地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
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122 巻, 2 号
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論説
  • イタリア・トスカーナ州・サトゥルニア天然温泉における豆石の形成
    田崎 和江, 田崎 史江, 奥野 正幸, 竹原 照明, 石垣 靖人, 中川 秀昭
    2016 年 122 巻 2 号 p. 45-60
    発行日: 2016/02/15
    公開日: 2016/06/17
    DOIhttps://doi.org/10.5575/geosoc.2015.0038
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    イタリア・トスカーナ州南部のマレンマという地域には，イオウ臭が強くpH7，水温37°Cの棚田状のサトゥルニア天然温泉がある．本研究では，サトゥルニア天然温泉で産出される，豆石，褐色石灰岩および緑色バイオマットについて，化学組成，鉱物組成，微生物的特徴を調べた．全岩試料のXRD分析により，豆石は方解石，自然硫黄，石英から構成されており，褐色石灰岩は雲母，自然硫黄，菱沸石，7 Å粘土鉱物から構成されていることを明らかにした．また，全岩試料のXRF分析により，褐色石灰岩にはO，Si，Al，K，Ca，Fe，Naが多く，豆石にはC，O，Ca，Sr，Sが多いことを明らかにした．更に，豆石の断面をSEM-EDSで観察・分析・元素濃度分布図を行ったところ，全岩試料のXRDおよびXRF分析では検出されなかった微生物とSrを含むフランボイダル黄鉄鉱や燐灰石が発見された．
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  • 生駒断層帯周辺における露頭規模での脆性変形構造
    三田村 圭祐, 奥平 敬元, 三田村 宗樹
    2016 年 122 巻 2 号 p. 61-74
    発行日: 2016/02/15
    公開日: 2016/06/17
    DOIhttps://doi.org/10.5575/geosoc.2015.0039
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    生駒断層帯において，白亜紀花崗岩類中に発達する露頭規模の断層群に対する構造地質学的解析を行った．断層群のスリップデータに基づく多重逆解法により求められた古応力場は，南北引張の正断層型であった．また，断層コアのガウジから分離したイライトのK-Ar年代は，45.2±1.0Ma（粒径0.2-0.4µm）および46.0±1.1Ma（粒径0.4-1.0µm）となった．各粒径区画におけるK-Ar年代値や低温イライトの含有率に有意な差が認められなかったため，母岩の黒雲母K-Ar年代を用いて砕屑性高温イライトの影響を考慮した結果，断層コア形成およびその後の熱水変質による年代として～45-30Maを得た．これらの結果は，生駒断層帯における白亜紀花崗岩類中に発達する露頭規模の断層群の形成が始新世後期〜漸新世前期の伸長テクトニクスに関連したものであることを示唆する．
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ノート
報告
  • 北海道東部浦幌町の古第三系縫別層から産出する保存の良い珪藻化石
    嶋田 智恵子, 山﨑 誠, 天野 和孝, Robert G. Jenkins, 田中 裕一郎, 疋田 吉識, 秋葉 文雄
    2016 年 122 巻 2 号 p. 81-85
    発行日: 2016/02/15
    公開日: 2016/06/17
    DOIhttps://doi.org/10.5575/geosoc.2015.0040
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    To provide insight into the biostratigraphy and evolutionary radiation of marine diatoms, Paleogene fossil records are essential because modern floral assemblages are thought to have originated in the late Oligocene. However, Paleogene diatoms are rarely reported from the Northwest Pacific Ocean because of their poor preservation and limited occurrence. In this paper, we report well-preserved diatoms from methane-seepage-induced limestone of the lower Oligocene (Rupelian) Nuibetsu Formation in the Urahoro area, eastern Hokkaido. The diatoms are dominated by Stephanopyxis spp., Odontella sawamurae, Hemiaulus spp., and resting spores. The assemblage is remarkable because it lacks late Oligocene to early Miocene index species, reflecting floral turnover during the Oligocene.
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