千葉県九十九里浜の前浜堆積物中から, 多数の
Macaronichnus segregatis様生痕を発見した. この生痕は, 剥ぎ取り試料面上において高さ2-3 mm, 幅3-50 mmほどの円形もしくは長楕円形を成し, 内部が細粒砂サイズの無色鉱物で充填され, その周囲に磁鉄鉱などの有色鉱物が濃集することが特徴である. この生痕ときわめて似た特徴を有する本邦第四系産生痕化石
Macaronichnus segregatisの形成者については, 従来, 小型等脚類ヒメスナホリムシとするものと, オフェリアゴカイの様なゼン虫類とするものの2つの説があった. この生痕が産する堆積物からは, ヒメスナホリムシは一切採集されなかったものの, オフェリアゴカイ科の多毛類である
Euzonus sp. が多数採集された. このことから判断すると, この
M. segregatis様生痕の形成者は, オフェリアゴカイ類と判断して良いだろう.
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