医療
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36 巻, 9 号
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  • 長谷 克
    1982 年 36 巻 9 号 p. 857-862
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者156名に電気味覚検査を施行し, 24%に異常を認めた. これらは膝蓋腱反射が正常のものよりも, 低下ないし消失をしている者に有意に高率にみられる. 前昏睡状態の症例で, 意識回復後の検査で味覚異常の高度であつたものが, 代謝の正常化と共に回復した. また味覚異常の本態を知るために, 舌乳頭の撮影を行い, 乳頭の扁平化が味覚異常と関係がみられ, 糖尿病性神経症と考えられる
  • 大塚 健作
    1982 年 36 巻 9 号 p. 863-869
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    糖尿病治療の目標は, 良好なコントロールを維持することにより, 糖尿病性合併症の発生あるいは進展を防止し, 患者に可能な限り健康者に近い社会生活を送らせることにある. それには患者の教育と, きめ細い管理体制をつくる必要があり, 長期にわたるfollow upに関して, Flow Sheetの作成や, 年間の検査計画など, 我々の経験をもとに考察を試みた.
    コントロールの指標としては, 検査値のみに頼らず, 定期受診による問診や合併症に対する検索など, 広く患者の全体像を把握するようつとめねばならない. 一方検査値としては, 様々な影響を受けて速やかに変化する血糖と, 過去数週間の平均的な代謝状態を反映するHbA1の測定は, 糖尿病の短期および長期のコントロール指標として有用であり, とりわけ血糖の動揺が著しい患者では, その臨床的意義は大きいと考えている
  • 赤澤 好温, 小出 操子, 大石 まり子, 東 淑江, 田代 真一
    1982 年 36 巻 9 号 p. 870-875
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    糖尿病治療の基礎となる食事療法の効果を増強するものとして, 世界的に食物線維と腸管内糖質消化酵素抑制剤が注目されてきた. 最近西独において開発されたα-glucosidases-in-hibitor(Acarbose)を食事療法単独, 経口血糖降下剤投与, インシユリン治療中の糖尿病患者に投与し高血糖, 高脂血の改善, インシユリンや経口血糖降下剤の減量を認めた.
    更に精製食物線維としてGuar Gum(Galactomannan), Glucomannan(コンニヤクより精製)の糖尿病コントロール改善効果を比較し, 血糖コントロールの改善, 血清コレステロールの低下, 一部にHDLコレステロールの上昇を認め, 糖尿病患者には, 従来の食事療法と共に精製線維の併用, Acarboseの応用により, 血管障害の予防も期待出来るといえる. いずれも副作用は軽度の消化器症状のみであつた
  • 丸山 厚太郎
    1982 年 36 巻 9 号 p. 876-882
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    一次性糖尿病と二次性糖尿病との区別は現在必ずしも明確ではない. 二次性糖尿病も放置すると網膜症をはじめ合併症を来すので原疾患の早期発見と治療が必要である. そのため臨床的にわずかな徴候を見逃さないことが大切で主治医は看護婦とよく連絡を保ち検査技師, 栄養士及び薬剤師などの十分な協力を得て診療にあたる必要がある
  • 新実 光朗
    1982 年 36 巻 9 号 p. 883-887
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    インスリン自己注射を行つている糖尿病患者における自己管理状態の評価, 高純度インスリン製剤及び持続皮下注射法による治療効果, インスリン治療糖尿病患者の管理におけるグリコヘモグロビン(HbA1l)検査の意義とインスリン注射法の改善について検討した.
