国際深海掘削計画(ODP)の第159次航海は, 1995年1月から3月にかけて赤道大西洋の Romanche Fracture Zone 東方延長部のアフリカ大陸縁辺部 (第1図) で行われた. 本航海の目的のひとつに, アフリカ大陸縁辺部に発達した地形的高まりである Cote d'lvoire-Ghana Transform Margin (第2図) (以下CIGTM) の成因とその発達史の解明があげられる. 本航海では, Marginal Ridge 上の site 959 から site 962 の4地点で掘削が行われ(第2図), いずれも音響基盤にあたる白亜系アルビアンーセノマニアンに達している(第3図).
本航海に先立つ1992年6月に, フランスの NAUTILE によって, CIGTM の南側急崖 (site 960付近) の地層観察が行われた. 潜航は深度 4,950m から 2,200m にかけて14回に及んだ. 急崖には, 塊状砂岩 (第4図) や中層理細粒砂岩シルト岩互層 (第5・6図) が露出し, レンズ状~波状層理やトラフ型斜交層理も観察された. ドレッジされたサンプルからアルビアンの貝形類が産出している. これらの堆積環境は三角州と推定された.
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