The Japanese Journal of Antibiotics
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40 巻, 5 号
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  • 藤井 良知
    1987 年 40 巻 5 号 p. 933-945
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    クラブラン酸カリウム・アモキシシリン (オーグメンチン (R)) は, 英国ビーチャム社研究所で開発されたβ-Lactamase阻害剤のクラブラン酸 (CVA) と合成ペニシリン剤アモキシシリン (AMPC) を1対2で配合した, 新しいタイプの経口抗生物質製剤である (Fig.1)。オーグメンチンは配合成分のCVAが耐性菌の産生するβ-Lactamase (特にPenicillinase) を強力に阻害して, AMPCの抗菌作用を相乗的に増大させることが認められている1~3)。AMPC単独に比べ有効菌種が拡大され, 幅広い抗菌スペクトルを有すると共に, AMPC耐性菌に対して感性菌と同様, 迅速で強い殺菌作用を発揮する。オーグメンチンは経口投与での吸収性に優れ, 高い血中, 尿中濃度が得られ, 組織内への移行も良好である。AMPC及びCVAの体内動態がほぼ一致しているので, 体内においても協力的抗菌作用が期待できる。
    オーグメンチン小児用顆粒による臨床試験は全国16施設において行われ, 本剤の有効性, 安全性, 体内動態等が検討された4~19)。又, 錠剤についてはすでに成人領域においてその有用性が高く評価されている20)
  • 池田 高明, 酒井 忠昭, 西村 嘉裕
    1987 年 40 巻 5 号 p. 946-950
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefpiramide (CPM) 1g静注後の血清中, 肺組織内濃度を薬動力学的に解析して以下の結果を得た。
    1. 血清中濃度は1時間77.8μg/ml, 3時間60.1μg/ml, 6時間40.8μg/mlと漸減し, 半減期は5.4時間であつた。
    2. 肺組織内の濃度は静注後2時間で38.4μg/gに達し以後漸減し, 6時間後には27.7μg/gとなり, 対血清中濃度比は100分以後50%以上であつた。
    3. CPM 1g静注後の肺組織内CPM濃度はY=60.3 (e-0.002148t-e-0.016575t) で表された。
  • 松田 静治, 鈴木 正明, 宮崎 亮一郎, 張 南薫, 國井 勝昭, 福永 完吾, 林 茂, 中村 英世, 舘野 政也, 岡田 弘二, 山元 ...
    1987 年 40 巻 5 号 p. 951-968
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Clavulanic acid/Ticarcillin (BRL28500) の骨盤腹膜炎, ダグラス窩膿瘍に対する有効性, 安全性を評価する目的で, 本剤1.6g又は3.2gを1日2回, 原則として10日間点滴静注し, 以下の成績を得た。
    1. 投与総症例数は26例で, うち18例について有効性の解析を行つた。疾患の内訳は, 骨盤腹膜炎14例, ダグラス窩膿瘍4例である。
    2. 主治医による全般改善度は, 3日後の44.4%から5日後は88.2%と高い改善率を示した。
    3. 効果判定委員会による臨床効果判定では, 18例すべてが有効と判定された。
    4. 原因菌の検出された症例は11例 (15株) で, このうちβ-Lactamase産生, Ticarcillin耐性菌は5株含まれていた。すべての症例において菌陰性化が得られた。
    5. 副作用は1例に嘔気が, 臨床検査値異常では1例にGOT, GPT, Al-Pの上昇がみられた。
    6. 主治医判定有用性における満足率は83.3%であつた。
    以上の成績から, BRL28500は骨盤腹膜炎, ダグラス窩膿瘍の治療において有用な薬剤と考えられた。
  • SUSUMU ARAI, SHINZO KOBAYASHI, SHORYO HAYASHI, KAZUMI FUJIMOTO
    1987 年 40 巻 5 号 p. 969-982
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    The in vitro activity of cefpirome (HR 810), a new cephalosporin antibiotic having a 2, 3-cyclopentenopyridine group in the 3-position side chain, was compared with in vitro activities of 5 other cephalosporins. HR 810 showed a broad spectrum of antimicrobial activity against Gram-positive and Gram-negative bacteria when tested using 71 standard strains and 876 clinical isolates. HR 810 inhibited 70% of the clinically isolated Staphyloco ccus aureus and Staphylococcus epidermidis strains when used at 0.59-0.84 μg/ml, 2-to 25-fold lower than values of reference antibiotics, and the compound was also highly effective against Enterococcus faecalis which is relatively resistant to most of the existing cephem antibiotics. The activity of HR 810 against Enterobacteriaceae members (11 species), based on its minimal inhibitory concentrations inhibiting 90% of bacterial growth (MIC90s), was the highest among the cephalosporins used. Especially against Enterobacter species andCitrobacter freundii, the MIC90s of the compound were 4-to 64-fold lower than the values of the other antibiotics. Against Pseudomonas aeruginosa, HR 810 was as active as cefoperazone, an antipseudomonal agent. The minimal bactericidal concentrations (MBCs) of HR 810 were equal to or only 2-fold greater than the MICs for most of 12 standard strains tested. The compound markedly decreased viable bacterial counts at its MICs, thus showing strong bactericidal activities. The in vitro activity of HR 810 was not affected by pH or human serum content of agar media, but the activity against Gram-negative bacteria was lowered as the inoculum size increased.
