患者の緊急時に24時間対応ができる体制の確立が最も重要であるが, それには国立病院・療養所と開業神経内科医およびかかりつけ医との密接な連携が必須である.
  • 小長谷 正明, 安間 文彦, 加藤 隆士, 南谷 昌弘, 松岡 幸彦
    2002 年56 巻7 号 p. 407-411
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    多系統萎縮症7例の(MSA-C2例, MSA-P5例;気管切開4例)中枢性呼吸障害を検討した. 非気管切開MSA-Pの2例では呼吸運動の漸増漸減パターンを, 進行したMSA-P4例(気管切開3例)でCheyne-Stokes呼吸(CSR)を認めた. 他のMSA-P 1例では自律性呼吸が減弱し, 有意な呼吸運動は見られなかった. 非気管切開MSA-P例では, CSRと上気道閉塞が見られた. 進行したMSA-Pでは, 随意的呼吸運動ができなかった. 気管切開例への高酸素下炭酸ガス負荷試験では, 換気応答が認められたが, 2例では過換気と低換気が繰り返された. 以上より, MSAにおける中枢性呼吸障害の存在が明らかになり, 機序として延髄の呼吸中枢障害のみならず, 錐体路と錐体外路障害が考えられた.
  • 岩下 宏
    2002 年56 巻7 号 p. 412-413
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    インフォームド・コンセントや医療情報開示を求める患者権利意識の高まりのほか, 医療内容の標準化・効率化・質向上, 在院日数短縮化, チーム医療促進など近年における医療改革に対応できるものとしてクリニカルパス(クリティカルパスともいう)が注目され, 多くの病院で導入されやすい疾患から導入されている。
    一方, 今日多くの国立療養所が取り組んでいる神経難病は, ほとんどが成因不明, 治療法未確立, 慢性進行性, 看護・介護度が高いなどの特徴を有することから, 特に在院日数短縮化などクリニカルパスの目的に沿いにくい側面を有している.
    そこで, 本シンポジウムでは, 序論:神経難病の特徴とクリニカルパス(CP)のほか代表的な神経難病として, パーキンソン病(PD), 脊髄小脳変性症(SCD)および筋萎縮性側索硬化症(ALS)を取り上げ, 神経難病医療に従事している4名の演者と2名の指定発言者により, 神経難病ではどの程度CPが応用できるか, その問題点などを講演していただくことにした.
    川井氏は, 日本の医療特に難病では, 患者と医療従事者にコスト意識が低いことを指摘したのち, 神経難病でも目的が明確であること, 頻度が高い等の条件があればCPが役立ち, 患者満足度が向上したかなどの評価が必要と論じた.
    水田氏は, PDでは治療結果が予測できないことから大まかな病態ごとにCPを作成すべきと論じた.
    金原氏は, 患者満足度向上や患者自身の治療への積極的参加などを目的とするPDのCPが医療経済面でも寄与する可能性があると論じた.
    中島氏は, SCDのCPでは, 診断確定のために遺伝子検査, MRI, SPECT検査を入れたものをつくる必要があると論じた.
    今井氏は, ALSでは, 告知, 気管切開, レスパイト, 緩和ケアなど入院目的別に作成するのが良いと論じた.
    望月氏は, 神経難病長期療養施設現場の声として, インターネット環境整備の必要性を論じた.
  • 川井 充
    2002 年56 巻7 号 p. 414-415
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 水田 英二
    2002 年56 巻7 号 p. 416-417
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 金原 禎子
    2002 年56 巻7 号 p. 418-419
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • ―SCD標準診療マニュアルとパス作成にむけて留意すること―
    中島 孝
    2002 年56 巻7 号 p. 420-422
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 今井 尚志
    2002 年56 巻7 号 p. 423-424
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 望月 廣
    2002 年56 巻7 号 p. 425-426
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 中村 幸夫, 内藤 博之, 橋本 雅, 岡垣 篤彦, 北岡 有喜, 早坂 篤, 後藤 濬溶二, 吉里 俊幸
    2002 年56 巻7 号 p. 427-431
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    特発性血小板減少性紫斑病を合併する妊婦の場合, 胎児の頭蓋内出血を回避するために帝王切開を推奨する意見もあり, 分娩様式に関してはコンセンサスが得られていない. そこで本稿では, 特発性血小板減少性紫斑病合併妊婦を集計検討するとともに, 分娩様式と新生児合併症の危険性に関して文献的考察を加えた. 最近5年間の国立病院8施設における集計では, 特発性血小板減少性紫斑病合併妊婦は54例であった. そのうち19例は帝王切開分娩であり, 残りの35例は経膣分娩であった. 新生児54例において, 重症の新生児血小板減少症は4例発症したが, 頭蓋内出血や大量メレナなどの重篤な合併症は皆無であった. これらの集計結果ならびに文献上の多数報告から得られる結論は, 特発性血小板減少性紫斑病を合併する妊婦から新生児血小板減少症が出生するのはまれということになる. また, 新生児頭蓋内出血はさらにまれなものであり, しかも分娩様式とは関係ないといえる. したがって, 特発性血小板減少性紫斑病合併妊婦に対しては, 帝王切開を産科的適応がある場合だけにとどめるべきであろう.
  • 今門 純久, 丸山 智恵, 大塚 藤男
    2002 年56 巻7 号 p. 432-434
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 岡 尚嗣
    2002 年56 巻7 号 p. 435-439
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 2002 年56 巻7 号 p. 440-443
    発行日: 2002/07/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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