地質学雑誌
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110 巻 , 11 号
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論説
  • 平岡 義博
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2004 年 110 巻 11 号 p. 661-670
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/18
    ジャーナル フリー
    都市部の車道と歩道の境界に分布する土砂 (「道路堆積物」と呼ぶ) が, 法科学に応用可能かどうかを検討する目的で, 京都府下の試料 (74 μm以下) について顕微鏡観察と化学分析を行ったところ, ほとんどの道路堆積物は京都市周辺の後背地の表層風化物よりも重金属に富み, 同じ採取地点の道路堆積物は年間を通じて化学組成がほぼ一定であることがわかった. さらに, 異なる二つの都市 (京都市と舞鶴市) の道路堆積物の化学組成には明確な差異が認められたことから, 道路堆積物が法科学に応用可能であると考えられた.
    道路堆積物試料中の銅の含有量は, その場所の交通量に比例する傾向がみられることなどから, 道路堆積物に含まれる銅は自動車のブレーキ部品に由来するものと考えられた. また, 舞鶴市におけるクロムは超塩基性岩に含まれるクロムスピネルに由来するものと考えられた.
  • —地質環境中汚染物質の移動と長期的固定に関するアナログ研究—
    赤川 史典, 吉田 英一, 与語 節生, 山本 鋼志
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2004 年 110 巻 11 号 p. 671-685
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/18
    ジャーナル フリー
    高レベル放射性廃棄物の地層処分には, 地下環境の還元状態の維持が重要だと考えられている. しかし, 処分場では操業期間中の空気の浸透に伴い, 酸化還元フロントが周辺岩盤に形成される可能性がある. この酸化還元フロントの形成に伴う二次的な物質移動を解明するため, 苗木花崗岩体の割れ目近傍に発達した酸化還元フロントに注目し, 二次的な物質移動現象の調査解析を行った. XRFおよびICP-MS分析の結果, 二次的に変質した部分は母岩に比べFe, Mn, Pb, Ba, Rb, U濃度が増加した. とくにFe, U, REEはフロント付近, Mn, Pb, Ba, Rbは割れ目近傍に濃集することが判明した. これらの調査結果は, 酸化還元フロントの形成に伴ってUやREEをはじめとする微量元素が二次的に移動・濃集・固定されることを示唆する. このような現象は, 処分場近傍の酸化還元フロントの形成に伴って同様に生じると考えられる.
  • 星 博幸, 神谷 直宏, 川上 裕, 中島 和夫
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2004 年 110 巻 11 号 p. 686-697
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/18
    ジャーナル フリー
    中奥地域の中期中新世火砕岩岩脈は300~400℃で消磁される正帯磁残留磁化をもつ. この磁化は初生の熱残留磁化と解釈されてきた. 本論で筆者らはこれが熱水作用に伴って生じた熱化学残留磁化であるという解釈を提示する. 詳細な磁気測定と反射顕微鏡観察は磁化の担い手がピロタイトであることを示す. ピロタイトは火砕岩の定置後に熱水変質によってその場でできた二次生成物である. 火砕岩岩脈の近傍に産する玄武岩質安山岩もピロタイトに担われる正帯磁磁化を持ち, これも火砕岩と同時期に獲得された熱化学残留磁化と推定される. 他方, 石英斑岩岩脈は南向きの偏角と深い伏角をもつ逆帯磁磁化をもち (担い手はマグネタイト), これは初生熱残留磁化と考えられる. 石英斑岩は15Ma前後の逆磁極期に, 伏角が深い時に貫入・冷却したと判断される.
  • 曽田 祐介, 高木 秀雄
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2004 年 110 巻 11 号 p. 698-714
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/18
    ジャーナル フリー
    九州東部に分布する朝地変成岩類は, 下位から朝海ユニット, 超マフィック岩体, 日方ユニットで構成されており, 超マフィック岩体は, 蛇紋岩と単斜輝石岩類で構成されている. 蛇紋岩中のクロムスピネル化学組成は高いCr/(Cr+Al), 低いTiO2で特徴づけられ, 蛇紋岩の原岩であるかんらん岩が枯渇していたことを示す. 単斜輝石岩類は沈み込み帯で形成された集積岩と考えられる. 周辺地域の三波川帯佐賀関半島の超マフィック岩類は比較的未分化なマグマからの集積岩であり, 佐志生断層沿いの岩石は枯渇したかんらん岩起源である. 黒瀬川帯三重町—臼杵地域の超マフィック岩類には枯渇したかんらん岩起源のものがある. 朝地と黒瀬川帯の超マフィック岩類は, 岩相や鉱物化学組成と貫入接合年代に類似点がある.
  • 竹内 誠, 河合 政岐, 野田 篤, 杉本 憲彦, 横田 秀晴, 小嶋 智, 大野 研也, 丹羽 正和, 大場 穂高
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2004 年 110 巻 11 号 p. 715-730
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/18
    ジャーナル フリー
    飛騨外縁帯北東部の白馬岳地域にはペルム系白馬岳層が分布する. 白馬岳層は従来から言われていたようなメランジュやオリストストロームからなる付加体ではなく, 火山弧周辺の浅海で堆積した珪長質火砕岩類を主とする整然層である. 白馬岳層下部層形成時では珪長質火砕岩の堆積を主とするが, 下部層の上部形成時には玄武岩の水中噴火が生じ, バイモーダルな火山活動がみられる. 中部層形成時では, 火山活動が沈静化し頁岩や砂岩が堆積した. 上部層形成時では再びバイモーダルな火山活動が始まり, かつスランピング又は斜面崩壊によって石灰岩角礫や岩塊が珪長質凝灰角礫岩とともに堆積した.
    白馬岳層は角閃岩岩塊を含む蛇紋岩に衝上断層で覆われ, 蛇紋岩の構造的下位に位置する. その後NW-SE方向とNE-SW方向の高角度断層の形成に伴って, 古生界岩塊を含む蛇紋岩メランジュが形成された.
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