地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
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120 巻, 5 号
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論説
  • 松川 正樹, 福井 真木子, 小河 佑太力, 田子 豪, 小荒井 千人, 大平 寛人, 林 慶一
    2014 年120 巻5 号 p. 147-164
    発行日: 2014/05/15
    公開日: 2014/09/27
    ジャーナル フリー
    富山-岐阜県境に分布する中生界を手取層群と神通層群(新称)に区分した.そして,手取層群を下位より真川層と有峰層,有峰層に対比される桐谷層に,神通層群を庵谷峠層,猪谷層,白岩川層に岩相層序区分し,層レベルの分布を地質図として示した.手取層群はジュラ紀のアンモナイトを産する海成層が認められるが,その上位に不整合で重なる神通層群は主として陸成層で,化石の産出が乏しく地質時代の解釈が難しかった.神通層群猪谷層の凝灰質砂岩に含まれるジルコンのフィッション・トラック(FT)年代は複数の年代母集団からなり,各試料に含まれる若い年代母集団はアプチアン~アルビアンを示し,猪谷層は白亜紀前期のアプチアン~アルビアン以後に堆積したことが示された.神通層群の猪谷層はFT年代からアプチアン~アルビアン以後が示されたが,白山区の手取層群はアンモナイトによりアプチアン以後を示す地層が認められない.
  • 越智 真人, 間宮 隆裕, 楠橋 直
    2014 年120 巻5 号 p. 165-179
    発行日: 2014/05/15
    公開日: 2014/09/27
    ジャーナル フリー
    四国北西部に分布する下部-中部中新統久万層群の分布域の南西部で“下坂場峠層”と“富重層”の地質調査をおこない,その結果をもとに久万層群の層序を再検討した.久万層群は下位で主に三波川変成岩類の砕屑物からなる古岩屋層と,上位で主に砂岩や花崗岩の砕屑物からなる明神層とで構成される.“下坂場峠層”はその岩相や推定される堆積年代から,古岩屋層の一部であると考えられる.“富重層”が久万層群の最上部を構成するという従来の層序は疑わしい.また,久万層群は下部始新統ひわだ峠層と不整合関係にあることが明らかになった.
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