日本公衆衛生雑誌
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49 巻 , 9 号
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論壇
原著
  • 横山 公通, 宮崎 康文, 水田 嘉美, 松木 秀明, 岡崎 勲
    2002 年 49 巻 9 号 p. 902-910
    発行日: 2002年
    公開日: 2015/12/07
    ジャーナル フリー
    目的 大学で体育学を専攻し,勉学に加えてスポーツ競技に参加している学生の食生活については,適切な自己管理が行われていると想定されるため報告は少ない。本研究においては,これら男子学生の朝食の欠食に関する要因を追求し,併せて体脂肪率,血圧,血液生化学所見などの健康指標との関連について検討した。
    対象および方法 対象者は T 大学・体育学部 1~4 年のボランティアで,合計86人である。このうちスポーツクラブ所属者は58人,無所属者は28人であった。調査には①食生活状況調査票および,②食生活評価のための成人一般向け食習慣調査票を含む自己記入法によるアンケートを用いた。また,同時に血圧,体脂肪率の測定および採血を行った。
    結果 朝食の欠食率はスポーツクラブ所属群36.2%,無所属群46.4%であり,両群とも高値を示した。これらの高い朝食の欠食率は食事提供の有無と関連していた。すなわち,朝食を欠食し,食事時間が不規則で,牛乳や乳製品飲料,味噌汁を飲まない者は,「家族・寮食」群のように食事提供を受けることのできる者に比べて,食事提供のない「自炊・外食」群に多く存在した。また,「自炊・外食」群は「家族・寮食」群に比べて,成人一般向け食習慣調査票による評価成績においても,明らかに評点が低く,加えて血液生化学検査のうち,血清尿酸値,血清フェリチン値および血清トリグリセリド値が高値を示した。
    結論 男子学生では,食事が提供される環境にあるか否かが,朝食の欠食や食事時間の規則性に強く影響する要因の一つとなると考えられた。好ましくない食生活に加えて,激しい筋運動を行っているスポーツクラブ所属群の「自炊・外食」者に対しては,適切な食生活指導が必要である。
  • 岡本 秀明, 岡田 進一
    2002 年 49 巻 9 号 p. 911-921
    発行日: 2002年
    公開日: 2015/12/07
    ジャーナル フリー
    目的 効果的で適切な施設ケアを行うためには,ケア受領者が感じている困り事や要望を的確に把握し,ケア提供の際にケア受領者が感じているニーズをできるかぎり反映していくことが必要となる。本研究では,施設入所高齢者が感じている主観的ニーズについて,施設入所高齢者と施設職員との間でどのような認識の違いがあるのかを検討することとした。
    方法 調査方法は,調査票を用いた横断的調査で,調査対象者は,6 箇所の特別養護老人ホームの施設入所高齢者と施設職員である。施設入所高齢者と施設職員とのマッチングを行い,そのペア数は85ペアで,その85人が最終的な分析の対象者となった。補足的に,一部の施設職員に対してヒアリング調査を実施した。調査項目は,基礎属性,ADL,主観的ニーズである。主観的ニーズの測定尺度は,身体および生活維持,心理,社会関係の 3 領域(8 下位概念)で構成され,信頼性と妥当性を検討し,妥当なものであると判断された。分析は,カッパ係数による一致度分析や t 検定等で行った。
    結果 施設入所高齢者と施設職員との間の主観的ニーズについての一致度分析においては,全体的に一致度が低かった。しかし,8 下位概念のなかで,「体に関する困難感」,「食事状況」,「社会的活動」については,わずかながら両者間に多少の一致が見られた。t 検定の結果においては,8 下位概念すべてにおいて両者間で有意な差が見られ,施設入所高齢者よりも施設職員の方が主観的ニーズを過大査定していた。ADL の程度別に t 検定を行った結果,ADL の低群における「食事状況」以外のすべてにおいて両者間に有意な差が見られた。両者の順位付け比較分析においては,7 つの下位概念で両者の順位は類似傾向を示していた。
