子宮体癌および子宮内膜増殖症のスクリーニング検査として, 通常の体癌検査前に, 経腟超音波による子宮内膜厚測定を月経周期正常群98例, 月経周期延長群39例, 閉経群152例に施行した. 子宮体癌, 子宮内膜増殖症, 子宮内膜ポリープの病的所見例の内膜厚は, 3群ともに対象良性子宮内膜厚に比し, 有意に高値を示した(p<0.001, p<0.001, p<0.001). また, 病的所見例の検出は, 月経周期正常群sensitivity 0.6~0.67, accuracy 0.84, 延長群sensitivity 0.71, accuracy 0.84. 閉経群sensitivity 0.86, accuracy 0.9の評価を示し, スクリーニング検査としての有用性が認められた.
子宮体癌の検出率は, 閉経前40%, 閉経後87.6%であった. 壁内浸潤との関係では, 閉経前内膜限局群0%, 壁内浸潤1/2以下群33%, 壁内浸潤が1/2を超える群100%であった. 閉経後では, 同様にそれぞれ50%, 85.7%, 100%であった. 経腟超音波による子宮体癌の検出は, 閉経後例では非常に有用であるが, 閉経前の軽度壁内浸潤体癌例には不十分な検査であった.
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