二枚貝 Calyptogena 屬は DALL(1891) に依り創設され, 模式種は C., pacifica DA-LLである。本種は現在 Alaska から California に分布し, 亦化石は California の鮮新統から知られ, 我國からも最近大塚學士に依り秋田縣男鹿半島の鮮新統から報告された。大炊御門は東山油田に發達する牛ケ首層より Calyptogena の新種 C., nipponica を採集したが, 金原は古志郡東山村中澤の小學校庭に掘られた井戸(飲料水用)から採集された本種の標本を得た。此の小學校附近には寺泊層が發達し, 化石は地表下62尺の處から採れた。模式標本には保存の良い牛ヶ首層産のものを選定した。C., nipponica の地質時代は今日迄知られている處では中新世上部から鮮新世下部である。
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