The Japanese Journal of Antibiotics
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44 巻, 2 号
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  • 三笠 桂一, 澤木 政好, 古西 満, 国松 幹和, 浜田 薫, 竹内 章治, 前田 光一, 成田 亘啓
    1991 年 44 巻 2 号 p. 111-116
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefuzonam (CZON) は日本レダリー株式会社, 武田薬品工業株式会社により新しく開発され, 発売された注射用半合成セフェム系薬剤である。本剤は好気性, 嫌気性のグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し広い抗菌スペクトルを有し, 第3世代セフェム系薬剤の弱点とされている Staphylococcus aureus にも強い抗菌力を持つことが確認されている。又, 各種β-Lactamase に対し極あて安定である。今回, 我々は本剤の細菌性肺炎に対する有用性を検討したので報告する。
  • 出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 中根 豊, 鈴木 由美子, 深山 成美, 石原 理加, 小田 清次, 田中 節子, 佐藤 久美子
    1991 年 44 巻 2 号 p. 117-129
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系合成抗菌剤は, 幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌力を有することから, 日常診療における各種感染症に汎用されている1.2)。1990年9月現在我が国で使用されているニューキノロン系薬剤は6薬剤であるが, 更に4薬剤の臨床的検討が進行中である。
    私達は1988年に検出した臨床分離株のニューキノロン系薬剤に対する感受性を検討し, ニューキノロン耐性菌が増加していることを指摘したが, 耐性菌の割合は供試株の由来によって差があり, 更にニューキノロン系に分類される薬剤間にも耐性率の割合に差があつた3)。
    今回は広義の浅在性化膿巣由来株を対象にして, Ciprofloxacin (CPFX), Norfloxacin, Ofioxacinなどの最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, 浅在性化膿巣由来株に対するニューキノロン系薬剤の抗菌活性 (MIC) 分布を検討した。そしてこれらの成績から, CPFXの浅在性化膿疾患に対する有用性を臨床細菌学的に考察した。
  • Imipenem/Cilastatin, Cefuzonam, Flomoxef, Amikacin, TobramycinとSulbactam/Cefbperazoneとのin vitroでの併用効果
    甲田 雅一, 熊谷 郁子, 小林 準一, 須貝 涼子, 松崎 廣子
    1991 年 44 巻 2 号 p. 130-139
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我々は前回の報告において, β-ラクタム系薬剤に耐性を示す菌の多くがβ-Lactamase産生菌であり, β-Lactamase阻害剤であるSulbactam (SBT) がそれらの菌の産生するβ-Lactamaseのうち特にPenicillinaseを著しく阻害すること, 又, 特にβ-Lactamaseを産生する多剤耐性菌に対してβ-Lactamase阻害剤配合剤であるSulbactam/Cefoperazone (SBT/CPZ) と他剤とを併用すると, 多くの例で低い薬剤濃度においてもSBT/CPZのMICの低下が観察されることを報告した1)。
    今回は, 前回とは異なる薬剤とSBT/CPZとの併用効果について検討を行つたので, その成績を報告する。
  • 1986年から1988年の3年間の分離株全国サーベイ結果
    猪狩 淳, 設楽 政次, 設楽 正登, 吉元 加代子, 林 康之
    1991 年 44 巻 2 号 p. 140-149
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    私共は1980年から全国各地の医療施設から臨床分離株を収集し, Ampicillin (ABPC), Cefazolin (CEZ), Cefmetazole (CMZ), Gentamicin (GM) の4剤に対する抗菌薬感受性の疫学的調査を全国的レベルで行っている。これらの調査結果については, その都度, 関連学会学術集会において, 更に学術誌に報告している1~5)。Morganella-Proteus-Providencia groupの各菌種の臨床分離株についても, すでに本誌に報告した3)。本報では, 前報に引続き, 1986年から1988年の3年間に, 各種臨床材料から分離された菌株について, 上記4薬剤にPiperacillin (PIPC), Cefotiam (CTM), Latamoxef (LMOX), Ceftizoxime (CZX), Netilmicin (NTL) を加え, これら9抗菌薬に対する感受性を測定した成績を報告する。
    なお, 本研究にあたり, 菌株を提供していただいた医療施設をTable1に示した。
  • 石橋 凡雄, 高本 正祇, 篠田 厚, 吉田 稔, 市川 洋一郎, 城戸 優光, 二宮 清, 北原 靖久, 宮崎 信義, 松崎 義和, 鶴谷 ...