  • 大久保 隆男, 伊藤 章, 高橋 英男, 三浦 富次, 小田切 繁樹, 長谷川 英之, 栗原 牧夫, 山部 快太郎, 小原 侃市
    1987 年 40 巻 5 号 p. 983-994
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    横浜市立大学及びその関連病院6施設において, 細菌の関与した扁桃炎, 咽喉頭炎にノルフロキサシン (NFLX) を1日2回投与し, 以下の成績が得られた。
    1.66例中来院せず4例, 投薬違反4例, 感染症状不明確2例のため10例を解析対象から除外し, 56例について検討した。
    2.解析対象症例は扁桃炎20例, 咽喉頭炎36例, 1日投与量400mg38例, 600mg18例, 男32例, 女24例で, 入院3例, 他の53例は外来症例である。軽症, 中等症がほとんどであり, 基礎疾患又は合併症は26例にあるが, いずれも軽度なものである。
    3.7日以内投与症例判定で, 扁桃炎は15例中11例が改善以上で改善率73.3%, 咽喉頭炎30例中25例が改善以上で, 改善率83.3%で, 合計45例中では80.0%の改善率であつた。
    4.全症例判定では, 扁桃炎は20例中75.0%, 咽喉頭炎は36例中83.3%の改善率で, 両疾患合せた56例では80.4%の改善率であつた。
    5.細菌学的に19例中6例に消失, 2例に減少, 不明11例, 1例で新たに菌出現がみられた。
    6.副作用は1例で悪心, 頭痛, 1例でGOT, GPTの軽度の上昇が認められた。
    7.本剤1回200mg又は300mg1日2回投与は, 200mg1日3回投与による扁桃炎, 咽喉頭炎の臨床効果と比べても遜色なく, 臨床的には, 本剤1回200mg又は300mg, 1日2回投与であつても十分に効果が期待される。
    8.抗菌力, 血中半減期から考えて, 1日2回投与でも臨床的には, 十分有用性が期待されることが臨床的に今回の検討で証明されたと言えよう。
  • 千村 哲朗, 渡辺 哲也, 井上 公俊, 吉村 由紀子
    1987 年 40 巻 5 号 p. 995-1000
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    産婦人科領域の感染症に対しCefuzonam (CZON, L-105) を投与し, その臨床効果を検討し以下の成績を得た。
    1.子宮内感染 (子宮溜膿腫3例), 骨盤内感染 (骨盤死腔炎1例, 骨盤腹膜炎1例), 子宮附属器炎1例, その他 (膣断端炎2例, 腔潰瘍感染1例, バルトリン腺膿瘍1例, 外陰部膿瘍1例) の計11例に対し, CZON1日1~29投与した結果, 全例有効 (著効1例, 有効10例) であレつた。
    2.本剤の細菌学的効果では単独感染, 混合感染に対し高い有効率を認めた。
    3.自他覚的副作用及び本剤によると考えられた臨床検査値の異常は認められなかつた。
  • 高見澤 裕吉, 松井 英雄, 小林 総介, 清水 洋, 加藤 喜市, 山賀 明弘, 山澤 功二, 鈴木 三郎
    1987 年 40 巻 5 号 p. 1001-1006
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発された半合成Cephem系抗生物質Cefuzonam (CZON, L-105) について, 産婦人科領域における, 体内動態及び臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1.CZON1gを60分にて点滴静注し, 点滴終了後40~190分の肘静脈血清中, 子宮動脈血清中, 性器組織内濃度を測定した。肘静脈血清中濃度に対する性器組織内濃度の比は, 多くの揚合0.5~1.5と比較的良好な組織移行性を示し, 産婦人科領域感染症における一般的な起炎菌の多くに対するMICを上回る成績であつた。
    2.臨床的には, 産婦人科領域感染症8例に, 1日2~49を点滴静注にて使用し, 62.5% (5例/8例) の有効率が得られた。一方, 本剤に起因すると考えられる自他覚的副作用及び臨床検査値異常例は1例も認められなかつた。
  • 張 南薫, 福永 完吾, 國井 勝昭, 木村 武彦, 亀田 省吾, 渡辺 博子
    1987 年 40 巻 5 号 p. 1007-1028
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいCephem系抗生物質Cefuzonam (CZON) について, 産婦人科領域で検討を行い以下の結果を得た。
    1.吸収及び性器組織移行性は良好で, 1回19点滴静注で, 子宮動脈血清中濃度は最高49.0μg/mlが得られ, 組織内濃度は最高23.0μg/gが得られた。又, 2g投与では, 子宮動脈血清中濃度は最高137μg/ml, 組織内濃度は最高54.6μg/gが得られた。その消長は血清中濃度とよく似た推移を示し, Doseresponseが認められた。
