The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
45 巻, 4 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 中根 豊, 鈴木 由美子, 深山 成美, 石原 理加, 小田 清次
    1992 年 45 巻 4 号 p. 359-363
    発行日: 1992/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1991年に各種気道系感染症から分離したBranhamella catarrhalisを対象にCefetamet (CFMT) の抗菌活性 (MIC) を測定し, 以下の結論を得た。
    1. CFMTのMIC80は0.39μg/mlであり, Cefixime (CFIX) には1管差 (2倍) 劣るものの, Cefpodoxime (CPDX) には2管差 (4倍), 更にCefotiam (CTM) には3管差 (8倍) 勝る抗菌活性を示した。
    2. 供試50株はいずれも昼ラクタマーゼ産生株であることから, B. catarrhalisの産生するβ-ラクタマーゼとしてのBRO-1及びBRO-2に対してCFMTは安定であることが示唆された。
    3. 公表されているCFMT及び対照薬剤の鴬用量単回投与時における薬動力学的定数から求めた血中濃度は, 今回の検討で得られたB. catarrhalisに対するMIC80を, CFMT及びCFIXは12時間, CPDXは6時間, そしてCTMは2時間程度越えていることから, CFMTはB. catarrhalisが直接及び間接的に関与する気道系感染症に対するAbove the MIC, 更にTime above MICの条件を満たしていた。
  • 渡辺 直彰, 浅川 直樹, 豊澤 逸生, 比留間 良一, 畑 桂, 上野 純子, 勝 鎌政, 吉田 豊
    1992 年 45 巻 4 号 p. 364-370
    発行日: 1992/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ヒトにおいてDisumram様作用の認められている抗生物質Latamoxef及びCefoperazoneをラットに投与すると, 最終投与18時間後には, 肝ミトコンドリアのLow Km aldehyde dehydrogenase (Low Km ALDH) 活性の低下が認められた。更に, これらの抗生物質を投与し, その18時間後にエタノールを負荷したラットでは, 対照群に比較し血中アセトァルデヒド濃度が著しく上昇していた。一方, Cefclidin (CFCL, E1040) 及びE1077の300mg/kg及び1,000mg/kgを3日間連続投与したラットでは, 肝ミトコンドリアのLow Km ALDH活性の低下は認められず, エタノールを負荷しても血中アセトアルデヒド濃度は対照群との間に大きな差は認められなかつた。以上の結果から, CFCL及びE1077は生体内でのアルコール代謝系に影響を及ぼさないことが示された。
  • 久野 邦義, 小川 昭正, 早川 文雄, 竹内 秀俊, 伊藤 和江, 瀧本 洋一, 近藤 勝
    1992 年 45 巻 4 号 p. 371-380
    発行日: 1992/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいカルバペネム系抗生物質であるPanipenem/Betamipron (PAPM/BP) につき小児科領域において基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1. 当科臨床分離株に対する抗菌力は, グラム陽性菌からグラム陰性菌にわたり全般的に強い抗菌力を示した。
    2. PAPM/BPを10mg/10mg/kg1例, 20mg/20mg/kg2例に30分点滴静注した時のPAPMの最高血漿中濃度は点滴静注終子時で33。21~75.66μg/mlで, 半減期は0.81~0.93時間であつた。又, 投与開始後6時間までのPAPMの尿中回収率は10.7~40.4%であつた。
    3. 各種小児感染症16例に本剤を投与し, 100%の臨床的, 細菌学的有効率を得た。
    4. 副作用は1例もみられず, 検査値異常としてGOT上昇, GOT, GPT上昇, 好酸球増多各1例, 血小板増多2例がみられたが, いずれも軽度であつた。
  • 岩井 直一, 中村 はるひ, 宮津 光伸, 渡辺 祐美, 種田 陽一
    1992 年 45 巻 4 号 p. 381-397