    結論 施設職員が施設入所高齢者の主観的ニーズを的確に把握することは容易ではないことが示された。しかし,主観的ニーズの下位概念の順位付けを見ると,施設職員は施設入所高齢者の主観的ニーズをおおむね把握していたと考えられる。今後の課題として,主観的ニーズに関する認識が,どうして施設入所高齢者と施設職員との間でかなり異なるのかを解明し,施設職員が施設入所高齢者の主観的ニーズを的確に把握するための方策を示していくことが必要であると考える。
  • 川戸 美由紀, 橋本 修二, 松村 康弘, 小栗 重統, 岡山 明, 中村 好一, 柳川 洋
    2002 年 49 巻 9 号 p. 922-928
    発行日: 2002年
    公開日: 2015/12/07
    ジャーナル フリー
    目的 平成 7 年の国民生活基礎調査と国民栄養調査の間の個人単位レコードリンケージ・データに基づき,各統計調査に含まれる要介護状況と栄養摂取状況を用いて,在宅の要介護高齢者と介護者の栄養摂取状況について検討した。
    方法 上述のリンケージデータに基づいて,要介護状況のいずれかで全面介助または一部介助である65歳以上の者(要介護群:83人),40歳以上の女性介護者(介護群:95人),および,要介護群と介護群以外の65歳以上の者(要介護対照群:1,818人),40歳以上の女性(介護対照群:3,477人)について,エネルギーと各栄養素の充足率,食塩の摂取量を算出した。観察した栄養素は,たんぱく質,脂質,カルシウム,鉄,ビタミン A・B1・B2・C の 8 項目である。
    結果 要介護群では充足率の平均値はエネルギー108%,カルシウム85%,他の 7 栄養素は101~224%,食塩摂取量の平均値は11.0 g/日であった。要介護対照群と比較してすべてにおいて低く,その差は多くの栄養素で有意であった。一方,介護群では,充足率の平均値は104~294%,食塩12.8 g/日であり,介護対照群との間に大きな差はみられなかった。要介護群・介護群共に,充足率を性別・年齢別に見ても大きな差はみられなかったが,要介護状況がより重い者で充足率に低い傾向がみられた。
    結論 要介護高齢者と介護者の栄養摂取状況の実態を示した。要介護高齢者では,カルシウム摂取不足などの可能性が示唆された。
短報
  • 田中 英夫, 野上 浩志, 中川 秀和, 蓮尾 聖子
    2002 年 49 巻 9 号 p. 929-933
    発行日: 2002年
    公開日: 2015/12/07
    ジャーナル フリー
    目的 全国の薬局,薬店で喫煙者の鎮咳,去痰剤として販売されている紙巻きたばこ型薬用吸煙剤(ネオシーダー,製造:アンターク本舗,千葉県,以下 NC と表す)の医薬品としての妥当性を,製品のニコチン含有量と,これを試行した者および連用者の尿中コチニン量から評価検討した。
    方法 1 NC および,コントロールとしてマイルドセブンエクストラライト(以下 MSE と表す),マイルドセブンスーパーライト(以下 MSS と表す),セブンスター(以下 SS と表す)の葉0.25 g を蒸留水10 mlで 5 分間振とうし,遠心分離後に抽出液を発色反応させ,高速液体クロマトグラフィーで分析した。
    方法 2 喫煙中であった32歳医師を被験者とし自記式問診とともに,禁煙時,NC 使用時,禁煙継続かつ NC 不使用時の 3 点で尿中コチニン量を測定した。
    方法 3 外来患者の中でタバコの代替物として NC を継続使用していた 2 人の連用者を見出し,自記式問診と採尿を実施し,尿中コチニン量を測定した。
    成績 1 製品 3 cm(実際の 1 本当たり消費量)当たりの平均ニコチン含有量は,NC; 0.79 mg (n=6), MSE; 5.04 mg (n=2), MSS; 4.91 mg (n=2), SS; 5.55 mg (n=2)。
