糖尿病治療の目標は, 良好なコントロールを維持することにより, 糖尿病性合併症の発生あるいは進展を防止し, 患者に可能な限り健康者に近い社会生活を送らせることにある. それには患者の教育と, きめ細い管理体制をつくる必要があり, 長期にわたるfollow upに関して, Flow Sheetの作成や, 年間の検査計画など, 我々の経験をもとに考察を試みた.
コントロールの指標としては, 検査値のみに頼らず, 定期受診による問診や合併症に対する検索など, 広く患者の全体像を把握するようつとめねばならない. 一方検査値としては, 様々な影響を受けて速やかに変化する血糖と, 過去数週間の平均的な代謝状態を反映するHbA
1の測定は, 糖尿病の短期および長期のコントロール指標として有用であり, とりわけ血糖の動揺が著しい患者では, その臨床的意義は大きいと考えている
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