医療
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56 巻, 2 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 二瓶 健次, 伊藤 真美
    2002 年 56 巻 2 号 p. 73-79
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は麻疹ウイルスによる遅発性ウイルス感染症の代表的な疾患である. 麻疹感染から数年の潜伏期間を経て発症し, とくに2歳未満の麻疹の感染にともなうことが多い. ウイルスは中枢神経に伝播し他の臓器には広がらない. 中枢神経を進行性に侵襲し, 予後不良の疾患である. SSPEの発症率は100万に一人といわれているが, ワクチンによる発症はきわめてまれとされている. 発症の機序はいまだ不明である. 明らかな免疫学的な異常はないが, 麻疹ウイルスに対する反応には異常が見られる. 神経細胞内の麻疹ウイルス膜抗原のM蛋白が欠損しているといわれている.
    診断は臨床所見, 血清, 髄液の麻疹抗体価の上昇, 髄液のIg-Gの上昇, 脳波所見からなされる. 確実な治療法はないが, イノシンプラノベクス, インターフェロンの髄注, 脳室内投与が効果があると考えられている. 麻疹ワクチンの普及によりSSPEは減少しているが, わが国では現在でも年間数例が発症している. 本症の発症の予防にはワクチンの普及が重要である.
  • 三好 和雄
    2002 年 56 巻 2 号 p. 80-82
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    筋ジストロフィー病棟入院患者の緑膿菌の検出について調べた. 1985年は2例のみであったが, 2000年は入院患者100例中25例(25%)から検出され, このうち呼吸器系からの検出が22例とほとんどを占めた. 詳しくは, 気管切開による間欠性陽圧式人工呼吸(TIPPV)患者では23例中17例(74%)で検出された. この17例中10例は経鼻胃管も使用されていた. また, 鼻マスクによる間欠性陽圧式人工呼吸(NIPPV)患者では21例中1例, 呼吸器を使用していない患者では56例中4例より検出され, この5例のうち4例は経鼻胃管が使用されていた. 細菌検査の未検査例が多く統計処理は困難であるが, 気管切開や経鼻胃管の留置にともない, 呼吸器系への緑膿菌の定着が増加していると思われた. また, NIPPV患者では緑膿菌定着が少なかったことは着目される.
  • 白木 照夫, 秋山 陽子, 喜多 雅英, 室山 良介, 石川 信, 尾上 豪, 川野 誠司, 大西 伸彦, 梶山 晃雄, 岡 岳文, 斎藤 ...
    2002 年 56 巻 2 号 p. 83-88
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    自覚症状から狭心症が疑われた連続27名に対し, 同時期に胸部単純コンピューター断層撮影(以下CT)および冠動脈造影(以下CAG)を行った. CTで認められた冠動脈の石灰化は, 視覚的に判読可能な主要分枝(左主幹部, 左前下行枝, 左回旋枝, 右冠動脈のそれぞれの近位部)について視覚的に判定した. 冠動脈狭窄は定量的解析により実測径50%以上(AHA分類で75%以上)を有意狭窄とし, CT上の石灰化とCAG上の有意狭窄について(1)枝別一致率および(2)枝を無視した患者別一致率を検討した. 枝別では特異度(80%)および陰性的中率(94%)が高く(p<0.05), 患者別での比較では有意差がなかった. 石灰化枝数と有意狭窄の頻度を比較すると, 有意ではないが石灰化枝数が増加する程, 有意狭窄の頻度は増加する傾向にあった. CT上の石灰化がなければ有意狭窄がある可能性は低く, 石灰化は病変が多いほど, 有意狭窄を有する可能性が高いと考えられた.
  • 毛利 昌史
    2002 年 56 巻 2 号 p. 89
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    国民は国立病院に何を期待しているか?これは国立病院の存在理由に係る重大な問題であるが, これまで正面から取り上げられたことはなかった. しかし, 平成16年の独立行政法人化を控え, またバブル崩壊後のわが国の厳しい財政事情を考えた場合, この問題提起に対しては, 正面から取り組む必要があり, 避けて通ることはできない.
    本シンポジウムでは, 医療を受ける側を代表して“ささえあい医療人権センターコムル”辻本好子氏, 民間病院を代表して医療法人財団河北総合病院理事長河北博文氏, をシンポジストに迎え, 厚生省と国立病院・療養所からは, 政策医療課長小田清一氏, 国立大阪病院長井上通敏氏, 国立療養所宮城病院長岩崎祐三氏および国立仙台病院長山内英生氏, にそれぞれの立場から意見を述べていただくこととした.
