ホルスタイン種育成雌牛34頭による延べ74例のエネルギー出納成績を基に,適温環境下の育成前期(10ヵ月齢,20℃)および後期(18ヵ月齢,20℃),並びに高温環境下の育成前期(9ヵ月齢,30℃)における維持に要する代謝エネルギー量(ME
m)および代謝エネルギーの成長に対する利用効率(k
g)を比較解析した.(1)代謝エネルギー摂取量および蓄積エネルギー量による回帰分析を行ったところ,適温環境下育成前期雌牛では,ME
mは538kJ/BW
0.75,k
gは46%,適温環境下育成後期雌牛では,505kJ/BW
0.75,52%,高温環境下育成前期雌牛では,529kJ/BW
0.75,56%であった.3者間のME
mには差はなく,平均で524kJ/BW
0.75であった.一方,高温環境下育成前期雌牛のk
g 56%および適温環境下育成後期雌牛の52%は,適温環境下育成前期雌牛の46%と比較して高かった.(2)体タンパク質および体脂肪として蓄積する代謝エネルギー量を推定したところ,適温環境下前期牛と比較して,適温環境下後期牛および高温環境下前期牛のエネルギー蓄積量および体脂肪蓄積量は多かった.
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