    成績 2 被験者の喫煙中の Fagerstrom Test for Nicotine Dependence は 3 点。禁煙の開始から最終回の採尿までの期間の受動喫煙はなし。尿中コチニン量は,禁煙開始 7 日目10.0 ng/ml。NC を 3 日間で17本使用後47.2 ng/ml,禁煙継続かつ NC 不使用 3 日目8.4 ng/ml
    成績 3 53歳男性:喫煙当時の FTND は 6 点。調査期間中の受動喫煙はなし。NC を 1 日平均40本連用中の尿中コチニン量は937 ng/ml。75歳女性:喫煙当時の FTND は 7 点。NC を 1 日27本連用中の尿中コチニン量は2724 ng/ml。NC 中止96時間後では27.7 ng/ml
    結論 NC は非麻薬性で習慣性がみられないと説明されているものの,ニコチンを含有していること,使用により本剤に含有するニコチンが体内に移行することがわかった。また,本剤の使用によってニコチンへの依存性が生じ,長期連用を引き起こしていたとみられる 2 例を報告した。
公衆衛生活動報告
  • 森尾 眞介, 杉本 章二, 助村 妙, 脇 節子
    2002 年 49 巻 9 号 p. 934-940
    発行日: 2002年
    公開日: 2015/12/07
    ジャーナル フリー
     2001年 9 月の高知県西南部豪雨災害において,高知県幡多保健所はこの地域を管轄する保健所として地域住民の健康を守る活動を行った。その活動内容は,(1)災害情報の収集,(2)健康弱者の健康状態の確認,(3)被災地方自治体の健康チェックの支援,(4)避難所の防疫の支援,(5)避難所避難者への医療相談,(6)被災家庭への消毒剤配布の支援,(7)飲料水の検査,(8)廃棄物処理の監視および指導であった。また,必要に応じて災害救急医療における総合調整も行った。これらの活動は,県庁関係課および他保健所の協力の下,緊急対応として日常業務に優先して行われた。特に,被災市町の健康チェックの支援では多くの保健婦が活躍した。県の指導で保健所単位に作成されていた健康危機管理マニュアルは,意志決定およびその実施に大いに有効であった。緊急対応が約 1 週間に及ぶと疲労が感じられる職員も出始めた。緊急対応から通常対応に戻す時期は,過去の水害時の他保健所の活動より決定した。緊急対応では県庁関係課の指示を待つのではなく,保健所職員の経験,知識,即時的判断力で意志決定,実行せねばならない場合が多かった。
  • 関 なおみ, 日向 君子, 中川 ゆう子, 矢口 昇, 牧上 久仁子
    2002 年 49 巻 9 号 p. 941-947
    発行日: 2002年
    公開日: 2015/12/07
    ジャーナル フリー
    現状 豊島区では以前より衛生害虫対策の一環としてシラミ類に関する相談統計を取っており,年 4 回行っている路上生活者対策の中でコロモジラミ保有者の数が毎年増加していることが知られていたが,平成 8 年ごろより高齢者,障害者のコロモジラミ発生例が注目されるようになった。平成11年には独り暮らし高齢者宅で発生があり,在宅サービス提供が困難だった事例もあった。コロモジラミは日本において一般に絶滅したと考えられており,高齢者および障害者福祉に関わる職員の間に意識がなく,医療関係者でも知識が不十分である。このためコロモジラミが発生していたとしても発見が困難であり,また発見したとしても相談の場がなく対応出来ない状況になっていると思われたため,コロモジラミに関する正しい知識の普及と対策が急務と思われた。
    分析と結果 コロモジラミ対策について関係機関で検討会を実施し,保健福祉センター医師が中心となり,在宅サービス提供事業者および高齢者の保健福祉に関わる職員向けにコロモジラミの生態と対策について解説したマニュアルを作成した。これを区内関係機関に配布すると共にホームページに掲載し,各職員,民間ホームヘルパーを対象とした研修会を開催した。
    まとめ コロモジラミは塹壕熱,発疹チフスなどの伝染性疾患を媒介する可能性があり,衛生面からの対策が求められる。一方福祉面からは高齢者介護にあたって,ケア提供者へのコロモジラミの感染拡大防止対策ならびに適切な情報提供が必要である。各関係機関が連携し,マニュアルの作成と研修を行うことで成果を上げることが出来た。
資料
