地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
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113 巻, 2 号
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論説
  • 石井 英一, 濱 克宏, 國丸 貴紀, 佐藤 治夫
    2007 年113 巻2 号 p. 41-52
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/20
    ジャーナル フリー
    北海道北部の幌延地域に分布する新第三紀の海成堆積物における地下水のpHに影響を与えている水-岩石反応を把握するために,本堆積物の岩石学的特徴と地下水の地球化学的特徴を検討した.その結果,1)本堆積物中の地下浅部における天水の浸透領域では岩石からNaの溶脱が生じており,この溶脱が岩石中のスメクタイト中のNaと地下水中の陽イオンとの陽イオン交換反応によること,2)地下浅部における地下水のpHは,Naの溶脱の際に起こるスメクタイト中のNaと地下水中のHとの陽イオン交換反応により規制されており,天水が浸透するとpHが上昇すること,が考えられた.この検討結果は海外における既存のモデルと整合的である.
  • 長谷川 健, 中川 光弘
    2007 年113 巻2 号 p. 53-72
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/20
    ジャーナル フリー
    北海道東部,阿寒カルデラ周縁の火砕堆積物を調査し,その層序・年代を明らかにした.対比にあたっては本質物の岩石学的特徴も活用した.阿寒カルデラ起源の火砕堆積物は,古土壌などの介在によって,少なくとも40の噴火ユニットに区分できる.さらにこれらは,層序が連続し,かつ岩石学的特徴が類似する17の噴火グループにまとめられる(上位からAk1~17).Ak1~17の間には,阿寒火山以外に給源を持つ複数の火砕物が挟在する.Ak2とAk3の間には東燐の屈斜路カルデラから噴出した古梅溶結凝灰岩(0.34 Ma)が,Ak14の中には北海道中央部起源である十勝火砕流(1.3-1.46 Ma)の遠方相が堆積する.このことから,阿寒カルデラは前期更新世から活動を開始し100万年以上にわたって火砕噴火を頻発していたことが分かった.この期間,阿寒火山では,噴火グループごとに異なるマグマ系が活動していた.
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