    2.骨盤死腔滲出液中にも良好に移行し, 19点滴静注後, 4時間でピーク値8.17μg/mlに達し, 長時間持続した。
    3.産婦人科的感染症に対し, 1回191日2回投与で, 21例中18例 (85.7%) の臨床効果と, 93.3%の細菌学的効果を認めた。副作用はなかつた。
  • 小原 達也, 松井 幸雄, 野田 正和, 大岩 一彦
    1987 年 40 巻 5 号 p. 1029-1036
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新Cephalosporin系抗生物質Cefuzonam (CZON, L-105) について産婦人科領域での組織移行性並びに臨床的検討を行い以下の成績を得た。
    1.点滴静注終了後, 5~9分の濃度に比べ1時間後には血中ではほぼ1/10に減少し, 約3時間後には微量となつた。すなわち, 他剤に比べて排泄がかなり速やかであつた。組織内濃度の経時的変化は症例が少なく, ばらつきが多いため本実験の結果からは結論に至らなかつた。
    2.骨盤死腔液中濃度は点滴静注終了後30分に18.5μg/mlの最高濃度を認め, 10時間後も0.092μg/mlの濃度が認められた。
    3.産婦人科感染症5例にCZONを投与し有効4例, 無効1例であつた。又, 副作用は認められず, 臨床検査値への影響も特に認められなかつた。
  • 岩瀬 一, 宇野 美幸, 辻井 孝, 池下 久弥, 穂垣 正暢, 荒井 清
    1987 年 40 巻 5 号 p. 1037-1040
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    婦人科感染症17症例 (バルトリン腺膿i瘍5例, バルトリン腺炎1例, 附属器炎5例, 子宮内膜炎4例, 卵管溜膿腫1例, 外陰膿瘍1例) にCefuzonam (CZON, L-105) を1日2回点滴静注投与 (総投与量6~239) を行い, 著効1例, 有効15例, 無効1例の臨床結果を得た。
    又, 症例のうち菌が検出されたのは9例で菌消失6例, 菌交代3例で無効の1例を除き菌交代例も有効以上を示した。このことから速断することはできないがCZONはその広い抗菌スペクトラム, β-ラクタマーゼの安定性等から産婦人科領域で臨床応用価値の高い薬剤であると思われるので報告する。
  • 松田 静治, 鈴木 正明
    1987 年 40 巻 5 号 p. 1041-1046
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    注射用合成新セファロスポリン剤Cefuzonam (CZON, L-105) の産婦人科感染症における有用性を評価するため臨床試験を行い下記の成績を得た。
    1.13例の産婦人科感染症 (子宮内感染2例 (産褥熱1例, 子宮内膜炎1例), 子宮付属器炎7例 (うち卵管炎2例), 子宮付属器膿瘍1例, 腔壁膿瘍1例, 腎孟腎炎1例, 乳腺炎1例) にCZON1回191日2回を点滴静注あるいは静注で投与 (総投与量8~149) を行い, 有効12例, 無効1例の結果を得た。
    2.CZON投与前に用いた他の抗菌剤に無効であつた4例に対してすべて有効であつた。
    3.嫌気性菌 (Peptostreptococcu Sanaerobius, Bacteroides fragilis), 好気性グラム陰性桿菌 (Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae) が検出された症例にも優れた効果を示した。
    4.副作用, 臨床検査値異常は認められなかつた。
    5.CZONはその広い抗菌スペクトラム, β-ラクタマーゼに対する安定性等から産婦人科領域で有用性の高い薬剤と思われる。
  • 小幡 功, 鶴岡 信博, 小池 清彦, 森本 紀, 有広 忠雅, 蜂屋 祥一, 大和 竜夫, 林 茂興, 林 茂一郎
    1987 年 40 巻 5 号 p. 1047-1065
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefuzonam (CZON, L-105) の子宮及び子宮附属器組織への移行性と産婦人科感染症に対する有用性と安全性を検討し, 次の結果を得た。
    1.CZON 1g One shot静注投与により子宮組織及び子宮附属器組織はCmax15.7~33.9μg/g, Tmax7.3~34.0分, AUC18.7~35.3μg・hr/gと良好な移行性が認められた。
    2.本剤投与により産婦人科感染症30例は全例が総合効果判定基準で有効の成績であつた。
    3.細菌学的効果においても本剤投与前に認められた分離菌の93.9%が本剤投与後消失した。
    4.本剤投与前に検出された全分離菌及び交代菌に対するCZONのMIC50, MIC80, MIC90は0.20μg/ml, 12.5μg/ml, 25μg/mlと平均的に低値を示した。