    1991 年 44 巻 2 号 p. 150-159
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    細菌感染症に使用される抗菌剤の著しい進歩発展は近年刮目すべきものがあるが, 一方起炎菌の方も抗菌剤に対する耐性化が進んでいる。従つて原因菌が未確定な時点での抗菌剤の投与開始, いわゆるEmpiricantibiotics therapyは起炎菌の現状, 及び抗菌剤の抗菌活性を十分考慮して行う必要がある。
    呼吸器感染症の主な起炎菌としてはインフルエンザ菌, 肺炎球菌, ブランハメラ・カタラーリス, 緑膿菌, 黄色ブドウ球菌があげられ, これらの5菌種で起炎菌の80%を占めると言われる1)。この内, 肺炎球菌以外はβ-ラクタマーゼを産生し, β-ラクタム系抗生物質に対する耐性化が進んでいることから, 呼吸器感染症の治療にβ-ラクタム系薬剤を使用する際にはこれらの菌種をカバーできる抗菌スペクトルを有し, なお且つβ-ラクタマーゼ対策を考慮した抗生物質の選択が重要となる。
    我々は今回, β-ラクタマーゼ阻害剤Sulbactam (SBT) とAmpicillin (ABPC) をエステル結合させたSultamicillin (SBTPC) を用い, 主として下気道感染症を対象として, 治療効果, 安全性の検討を行ったので報告する。なお本剤が内服剤であることと, 緑膿菌に効果が期待できないことから, 対象は中等症以下とした。
  • 目黒 英典, 藤井 良知, 田島 剛, 阿部 敏明
    1991 年 44 巻 2 号 p. 160-167
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新注射用セフェム系抗生物質 Cefpirome (CPR) を小児において検討した。臨床効果判定を行えた急性細菌感染症の17例は化膿性髄膜炎の1例を含め, 全例有効であった。副作用, 臨床検査値異常として, 幼若乳児の2例に軽度, 一過性の下痢とトランスアミナーゼの上昇を認めたが, 本剤の小児科への実用化の支障となるものではなかつた。Bolus injection時の血中半減期は1.13~1.20時間で, 腎機能正常時では6~8時間で大部分が尿中へ排泄された。以上の結果並びにその抗菌力から, CPR は第5群セフェム系抗生物質 (藤井の分類) の中でも優れた特性を有する薬剤であり, 小児科領域においても有用性があると考えられた。
  • 佐藤 吉壮, 岩田 敏, 秋田 博伸, 砂川 慶介
    1991 年 44 巻 2 号 p. 168-183
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発された注射用Cephalosporin系抗生物質であるCefpirome (CPR, HR810) について小児科領域における基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1.CPRの抗菌力では, グラム陽性球菌ではStaphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, Coagulase. negative staphylococci, Streptococcus pneumoniaeに対して良好なMIC値が得られた。グラム陰性桿菌ではBranhamella catarrhalis, Haemaphilus influenzae, Escherichia coli, Salmonellasp., Klebsiella oxytoca, Enterobacter cloacae, Pseudomonas aeruginosaに対して良好なMIC値が得られた。
    2.20mg/kg One shot静注時の投与後15分の血漿中濃度は80.4μg/ml, 血漿中半減期 (T1/2 (β)) は1.03時間を示した。20, 25mg/kg30分点滴静注時の点滴静注終了時の血漿中濃度はそれぞれ48.3, 117μg/ml, T1/2 (β) はそれぞれ1.14, 1.45時間を示した。
    3.尿中回収率は投与後6時間までで45.2~63.9%であった。
    4.臨床効果では, 検討し得た62例中著効31例, 有効30例であり, 有効率98.4%と高い値を示した。細菌学的効果では, 95.7%と高い消失率を示した。
    5.副作用としては, 下痢が5例に, 軟便が1例に認あられ, 発現率は全体で8.2%であった。検査値異常は好酸球増多, 血小板数増加, GOT上昇, GPT上昇, トリグリセライド上昇を認めた。
    以上の結果から, 本薬剤は小児科領域において有効性の高い薬剤であると考えられる。