    発行日: 1992/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Carbapenem系抗生物質であるPanipenem (PAPM) とBetamipron (BP) との1: 1の配合剤であるPAPM/BPについて, 小児科領域における基礎的, 臨床的検討を行った。
    1. 小児9例 (4~14歳) にPAPM/BPを10mg/10mg/kg (4例) あるいは20mg/20mg/kg (5例) を30分かけて点滴静注した際の血漿中濃度並びに尿中排泄を検討した。
    PAPMの点滴静注終了時の血漿中濃度は, 10mg/10mg/kg投与例では30.75±4.98μg/ml, 20mg/20mg/kg投与例では68.72±5.73μg/mlで, その後1.08±0.09時間, 0.98±0.02時間の半減期をもつて漸減し, 点滴静注開始後5.5時間では各々0.39±0.14μg/ml, 0.62±0.06μg/mlであつた。又, BPの点滴静注終了時の血漿中濃度は10mg/10mg/kg投与例では18.93±3.75μg/ml, 20mg/20mg/kg投与例では37.09±2.68μg/mlであり, 半減期は各々0.55±0.07時間, 0.61±0.03時間で, 55時間後では全例測定不能であつた。
    一方, 点滴静注開始後6時間までの平均尿中回収率は, PAPMでは10mg/10mg/kg投与例で33.0±641%, 20mg/20mg/kg投与例で218±2.3%であり, BPではそれぞれ77.0±2.4%, 76.6±7.3%であった。
    2. 化膿性髄膜炎の1症例に対しPAPM/BP31.3mg/31.3mg/kgを30分かけて点滴静注した際の髄液中PAPM濃度は, 投与開始日の点滴静注終了時で0.76μg/ml, 投与開始後2~9日の点滴静注終子後30分では0.80~1.97μg/mlであった。
    3. 小児期感染症43例, 47疾患にPAPM/BPを投与し, その際の臨床効果, 細菌学的効果, 副作用について検討した。なお, 1回の投与量は5.2mg/5.2mg~31.3mg/31.3mg/kg, 1日の投与回数は3~4回, 投与日数は31/3~11日, 総投与量は1.125g/1.125g~11.0g/11.0gであった。
    急性化膿性扁桃腺炎6例, 急性化膿性胆管炎1例, 急性腸炎3例, 化膿性髄膜炎1例はいずれも著効, 蜂巣炎1例及び急性尿路感染症1例は有効, 急性化膿性中耳炎4例は著効1例, 有効3例, 急性肺炎30例は著効22例, 有効7例であり, 臨床効果を判定し得た症例では全例有効以上の成績が得られた。
    又, これらの症例の原因菌と考えられたStaphylococcus aureua1株, Staphylococcus pyogenes1株, Staphylococcus pneumoniae10株, Haemophilus influenzae12株, Escherichia coli1株に対する細菌学的効果は, H. influenzaeの1株が減少であつた以外はすべて消失と判定された。
    副作用の認められた症例はなかった。臨床検査値異常としては, GOTの上昇が1例, 血小板数の増多が3例に認められた。
  • 井戸 正流, 伊藤 正寛, 櫻井 實, 庵原 俊昭, 神谷 齊
    1992 年 45 巻 4 号 p. 398-407
    発行日: 1992/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新カルバペネム系抗生物質Panipenem/Betamipron (PAPM/BP) を小児に投与し, その基礎的, 臨床的検討を行った。
    PAPM/BP10mg/10mg/kg及び20mg/20mg/kgを30分かけて点滴静注した時のPAPMの血中濃度半減期はそれぞれ1.17時間, 0.88時間であり, 投与後6時間以内の尿中回収率はそれぞれ29%, 17.7%であった。
    PAPMの小児感染症患者から分離されたグラム陽性球菌, グラム陰性桿菌に対する抗菌力はImipenem, Ceftazidime, Cefoperazone, Piperacillinと同等ないしはやや優れていた。
    臨床検討では, 17症例に対するPAPM/BPの臨床効果は, 著効8例, 有効8例, やや有効1例で有効率94.1%であつた。臨床検査値の異常を3症例に認めた以外, 副作用を認めなかった。
  • 西村 忠史, 田吹 和雄, 青木 繁幸, 高木 道生
    1992 年 45 巻 4 号 p. 408-415
