横浜市立大学及びその関連病院6施設において, 細菌の関与した扁桃炎, 咽喉頭炎にノルフロキサシン (NFLX) を1日2回投与し, 以下の成績が得られた。
1.66例中来院せず4例, 投薬違反4例, 感染症状不明確2例のため10例を解析対象から除外し, 56例について検討した。
2.解析対象症例は扁桃炎20例, 咽喉頭炎36例, 1日投与量400mg38例, 600mg18例, 男32例, 女24例で, 入院3例, 他の53例は外来症例である。軽症, 中等症がほとんどであり, 基礎疾患又は合併症は26例にあるが, いずれも軽度なものである。
3.7日以内投与症例判定で, 扁桃炎は15例中11例が改善以上で改善率73.3%, 咽喉頭炎30例中25例が改善以上で, 改善率83.3%で, 合計45例中では80.0%の改善率であつた。
4.全症例判定では, 扁桃炎は20例中75.0%, 咽喉頭炎は36例中83.3%の改善率で, 両疾患合せた56例では80.4%の改善率であつた。
5.細菌学的に19例中6例に消失, 2例に減少, 不明11例, 1例で新たに菌出現がみられた。
6.副作用は1例で悪心, 頭痛, 1例でGOT, GPTの軽度の上昇が認められた。
7.本剤1回200mg又は300mg1日2回投与は, 200mg1日3回投与による扁桃炎, 咽喉頭炎の臨床効果と比べても遜色なく, 臨床的には, 本剤1回200mg又は300mg, 1日2回投与であつても十分に効果が期待される。
8.抗菌力, 血中半減期から考えて, 1日2回投与でも臨床的には, 十分有用性が期待されることが臨床的に今回の検討で証明されたと言えよう。
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