  • 豊永 義清, 矢守 和子, 坂口 直哉, 杉田 守正, 河村 研一, 瀬尾 究
    1991 年 44 巻 2 号 p. 184-206
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aminothiazolylmethoxyiminoacetamido cephalosporin (ATOIC) の一つであるCefpirome (HR810, CPR) について基礎的・臨床的検討を行い以下の成績を得た。
    1.血漿中濃度, 尿中排泄
    小児での体内動態をOne shot静注, 30分間, 1時間点滴静注において, 1回量10mg/kg, 20mg/kg, 40mg/kgについて検討したが, 成人とほぼ同様の成績を得た。すなわちOne shot静注での30分後の平均血漿中濃度は10, 20, 40mg/kgで, それぞれ26.1, 47.8, 82.8μg/mlの値を示し, 血漿中半減期はそれぞれ1.13, 1.43, 1.26時間であった。30分間点滴静注では, 点滴静注終了時の平均血漿中濃度は10, 20, 40mg/kg投与で, それぞれ43.2, 106.9, 163.0μg/mlであり, 血漿中半減期は順に1.15, 1.09, 1.15時間であった。又, 1時間点滴静注での点滴静注終了時の平均血漿中濃度は10mg/kgで27.1μg/ml, 20mg/kgで475μg/ml, 血漿中半減期はそれぞれ1.09, 1.40時間で, いずれの投与方法でも各投与量間には明確なDose responseが認められた。投与後8時間までの平均尿中排泄率はOne shot静注10~40mg/kg投与で60.6~71.1%であり, 点滴静注では点滴静注終了6時間あるいは7時間後に, 10~40mg/kg投与で50.2~83.8%であった。
    2.髄液中濃度
    髄液への移行は2例での検討であつたが, 50mg/kg投与で0.28~5.19μg/mlの濃度を示し, 従来検討した第5群のCephem系抗生物質 (CEPs) と比べ中等度の移行を認めた。
    3.臨床成績
    各種細菌感染症に対する本剤の臨床効果の判定は, 3例の対象外疾患を除き56例で行った。その内訳は髄膜炎3例, 敗血症1例, 気管支肺炎25例, 扁桃炎, 外耳道炎各1例, 狸紅熱, 蜂窩織炎各2例, リンパ節炎, 尿路感染症各8例, ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群5例であり, 有効以上の成績を得たものが54例, その有効率は96.4%であつた。混合感染は6例 (Haemophilusinfluenzae+Staphylococcus aureus2例, H. influenzae+Streptococcus pyogenes, H. influenzae+Branhamella catarrhalis各1例, H.influenzae+Streptococcus pneumoniae 2例), 単独感染は37例で, Gram-positive cocciが22例 (S. aureus 12例, S. pyogenes4例, S. pneumoniae6例), Gram-negativebacilliが15例 (B. catarrhalis, Proteus mirabilis, Haemophilus parainfluenzae, Pseudomonas fluorescens各1例, H. influenzae6例, Escherichia coli 5例) であり, 56例中43例に検出菌が確認され, 経過中に菌の消失を認めたものは単独菌感染のS. aureus, S. pneumoniae, P. fluorescens各1例の判定不能を除く40例で確認され, 消失率は100%を示した。又, 検出菌別臨床効果はS. pneuzoniaeによる肺炎例を除きすべて有効であり, 43例中42例, 97.7%の有効率であった。
    4.副作用及び臨床検査成績
    安全性に関する検討は, 除外例のマイコプラズマ肺炎3例を含め59例で行った。副作用としてはDrug fever, 下痢が各1例であり, 少ないものであった。臨床検査値では, GOT, GPT上昇, 好酸球増多が他の第5群CEPsと同程度に, 又, 極めて少数例に白血球減少, 血小板数増多等の異常値が認められた。
    以上の成績から, 本剤はCEPs第5群のその優れた抗菌特性を有し, 更にEnterococcus faecalisに対する実用性が増し, S.aureusに関しても旧型のCephem系薬剤と匹敵する抗菌力を有している点から考え, 複数菌感染及び前薬無効時の変更薬として評価し得る薬剤と考える。
