医療
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51 巻, 2 号
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  • 山田 英雄
    1997 年 51 巻 2 号 p. 57-61
    発行日: 1997/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    高齢者医療の体系化へ向けて日本が今直面し, 解決を迫られている諸問題について, 一医療人としての私見を述べた.
    日本は今, 高齢者医療保健福祉のシステム作りの重要な段階にあり, 関係者の異なる立場の意見を調整し, 実行して行かなくてはならないが, とくに医療の側からの積極的ならびに建設的な主張や提言が望まれる. 高齢者医療の体系化には高齢者医療自体の体系化と高齢者医療・保健・福祉の統合に向けての高齢者医療の体系化の二つの側面からのアプローチがあり, これらをめぐる諸問題を現段階で整理し, 高齢者医療の体系的発展を促す方法と戦略について述べた.
  • 曽根 美智子, 太田 明, 岩井 艶子, 古川 正強, 濱田 嘉徳, 江川 善康, 森本 雄次, 松村 長生
    1997 年 51 巻 2 号 p. 62-65
    発行日: 1997/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    CATCH 22は染色体22q11. 2領域の遺伝子欠失による隣接遺伝子症候群であり, DiGeorge症候群, 円錐動脈幹異常顔貌症候群などに共通する欠失を認める. FISH法(fluorescence in situ hybridiza-tion)を用いた分子生物学的解析により, 高精度分染法では異常を検出できなかった14例の患児と患児の親1例で22q11欠失を検出した. 患児は全例に複数の心奇形と胸腺の欠損を認めた. CATCH 22における22q11欠失の検出には, 高精度分染法にかわってFISH法が有用である.
  • 石原 傳幸, 川村 潤, 田村 拓久, 西村 徹, 川城 丈夫, 福田 純也
    1997 年 51 巻 2 号 p. 66-69
    発行日: 1997/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1.10例のDuchenne型筋ジストロフィーを含む, 総計21例の患者の151剖検筋を, 組織学および組織化学に検討した.
    2.3例のDuchenne型筋ジストロフィーの剖検筋でnemaline rods形成を認めた. この3例はいずれも慢性呼吸不全で体外式陰圧人工呼吸器治療を施行していた患者であった. 一方, 体外式陰圧人工呼吸器治療を行わずに呼吸不全で死亡した3例ではrodsは認められなかった.
    3. 体外式陰圧人工呼吸器治療とnemaline rods形成に何らかの関係が存在することが示唆された. そのメカニズムとしては呼吸器による強制換気により発生した腱切断類似の病態が関連しているためではないかと考察した.
  • 井上 修志, 植村 信隆, 鈴木 雅晴, 越智 由恵, 細川 忍, 細井 憲三, 松田 仁伸, 岸清 一郎, 清久 泰司
    1997 年 51 巻 2 号 p. 70-72
    発行日: 1997/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    患者は, 70歳男性で人間ドックにて十二指腸球部の病変を指摘された. 内視鏡検査で表面平滑やや白色調の隆起性病変が認められ生検で悪性リンパ腫と診断, 手術が施行された. しかし, 切除標本の病理組織では術前にみられた隆起性病変は明らかでなく, 術前に何回か施行された内視鏡による生検により病変が消失したと考えられる十二指腸の悪性リンパ腫を経験したので報告する.
  • ―アムホテリシンB局所療法とステロイド併用により著効した症例―
    小川 賢二, 安藤 隆之
    1997 年 51 巻 2 号 p. 73-76
    発行日: 1997/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    49歳男性, 肺結核症に伴う大喀血にて右上葉切除の既往を有していた. 術後1年経過した後, 激しい咳漱が出現, 胸部レントゲンにて右上肺野術後死腔内にfungus ball様陰影, また同下肺野に巨大な空洞性病変を認め入院となった. 喀湊培養でAspergillus fumigatusを検出, また血清アスペルギルス沈降抗体陽性, さらにアスペルギルス特異的IgE抗体も高値を示したため, 肺アスペルギルス症と診断した. 本症例の原発巣は, 肺切除後の死腔内に形成されたfungus ballと考え, 経皮的にカテーテルを挿入し, アムホテリシンBの局所注入および同剤の吸入療法を行った. またアレルギー反応を緩和する目的でプレドニンの内服も併用した. その結果, 原発巣の縮少, 空洞の著明な改善, ならびに特異的IgE抗体の著明な低下を認めた. アムホテリシンBの局所療法の有効性および, 本症のアレルギー的側面について若干の考察を加え報告した.