  • チェ ジョンヒョン, 村嶋 幸代, 堀井 とよみ, 服部 真理子, 永田 智子, 麻原 きよみ
    2002 年 49 巻 9 号 p. 948-958
    発行日: 2002年
    公開日: 2015/12/07
    ジャーナル フリー
    目的 在宅ケアサービスの利用に関する従来の研究では,複数のサービスを一括して扱うことが多かった。本研究では,訪問看護と介護サービスについて,各々の利用者の特徴を明らかにすることを目的とした。
    方法 人口36,000人の S 県 M 町における平成 9 年10月 1 日時点の訪問指導台帳より抽出した調査対象高齢者134人に対し,質問紙を用いた面接調査を行った。訪問看護,ホームヘルプの利用に関して,①利用の有無,および,② Andersen のモデルの 3 要因(属性要因,ニーズ要因,サービス利用促進/阻害要因)との関連性を明らかにした。
    結果および考察 134人中,訪問看護は38.1%,ホームヘルプは36.6%の人が利用していた。
     訪問看護は,高齢者の ADL が低下しているほど,過去 2 年間の入院経験があるほど家族の世話の仕方が少ないほど,介護者のサービス利用への抵抗感が少ないほど利用しており,ニーズ要因が最も影響していた。
     ホームヘルプは,家族の世話の仕方が少ないほど,訪問看護を利用しているほど,利用しており,属性要因と利用促進/阻害要因が影響していた。
     訪問看護とホームヘルプの両方の利用者は,看護のみの利用者に比べて,家族がケアを提供するのが難しく,また,ヘルパーのみの利用者に比べて利用者の ADL 等身体状態が低い。
    結論 訪問看護とホームヘルプの利用を推進する要因は異なっており,両者を併せて利用している者は,複合的ニーズを持っているという特徴が認められた。
  • 北村 弥生, 土屋 葉, 田中 恵美子, 玉井 真理子, 清水 哲郎
    2002 年 49 巻 9 号 p. 959-966
    発行日: 2002年
    公開日: 2015/12/07
    ジャーナル フリー
    目的 本研究の目的は,侵襲的人工呼吸器(以下,呼吸器)について医療従事者からなされた情報提供に対する筋萎縮性側索硬化症(以下,ALS)患者による評価を明らかにすることである。
    対象と方法 平成11年度に国内 3 地域において,ALS 患者12例に対し半構成法による面接調査を行った。
    結果 医師からの情報提供に満足していると述べた患者は少なく,診断告知や呼吸器の説明の際の担当医師の態度に対する強い不満が原因で転院した事例もあった。半数以上の患者は医師の情報提供のあり方に積極的に不満を述べなかったが,医師による呼吸器の説明内容に不足があると述べた。
    結論 説明内容の不足よりも説明する医師の態度が不適切な場合に患者の不満が強いことがわかった。治癒しない疾患の情報提供においては,患者・医療従事者・福祉専門職者の役割を明確にすることが必要だと考える。
  • 米山 宏, 大久保 さつき
    2002 年 49 巻 9 号 p. 967-982
    発行日: 2002年
    公開日: 2015/12/07
    ジャーナル フリー
    目的 東京都における慢性疾患をもつ新生児による NICU 長期入院の実態を明らかにし,今後の病床整備計画見直しおよび国への提案要求の基礎資料とする。
    方法 1989年から1998年の10年間に東京都内の周産期母子医療センター18施設から東京都周産期医療情報データベースに登録された46,309件の NICU 収容ハイリスク新生児データより入院日数が連続して90日以上を要した全患児3,000症例を抽出し入院長期化の要因について検討した。
    結果 1. 入院日数90日以上でその後の入院日数が少ない群は在胎週数では29~30週群,出生体重では1,000~1,499 g 群の児であった。入院日数は全体で125日(50パーセンタイル,以下同じ),在胎週数29~30週群,出生体重1,000~1,499 g 群でともに106日であった。
