地質学雑誌
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109 巻, 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 大野 研也, 竹内 誠, 鈴木 和博
    2003 年109 巻5 号 p. 257-266
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    飛騨外縁帯に分布する本戸層中の花崗閃縁岩礫のジルコンCHIME年代を測定した.それらの年代は201±20 Maと202±30 Maで,本戸層の後背地で前期ジュラ紀に花崗閃縁岩が貫入したことを示す.本戸層の堆積年代はこれまでは後期ペルム紀から前期白亜紀の間としか限定されていなかったが,これらの礫の年代より,前期ジュラ紀から前期白亜紀とより短い期間に限定された.この堆積年代の制限と岩相的類似性から,本戸層は韓半島の慶尚累層群や西南日本の関門層群に対比される.さらに前期ジュラ紀の花崗岩類は日本列島の近辺では,飛騨帯や韓半島に分布しており,これらの地域が本戸層の後背地の候補の1つとなりうる.
  • 石塚 英男, 三宅 真紀, 武田 尚子
    2003 年109 巻5 号 p. 267-279
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    四国西部~中東部の南部秩父帯三宝山ユニットには,緑色岩が泥質岩や珪質泥岩中に異地性岩塊として産出し,それらはしばしば枕状構造を呈し,一部で枕と枕の間に石灰岩を狭在する.緑色岩は,斜長石,カンラン石,単斜輝石などの斑晶を含み,全岩組成では,低Nb/Zr型と高Nb/Zr型に分類され,前者は中央海嶺玄武岩ないしは背弧海盆玄武岩に,後者は海洋島玄武岩に類似する.残晶単斜輝石の化学組成は,鉄の増加に伴って,Caが低Nb/Zr型では減少し,高Nb/Zr型では増加する.変成鉱物の組合せから,高Nb/Zr型には中~高温部の沸石相が,低Nb/Zr型と一部の高Nb/Zr型にはブドウ石-パンペリー石(PP)相からパンペリー石-アクチノ閃石(PA)相が識別される.沸石相の高Nb/Zr型は仏像構造線の北側に分布する三宝山ユニットのみに分布し,PP相からPA相の低Nb/Zr型は四国西部の鳥坂地窓,及び同じ変成相の高Nb/Zr型は中津川地窓に分布する.地窓に出現する緑色岩は,全岩組成や変成相において北部秩父帯のものに類似している.これらの事実から,1)四国西部の三宝山ユニットには多種の緑色岩が別々の層準として存在する,2)地窓に分布する緑色岩は北部秩父帯の構成要素である,という二つの解釈を提起した.
  • 佐藤 時幸, 樋口 武志, 石井 崇暁, 湯口 志穂, 天野 和孝, 亀尾 浩司
    2003 年109 巻5 号 p. 280-292
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    秋田県北部に分布する天徳寺層,笹岡層の石灰質ナンノ化石層序調査結果は,峰浜地域の笹岡層最上部が更新世最初期に対比されるのを除けば,いずれの地域においても両層の年代は3.85-1.73Ma間の後期鮮新世に対比されることを示す.また,北極地域の急激な氷床拡大と関連する基準面Aは峰浜地域と柾山沢地域で天徳寺層・笹岡層境界に追跡されること,これら対比から,秋田地域の大部分が鮮新世末に陸化したことを明らかにした.この調査結果と,新潟,北陸地域の大桑・万願寺動物群産出層準との対比結果から,秋田県内の大桑・万願寺動物群産出層準が,更新世に対比される新潟・北陸地域とは明らかに異なることを指摘した.一方,日本海側地域石灰質ナンノ化石群集は北太平洋-北極海域で認めた群集と極めて類似し,暖海性種を伴う太平洋側地域と対立すること,その生物地理形態が大桑-万願寺動物群と共通することなどもあわせて明らかにした.
  • 斎藤 眞, 斎木 健一, 利光 誠一
    2003 年109 巻5 号 p. 293-298
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    九州中央部砥用地域東部の黒瀬川帯の整然層の泥岩から後期デボン紀を特徴づけるLeptophloeumが産出した.これによって,砥用地域の臼杵-八代構造線の南側に東西に延びた上部デボン系が存在することが明らかになった.この上部デボン系は岩相,時代から本地域東部の"内大臣層"と対比されるが,連続しない.本地域には東西方向に延びた南北2列の上部デボン系が存在することは明白である.日本のLeptophloeumを産する上部デボン系には,泥岩優勢層の場合と,酸性凝灰岩の場合があり,砥用地域の上部デボン系は前者に属する.
  • 石渡 明
    2003 年109 巻5 号 p. 299-302
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
  • Akihisa Motoki, Yuji Orihashi, Jose Antonio Naranjo, Daiji Hirata, Tak ...
    2003 年109 巻5 号 p. IX-X
    発行日: 2003年
    公開日: 2010/12/14
    ジャーナル フリー
    The Lautaro Volcano, Chilean Patagonia, is situated at 49° 01.4' S, 73° 32.5' W, being the closest volcano to the Chile Triple Junction, in which on-going subduction of active ridge takes place. The volcanoes of the Austral Volcanic Zone are characterised by adakitic composition (Stern and Killian, 1996), and their magma origin is attributed to slab-melting. Such typical ridge subduction volcanism can clarify juvenile continental crust formation process, as a modern analogue of Archaean magmatism.
    The access to the Lautaro Volcano, 3, 607 m above the sea level, is extremely difficult because of accidental morphology and unfavourable climate conditions. The volcano edifice stands out from the glacial plateau of 2, 400 m high, so-called South Ice Field, therefore, no research group had got rock samples in enough amount and variety. On February 28, 2002, with help of helicopter, the authors' research group accomplished a successful sampling of eruptive materials of this volcano from deposits of the Lautaro Glacier, first target, and the O'Higgins Glacier, second target.
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