日本公衆衛生雑誌
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56 巻 , 5 号
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原著
  • Maki TEI-TOMINAGA, Akiko MIKI, Kazumi FUJIMURA
    2009 年 56 巻 5 号 p. 301-311
    発行日: 2009年
    公開日: 2014/06/13
    ジャーナル フリー
    Objectives This study was performed to examine job stressors, job readiness, and subjective health status as factors associated with intentions to leave among newly graduated nurses (NGNs) in advanced treatment hospitals in Japan.
    Methods From June to August 2007, anonymous self-administered questionnaires were distributed to all NGNs in nine advanced treatment hospitals. The questionnaire items addressed individual attributes, employment characteristics, organizational characteristics, the 22-item Job Content Questionnaire, a novel job readiness scale, and scales for subjective health status (cumulative fatigue and psychological distress) and intentions to leave. The response rate was 73% (n=414), and 377 completed questionnaire data sets from eight hospitals were analyzed. A hierarchical multiple regression analysis was performed to investigate the factors associated with intentions to leave and subjective health status.
    Results The results of hierarchical multiple regression analysis showed 55% of the variance in intentions to leave. “orientation as nurse,” subjective health status influenced by psychological job demand, and “supervisor support” were important independent factors of intentions to leave. Psychological job demand and job readiness were also important factors of subjective health status.
    Conclusion To intervene in early resignation of NGNs, job stressors should be minimized to improve subjective health status, while simultaneously raising job readiness.
  • 竹原 健二, 野口 真貴子, 嶋根 卓也, 三砂 ちづる
    2009 年 56 巻 5 号 p. 312-321
    発行日: 2009年
    公開日: 2014/06/13
    ジャーナル フリー
    目的 本研究では豊かな出産体験がその後の女性の育児に及ぼす心理的な影響について明らかにすることを目的に,出産体験と産後うつ,母性意識,育児困難感の関連を検討した。
    方法 本研究は2002年 5 月~2003年 8 月の期間に,5 つの施設で分娩をしたすべての女性2,314人のうち,条件を満たした1,004人を分析対象としたコホート研究である。本研究では出産直後の女性に対して実施したベースライン調査,産後 4 か月,9 か月,2 年 6 か月,3 年時に実施した計 4 回のフォローアップ調査のデータを用いた。質問項目として,出産体験,母性意識,育児困難感,産後うつを測定する尺度を用いた。すべてのデータは調査員が診療録からの転記,および質問票を用いた直接面接によって収集された。
    結果 出産体験尺度の得点が高い女性は,産後の母親役割に対して肯定的に捉えられるようになり,育児不安や育児ストレスが軽減することが明らかになった。出産体験と産後うつの関連については,二変量解析においてのみ,弱い関連が示された。
    結論 本研究を通じて,女性がより豊かな出産体験をすることは,自身の母親役割の受容に対する否定感や,児に対する攻撃衝動性を抑制することにつながることが明らかにされたことから,育児不安や育児ストレスの軽減,児童虐待の予防に対して,妊娠・出産時からの関わりも重要であることが示唆された。今後は出産体験を高めるような決定因子が明らかにされ,具体的なケアや介入方法が提言されることが望まれる。
短報
  • 吉本 好延, 佐野 尚美, 三木 章江, 浜岡 克伺, 佐藤 厚
    2009 年 56 巻 5 号 p. 322-327
    発行日: 2009年
    公開日: 2014/06/13
    ジャーナル フリー
    目的 本研究では,高知市の救急搬送活動記録を用いて,成人と高齢者における転倒・転落の実態調査を行い,性別・年代別に転倒・転落の発生時期および発生場所の検討を行うことを目的とした。
    方法 対象は,平成17年 1 月から平成17年12月までに,高知市消防局の救急隊により搬送が行われた転倒・転落延べ967件とした。調査項目は,受傷者の性別,年代,転倒・転落の発生時期,発生場所の計 4 項目とした。年代は,成人(満18歳から満65歳未満)と,高齢者(満65歳以上)に分類された項目を抽出した。
    結果 性別・年代別の人口1,000人当たりの転倒・転落搬送件数は,成人において1.32件(男性1.55件,女性1.11件),高齢者において10.48件(男性9.14件,女性11.32件)であった。性別・年代別にみた屋外での転倒・転落搬送の割合は,高い順に女性成人(60.8%),男性成人(56.8%),男性高齢者(54.9%),女性高齢者(36.6%)であり,女性高齢者を除いた全ての年代で,屋外での転倒・転落搬送の割合が屋内での転倒・転落の割合を上回っていた。性別・年代別・季節別の転倒・転落搬送の割合は,いずれの性別・年代においても,冬季(12-2 月)の転倒・転落搬送の割合が最も高率であり,月別では,12月の転倒・転落搬送の割合が最も高率を認めた。
    結論 転倒・転落状況は,対象者の性別や年代,季節によって大きく異なっており,受傷者の身体活動量や気候および季節行事の違いによって,転倒・転落の原因や発生場所に相違を認めると考えられた。消防局の救急搬送活動記録を活用することで,地域間での転倒・転落状況の比較が可能となり,季節や地域性を考慮した転倒・転落予防対策の提案に向けた新しいアプローチになることが期待される。
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