地質調査によるテフラ層序と
14C年代測定から,高分解能なテフラ年代学を構築できる.テフラ層は,休止期の堆積物で区分されるが,その堆積物の種類によって固有のバックグラウンドがある.それらのなかで,年縞堆積物が最も信頼できる記録装置といえる.テフラ層の認定には,誤認防止や後の検証のため,複数の露頭で確認されるべきである.テフラ層の名称は,二重命名法がよいが,数字をつける場合には,地表を起点として下方へつけるべきである.
14C年代は,測定技術の進展により高精度な年代値が得られるようになったが,正確度の高い年代決定にはより厳密な地質学的な解釈が必要である.
14Cウイグルマッチングは,最も正確に噴火年代を決定できる方法である.降下テフラの噴出量の見積もりには,面積-重量線図の傾きの異なる区間ごとの積分法が正確であろうが,前提となる正確な分布図を得ることが難しい.簡便法である
V=12.2
TAが実用的であり,有珠火山2000年噴火でも綿密に得られたコンターを利用した積分法とほぼ一致している.その際,もっとも精度のよいコンターを使うべきである.
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