    発行日: 1992/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Panipenem/Betamipron (PAPM/BP, CS-976)の小児科領域における臨床的検討を, 化膿性扁桃炎2例, 気管支炎1例, 肺炎15例, 猩紅熱1例, 尿路感染症1例, 中耳炎1例の計21例について行った。臨床効果は著効15例, 有効6例で全例が有効以上を示し, 有効率100%であった。一方, 細菌学的効果はStaphylococcus aureus1株, Streptococcus pyogenes1株, Streptococcus pneumoniae3株, Escherichia coli1株, Haemophilus influenzae6株, Pseudomonas aeruginosa1株, 及びAcinetobacter anitratus1株の計14株について検討した。E. coliは本剤使用中には消失したが, 投与中止後4日目に再排菌がみられ, H. influenzae1例は減少であり, 他の12例では全例本剤使用中に菌消失し有効であつた。副作用は本剤投与前後の臨床症状・所見及び検査所見の異常を計21例について検討したが, 本剤と関連のある検査異常値や臨床症状・所見の異常は認めなかつた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌髄膜炎症例を含めて
    春田 恒和, 大倉 完悦, 黒木 茂一, 仁紙 宏之, 楢村 真弓, 西尾 利一, 小林 裕
    1992 年 45 巻 4 号 p. 416-423
    発行日: 1992/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいカルバペネム系抗生剤Panipenem/Betamipron (PAPM/BP) の小児科領域感染症に対する有効性及び安全性を検討し以下の成績を得た。
    1. 化膿性髄膜炎の2例についてPAPM/BPの髄液移行性について検討した。PAPMの髄液移行は投与量26.1mg/kgでは, 投与後30分の採取で3.21μg/mlをピークに臨床症状の回復と共に漸減し, 12日目 (投与後30分) では0.86μg/mlであった。
    2. 化膿性髄膜炎2例 (ペニシリン耐性肺炎球菌髄膜炎1例を含む), 肺炎3例, 蜂巣炎2例, 肛門周囲膿瘍2例, 尿路感染症2例計11例に1日50~69mg/kgで, 1日3回, 4~15日間点滴静脈内投与した (化膿性髄膜炎の2例では1日104mg/kg, 175mg/kgで, 1日4回) 結果, 本剤の臨床効果は著効5例, 有効6例であり, すべての症例が有効以上の効果を示し, 細菌学的効果でも, 判定可能であつた9例の効果はすべて消失であった。
    3. 安全性では, 副作用は認められなかつたものの, 臨床検査値の異常変動として, 血小板数の増加, GOT, GPTの軽度上昇が1例に認められた。
    4. 以上の成績から, PAPM/BPは小児一般感染症治療に有用であり, 1日量60mg/kg前後, 分3投与で十分効果が得られると考えられた。又, 化膿性髄膜炎に対しても有用と考えられたが, 投与量については更に検討が必要である。
  • 古川 正強, 岡田 隆滋
    1992 年 45 巻 4 号 p. 424-429
    発行日: 1992/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Panipenem/Betamipron (PAPM/BP) を21例の小児科領域感染症 (肺炎7例, 気管支炎1例, 中耳炎2例, 蜂窩織炎3例, 化膿性リンパ節炎2例, 化膿性耳下腺炎1例, 上顎洞炎1例, 乳様突起炎1例, 尿路感染症2例, 化膿性髄膜炎1例) に使用し次のような結果が得られた。
    1. 臨床効果は著効12例, 有効7例, 無効1例, 不明1例で, 有効以Lの総合有効率は95.0%であつた。
    2. PAPM/BPは10例から分離された7菌種, 11株の起因菌に対し, すべて強い薬剤感受性を示し, 不明の1例を除く9例は除菌された。
    3. 1例の化膿性髄膜炎において, 髄液移行を検討した結果, 治療4日目でPAPMの髄液中濃度は684μg/ml, 9日目で3.28μg/mlであつた。
    4. 副作用は1例で軽度の血小板上昇が認められた。
    5. 以上の結果から, PAPM/BPは小児科領域感染症において今後有用且つ必要な抗生物質と思われる。
  • 関口 隆憲, 岡本 喬, 大原 克明, 幸山 洋子, 西岡 敦子, 鈴江 毅, 松田 純子
