医療
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53 巻, 2 号
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  • 山本 光昭
    1999 年 53 巻 2 号 p. 81-87
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    平成10年8月27日, 「国立病院等情報ネットワーク検討会」(座長: 開原成允・国立大蔵病院長)が, 「国立病院・療養所における情報化基本構想」を取りまとめました.
    国立病院部においては, この基本構想を踏まえ一層の情報化の推進を図ることとしており, 検討会においてはより具体的な基本計画を引き続き検討しております
  • 野口 浩
    1999 年 53 巻 2 号 p. 88-96
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    子宮癌は子宮頸癌と子宮体癌(子宮内膜癌)に大別され, 卵巣癌とともに婦人科における3大悪性腫瘍である. その診断と治療法はほぼ確立されているといえよう.
    放射線療法は子宮頸癌では手術療法とともに2大治療法の一つであり, 手術療法の際にも術後の補助治療において重要な位置を占めている. 一方子宮体癌では主治療法は手術療法であり, 放射線療法は例外的に行われるにすぎない. 術前照射は欧米ではかなり普及しているが, 本邦ではほとんど行われていない. 子宮体癌においては放射線療法は術後のハイリスク例に主に用いられてきているが, 最近化学療法の進歩にともない, その意義も若干変化しつつある.
    今回, 子宮頸癌および子宮体癌治療上の放射線療法の意義を文献的に再検討したので, 報告する.
  • 若杉 英之, 船越 顕博, 瀬尾 洋介, 井口 東郎, 和田 進
    1999 年 53 巻 2 号 p. 97-101
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    切除不能膵癌に対する集学的治療として, 術中照射(IORT)に術後体外照射(ERT)を組み合わせた放射線療法または体外照射放射線療法(ERT)を主体とし, これらに化学療法(5-FU, CDDP, MMCなど)を併用した放射線化学療法が施行されてきた. 今回, 10RT+ERTとERTを比較した結果, 前者は半数の症例でしか完遂できなかったが, 後者はほとんどの症例で完遂でき, したがって前者では後者に比し照射線量が少ない結果となった. 両方法は, 局所進行膵癌(StageIVa)に対し完全に実施された場合には, 腫瘍マーカー, 腫瘍の大きさ(径), 疼痛に対し有効性が認められた. また, 生存期間と生活の質(QOL)の面からもERTのみの放射線化学療法は10RT+ERTに比し遜色なきものであった. ゆえに, ERTは局所進行膵癌症例に対して容易に実施できる, 有用な一方法であると考える.
  • 遠藤 光一, 杠 岳文, 瀬戸 秀文, 福田 賢治, 廣山 夏生, 古賀 寛, 山上 敏子
    1999 年 53 巻 2 号 p. 102-106
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    痴呆患者に合併した慢性硬膜下血腫(CSH)の4症例(男性2例, 女性2例)を報告した. 男性2例のうち1例は元々大酒家であり, ほかの1例には頭部打撲の既往がみられた. また, 女性2例にはそれぞれ慢性硬膜下水腫の先行と過去にCSHの既往がみられた. CSHの存在を疑わせた徴候は, 意識障害と四肢の運動障害と失禁であった. これらの徴候は, 痴呆の進行と見誤られやすい. 実際入院中に発症した1例を除き3例は痴呆の進行を心配した家族が受診させたものであった. 痴呆患者の診察においては軽微な臨床症状の変化に気をつけ, 痴呆の進行, 歩行障害, 失禁が新たにみられたときには, 速やかに頭部画像検査(CTまたはMRI)を施行することが重要であると考えられた.
  • 市場 洋三
    1999 年 53 巻 2 号 p. 107-111
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    先天性代謝異常症に対する新生児マススクリーニングは1977年に開始された. その後先天性甲状腺機能低下症および先天性副腎過形成症にも対象疾患が拡大した. 岡山県では過去21年間に約46万人の新生児がこのスクリーニングを受けた. これまでに国立岡山病院小児科にて確定診断された疾患名および患者数はフェニルケトン尿症4名, 高フェニルアラニン血症5名, ビオプテリン欠乏症1名, 楓糖尿症2名, エピメレース欠損症12名, 先天性甲状腺機能低下症72名および先天性副腎過形成症11名であった. これらの患者は早期発見, 治療により精神運動発達は良好であった.
  • 越田 理恵, 奥田 則彦
    1999 年 53 巻 2 号 p. 112-116
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    周産期医療を支える育児, 子育て支援として総合病院における小児科医の方向性を考えるたあに, 国立金沢病院と石川県内の産婦人科単科病院2施設で出産した母親430名に, 周産期の育児不安の実態と医療サイドに期待される対応についてのアンケート調査を行った. 当院での出産を希望する背景には周産期を通しての安全かっ適切な医療が期待されていた. また母親は妊娠中よりも出産後に育児に対する不安を強く感じており, 母親自身の精神的不安定さも加わって, 産科退院後に個別の相談窓口を求めている. 我々小児科医が今後, 参入しなければならない領域は出産後1ヵ月健診までの期間の母親に対する育児支援であり, 健全な母児関係の基盤であるこの時期の支援はその後の子供の健全な発育を促すものと考えられる.
