医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
36 巻, 2 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 照井 頒二, 川合 英夫, 福喜 多博義, 長岩 清之, 小山田 日吉丸
    1982 年36 巻2 号 p. 97-102
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    原発性肝癌25例に67Ga-citrateと99mTc-colloidによる2核種肝シンチグラムを施行し, コンピューター処理によつて, 67Ga像から, 99mTc像の引き算(Subtraction)を行い, 肝癌への67Gaの集積をより鮮明に描出することを試みた. サブトラクシヨン像は, 60%, 80%, 100%, 120%の4段階表示で行つた. 25例中24例(96%)がサブトラクシヨン像で67Gaの集積が陽性画像として描出された. 残る1例は, 手術後に, retrospectiveに, 右葉外縁に集積が確認された. 従来の67Gaシンチグラム単独の診断に比べて, 67Gaの集積が鮮明に描出され, その上, 健常と思われた肝内の小さな転移巣の診断も可能となつた. また80%のサブトラクシヨン像にROIを設定し, 肺/骨髄比を求めた. 平均0.84であつたが, 肝硬変合併例では, 1.07と高く, また肝硬変合併非切除例では, 1.3となつた. 以上より, サブトラクシヨン像にて, 肝癌の診断のみならず, 肝硬変の程度や手術の可否まで, 診断出来るようになつた.
  • 立野 育郎, 亀井 哲也, 松田 博史
    1982 年36 巻2 号 p. 103-106
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    肝スキヤン上, とくに生理的圧痕部近辺の欠損様所見の頻度は, 年間699例の肝スキヤンについて48%に認められ, 圧痕部の読影に苦慮している実態を報告した.
    肝・胆道スキヤン, 肝RI Angiography, 67Ga腫瘍スキヤンなどの複合RIイメージ診断を併用すると, 圧痕部が真のSOLであるか否かがより明らかとなり診断成績が向上した. また明らかなSOLでも, SOLを来す疾患は多種多様であり, 肝スキヤン単独で腫瘍部の性状を決定することは困難であるが, 複合RIイメージ診断を併用するとより正確なSOLの性状把握ができた. 選択的肝動脈造影, PTC, ERCP, 腹腔鏡検査などの他の診断法に比し, 肝の複合RIイメージ診断は非侵襲的な特長がある. さらに超音波をも併用すると, 圧痕部のfalse positive rateが低下し, また質的診断が可能である点も付言した.
  • 小山田 日吉丸, 川合 英夫, 福喜 多博義, 照井 頌二
    1982 年36 巻2 号 p. 107-115
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    我々は独自に開発した回転椅子にシンチカメラ(Ohio Nuclear Σ 410S)とコンピユータ(シンチパツク1200)を組み合わせ, 横断シンチグラフイー(RCT)についての基礎実験を行つたのち肝診断への応用を試みた.
    椅子は手動で10°ずつ回転させるようになつている. 36枚の画像を64×64で採取し, マイクロドットイメージヤーを介して128×128でX線フイルム上に描出させる方式をとつている. 採取データの補正には単純な対向投影データの幾何平均を行い, 画像の再構成にはShepp and Loganの補正関数にローパスフイルターをかけた重畳積分法を用いた. 集積像については1cm, 欠損像については, 2.4cmのものを描出できた.
    37例の肝のRCTをとつたが, 最小の欠損像は2.4×1.8cmの血管腫で, これは通常のシンチグラム上には描出されなかつた. RCTで描出できなかつたものが3例あつたが, うち2例は病巣が横隔膜直下のものであつた.
  • 石橋 章彦, 佐藤 仁政, 高原 淑子, 佐々木 由三, 山下 昌次, 安藤 裕, 近藤 誠, 与那原 良夫
    1982 年36 巻2 号 p. 116-120
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    近時in vitro RIAはますます重要性を増し, かつ検体数の増加は著しいものがある. このため多数検体を厳密な精度管理の下で短時間内に処理することが要求されている. この要望に対して複数検体の同時計測装置が近年数社において開発されつつあり, その一部は実際に用いられるようになつてきた.
    今回我々が使用する機会を得た4検出器形RIA用放射線計測装置(RMA-4H, 日立メディコ)もその一つで, とくに検出器の安定性, 複数検出器の感度, 操作性などについて基礎的検討を加えた結果, 良好かつ取扱いやすい装置で, 多項目多検体処理を行うにあたり, 十分な対応ができる装置であると考えられた.