    5.本剤投与中, 後には本剤の影響と思われる副作用は自他覚症状所見や臨床検査値からは認められなかつた。
  • 伊藤 邦彦, 飯田 晃司, 近藤 英明, 野田 克已, 早崎 源基, 鷲見 裕久, 門元 則達
    1987 年 40 巻 5 号 p. 1066-1073
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefuzonam (CZON, 工-105) の婦人性器内移行につき, 子宮頸癌根治術施行例において骨盤死腔浸出液中の薬剤濃度を測定し, 2一コンパートメントモデルで解析した。その結果, CZON19を1時間で点滴静注した場合, 肘静脈血清中濃度は投与開始1時間後に46.95μg/mlを示した。又, 骨盤死腔浸出液移行濃度は投与開始2.44時間後に11.29μg/mlのピークに達し, 8時間後には4μg/ml以上の値を, 又, 12時間後には1.7μg/ml以上の値を示した。骨盤死腔浸出液移行濃度曲線下面積 (AUC) は77.85μg・hr/mlであつた。この成績からCZONはStaphylococcusaureus, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Haemophilus influenzaeには19の投与で効果が期待できると思われたが, Staphylococcusepidermidis, Bacteroides fragilisには用量を多くする必要があると思われた。
    産婦人科領域の感染症3例にCZONを使用し, 2例が有効, 1例が不明であつた
  • 山元 貴雄, 保田 仁介, 金尾 昌明, 岡田 弘二
    1987 年 40 巻 5 号 p. 1074-1083
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたCefuzonam (CZON, L-105) に関する基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
    1.CZON1g 0ne shot静注時における血清中濃度は投与後15分で74.0μg/mlを示し, 以後漸減し, 3時間10分で1.50μg/mlとなつた。
    本剤の性器組織内濃度は投与後15分から3時間10分まで0.46~30.0μg/9であつた。又, 本剤の骨盤死腔液中濃度は投与後1, 2, 4, 6時間で, それぞれ51.6±7.32, 41.5±8.30, 20.6±9.87, 10.4±6.65μg/mlであつた。
    2.産婦人科感染症11例に本剤を使用したところ, 有効9例, 無効2例となり, 有効率81-8%であつた。
    3.本剤投与を行つた全例に自他覚的な副作用を認めなかつた。臨床検査値異常として1例にGOT, GPT, A1-Pの一過性上昇が認められたが, 本剤との因果関係は不明であつた。
  • 舘野 政也
    1987 年 40 巻 5 号 p. 1084-1088
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    7例の少数例ではあるが今回の成績を次のとおりまとめることができる。
    1.産婦人科感染症7例に対するCefuzonamの効果は著効1例, 有効6例で有効率は100%であつた。
    2.Staphylococcus aureusによる子宮内感染症に対しても著効が認められた。
    3.副作用は1例にも認められなかつた。
    4.1例にS-GOT, S-GPTの軽度の上昇がみられたが一過性であつた
  • 血中Cefuzonam動態と女性骨盤内臓器への移行
    宮川 勇生, 山尾 裕道, 谷山 圭一, 河野 恭悟, 春山 康久, 森 憲正
    1987 年 40 巻 5 号 p. 1089-1093
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    単純子宮全摘出術を受けた29症例を対象にCefuzonam (CZON) 1gをOne shot静脈内へ投与した場合の肘静脈, 子宮動脈血中濃度及び卵巣, 卵管, 子宮内膜, 筋層, 子宮頸部, 膣部の各組織内濃度について検討した。
    肘静脈及び子宮動脈の血中薬物初濃度は, それぞれ148-1μg/ml, 155.4μg/mlで, 高い血中濃度が得られ, 半減期はそれぞれ1.07時間, 1.02時間であつた。又, CZON投与後4時間10分までは, Escherichia coliをはじめとする多くの細菌に対するMICを上回る濃度であつた。更に, 各骨盤内臓器への薬剤の移行も良好で, 卵管及び子宮内膜の組織内濃度と肘静脈血中濃度の比率は, それぞれ0.74, 0.44で卵管への薬剤の移行が良好であつた。
    以上の成績及びCZONの強い抗菌力, 広範囲の抗菌スペクトラム, 更にその安全性から, 新しいCephem系抗生物質として婦人科領域の感染症に対して広い臨床応用が期待される
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