医療
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62 巻, 3 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 北村 惣一郎
    2008 年62 巻3 号 p. 121-123
    発行日: 2008/03/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • ―高血圧と慢性腎臓病―
    河野 雄平
    2008 年62 巻3 号 p. 124-129
    発行日: 2008/03/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    高血圧, 糖尿病, 高脂血症, メタボリックシンドロームなどの生活習慣病は多くの循環器病の危険因子となっており, 慢性腎臓病は末期腎不全や循環器病に強く関連している. 日本人の高血圧の有病率はきわめて高く, 慢性腎臓病もかなり高頻度に認められる. 高血圧治療が循環器病や腎障害の予防に有用であることは明らかであるが, 高血圧を有しても適切な診断, 治療, コントロールがなされていない者は少なくない. 残された課題は多いが, ライフスタイル改善による高血圧などの生活習慣病の予防, 高血圧や慢性腎臓病の早期発見と治療による循環器病の予防, 高血圧および他の危険因子の管理による循環器病の予後改善を目標として, Population strategyとHigh risk strategyの組み合わせにより, 小児から老年者まで全国民に向けての多面的な対策が重要と考えられる.
  • ―糖尿病と高脂血症, メタボリックシンドローム―
    吉政 康直
    2008 年62 巻3 号 p. 130-134
    発行日: 2008/03/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    循環器病の発症, 進展による死亡の低減はエビデンスに基づいた治療と危険因子の早期からの管理によってもたらされることを示す知見が増えており, このことを考えると糖尿病とメタボリックシンドロームおよび脂質異常症の基礎的臨床的研究はますます重要であり, その要点を示した.
  • ―内科―
    野々木 宏, 後藤 葉一, 鎌倉 史郎, 北風 政史, 中西 宣文
    2008 年62 巻3 号 p. 135-140
    発行日: 2008/03/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人口高齢化と食生活の変化により, 循環器疾患の疾病構造が変わり, 虚血性心疾患, 心不全, 不整脈疾患が増え, 患者数や死亡数が増加している. 脳卒中と心疾患の死亡を合わせると, 悪性腫瘍による死亡数と同等である. 単一臓器の疾患としては, それぞれ最大死因といえる. 特徴は急性期に治療が奏功すれば, 救命率が上昇し健康寿命の延長につながる疾患群である. 今後10年間の戦略を考える上では, 脳卒中と心臓発作の死亡率を25%削減し, 発症の1次, 2次予防, さらにプレホスピタルから超急性期における治療法の確立が急務の課題であり, QOLの改善には再生医療等による血管新生や心筋再生による予後の改善等が必要である.
  • ―外科―
    舩津 俊宏, 小林 順二郎
    2008 年62 巻3 号 p. 141-144
    発行日: 2008/03/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    近年の心臓外科領域における手術法, デバイスの進歩はめざましいものがある. より高齢化, 重症化する患者群に対して安全な手術を提供できるよう, 治療効果を維持しつつ低侵襲化をめざした研究がなされてきた. 冠動脈疾患, 弁膜症のいずれにおいても, 普遍的な手術法は確立しており, 今後はこれらをいかに低侵襲でハイリスクな症例に安全に行いえるかという点に重点をおくことになろう. 具体的には, 冠動脈バイパスでは人工心肺を用いない心拍動下手術が一般化したが, さらに小切開やロボット手術によるリスクと侵襲の軽減が課題となる. 弁膜症においては, 経皮的弁手術の開発と並行して, 直視下手術では冠動脈バイパス同様に小切開やロボットの普遍的な導入が進められよう. また重症心不全に対しては, 左室形成術や僧帽弁形成術による症状の改善が報告され, 機械的補助に頼らない治療法として注目されており, 今後も改良が加わりながら発展が期待される. 一方人工心臓では, 植え込み型人工心臓の導入により高いQOLで, 再開された心臓移植への待機が可能となったが, 今後さらに血栓症を中心とする合併症の克服へ向けたデバイスや抗凝固療法の改良が必要である.
  • ―内科―
    峰松 一夫
    2008 年62 巻3 号 p. 145-147
    発行日: 2008/03/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    国民死因の第3位, 要介護性疾患の首位を占める脳血管疾患(脳卒中)は, 今後20年間で倍増する可能性がある. 脳卒中ユニットや血栓溶解療法などの登場で脳卒中医療は劇的に進歩し, わが国でも全国レベルの対策が始まりつつある. 目前に迫った患者急増時代に対処するためには, 脳卒中医学研究を推進させ, 診療・教育面でも大規模な戦略計画を策定し, その実行を急ぐ必要がある.
  • ―外科―
    佐藤 徹, 宮本 享
    2008 年62 巻3 号 p. 148-150
    発行日: 2008/03/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    今後10年の脳卒中征服というテーマを考えたとき, いかに脳卒中の発生を予防するか, ということにターゲットをおいた戦略が必要である. 近年の超音波検査や核磁気共鳴画像(MRI)の普及もあり, 無症候性の頭蓋内外血管の狭窄, 閉塞病変や, 脳動脈瘤が発見される機会が急増していることもあり, 脳卒中に対して外科治療が担う部分は依然として大きい. 今後脳血管外科として進めていかなければならないことは, 1. 頸動脈狭窄症や頭蓋内外主幹動脈狭窄・閉塞症, 未破裂脳動脈瘤に対して, エビデンスに基づいた外科治療を実践し, かつ高水準を維持すること, 2. 脳血管内治療などの新しい手技, 方法による治療の安全性, 妥当性を確立し, その普及に努めること, 3. 脳卒中内科医, 脳血管内治療医との協力のもと, 全国各地で設備およびマンパワーの充実した脳卒中センターを稼動させ(脳卒中診療の拠点化), 一般市民への啓蒙, 救急体制の整備を含めた上での脳卒中診療をより積極的かつ効率的に行うこと, の3つであると考えられる. 本稿では上記3項目につき, 概説する.