  • 上田 修, 田中 稔, 長谷川 みち代, 新実 光朗
    1982 年36 巻2 号 p. 121-126
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    RIAの精度管理法であるRER. およびP. P. について, その有用性を検討し, 当施設における除外規準を定めることを目的とした. 当施設で測定を行つている15種目のRIAのRERを算出し, 二重測定における測定濃度誤差とRER. の勾配との関係を明らかにした. また測定誤差の大きい種目についてはP. P. を作成しキットの測定感度および測定誤差を算出した. これらの結果より, RIAのキツトにはそれぞれ特徴があり, 次の3群を基に除外規準を定め, RERによる精度管理を行うことが適当である.
    (1) RERの勾配による除外規準だけですべての濃度範囲にわたつて良好な精度管理ができる種目.
    (2) 低濃度域の検体を除けばRERの勾配による精度管理ができる種目.
    (3) 測定全体の除外規準はRERの勾配でいいが, すべての濃度範囲にわたつて測定誤差の大きい一部の検体を含む種目.
  • 佐藤 修
    1982 年36 巻2 号 p. 127-135
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    血晴生化学検査により閉塞性パターンを示した黄疸患者の鑑別診断には超音波検査が第一選択である. 悪性腫瘍によるものは臨床的に黄疸が現れた当初においてすでに肝内胆管の拡大が著明である. 総胆管結石の嵌入による急性閉塞では肝門部から下流の胆管の拡大は悪性閉塞と同様著明であるが, 肝内胆管の拡張は軽度である. また胆のう内に結石を証明することが多い. 肝内胆汁うっ滞は肝内および肝門部胆管の拡張がなく, 胆のうも狭小である. そして超音波診断だけで保存陶治療の適応であることが確定できる.
    外科的黄疸では超音波検査を入口として, 次の最も適切な検査が指示され, 速やかに治療に導くことができる.
  • 高安 賢一, 小林 千鶴子, 志真 泰夫, 和方 俊二, 泉水 正幸, 加藤 二郎, 小林 純, 西沢 直, 石川 堯夫, 川上 仁, 高瀬 ...
    1982 年36 巻2 号 p. 137-142
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    代表的な腹部のう胞性疾患4例(先天性孤立性肝のう胞, 肝血腫, 腸間膜のう腫, 先天性水腎症各1例)を対象に超音波誘導下穿刺を施行しその有用性について検討した. 全例に穿刺後, 内容液の吸引と造影剤の注入を行い細かい病変の描出に努めた. その結果, これら疾患の質的診断, 病変の伸展範囲及び周辺臓器との位置関係などをより正確に把握することができた. また吸引液の塗沫, 培養や細胞診などを行うことによつて更に診断率が向上した. 本方法は従来のX線検査で診断困難とされてきた腹部のう胞性病変の的確な診断及び治療も同時に行えるなどの利点を有し, また安全性も高いことから今後広く普及する方法と思われる.
  • 花井 耕造, 速水 昭雄, 片山 二三夫
    1982 年36 巻2 号 p. 143-147
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    目的: 生体計測システムとしてのCTにおいて, 低コントラスト部位, すなわち非常に吸収係数: μ値の近似した組織間の識別には, 画像ノイズが最も重要な要素であることを考え, この画像ノイズを左右する因子に関する検討を行い, 腹部臓器におけるCTの再構成画像のノイズ量の限界を求めた
    結論: 腹部臓器におけるCTの診断は, 辺縁の診断学, 及び内部構造の診断学を合わせもつた質的診断の方向に向かつている. しかし, 肝, 膵のような低コントラスト臓器においては, 病的部位と正常部位の吸収係数の差は数%程度であり, 画像ノイズが, その診断に際し重要な障害となる. さらに被検体サイズの大きさより, 大きな撮影領域を選択せざるを得ない. これらのことを考え合せ, ノイズ量は, 撮影領域350mmφにおいて, 1%σw以下にすべきである. 腹部臓器におけるCTの画像ノイズの管理は, 特に重要である. ノイズ量の改善としては, 1)補正水データの収集の条件, 2)プロジエクシヨン数の増加, 3)検出器素子数の増加によるノイズ量の各ピクセルへの分散, 粒状像の低下, 4)診断目的に合つた必要線量の確保, そのための管球の大容量化が必要である.
