地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
Print ISSN : 0016-7630
ISSN-L : 0016-7630
109 巻, 3 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 星 博幸, 岩野 英樹, 檀原 徹, 吉田 武義
    2003 年 109 巻 3 号 p. 139-150
    発行日: 2003/03/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    紀伊半島南端に露出する潮岬火成複合岩類の活動年代を決定するため,火成岩類のフィッション・トラック(FT)年代測定を行った.ジルコン外部面(ED2)及び内部面(ED1)に外部ディテクター法を適用し,両手法による年代を比較した.噴出岩と半深成岩の3試料で,ED1(13~15Ma)よりもED2(13~18Ma)のほうが古い年代を示した.FT長を測定した結果,これらの試料のジルコンはコンファインドFTの長さ分布は正常であるが,ジルコン外部面には異常に短いトラックが記録されていた.化学溶液を用いた実験から,外部効果によってED2年代が見かけ上古くなっていることが明らかになった.外部効果は珪長質な深成岩では普通に見受けられる現象だが,噴出岩や半深成岩でも起こることがあるらしい.コンファインドFT長の解析からED1年代が試料の形成年代を示すと考えられるため,潮岬の火成活動は約15Maに始まり約13Maに終了したと結論される.なお,いくつかの波紋岩試料には赤いジルコンと無色のジルコンの両方が含まれていた.このようなことは一般には稀だが,紀伊半島の他の中期中新世火成岩体からも同様の現象が報告されている.
  • 工藤 崇, 奥野 充, 中村 俊夫
    2003 年 109 巻 3 号 p. 151-165
    発行日: 2003/03/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    北八甲田火山群の最近6000年間の噴火活動史を,テフラ層序学的研究と14C年代測定により構築した.最近6000年間の降下テフラを,上位からHk-1,Hk-2,Hk-3,Hk-4,及びHk-5と命名した.噴出年代は,Hk-1が1500calBP,Hk-2が2000calBP,Hk-3が3100caIBP,Hk-4が4200calBP,Hk-5が4800calBPである.Hk-2の給源は不明だが,その他の給源はすべて大岳山頂の火口である.各噴出量は107~105m3のオーダーであり小規模である.噴火様式は水蒸気噴火もしくはプルカノ式噴火であり,最近3000年間は水蒸気噴火のみが起こっている.最近6000年間のマグマ噴出率は0.0008km3/kyと算出される. 本火山群では500~1100年間隔で噴火が起こっており,大岳山頂では今後も小規模な水蒸気噴火・ブルカノ式噴火が発生する可能性が高い.
  • 藤岡 導明, 亀尾 浩司, 小竹 信宏
    2003 年 109 巻 3 号 p. 166-178
    発行日: 2003/03/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    横浜地域の大船層中部~小柴層下部に挟在するテフラ鍵層と,房総半島の黄和田層下部~中部に挟在するテフラ鍵層を重鉱物組成,火山ガラスの形態及び化学組成に基づいて対比した.その結果,大船層中部のテフラSg3,小柴層下部のテフラSg2及びSg1はそれぞれ,黄和田層下部~中部のテフラ鍵層Kd38,Kd25及びKd24こ対比された.あわせて行った石灰質ナンノ化石と浮遊性有孔虫化石の検討によってもこの結果は支持される.したがって,大船層中部~小柴層下部は,従来言われていたように黄和田層中部~梅ヶ瀬層に対比されるのではなく,テフラ鍵層Kd19より下位の黄和田層に相当することになる.このことは,横浜地域の第四系の年代論に大幅な見直しが必要であることを意味している.
  • 岩野 英樹, 星 博幸, 檀原 徹, 吉岡 哲
    2003 年 109 巻 3 号 p. 179-191
    発行日: 2003/03/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    朝日山地南縁部に露出する中新世火山岩類の年代を明らかにするために,ジルコンを用いたフィッション・トラック(FT)年代測定研究を行った.測定試料として,北小国層,弁当沢橋層及び明沢橋層の明沢川凝灰岩部層から3つの火砕岩を採取した.年代測定は外部ディテクター法により行い,ジルコンの内部面(ED1)と外部面(ED2)に適用した.ジルコンの色調,結晶形,伸長性,稜の鋭利さ,平面性などを含む形態的特徴と,外部面でのFT密度及びFT長分布に基づいて,ジルコンのグルーピングを行った.北小国層と弁当沢橋層の試料では,本質ジルコン結晶のED1年代とED2年代が一致した.4つのジルコングループをもつ明沢川凝灰岩部層試料では,ED1年代は1つの年代集団を示すが,ED2年代はグループごとに異なり,ED1年代よりも古くなった.FT熱年代学的解釈とアニーリング実験から,外来結晶のED1年代は明沢川凝灰岩部層の噴出時に完全にリセットされたと説明される.さらにED1年代とED2年代の不一致は,天然でエッチングされた外来結晶外部面のFTや外部効果が原因と考えられる.北小国層,弁当沢橋層及び明沢橋層明沢川凝灰岩部層はそれぞれ22Ma,16Ma,16-15Maに形成されたと結論付けられる.
  • 内田 淳一, 鈴木 明彦, 向井 正幸
    2003 年 109 巻 3 号 p. 192-194
    発行日: 2003/03/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    A whole rock K-Ar dating is made for the Penkenai Lava at eastern Utanobori area, northern Hokkaido. This analysis gives the age of 5.2±0.3 Ma, older than the age assignment of Late Pliocene by the previous workers. The present result also gives the upper limit of the Penke Formation, which is the uppermost formation of the Neogene marine sequence in this area. This formation is directly overlain by the Penkenai Lava and has been regarded as the Upper Pliocene, but now it is assigned to the Upper Miocene.
  • Takao Miyata, Ahmad Khorsandi, Jun-ichiro Yurugi
    2003 年 109 巻 3 号 p. V-VI
    発行日: 2003年
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
feedback
Top