  • 荻野 均
    2008 年62 巻3 号 p. 151-153
    発行日: 2008/03/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    高齢化社会を迎え, 患者数は今後ますます増加の一途をたどる. 外科治療においては成績の向上と低侵襲化が求められ, ステントグラフト内挿術や経カテーテル的な血管内治療がますます発展するであろう. 末梢血管疾患に対する血管新生療法の今後が期待される.
  • ―小児科―
    越後 茂之
    2008 年62 巻3 号 p. 154-156
    発行日: 2008/03/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    先天性心疾患を中心とする小児循環器疾患の克服に向けて, 取り組むべき事項を検討した. 基礎・臨床研究とその成果を患者に還元することについては, “先天性心疾患の遺伝子情報の集積”を課題として取りあげた. ここでは, 緻密で詳細な臨床情報をデータベース化し, 解析した遺伝子情報との結合による心臓構造異常と遺伝子変異との関連についての研究を実施して, 単なる先天性心疾患の遺伝子解析でなく, 遺伝カウンセリングなど臨床にも役立つことを目指した分析を進める. また, 新しい治療法の開発と臨床への応用では, カテーテルインターベンションの治療デバイスとして, 体が成長する小児にも対応できる大血管に使用するステントの開発と, 先天性心疾患のなかで最も患者数が多い心室中隔欠損閉鎖システムについて優先的に開発を行う. さらに, 臨床的に効果が認められれば, 再生医療による心不全の治療法である間葉系細胞シートによる治療の導入を検討する. 施策的システム構築として, “小児循環器疾患救命システム”の確立を推進する. これは, インターネット経由のリアルタイム心エコー動画像を使用した遠隔診断に基盤を置いた診療モデルである. 先天性心疾患患者の成長にともなって発生する問題に対しては, 複数科にて統合的診療ならびにケアを行うシステムの確立を目指す.
  • ―外科―
    八木原 俊克
    2008 年62 巻3 号 p. 157-160
    発行日: 2008/03/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    外科治療が必要な小児循環器疾患の多くは先天性心疾患で, 術後患者を含めた患者数は全国で50万人程度と考えられ, 修復手術成績の進歩にともないさらに増加することが予測できる.
    今後の研究開発課題として, 人工物や自己組織などの補填材料を用いた再建手技が複雑疾患の修復手術で広く応用されているので, 新たな異種組織の開発・導入, 同種組織確保のための組織バンクの拡大, さらには成長する可能性がある優れた補填材料や組織を組織工学的手法で作る技術の開発・導入などの新たな生体材料の開発研究が必要である.
    さらに, 早期手術が良好な遠隔予後の確保に必要であることから手術時期の低年齢化が進んでおり, 小児用, 新生児用, 未熟児用の低充填量回路の人工心肺装置や限外濾過法の改良をさらに進めて手術侵襲の軽減を図る機器開発と, 重症循環不全に対する小児用補助循環装置の開発・導入が今後の大きな課題となっている.
    また, 先天性心疾患診療には独特の専門性を有する医療従事者と施設が必要で, 患者を早期に発見し, しかるべき施設で正確な診断と手術を含めた適切な治療を行い, かつ生涯にわたって経過観察を行い, 必要に応じて適切な治療を追加できる診療体系の構築が必要である. 重症先天性心疾患に対するフォンタン型手術の治療成績も著明に改善したが, 循環形態が特殊であるため, 今後も長期的フォローアップが不可欠で, 患者登録制度などの全国的な系統的長期経過観察システムの構築が必要と考えられる. また, 全体に術後患者のQOLは向上し, 多くの患者で通常児と比べても遜色のない身体条件が期待できる見通しがあり, これらの術後患者が社会に貢献できる自立性を獲得できる社会基盤の構築も必要である.
  • 友池 仁暢
    2008 年62 巻3 号 p. 161-169
    発行日: 2008/03/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    着実に進行する高齢化と生活習慣病の蔓延を前にして, 「循環器病克服への10年戦略」を策定した. いまや循環器系疾患が個人の問題であると同時に医療のあり方を左右する大きな要因となっている. 循環器疾患はすべての年齢階級にわたっており, 世代ごとに異なる疾病構造を呈している. 診療は高度の専門医療から総合的診療に至るまで, ダイナミックレンジの広い知識と技術を必要とする. 患者数からみると65歳以上が他疾患に比べて多く, 75%近くの医療資源がそこに注がれている. また循環器専門医以外の医師の関与の高い分野である. したがようていって, 高度医療と慢性疾患管理の両面について基盤整備が必要となる. 要諦は人材育成と医療の質に軸足を置いた整備であり, ナショナルセンターの役割が期待される.
  • 山下 大介
    2008 年62 巻3 号 p. 170-173
    発行日: 2008/03/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 杉本 八郎
    2008 年62 巻3 号 p. 174-175
    発行日: 2008/03/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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