  • 畑 典武, 国見 聡宏, 高野 雅充
    1999 年 53 巻 2 号 p. 117-120
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    心房細動の除細動に際しては, 塞栓症の予防が問題となる. 慢性心房細動の除細動の適応ならびに塞栓の予防法については諸家の提言があるが, 一過性心房細動については症状の程度により, これらの提言にしたがえない場合もある. 今回我々は, 陳旧性心筋梗塞患者で発生した一過性心房細動のジソピラマイドによる薬物的除細動後にST上昇を呈した症例を経験した. 本例は無症候性ST上昇であったが, CPKなどの心筋逸脱酵素の上昇をともない, 冠動脈造影では冠攣縮は認めず, ジソピラマイド再静注でもST上昇は再現しなかった. 以上より, 一過性心房細動から洞調律に復帰する際に冠動脈塞栓を生じた可能性が高いと考えた. 薬物的除細動後に生ずる心筋梗塞類似の心電図変化についての報告はあるが, 伝導障害に起因するという報告が多い. ジソピラマイドによる報告がないことと, 本例では伝導障害よりも冠動脈塞栓の可能という報告が多い. ジソピラマイドによるリ報告がないことと, 本例では伝導障害よりも冠動脈塞栓の可能性が高いと考え九ので報告する. が高いと考えたので報告する.
  • ―表在性皮膚糸状菌症とヘルペス感染症について―
    前川 嘉洋, 進 洋子, 村上 詠子
    1999 年 53 巻 2 号 p. 121-125
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    皮膚表在性真菌症を1996年7月より9月まで当院皮膚科外来の新来患者で調査したところ68名(新患の12. 4%)で男36名(53%), 女32名(47%)で性差はみられなかった. 真菌症では白癬が最も多く, そのうち足白癬が47.3%であった. 菌種ではTrubrumT. mentagrophytesで75%をしめた. 単純庖疹(HS)と帯状庖疹(HZ)を1994年から1995年の2年間, 新来患者で調査した. HSは女性に多く(69%), 20-30歳代と50-60歳代に2つのピークがみられ, 口腔周囲の発症例が多かった. HZも女性例が多く(62%), 年代別では50-60歳代が62%をしめた. 胸部と三叉神経領域に好発し, 悪性腫瘍の合併は8名(6. 2%)であった.
  • 松前 孝幸, 長瀬 精一
    1999 年 53 巻 2 号 p. 126-129
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    悪性症候群の治療は薬物療法が中心であるが, 今回長期間の集中治療により救命し得た症例を経験したので報告する. 患者は35歳精神分裂病の男性でスルピリドを原因として悪性症候群を発症し, ダントロレンやプロモクリプチンの投与にても軽快しなかった. 人工呼吸, 筋弛緩薬, 鎮静薬, 体温管理などによる対症治療をICUにて32日間施行し, 発症323日後に退院した. 外来でエチゾラムを投与しているのみだが, 4年経過した時点でも症状は安定している.
    この症例のように悪性症候群で薬物治療の効果が得られない場合は, 原因薬物が排泄, 代謝され病態が変化するまで対症治療を継続することも重要であると思われる.
  • 影山 洋, 佐久間 雄一
    1999 年 53 巻 2 号 p. 130-134
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    抗甲状腺剤による治療をおこなった妊娠時一過性甲状腺機能元進症の1例を報告する. 症例は27歳女性, 第二子妊娠中妊娠11週に悪心, 嘔吐が強く食事も摂取できなくなったため入院. free triiodothyronine(FT3), freethyroxine(FT4)の高値, thyroid stimulating hormone(TSH)は測定感度以下, TSH受容体抗体, 抗甲状腺自己抗体は陰性であった. 点滴で経過をみていたが, 悪心, 嘔吐が持続し, 体重も4kg減少, 13週にはFT318.0pg/ml, FT46.8ng/dlまで上昇したたあ, チアマゾールの投与を開始した. 投与開始後3週目頃よりFT3, FT4が低下し始め, 食事も摂取できるようになり, チアマゾールも減量し, 22週にはTSHも含あて正常化したので中止, 以後甲状腺ホルモンは正常となり, 41週に自然分娩となった.
  • 2. 溶血性尿毒症症候群
    川村 研
    1999 年 53 巻 2 号 p. 135-137
    発行日: 1999/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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