    既入院指導を受けている患者でも長年の間の慣れによる悪習慣のため注射手技の誤り, 注射部位選択の不適当さ, 低血糖に対する対応の不足がある程度の患者にみられ, 生活習慣を含め一定期間ごとに再教育することで, インスリンの効果をより増加されることが出来るものと考えられた. 皮下脂肪萎縮のあるもの, インスリン抵抗性のあるもので高純度インスリンの使用が有効な場合があつた. インスリン持続皮下注射法は不安定型糖尿病患者に対して有用であつたが, 現在の装置では携帯に不便であり, 現状ではインスリンの分割注射法がより安定なコントロールを作り得るものと思われた. HbA1はインスリン治療糖尿病患者では空腹時血糖値に比し, 変動が少なく, 糖代謝状態の長期管理には有用なものと考えられた
  • 横井 敏夫, 音竹 満, 伊藤 喜美, 高田 道子, 梅原 節子, 平塚 真由美
    1982 年 36 巻 9 号 p. 888-892
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    肥満糖尿病患者の管理の目的は患者の体重を理想体重まで減少させることである. 体重が減少することで糖尿病は良好なコントロールが得られ, 合併症の予防にもなるからである. 体重減少のために著者らが実施した調査, 経験より重要であることを食事療法を中心として記載する.
    1. 肥満型糖尿病患老の治療には長年月が必要であり, とくに10年以上治療した例に標準体重化する比率が高くなる.
    2. 体重減少には減食療法が必要であるが, 長年月治療するためには, 日常生活を快適に過ごせる熱量が必要である.
    3. 食事療法を正確に実施するために最も重要なことは空腹感を克服することであるが, 約80%の例が1ヵ月以内に空腹感に適応できるから, 患者には十分にこのことを説明して, 空腹の苦しみに耐えさせることが必要である.
    4. 定期的通院が体重減少のために重要である
  • 中倉 滋夫, 大池 保子
    1982 年 36 巻 9 号 p. 893-896
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    成人病の予防と管理の立場から, 理想体重を予防的理想体重と治療的理想体重とに分け, 男女別にそれぞれの体脂肪率の設定を行つた上, 皮脂厚値と現在の体重から, それぞれの理想体重値を目測決定できる関係グラフを作製した.
    身長の値を参照した標準体重に比べて個別性を有すると共に, 加令により変動するはずの理想体重の値を簡便に求めうる表である.
    低カロリー, 高蛋白の肥満治療食のみでは不十分な体重減少の場合, 極めて少ない運動量でも反復継続を併用する場合は, 運動生理学上は考えられない十分な減量効果をみた, 神経体液因子の関与が考えられる.
    入院期間中, 十分な体重減少の後, 数年後も減量したままの体重が特別な体重維持の配慮もなくて維持されている症例がある. 体重の調節機構のResettingと考え, 肥満治療の目標にしたい. その成立の機序, 条件について更に検討したいと考える
  • ―その管理とフオローアツプ―
    小出 操子
    1982 年 36 巻 9 号 p. 897-900
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    627人の糖尿病外来患者の血管障害について検討した. 蛋白尿陽性者, 糖尿病性網膜症を合併する患者は罹病期間とともに増加し, 新たに発症する例も蛋白尿では11年以上, 網膜症では6年以上の病歴のもので急増するが, マクロアンギオパシーは罹病期間にかかわりなく一定の発症が見られた.
    血糖値は網膜症, 蛋白尿を有するものではそうでないものに比し高いが, マクロアンギオパシーの有無では差がなかつた. 遺伝歴も血糖値や罹病期間を対応させて検討すると合併症の有無による差はなかつた.
    高血圧者は網膜症, 蛋白尿陽性者に多く見られた. 血糖とは別に危険因子として作用していると考えられた.
    コレステロール, 中性脂肪の高値はそれ単独では合併症の頻度に有意の差はなかつたが, 合併症を有する群では高血糖と同時にこれら脂質の高値が見られた
  • 佐藤 昭雄, 西海 正彦, 村山 直弘, 鈴木 民子, 猪 芳亮
    1982 年 36 巻 9 号 p. 901-904
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能亢進症24例, 原発性甲状腺機能低下症18例, 計42例を対象としてArginine負荷によるGH反応を測定し, GHと甲状腺ホルモンとの相関々係を調べ, さらに治療前後についても検討した. 原発性甲状腺機能低下症については100gブドウ糖とTRH 500μgに対するGH反応も検討し以下の成績をえた.