  • 庵原 俊昭, 神谷 齊, 伊藤 正寛, 櫻井 實
    1991 年 44 巻 2 号 p. 207-212
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefpirome (CPR, HR 810) を小児に投与し, その薬物動態の検討と臨床的検討を行った。
    CPRを20mg/kg及び40mg/kgを30分かけて点滴静注した時の血漿中半減期は, それぞれ1.23±0.23時間, 1.37±0.35時間であり, 投与後6時間以内の尿中回収率はそれぞれ74.8±1.6%, 56.1±205%であった。
    15症例 (腺窩性扁桃炎3例, 気管支炎3例, 気管支肺炎5例, 急性膀胱炎1例, 仙腸関節炎1例, 中耳炎1例, 外耳道炎1例) を対象にし, CPRの臨床的検討を行ったところ, 有効率は86.7%であった。起炎菌が同定され, 経過を追跡し得たのは7株 (Haemophilus influenzae 4株, Staphylococcus aureus 3株, Pseudomonas sp.1株) であり, 菌数が減少したS.aureus1株以外はすべて除菌された。臨床検査値の異常を2例に認あた以外, 副作用を認めなかった。
    以上の結果から, CPR はS.aums Pseudomonas sp.にも臨床上有効であり, 小児期に安全に使用できる抗生剤であると思われた。
  • 圀府寺 美, 禹 満, 木野 稔, 河崎 裕英, 鈴川 純子, 中村 眞紀子, 趙 佐和, 平林 洋一, 東野 博彦, 小林 陽之助
    1991 年 44 巻 2 号 p. 213-222
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい注射用セフェム系抗生物質であるCefpiromeについて, 小児科領域における体内動態, 臨床効果を検討した。
    1.血清中濃度は点滴静注終了直後にピーク値を示し, 半減期には20.0mg/kg及び17.5mg/kg投与ではそれぞれ1.93時間及び1.91時間, 6.8mg/kg投与では0.48時間であった。
    2.尿中濃度は0~2時間に最高濃度を示し, 投与後6時間までの尿中排泄率は40.0~96.2%であった。
    3.臨床効果は32例中著効12例, 有効13例, やや有効3例並びに判定不能4例で, 有効率89.3%であった。
    4.細菌学的効果は16株中15株が消失し, 消失率は93.8%であった。
    5.副作用は発疹及び下痢が各1例に, 臨床検査値の異常変動は7例に認められたが, いずれも軽度であった。
  • 春田 恒和, 黒木 茂一, 大倉 完悦, 山川 勝, 仁紙 宏之, 楢村 真弓, 吉田 紀子, 小林 裕
    1991 年 44 巻 2 号 p. 223-233
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児における Cefpirome (HR 810, CPR) の体内動態並びに臨床的検討を行った。
    1.生後2ヵ月の男児にCPR20mg/kgを1回静注し, 血漿中濃度を測定した。投与15分後で53.3μg/mlを示し, 以後漸減し8時間後5.18μg/mlで, 血漿中半減期は2.36時間であった。
    2.化膿性髄膜炎 (3歳, 14kg, 起炎菌Haemophilus influenzae) の女児1例に, CPR及びCefotaxime (CTX) の700mg (50mg/kg) をそれぞれ1同静注投与し, 1時間後の血漿中濃度と髄液中濃度を測定した。第2病日CTXの血漿中濃度は39.4μg/ml, Desacety1-CTX (D-CTX) は25.2μg/mlに対して髄液中濃度はCTX6.22μg/ml (15.8%), D-CTX3.94μg/ml (15.6%) であった。第3病日CPRの血漿中濃度は59.3μg/ml, 髄液中濃度は7.44μg/ml (12.5%) であった。
    3.敗血症2例 (起炎菌Klebsiella pneumoniae, Escherichia coli 各1例), 気管支炎1例 (K.pneumoniae), 肺炎9例 (Staphylococcus aureus1例, H.influenzae 3例, Haemophilus parainfluenzae2例, K. pneumoniae+Pseudomonas cepacia 1例, H.influenzae+Branhamella catarrhalis2例), 蜂巣炎2例 (S.aureus 1例, 不明1例), 化膿性リンパ節炎1例 (不明), ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群1例 (不明), 腎膿瘍1例 (不明), 尿路感染症1例 (E.coli) の計18例にCPR1日37.7~75.0mg/kgを2~3回分割静注にて4~15日間投与し, 著効9例, 有効9例, 有効率100%の成績を得た。
