- |<
- <
- 1
- >
- >|
-
北設亜層群堆積期における後背地の変化藪田 桜子, 竹内 誠, 斎藤 眞2021 年 127 巻 12 号 p. 689-700
発行日: 2021/12/15
公開日: 2022/01/19
ジャーナル フリー中新統北設亜層群最上部の玖老勢層上部には，チャネル構造を呈する複数の礫岩層が分布する．本研究では，玖老勢層礫岩の礫種構成と珪質泥岩礫の放散虫化石による年代を明らかにした．玖老勢層礫岩は，火山岩・凝灰岩・凝灰角礫岩礫を主とし，花崗岩類・石英岩・チャート・珪質泥岩・泥岩・砂岩・マイロナイト礫を伴う．珪質泥岩礫中の放散虫化石は中期ジュラ紀の年代を示す．北設亜層群下部の砕屑物は，主に北設亜層群の基盤岩である領家花崗岩類・変成岩類起源である一方で，北設亜層群最上部玖老勢層ではジュラ系などの古期岩類を含む，より広範囲の地質体から砕屑物が供給されるようになったことが明らかになった．
抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (5081K) -
内田 菜月, 村山 雅史, 松原 友輝, 坂口 有人2021 年 127 巻 12 号 p. 701-708
発行日: 2021/12/15
公開日: 2022/01/19
ジャーナル フリー
電子付録流体は断層運動と密接に関係していると考えられているが，沈み込み帯地震発生深度における流体の起源は未だよくわかっていない．四国四万十帯には地震発生深度を経験した岩石が露出し，流体移動の痕跡であるカルサイト脈が普遍的に産する．カルサイト脈の同位体組成とビトリナイト反射率による地質体の古地温とを比較したところ，ひとつの地域であってもδ13C値は幅広い値をとるが，そのうち最も軽いものは古地温と負の相関を示した．これは各地域のδ13Cのうち最も軽い値が，その地質体のピーク温度時に捕獲されたものであると解釈される．これらの試料の捕獲温度とδ18O値から変成水を起源とする流体がカルサイトを沈殿させたと推定された．地震発生深度の140°Cから240°Cの付加体ボディ中の流体は現地性の変成水が主体なのであろう．
抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2811K) -
中新統田辺層群の例安邊 啓明, 佐藤 活志2021 年 127 巻 12 号 p. 709-725
発行日: 2021/12/15
公開日: 2022/01/19
ジャーナル フリー
電子付録西南日本の古前弧海盆では多数の砕屑岩脈が貫入しており，その方位分布は貫入当時の広域的な造構応力の推定に利用できる．しかし泥ダイアピルのような流体供給源の付近では，母岩が圧縮を受けることで局所的かつ一時的に応力状態が変化する．そこで本研究は，流体供給源付近で局所応力と広域応力を峻別して検出することを目的とする．中新統田辺層群において泥ダイアピル付近に貫入した845枚の泥岩岩脈の方位を解析したところ，3種類の応力が検出された．このうち西北西-東南東引張の正断層型応力は，調査地域を7つの区画に分割しても検出されることから，調査地域全体に作用した広域応力だったと考えられる．西南日本前弧域南縁の各地で推定されている中期中新世初頭の古応力と比較すると，最大水平圧縮応力方向は広く南北であり，応力の型は時間的あるいは空間的に多様だったと考えられる．
抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (6220K)
-
K-Ar年代測定のための火山岩石基試料の分離藤原 寛, 山﨑 誠子, 永塚 弘樹2021 年 127 巻 12 号 p. 727-732
発行日: 2021/12/15
公開日: 2022/01/19
ジャーナル フリーWell-crystallized groundmass fractions are commonly used to obtain reliable K-Ar ages for volcanic rocks, as phenocrysts potentially contain excess 40Ar. In general, phenocrysts are removed by magnetic separator, heavy liquid separation, and hand picking. Heavy liquid separation utilizes sodium polytungstate (SPT) solution, which replaced toxic heavy liquids such as bromoform in the 1980s. Recently, a vacuum pump has been used to reduce the filtration time for heavy liquid separation using SPT solution, which has a high viscosity. This note describes the separation procedure for gentle suction filtration using a hand vacuum pump, which can be safely completed in 50-60 minutes per sample. The procedure was tested on andesite and basalt samples from Hakusan, Miyakejima, and Etna Volcanos. Separation of the groundmass fraction from the phenocryst fraction was successful for all andesite samples, whereas separation was incomplete in some of the basalt samples, probably because the gravity of groundmass grains was heavier than the maximum gravity of the SPT solution (3.11 g/cm3).
抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2503K)
-
遠藤 俊祐, 森 創太朗2021 年 127 巻 12 号 p. 733-736
発行日: 2021/12/15
公開日: 2022/01/19
ジャーナル フリーGneissose rocks exposed at the Yodoe area, northwestern flank of Mt. Daisen, Tottori Prefecture have been considered as western extension of the Hida metamorphic rocks in the Hida Mountains. We describe a new occurrence of hercynite [(Fe2+,Mg,Zn,Mn)(Al,Fe3+)2O4] in garnet-bearing felsic gneiss from the Yodoe area. Green hercynite occurs exclusively as inclusions in garnet, and is not in direct contact with quartz. The Fe2+/(Fe2+ + Mg + Zn + Mn) and Al/(Al + Fe3+) values of the hercynite are 0.84-0.85 and 0.91-0.92, respectively. The hercynite is characterized by low ZnO content (2.21-2.41 wt%).
抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (4416K)
- |<
- <
- 1
- >
- >|