1994年1月から2000年2月までに社会保険中央総合病院において各種臨床材料より分離されたMRSA109菌株に対する, teicoplanin (TEIC) とβ-クタム系抗菌薬の
in vitro併用効果を検討した。 微量液体希釈法によるcheckerboard法で, TEIC+panipenem (PAPM) は109菌株すべてに対して, min.FIC index≤0.5の相乗作用を示した。 TEICとnomoxef (FMOX) の併用では108菌株 (99.1%) が相乗作用を示した。TEICとcefepime (CFPM) の併用では96菌株 (88. 1%) が相乗作用を示した。TEICとcefrnetazole (CMZ) の併用では109菌株 (100%) のすべてが相乗作用を示していた。各々の組み合わせのmin. FIC indexの平均値はTEIC+PAPM: 0.1259, TEIC+FMOX: 0.2019, TEIC+CFPM: 0.3257, TEIC+CMZ: 0.1995で, TEIC+PAPMが他の組み合わせと比較して最も低い値を示していた。
TEICの単剤時MIC
80は2.0μg/mlであったが, 併用時のMIC値はPAPMとの併用時MIC
80 は≤0.06μg/mlで, FMOXとの併用時MIC
80は0.13μg/mlであった。また, PAPM単剤時MIC
80は32μg/mlであったが, TEICとの併用時MIC
80は0.5μg/mlで, FMOX≥128μg/ml が4.0μg/mlとなった。また, TEICのCFPMとの併用時MIC
80は0.5μg/mlで, CMZではFMOXと同様に0.3μg/mlであった。CFPM単剤時MIC
80は≥128μg/mlであったが, TEICとの併用時MIC
80は8.0μg/mlで, CMZは64μg/mlが2.0μg/mlとなり, 各々の組み合わせで抗菌力が増強されていた。
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