目的 本研究の目的は,地域の健康づくりに関連する調査において,日常の身体活動の指標としての 1 週間の歩数を,何日(あるいは,どの曜日の組合せ)で代表できるか検討することである。
方法 本研究の解析対象者は,静岡県内に在住の20歳以上65歳未満の成人で,データ欠損値のない223人(男性63人,50.3±10.4歳(平均値±標準偏差),BMI 25.8±3.7 kg/m
2,女性160人,49.0±10.6歳,BMI=23.5±3.8 kg/m
2)である。歩数調査は平成20年 6 月から 8 月の間で実施した。この解析対象者の 7 日間の歩数調査の結果を解析した。各曜日および各曜日を組合せた歩数の平均値,標準偏差をそれぞれ計算した。そして,1 週間の歩数を,何日で代表できるか検討するため級内相関分析および重回帰分析を行った。
結果 解析対象者の 7 日間の 1 日あたりの平均歩数は8,854±3,356歩であった。各曜日の平均歩数に有意な違いが認められた(
P<0.001)。多重比較の結果,火曜日と金曜日の平均歩数は,土曜日と日曜日の平均歩数よりも有意に多かった(
P<0.001)。各曜日の組合せの平均歩数で計算した級内相関係数によって,3 日間以上の組合せの時に0.80以上になることが明らかとなった。説明変数を 3 日に固定した重回分析を行ったところ,35通りのモデルの自由度調整済決定係数は全て0.80以上を示した。
結論 地域に在住する成人の 1 週間の身体活動状況について,歩数計を用いて評価する場合,1 週間のどのような曜日の組合せでも良いが,無作為に選択された 3 日間の歩数調査を行う必要があることが示唆された。今後は,解析対象者や調査期間を増やした研究が望まれる。
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