地質学雑誌
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109 巻 , 8 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 栗原 敏之
    2003 年 109 巻 8 号 p. 425-441
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    飛騨外縁帯九頭竜周-伊勢川上流地域の中部古生界は,炭酸塩粒子に富む凝灰質砕屑岩からなる影路層(新称),砕屑岩を主体とする子馬巣谷層(新称)および主に石灰岩からなる上穴馬層(再定義)に区分できる.放散虫化石に基づき,影路層の年代は前期シルル紀の前期,子馬巣谷層は後期シルル紀~前期デボン紀の後期である.上穴馬層は福地層との対比から前期デボン紀である.飛騨外縁帯の他地域の中部古生界との対比から,これら各層は年代,岩相および岩相層序の組み合わせにおいて福地-一重ヶ根地域の中部古生界と類似し,本郷-荒城川および楢谷地域の中部古生界とは相違点が多いといえる.また,九頭竜周-伊勢川上流地域の下部デボン系には,ほぼ同時代の浅海相と深海~半深海相が存在することが明らかになった.こうした同時異相の存在は,飛騨外縁帯中部古生界の岩相層序の差異が,分化した堆積盆で形成されたことに起因する可能性があることを示す.
  • 平原 由香, 周藤 賢治
    2003 年 109 巻 8 号 p. 442-458
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    北部北海道,礼文島北部に分布する厚さ240mのシルである,スコトン岬貫入岩体は柱状節理帯,縞状構造帯,塊状帯に区分される.各帯は貫入関係である.柱状節理帯と縞状構造帯は,優黒質ドレライトと優白質ドレライトおよび安山岩質細脈よりなる.本岩体の形成は新第三系堆積岩類の浜中層の堆積時~堆積直後に柱状節理帯を形成したマグマの貫入により始まり,続いて縞状構造帯を形成したマグマが貫入した.両マグマとも冷却の進行に伴い,結晶分化作用により優黒質ドレライト,優白質ドレライト及び安山岩質細脈を形成し,冷却末期に柱状節理を形成した.縞状構造帯では柱状節理の形成前に優黒質ドレライト中に気孔の量比の違いによる縞状構造が発達した.最後に塊状帯を形成したマグマが縞状構造帯を形成したマグマの末固結時に貫入した.貫入したマグマ中に縞状構造帯の優黒質ドレライトの一部が取り込まれ,塊状帯中の暗色包有物を形成した.
  • Hirokazu Ozawa
    2003 年 109 巻 8 号 p. 459-465
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    日本海南西~東縁部陸棚域の表層堆積物から報告された,寒冷性介形虫化石の代表的な3属について,分布を総括した.このうち対馬海峡北東方の山口県沖の陸棚下部から,最多の標本が得られている.これらは更新世中期以降の氷期に,現在より緯度で10°低い海域まで分布南限をのばした際の痕跡と考えられる.この寒冷性種の産出は,現在は北海道北西沖の日本海北東部に見られる冷水系中層水に似た水塊が,氷期には対馬海峡北東方に存在したことを示し,陸棚上部域の夏季水温・塩分が現在より約10℃・0.5‰低かったことを示唆する.この化石の産出から日本海南西縁部では,更新世中期以降の氷期に親潮系氷とは異なる性質の冷水塊が,浅海域に存在したことが推定される.
  • 松川 正樹, 小荒井 千人, 大久保 敦, 伊藤 慎
    2003 年 109 巻 8 号 p. 466-477
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    手取層群の主要分布域では統一した地層区分により層序が編まれ,各層の分布が地質図に表された,この統一された地層区分に基づいてこれまで報告されてきた動植物化石の産出層準を整理し,従来の動植物化石群の層序的位置づけを示し,それらの構成種の示準性や示相性を評価した.陸上脊椎動物化石や淡水生二枚貝化石の産地のほとんどは,桑島層か大黒谷層に属することが示された.桑島層は氾濫源ないしは湖の堆積相であり,それらの動物化石群の出現は環境に支配されていると解釈できる.また,植物化石が多産する産地も桑島層の分布域に相当する.桑島層には,ジュラ紀に繁栄した古い時代の型の動物に比べて白亜紀後期に繁栄した新しい時代の型の動物の方が多い.新しい型の動物は環境変化が頻繁に起こる大陸縁辺部でも適応したと解釈される.
  • 亀尾 浩司, 斎藤 敬二, 小竹 信宏, 岡田 誠
    2003 年 109 巻 8 号 p. 478-488
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    房総半島南部に分布する千倉層群布良層と南朝夷層の石灰質ナンノ化石を検討し,それらの地質時代と後期鮮新世における本邦太平洋側中部海域の表層海洋環境を考察した.おもな化石種の層位分布に基づけば,布良層と南朝夷層はおおむね3.3Maから2.4Maに相当する.一方,環境指標となる化石種の増減から,3.3Maから3.0Maの間,かつての房総海域には非常に温暖で,かつ栄養塩に乏しい外洋水が存在したことが指摘できる.ところが3.0Ma以降,この海域は寒冷化し始め,とくにその傾向は2.7Ma以降強くなる.このことはこの時期以降,房総海域に混合水塊の影響が強く及ぶようになったことを意味している.また,2.7Ma以降,東アジア大陸周辺からの表層水の流入が増加した可能性もあり,東アジア大陸の風化作用の強化に連動して,房総海域の海洋環境が変化したことも示唆される.
  • 鈴木 寿志, 桑原 希世子
    2003 年 109 巻 8 号 p. 489-491_1
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    Late Permian (early Kuman) radiolarians are reported and depicted from Sado Island of Niigata Prefecture, central Japan, for the first time. The radiolarian fauna is obtained from mudstone. It is composed of Follicucullus charveti Caridroit et De Wever, FoUicucullus ventricosus Ormiston et Babcock, Entactinosphaera aff. Cimelia Nazarov et Ormiston, Entactinosphaera pseudocimelia Sashida et Tonishi, Hegleria mammilla (Sheng et Wang) and so on. A part of the pre-Tertiary rocks of Sado Island should be correlated to the Permian of the Ultra-Tanba Belt or Joetsu Belt, although they have previously been regarded as one of the Mesozoic accretionary complexes of the Ashio Belt.
  • 道林 克禎, 東條 文治, 斎藤 良, 川上 紳一, 可児 智美, 大野 照文, 能田 成
    2003 年 109 巻 8 号 p. XV-XVI
    発行日: 2003年
    公開日: 2010/12/14
    ジャーナル フリー
    アフリカ南部のナミビアには原生代後期の氷河堆積物とそれを覆う温暖な環境で堆積した炭酸塩岩が広く分布している. この堆積環境が極端に異なる岩相の組み合わせは, 地球史においても稀であり, 原生代後期の気候変動を考える上で大変重要な地質学的証拠と注目されている. 最近では氷床が当時の地球を広く覆っていたとするスノーボールアース(全球凍結)仮説が提唱され, その成因について活発な議論が行われている (例えば, Hoffman & Schrag, 2002). ここでは, 現地調査に基づきスノーボールアース仮説の根拠となった露頭の状況と氷河堆積物直上のドロマイト質炭酸塩岩に見られる特異な構造について紹介する.
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