  • 岡本 司, 佐藤 仁吾
    1997 年 51 巻 2 号 p. 77-80
    発行日: 1997/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    肺のlymphomatoid granulomatosis(LG)は最近lymphoproliferative disorderとして注目されてきているが, その約1/3に皮膚病変を併発するといわれている. 私達は肺のLGの経過中に下肢の皮膚病変を来した症例を経験したのでその病理組織像について報告する. 41歳の男性が肺炎様症状を来して治療中に1年3カ月して両下肢の皮下結節を4個認めその1個が生検された. 組織像は皮下脂肪織内の肉芽腫で, リンパ球, 形質球, 組織球の浸潤と繊維化よりなり壊死やラ氏型巨細胞の出現もみられた. また, 血管周囲性の細胞浸潤を認めた. 特有な病原体や単クローン性はみられなかった. 2年3カ月後の肺切除時の組織像は皮膚のそれと略同じであり血管炎もみられた. 単クローン性やEBウイルス抗原は陰性であった. 以上より, 皮膚病変は肺のLGの皮膚侵襲と考えられた.
  • 北尾 武
    1997 年 51 巻 2 号 p. 81-83
    発行日: 1997/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    声帯開大障害を呈したパーキンソン病の2例を報告した. 文献的にはパーキンソン病での声帯開大障害は大脳皮質および基底核から疑核までの神経回路での異常だと考えられる.
  • 村山 和夫, 勝見 哲郎, 加藤 浩章, 渡辺 騏七郎, 沼田 直吉
    1997 年 51 巻 2 号 p. 84-86
    発行日: 1997/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例は60歳, 男性. 血尿を主訴とし, 膀胱鏡検査では膀胱頂部に単発, 非乳頭状, 広基性の腫瘍を認めた. MRI検査ではその腫瘍は大きさ3.0cmで, 膀胱外への進展は明らかでなかった. 臨床検査成績では血清CEAは異常高値(74.3ng/ml)を示した. 尿膜管癌の診断で, 膀胱部分切除術および術後化学療法を行った. 病理組織学的診断は粘液産生腺癌で, 免疫組織化学的には腫瘍細胞はCEA陽性であった. 術後6週血清CEAは正常化した. 術後17カ月現在, 再発, 転移は認めない. 関連文献について検討し, 血清CEAは尿膜管癌の腫瘍マーカーとして有用であると考えられた.
  • 濱口 欣一, 鈴木 理志, 柏原 英彦
    1997 年 51 巻 2 号 p. 87-89
    発行日: 1997/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    国立佐倉病院では, 年間約200例の腎生検が行われている. 今回過去の約2400例の生検例ならびに今後増え続ける症例を有効に利用すべく, 院内LANを利用した病理画像ファイリングシステムを開発した. この開発の目的は, 病歴, 臨床データと病理検査報告ならびに病理画像の同一データベース化をはかることにより, 医師のデータ利用の効率化をはかり, 患者への説明, 看護婦教育にある. 平成7年から運用を開始し, 約300人分のデータベースを構築し, とくに大きな支障はなく, 各部署で有効に利用している. データベースエンジンはASI社, 4th Dimensionを使用し, 画像取り込みはニコンハイビジョンシステム装置を使用した. このシステムは, 毎週の腎生検カンファレンスにも利用しており, 付加価値は高い.
  • 2.肺気腫はなぜ息苦しいのか?
    坪井 知正
    1997 年 51 巻 2 号 p. 90-93
    発行日: 1997/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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