医療
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54 巻, 10 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 池田 恭治
    2000 年 54 巻 10 号 p. 439-443
    発行日: 2000/10/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    近年, 酵母・線虫・ハエ・マウスなどさまざまなモデル生物を用いて, 遺伝子レベルでの老化の研究が急速な勢いで進んでいる. また, ヒトの早老症の原因遺伝子も同定されている。本稿では, 主として遺伝学をべースに明らかになってきた, 長寿に関わる遺伝子に関する最近の話題を提供したい。
  • 三好 和也, 淵本 定儀, 大崎 俊英, 坂田 龍彦, 井上 文之, 河野 良寛
    2000 年 54 巻 10 号 p. 444-448
    発行日: 2000/10/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    視触診, マンモグラフィ, 超音波検査により乳房温存療法の適応ありと診断した乳癌症例について乳腺3D-MRIを施行し, 乳房温存療法の適応について再検討を行った. 135例について乳腺3D-MRIを施行したところ, 3D-MRIの所見から29例を温存療法の適応外と診断し, 乳房切除術を行った. 術式を変更した29例のうち, 9例は広範な乳管内進展, 11例は多発病変, 4例は広範な間質浸潤を認め, 3D-MRIの評価が妥当であった. ところが, 3D-MRIで癌の拡がりと考えていたものの, 病理所見では良性病変であった. もしくは, 該当する位置に病変を認めなかったfalse positive例が5例あった. 66例に乳房温存療法を行い, 40例は患者本人が温存療法を希望せず乳房切除術を行った. 乳腺3D-MRIの導入により温存率の向上はわずかであったが, 温存症例の断端陽性率は, 有意ではないものの改善傾向を認め, 適正な切除範囲の決定に有用であった.
  • 西野 力男
    2000 年 54 巻 10 号 p. 449-452
    発行日: 2000/10/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    在胎37週以上のHFD, AFD, SFDの出生率は, それぞれ12%, 86%, 2%であったが, 母親の身長と胎内発育や胎盤重量とは相関関係を認めなかった. しかし胎盤は胎内発育が大きいほど胎盤の重量も大きかった(P<0.0001). 一方低身長群より出生したSFB6例の生後の発育は, 出生時の-2SD以下から, 2歳までに全例-1SD以内にcatch upしていた. これらのことから, 胎内発育は胎児側の要因によるよりも胎盤の容量に依存して増えるものと推測された.
  • 橋爪 俊和, 林 泰, 阪井 康仁, 森脇 要
    2000 年 54 巻 10 号 p. 453-456
    発行日: 2000/10/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例は67歳女性で心不全のため当院に入院. 未治療の高血圧と中等度の糖尿病を認めたが, 心肥大は著明ではなく, 冠動脈造影でも有意狭窄はなかった. 201Tl心筋シンチは均一な取り込みで欠損はなかったが, BMIPP心筋シンチでは心筋の無集積を認めた. また長鎖脂肪酸輸送蛋白として注目されているCD 36が血小板および単球で欠損しており(発現率: 血小板0.3%, 単球7%), I型CD36欠損症と診断した. 心不全は利尿薬と血管拡張薬にて改善したが, 心エコー図での心収縮率は23%前後で変化しなかった. また慢性期の左室造影による駆出分画は28%であった. 本症例では心筋エネルギー産生の異常とCD 36欠損が心不全に関与する可能性が考えられ報告した.
  • 松岡 孝紀, 遠藤 清次, 大藤 高志, 坂元 吾偉, 土屋 敦雄, 竹之下 誠一
    2000 年 54 巻 10 号 p. 457-461
    発行日: 2000/10/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例は59歳女性. 既往歴として56歳時右乳腺良性葉状腫瘍にて腫瘤摘除術を, 58歳時右乳腺腫瘍にて腫瘤摘除術を施行された. 平成11年5月ころから右乳房腫瘤に気付き, 7月ころから増大傾向を認めたため9月に当科を受診した. 右CA領域に7.0×7.2cm, 弾性硬で表面平滑の腫瘍を認め, 術前検査にて葉状腫瘍と診断し腫瘍摘除術を施行した. 病理組織学は悪性葉状腫瘍であった. DNA ploidy解析はdiploid patternであった. 術後3カ月現在再発はみられていない.
    葉状腫瘍は一般的には病理組織学的悪性度が低い腫瘍とされているが, 悪性のみならず良性例でも局所再発が高率に認められること, 局所再発するたびに病理組織学的悪性度が増すなどの特徴がある, しかし予後の悪い遠隔再発は, 局所に再発して悪性化を来したものにはなく, 葉状腫瘍の既往のないいわゆるde novo発生の悪性例と考えられている. したがって当症例のような悪性再発がかならずしも予後不良を意味するものではないと思われた.
  • 西海 正彦, 島 伸吾, 倉持 茂
    2000 年 54 巻 10 号 p. 462-467
    発行日: 2000/10/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    胸焼け, 食後の嘔吐, 体重減少を示し, 食道アカラシアが疑われた抗セントロメア抗体陽性の66歳女性例を経験した. 患者は外科手術(Jekler-Lhotka法)を受け, 症状は寛解した. その際得られた食道壁の組織標本ではAuerbach神経叢の減少または消失がなく食道アカラシアの所見を認めず, 平滑筋層の萎縮消失と膠原線維の増殖による置換がみとめられ, むしろ強皮症(全身性硬化症)に合致する食道所見を示した. 自己抗体の検索では, 抗セントロメア抗体が陽性であった. この抗体はCREST症候群に疾患特異性が高いことから, 本例はそれら(calcinosis, Raynaud, sphenomenon, esophageal dysmotlity, scle-rodactyly, telangiectasia)の症状のうちの食道蠕動障害のみが出現し, 他の4所見が欠落する(または病期が初期のため, まだ揃っていない)まれな症例と考えられた, 今後は他の症状の出現の有無にっき注意深い経過観察が必要と考える.
  • 名取 道也, ソムァッッゥォンコム トォン, 秋山 昌範, 中島 功, 宮坂 勝之, 堀越 洋一, 開原 成允
    2000 年 54 巻 10 号 p. 468-472
    発行日: 2000/10/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    衛星通信システムが遠隔医療・教育に応用可能であれば, 国際医療協力の分野において有用なッールとなると考えられる. 我々は国際医療協力における衛星通信利用の妥当性を検討するため, タイ国マヒドン大学附属アセアン健康開発研究所と国立大蔵病院との間で, 医療情報交換の実験を行った. タイの東北部に多発する疾患である肝吸虫症に罹患し肝硬変, 肝癌へと進行した患者の症例提示が行われ, 同研究所にて施行した超音波断層検査のリアルタイム画像を含め国立大蔵病院へ情報を伝送し質疑応答を行った. 日本国内で使用せざるを得なかったISDNの伝送能力によりフレームレート上の問題はあったが, 超音波画像の転送を含め満足できる情報交換を行うことが可能であった.
  • 中村 哲也
    2000 年 54 巻 10 号 p. 473-476
    発行日: 2000/10/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 市来嵜 潔
    2000 年 54 巻 10 号 p. 477-480
    発行日: 2000/10/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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