    残念ながら, 立場上の制約もあって, この問いかけに正面から答えて下さったのは辻本さんのみで, あとはそれぞれの立場から, これまで行ってきたことの説明, および今後の提案と提言が中心となったが, 本シンポジウムでの問題提起は, 国立病院存在意義にかかわるものであり, 今後のきっかけを作る意味でも有意義であったと考える. この問題については, 今後, さらなる建設的意見と活発な議論を期待したい.
  • 小田 清一
    2002 年 56 巻 2 号 p. 90
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 井上 通敏
    2002 年 56 巻 2 号 p. 91-93
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 河北 博文
    2002 年 56 巻 2 号 p. 94-95
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 辻本 好子
    2002 年 56 巻 2 号 p. 96-97
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 岩崎 祐三
    2002 年 56 巻 2 号 p. 98-101
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 山内 英生
    2002 年 56 巻 2 号 p. 102-104
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • ―臨床産科情報ネットワークによる全国共通データベースの構築―
    明城 光三, 早坂 篤, 中村 幸夫, 北岡 有喜, 後藤 溶二, 丹後 正紘, 内藤 博之, 夫 律子, 難波 克年, 原 賢治, 中江 ...
    2002 年 56 巻 2 号 p. 105-108
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    平成10年度に引き続き早産に関する多施設での検討を行った. 臨床産科情報ネットワーク参加18施設の単胎総分娩数7,745例のうち37週未満の早産率は7.5%, 35週未満の自院分娩の早産率は3.3%であった. 12施設で母体搬送を受け入れており早産数254例のうち66.1%は母体搬送受け入れによる早産であった. 35週未満の早産の原因は陣痛発来, 前期破水, 妊娠中毒症が多かったが, 初産では経産と比較して妊娠中毒症の割合が大きく, 経産では陣痛発来と前期破水で原因の約4分の3を占めた. 全体としても35週未満早産の約3分の2が陣痛発来と前期破水による自然早産であった.
  • 西海 正彦, 尾仲 章男, 門松 賢, 秋谷久美子 秋谷久美子, 倉持 茂
    2002 年 56 巻 2 号 p. 109-113
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    症例は51歳男性. 2001年1月下旬より労作時の息切れと関節痛を認めた. 他医にて胸部X線上異常陰影を, また胸部CTにて両側肺底部に間質性陰影を認めたため, 「肺線維症を合併した慢性関節リウマチ(RA)」と診断され2月19日本院を紹介された. 入院後「間質性肺炎を持つ多発性筋炎(PM)」の疾患標識抗体とされる抗Jo-1抗体が陽性であることが判明した. そこでPMの併存を疑い精査したが, 筋力低下, 血清CK値, 筋電図, 筋MRIのいずれも異常がなかった. RA単独例での抗Jo-1抗体陽性の報告はなく, 本例の関節痛/関節炎は間質性肺炎とともに「抗Jo-1抗体症候群(抗合成酵素抗体症候群)」を構成する症状の一つと考えられた. しかし本例ではPMの合併がなかったことから, 今後PMが遅れて出現してくるのか否かを長期間にわたり観察してゆく必要がある. 本例は自己抗体と病態形成の関連を考察する上で貴重な症例と考え報告する.
  • 伊津 野孝, 杉田 稔, 大田原 由美, 吉田 勝美, 武藤 孝司, 田村 誠, 宮川 公男, 稲葉 裕, 黒沢 美智子, 杉森 裕樹, 須 ...
    2002 年 56 巻 2 号 p. 114-120
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    特定疾患対策対象疾患(難病)は1972年にスモン, ベーチェット病, 重症筋無力症, 全身性エリテマトーデス, 多発性硬化症, 再生不良性貧血, サルコイドーシス, 難治性肝炎の8疾患より始まり, 1999年には118疾患となっている. そのうちの44疾患については治療研究対象疾患として, 医療費の自己負担分に対して公費負担が行われている. この4半世紀の間には医学・医療の進歩により病因の解明や治療法の開発が進んだ難病もあり, 本来の難病対策の観点から難病対策の優先順位の見直しを行う必要が迫られている. そこで, 全国の大学医学部の衛生・公衆衛生関係者に対して, 難病の優先順位を付けるたあの重み付けの調査を行うとともに, 難病の臨床班の班長に対して難病の実状を把握するための調査を行い, 両者の回答より難病対策の優先順位を付けることを試みた.
  • 阿部 喜弘, 栗原 紀子, 菅井 宏治, 吉川 和行, 金友 高史, 津田 雅視
    2002 年 56 巻 2 号 p. 121-124
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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