1)1980年以降の5年間に国立東京第二病院で経験した64例の前立腺癌症例は, 未治療:58, 再燃:6, また, 非進行癌:36, 進行癌:28であった.
2)治療は, 前立腺全摘出術, 除睾術, ホルモン療法, 癌化学療法, 放射線療法など「東2-1」治療原則に従つて集学的に施行した.
3)治療開始12週後に, 治療内容別に, 近接効果を検討した.
4)遠隔治療成績は, 最長5年の実測生存率を算出して, その1年, 3年, 5年について, 未治療群vs再燃群, Stage別, 細胞のGrade別に比較検討した.
5) 期間内の死亡は15例で死因などについて, 若干検討した.
6) 1986年以降の症例は「東2一II」の治療法と, γ-seminoproteinを新たな腫瘍マーカーとして, 新治療年度の歩みを始めた.
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