    1992 年 45 巻 4 号 p. 430-436
    発行日: 1992/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Panipenem/Betamipron (PAPM/BP) を15例の小児急性細菌感染症に点滴静注投与した。
    症例の内訳は肺炎11例, ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群, 尿路感染症各2例の15例であった。
    臨床効果は15例中著効11例, 有効4例で有効率は100%であつた。細菌学的効果は12株で検討でき, 12株すべてが消失し, 消失率は100%であつた。PAPMのMICはImipenemとほぼ同等であつた。副作用として蕁麻疹が1例, 検査値異常として好酸球増多とGOT, GPTの上昇が各1例ずつみられたが, いずれも軽微であった。
  • 森田 英雄, 浜田 文彦, 藤枝 幹也, 細川 卓利, 前田 明彦, 前田 治子, 橋詰 稔, 城戸 紳二, 久川 浩章, 川久保 敬一, ...
    1992 年 45 巻 4 号 p. 437-442
    発行日: 1992/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児科領域におけるPanipenem/Betamipron (PAPM/BP) 注射剤の臨床的検討を行い下記の成績を得た。
    1. 急性気管支肺炎6例, 急性咽頭炎, 急性気管支炎, 敗血症, 皮下膿瘍, 瘤腫症, ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群, 尿路感染症それぞれ1例の計13例を対象とした。PAPM/BP注射剤12~27mg/kg, 1日3~4回, 30分点滴投与で, 4~25日間投与し, 著効3例, 有効9例で有効率92%の成績を得た。
    2. 副作用症状は認められなかった。臨床検査所見ではGOT, GPT, ウロビリノーゲン値の上昇が各1例で認められた。
    以上の成績から, PAPM/BP注射剤は小児科領域の細菌感染症治療に期待される薬剤である。
  • 藤澤 由樹, 田内 久道, 貴田 嘉一, 松田 博
    1992 年 45 巻 4 号 p. 443-451
    発行日: 1992/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我々は小児感染症患者を対象に, Panipenem/Betamipron (PAPM/BP) を投与し, その薬物動態及び臨床効果, 細菌学的効果, 副作用を調べた。PAPM/BP 10mg/kg (PAPM/BP 10mg/kg (力価)/10mg/kgに相当) を点滴静注したとき, 血中PAPM濃度の頂値は14.8μg/mlであり, 血中半減期は0.9時間であつた。中等症~重症の呼吸器感染症15例, 中耳炎2例, 敗血症1例にPAPM/BPを1回10mg/kg1日3回, 平均8日間投与した結果, 臨床的有効率は94%で, 細菌学的菌消失率は100%であつた。臨床的副作用はみられなかった。検査値上, 1例に血小板数の上昇がみられたが投与終了後, 速やかに正常化した。更に, 当小児科病棟で分離された細菌に対するPAPMのMICを調べ, Imipenem, Cefoperazone, Ceftazidime, Piperacillinのそれらと比較した。抗菌力をMICで評価すると, PAPM はMethicillin-sensitive Staphylococcus aureus(MSSA), Staphylococcus epidermidis, Streptococcus pneumoniae, Enterococcus faecalisなどのグラム陽性菌, 及びEscherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Branhamella catarrhalis, Haemophilus influenzaeをはじめとするグラム陰性菌に強い抗菌力を有していた。更にPAPMはMethicillinresistant S. aureus (MRSA), Pseudomonas aeruginosaに対して弱いながら抗菌力を有していた。これらのことからPAPM/BPは小児科領域におけるグラム陽性菌, グラム陰性菌感染症に対して幅広く有効な抗生物質であることが示唆された。
  • 1992 年 45 巻 4 号 p. 452-
    発行日: 1992年
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top