    1. 甲状腺機能亢進症
    basal GH値は正常値を示すものが多く, Arginine負荷に対して低反応を示すものが多かつた. 治療後にはGH反応の増大がみられた.
    2. 原発性甲状腺機能低下症
    basal GH値は正常値を示すものが多く, Arginine負荷に対して全例低反応を示した. 100gブドウ糖, TRHに対しては有意の変動はみられなかつた. 治療後にはGH反応の増大がみられた.
    3. 甲状腺機能亢進症におけるΔGHとRT3U, T4との間には相関々係はみられなかつた
  • 野間 興二, 佐々木 英夫, 荒谷 義彦, 大村 一郎
    1982 年 36 巻 9 号 p. 905-908
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    偽性副甲状腺機能低下症は, 内因性の副甲状腺ホルモン(PTH)が増加しているにもかかわらず, 低カルシウム, 高リン血症を示し, 外因性PTH投与に対しPTH作用が正常に発現しないことより, 標的組織のPTH不応性が原因と考えられているホルモン受容体異常症の一つである. 典型例では低カルシウム, 高リン血症を示すが, 最近血清カルシウムやリンの正常な例が報告されてきた. 著者らも血清カルシウムが軽度低下し, 血清無機リンが正常なAlbright's osteodystrophyを有し, 原発性甲状腺機能低下症を合併した23才の女性例を経験したので報告した
  • 上野 正和, 五十嵐 正彦
    1982 年 36 巻 9 号 p. 909-913
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    血清Na値異常の原因解明は難しい. それはNaが体液恒常性保持の中心的性格を持つているからである. ところが今回107mEq/lを呈したSIADH例, 205mEq/lを示した尿崩症例と109~176mEq/lと変動した原発性副腎機能低下症でADH分泌亢進を伴つた例, 計3例のADHが原因とみられる血清Na値異常例を経験した
  • 井手 武朗, 今福 健雄, 近藤 忠亮
    1982 年 36 巻 9 号 p. 915-918
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    糖尿病14例, 耐糖能異常のある肝疾患12例(慢性肝炎3例, 肝硬変症8例, 肝癌合併肝硬変症1例), 耐糖能異常のない肝疾患15例(慢性肝炎11例, 肝硬変症3例, 肝癌合併肝硬変症1例)の計41例についてヘモグロビンA1(HbA1)濃度(占有率)を求めた. HbA1占有率と50g糖負荷試験並びに肝機能検査成績との関連を検討した.
    HbA1占有率は糖尿病群>耐糖能異常のある肝疾患群>耐糖能異常のない肝疾患群であつた. またHbA1占有率は糖尿病群と耐糖能異常のある肝疾患群, 糖尿病と耐糖能異常のない肝疾患群の間には有意の差がみられた.
    HbA1占有率と肝機能検査成績との間には相関々係はみられなかつた. 肝疾患の糖代謝異常を知る上でHbA1測定は有意義と考えられた
  • 野守 裕明, 三田 盛一, 宮北 誠, 島津 元秀, 宮尾 秀樹
    1982 年 36 巻 9 号 p. 919-922
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    褐色細胞腫摘出術においては, 種々の循環器合併症が出現する. 特に腫瘍操作中の高血圧と腫瘍摘出後の低血圧にはしばしば遭遇するが, それぞれの循環動態に基づいた適切な処置が必要である.
    今回, 我々は両側褐色細胞腫摘出術における循環管理に, Swan-Ganz catheterを使用し, その有用性を認めた. また術前処置に塩酸プラゾシンを, 術中高血圧に対してSodium-Nitroprussideを, 腫瘍摘出後の心臓の収縮力低下に対してドパミンを使用したので, 若干の文献的考察を加え報告する
  • III. 上肢装具2)手部, 指装具
    本田 哲三, 椿原 彰夫, 大谷 清
    1982 年 36 巻 9 号 p. 923-925
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 36 巻 9 号 p. 926
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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