  • ―超音波(Octoson), CT, 血管造影(PAG, 選択的動脈造影)を中心として―
    飯野 孝一, 板倉 紘一, 井上 彬, 矢野 方夫, 山岡 完司, 山下 昌次, 本田 正節
    1982 年36 巻2 号 p. 148-152
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    骨盤内腫瘤に超音波断層法(Octoson)を施行した症例のうち, 病理組織診断の明らかな卵巣腫瘤95例について検討し, 以下の知見を得た. 1. 他に併用した画像診断法の例数はCTが17例, 血管造影法が18例, Gaシンチグラフイーが10例であつた. 2. 腫瘤発生臓器に関する正診率は内・外診で70.5%, 超音波断層法で95.8%であつた. 3. 内・外診により卵巣癌を良性腫瘍とした例数は26例中7例(26.9%)であつた. 4. 超音波断層法による質的診断については, 腫瘍壁のエコーを1型(一様で薄い), 2型(厚い部分を認めるが内腔への突出像はない), 3型(内腔への突出像)に分け, 内部エコーをA所見(Echo-free), B所見(Diffuse fine echoes), C所見(Coarse echoes)の3所見の組合せとして表現できた. 5. 卵巣癌に多くみられる腫瘍壁エコーの3型, 内部エコーのC所見, そして組合せ所見AC, ABCは類内膜嚢腫, 類皮嚢胞腫などにも認められた. 6. 検査の系統化, 診断率の向上を目的として卵巣腫瘍に対するDecision tree を作成した.
  • 立野 育郎, 亀井 哲也, 山崎 俊江, 西 克機, 松浦 久勝
    1982 年36 巻2 号 p. 153-155
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    腹部実質臓器に対してシンチグラフイーと超音波を施行し, 画像診断の特質について比較検討した.
    肝については. 限局性変化を部位的に右葉, 左葉と肝下縁, 生理的圧痕部(肝静脈, 肝門部, 胆嚢床など)に分けると, (1)右葉については両者ともtrue positiveが80%以上でfalse negativeは少なかつた.(2)左葉と肝下縁, および(3)生理的圧痕部ではfalse positiveが80~90%とシンチグラフイーに多く, 超音波では少なかつた. さらに, 肝, 脾, 膵などのシンチグラフイーの欠損部の質的診断は困難なことが多かつたが, 超音波ではechoの性状よりそれがSolidかCysticかの質的診断は容易であつた. しかし, 目的臓器の全体像を把握するにはシンチグラフィーが極めてすぐれており, 核医学超音波複合診断法の有用性を確認した.
  • 西 克機, 松浦 久勝, 立野 育郎
    1982 年36 巻2 号 p. 156-159
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    超音波映像診断装置の分解能はX線の分解能と異なり, 距離分解能と方位分解能に区別して評価される. 我々は(1)コンパウンド走査方式(接解複合走査方式の各transducerの方位分解能の限界を求めた. その結果2.5mm~4.5mmの範囲内であつた. (2)Focal Lengthについては指示値とかなり異なつたtransducerも数多く見られ, 中には4cmもズレているものもあつた. (3)Focal zoneの内外における物体の形状変化についても求めた. この結果near fieldやfar fieldにある場合, その物の形状は変形し判別は難しくなつた. (4)Water bagを使用する際は蒸留水, 脱気水を用い, bagはなるべく薄手の物を用いるか, または厚手のbagの場合は目的部位の深さより深めに水を入れなければならない.
  • 横田 邦信, 飯泉 きぬ子, 前川 ひとみ, 原田 宏美, 飯野 孝一, 加島 弘, 石山 和夫, 本田 正節
    1982 年36 巻2 号 p. 160-164
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    従来の接触複合走査型と異なりwater-coupling方式を採用したU. I. OCTOSON(水浸機械式全自動複合走査型超音波断層装置)の概要を紹介し, 手技の巧拙に左右されずに精度の高い, かつ再現性に優れた断層像を全自動で連続して得られる画期的な装置であることを, 当院での使用経験に基づいて述べた. 10ヵ月間に診断の確定し得た216例についていえば, 産婦人科疾患, 消化器系疾患において使用頻度が最も高く, 次いで乳腺疾患が多く, かつ診断的中率も良好であつた. 循環器系疾患では腹部大動脈瘤の症例で, 従来の走査法より優れた点を示した. 今後症例の増加に伴いその有用性が期待される.
    なお, CT, RI, 血管造影法などとの組合せによつて, 臨床診断の成績は向上し, 総合イメージ診断の一端としてのOCTOSONの役割がより明確になるであろう.
  • I. 下肢装具2. 長下肢装具
    椿原 彰夫, 本田 哲三, 大谷 清
    1982 年36 巻2 号 p. 165-167
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1982 年36 巻2 号 p. 168-169
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1982 年36 巻2 号 p. 169
    発行日: 1982/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
feedback
Top