地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
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115 巻, 5 号
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論説
  • 愛知県設楽地域に分布する北設亜層群（下部中新統）の磁気層序
    星 博幸, 齋田 卓哉
    2009 年115 巻5 号 p. 193-205
    発行日: 2009/05/15
    公開日: 2009/10/29
    DOIhttps://doi.org/10.5575/geosoc.115.193
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    設楽地域に分布する下部中新統北設亜層群の磁気層序を設定した．調査セクション（厚さ約760 m）は下位より川角，下田，坪沢，玖老勢の4層に区分される．16地点で堆積岩試料を採取し，交流・熱消磁の結果をもとに初生磁化の極性を推定し，3つの磁極帯（北設R1逆磁極帯，北設N1正磁極帯，北設R2逆磁極帯）からなる磁気層序を設定した．この磁気層序を地磁気年代層序に対比し，次の結論を得た：（1）調査セクションはChron C5Er下限年代（約18.8 Ma）より新しくChron C5Cr上限年代（約16.7 Ma）より古い；（2）年代情報に乏しかった川角層の年代はChron C5Er下限年代（約18.8 Ma）とChron C5Dn下限年代（約17.5 Ma）との間である．
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  • 房総半島，小糸川流域の中新・鮮新統の地質と放散虫化石層序
    澤田 大毅, 新藤 亮太, 本山 功, 亀尾 浩司
    2009 年115 巻5 号 p. 206-222
    発行日: 2009/05/15
    公開日: 2009/10/29
    DOIhttps://doi.org/10.5575/geosoc.115.206
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    房総半島中部の小糸川上流域を中心に安房層群天津層，清澄層の地質を調査し，放散虫化石層序を検討した． 天津層・清澄層からは温暖種と寒冷種を共に含む放散虫化石が比較的豊富に産出した．その結果，低緯度域の放散虫化石帯区分ではRN5帯（D. alata帯）からRN10-RN11帯（P. doliolum-L. audex帯）に，北太平洋中・高緯度域の帯区分ではE. inflatum帯からS. pylomaticus-C. sakaii帯に相当することが明らかになった．放散虫および他の微化石・放射年代データを総合し堆積速度曲線を描いたところ，中新統／鮮新統境界は清澄層下部のKy6層準付近に推定された．また，天津層中上部では堆積速度の著しい低下が認められ，広域的な地質イベントとの関連性について考察を行った．
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  • 関東山地東縁部，比企丘陵中新統青岩礫岩中の変成岩礫のK-Ar年代
    新井 宏嘉, 高木 秀雄, 岩崎 一郎, 浅原 良浩, 高橋 雅紀
    2009 年115 巻5 号 p. 223-241
    発行日: 2009/05/15
    公開日: 2009/10/29
    DOIhttps://doi.org/10.5575/geosoc.115.223
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    関東山地東縁部比企丘陵には，結晶片岩角礫を多量に含む淘汰不良の中新統青岩礫岩が分布する．今回，礫の岩石学的・年代学的検討を行い，その起源を明らかにした．K-Ar年代測定によると，結晶片岩のフェンジャイト年代は石英片岩で127.2～121.0 Ma，泥質片岩で98.4～80.7 Maで，これまでに報告された関東山地三波川変成岩類の年代よりも有意に古い．一方花崗岩類は，角閃石年代で131.5～114.0 Ma，フェンジャイト年代で97.8～89.9 Maを示す．トーナル岩マイロナイト試料のSr同位体比初生値は0.705であり，領家花崗岩類よりも古い年代・低い初生値を示す．したがって結晶片岩礫は現在露出している三波川変成岩類の上位に存在したより古いユニット，花崗岩類礫は古領家帯構成要素（寄居複合岩体）に対比される．青岩礫岩は，中期中新世に三波川帯が急激に上昇し，その上位の古領家帯と共に削剥され，そのごく近傍に堆積したものと考えられる．
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報告
  • 根田茂帯緑色岩の化学組成
    内野 隆之, 川村 信人
    2009 年115 巻5 号 p. 242-247
    発行日: 2009/05/15
    公開日: 2009/10/29
    DOIhttps://doi.org/10.5575/geosoc.115.242
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    The Nedamo Complex, an Early Carboniferous accretionary complex, contains green rocks of Late Devonian age. The complex consists of two lithotectonic units: the Takinosawa Unit and Tsunatori Unit. We analyzed the chemical composition of the green rocks in both units, as this has yet to be done for the Takinosawa Unit, and has only been done for some of the green rocks of the Tsunatori Unit. The chemical composition of green rocks in the Takinosawa Unit shows features of phyric within-plate tholeiite ; that in the Tsunatori Unit shows features of phyric alkali basalt, phyric within-plate tholeiite, and aphyric MORB.
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口絵
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