     2. 転帰別に入院日数をみると,全体では「疾患合併退院群等」136日,「軽快退院群等」119日であった。在胎週数別では「疾患合併退院群等」の中の31~32週群が107日,「軽快退院群等」の中の29~30週群が104日であった。出生体重別では両群とも1,000~1,499 g のグループでそれぞれ116日,104日であった。出生場所別にみると,全体では「院内出生」124日,「院外出生」127日であった。
     3. 基礎疾患について在胎週数別,出生体重別に比較すると,呼吸窮迫症候群,気管支肺異形成,慢性呼吸器疾患は29週未満群,1,000 g 未満群に,低酸素性虚血性脳症,痙攣,奇形・染色体異常は31週以上の群,1,500 g 以上の群に多かった。一方,無呼吸,一過性頻呼吸は29~30週群,1,000~1,499 g 群に多かった。転帰別では,無呼吸と一過性頻呼吸は「軽快退院群等」に多くみられた。出生場所別では,31週以上群,1,500 g 以上群で呼吸窮迫症候群,無呼吸,一過性頻呼吸が「院内出生」に,低酸素性虚血性脳症,痙攣が「院外出生」に多くみられた。
    結論 合併する基礎疾患がないか,あるいは軽症で,哺育による体重増加に時間を要する在胎週数29~30週,出生体重1,000~1,499 g の場合の他に,在胎週数29週未満,出生体重1,000 g 未満では慢性呼吸器疾患を中心とした呼吸器官の未熟性に基づく疾患が,在胎週数31週以上,出生体重1,500 g 以上では低酸素性虚血性脳症,痙攣といった中枢神経系疾患,奇形・染色体異常が NICU 長期入院の一因であると考えられた。
  • 河野 あゆみ, 金川 克子, 伴 真由美, 北浜 陽子, 松原 悦子
    2002 年 49 巻 9 号 p. 983-991
    発行日: 2002年
    公開日: 2015/12/07
    ジャーナル フリー
    目的 I 県 W 市では,介護保険制度が始まったことを機会に機能訓練事業の内容と対象を見直して,介護予防をめざした機能訓練事業を2000年 4 月より開始した。本研究の目的は,この機能訓練事業について,身体・心理社会的側面から評価することである。
    方法 本研究は前向きのコホート調査である。介護保険制度で「自立」と認定された自立度 J1 ランク以下の高齢者のうち,機能訓練事業への参加を希望した参加群71人と希望しなかった非参加群40人について,介入前,介入 6 か月後,介入 1 年後に面接聞き取り調査を行った。調査内容は,ADL(FIM),上肢機能,歩行速度,身体症状,認知機能(MMSE), QOL,抑うつ(GDS),動作に対する自己効力感(MFES),健康管理に対する自己効力感(SEHP),ソーシャルネットワークである。機能訓練事業のプログラムはレクリエーションや健康教育を含んだ内容であり,高齢者が人々との交流を深めることをねらうものである。
    結果 1. 介入前の調査では,参加群に女性が有意に多く(P=.033),転倒経験が有意に少なく(P=.017), A デイサービスの利用割合が有意に低く(P=.014), B デイサービスの利用割合が有意に高かった(P=.001)。また,参加群の方が MMSE(P=.032), MFES(P=.001), SEHP(P=.017)やソーシャルネットワーク(P=.022)の得点が有意に高かった。
     2. 参加群と非参加群において,1 年間のうちに,MMSE 得点は有意な変化がみられた(P=.002)。参加群の MMSE 得点の方が非参加群に比べ,6 か月後(P=.002), 1 年後(P=.005)ともに有意に高かった。
     3. 参加群と非参加群において,1 年間のうちに,GDS 得点においても有意な変化がみられた(P=.033). 1 年後には,参加群が非参加群に比べ,GDS 得点が低い傾向がみられた(P=.070)。
    結論 以上より,機能訓練事業は認知機能や抑うつの悪化予防に効果がある可能性が考えられた。したがって,地域高齢者が機能訓練事業に参加することによって,閉じこもり予防や介護予防を期待できると思われた。
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