四国西部大洲-野村地域の北部秩父帯は,柏木ユニット,上吉田ユニット,住居附ユニット,遊子川ユニット,沢谷ユニットの5つのユニットに区分でき,ユニット区分や相互の構造的関係は,他地域の北部秩父帯ものと共通している.従来本地域は,北部秩父帯を大きく2分する北傾斜のスラストとしての大野山スラストが通過するとされていたが,そのようなスラストは存在せず,本地域の北部秩父帯の地質構造は,褶曲軸が左雁行配列した2向斜・1背斜で規定され,全体としては複向斜構造をなす.本地域において黒瀬川帯は,北部秩父帯と南部秩父帯にはさまれて北に緩やかに傾斜する層状体として存在しており,クリッペをなすものではない.南部秩父帯の北限をなす魚成スラストは,本地域西部で,東西から北北西方向へ向きを変え,黒瀬川帯・北部秩父帯・御荷鉾緑色岩類の構造を切り,これらの諸地帯を南部秩父帯の上に衝上させている.
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