    4.随伴症状としての副作用は18例中1例に発疹がみられたが, 投与中止後徐々に消褪し, 4日目には消失した。臨床検査値の異常としては好酸球増多が3例, 血小板数増多が1例, GPT上昇が1例, GOT・GPT上昇が2例に認められたが, いずれも軽度で投与中止を必要とするものはなく, 終了後正常化している。
    5.以上の成績から, CPRは小児の一般感染症の治療に有用であり, 1回20mg/kgを1日3回投与することにより十分所期の目的を上げ得ると考えられた。
  • 貴田 嘉一, 森本 武彦, 松田 博, 村瀬 光春
    1991 年 44 巻 2 号 p. 234-240
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいセフェム系の抗生物質であるCefpirome (CPR) の小児における体内動態と小児の感染症に対する有用性を検討し, 以下の成績を得た。
    1.臨床材料分離菌株5種 (Staphylococcus aureus, Streptococcus pneumoniae, Klebsiellapneumoniae, Escherichia coli, Haemophilus influenzae) に対するCPRの抗菌力 (MIC) はCeftazidimeと同等か又はそれより優れていたがPseudomonas aeruginosaに関してはCPRがやや劣つていた。
    2.CPRの血中半減期は20mg/kg One shot静注した時平均1.18時間, 40mg/kg静注した時平均1.34時間であつた。静注後6時間までの尿中回収率は20mg/kg静注した時69.8%で, 40mg/kg静注した時平均72.2%であつた。
    3.肺炎9例, 気管支炎2例, 扁桃炎1例, 咽頭炎1例, 骨髄炎1例, 尿路感染症1例に対するCPRの臨床有効率は93% (14例/15例) であつた。
    4.臨床的な副作用は認められなかつたが27% (4例/15例) に好酸球の増多とGPT, 血小板数の軽度上昇が認められた。
  • 脇口 宏, 藤枝 幹也, 前田 明彦, 島崎 洋成, 大石 尚文, 城戸 紳二, 武市 知己, 武田 興二, 前田 治子, 森田 英雄, 倉 ...
    1991 年 44 巻 2 号 p. 241-245
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新セフェム系抗生物質であるCefpirome (CPR, HR 810) を用いて, 正常小児における体内動態の分析と小児期の各種感染症を治療し, 以下の結論を得た。
    CPR 20mg/kgを30分で点滴静注し, 点滴静注終了直後から8時間後まで, 血中濃度の推移と尿中排泄を3例について検討した。その結果, 血中濃度ピーク値は68.2~116μg/mlで, 血中半減期は0.64~1.39時間, 尿中には高濃度のCPRが検出され, 尿中回収率は80.4%であった。
    肺炎2例/3例, 上気道感染症3例/4例, 皮膚軟部組織感染症2例/2例, 尿路感染症1例/1例に有効以上の治療効果が得られ, 全体としての有効率は80% (8例/10例) であった。
    CPRが関与していると考えられた臨床検査値の異常は4例にみられ, GPT上昇が2例, GOT上昇が1例, 血小板数減少が1例にみられた。腎機能, 甲状腺機能, 電解質, 赤血球等には異常はみられなかった。
    以上のことから, CPRは小児期の感染症の治療に有用且つ安全な薬剤であると考えられた。
  • 前田 謙二, 石塚 雅章
    1991 年 44 巻 2 号 p. 246
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 高橋 英俊, 長田 裕之, 川西 悟生, 磯野 清, 越野 広雪, 西岡 浩, 沢 力, 中村 光, 飯沼 寛信, 長縄 博, 浜田 雅, ...
    1991 年 44 巻 2 号 p. 247-248
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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