地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
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119 巻, 9 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
総説
論説
  • 菊地 一輝, 小竹 信宏
    2013 年119 巻9 号 p. 613-629
    発行日: 2013/09/15
    公開日: 2014/02/07
    ジャーナル フリー
    徳島県北部島田島に分布する上部白亜系和泉層群板東谷層において,層序,岩相の時空分布,地質構造,そして堆積環境を詳細に検討した.ここの板東谷層は厚さ10 m程度のチャネル充填堆積物とチャネル間堆積物が繰り返し累重することから,海底扇状地のフロンタルスプレーの堆積物であると解釈される.また,海底扇状地システムの西方への前進・移動を反映したと考えられる上方粗粒化の大傾向が,本層全体を通じて認められる.島田島に分布する板東谷層は生痕化石Archaeozosteraを多産するが,その産出層準は泥岩の占める割合が比較的高い最下部の層準に限られる.この事実は,Archaeozosteraの形成者が,混濁流による物理的撹乱の影響が少なく,安定した海底環境が相対的に長い期間持続する場所に限って生息したためと考えられる.
  • 細井 淳, 天野 一男
    2013 年119 巻9 号 p. 630-646
    発行日: 2013/09/15
    公開日: 2014/02/07
    ジャーナル フリー
    グリーンタフの研究は1990年頃,層序に基づいて総括された.しかし近年,グリーンタフの模式地である男鹿半島の層序が大幅修正された.また,堆積学的研究があまり行われていないため,グリーンタフを形成した当時の具体的な火山活動や堆積環境は不明である.本研究は奥羽脊梁山脈に位置する岩手県西和賀町周辺のグリーンタフを対象とし,堆積相解析を行った.結果,具体的な堆積場とその変遷,古火山活動(非爆発的噴火を2タイプ,爆発的噴火を3タイプ)を解明した.これらの結果を総合して,本研究地域の堆積盆発達史を5つのステージに区分して議論した.本地域は約20 Ma頃にハーフグラーベンを形成し,堆積盆内では成層火山型の海底火山を形成した.その後泥岩が堆積する静穏な時期を挟み,約15~14 Ma頃にテクトニックな急激な沈降と連続的な爆発的噴火が起こり,最終的に溶岩ドームを形成した.
報告
口絵
エラータ
  • 清家 一馬, 平野 弘道
    2013 年119 巻9 号 p. 653
    発行日: 2013/09/15
    公開日: 2014/02/07
    ジャーナル フリー
    訂正
    地質学雑誌第119巻6月号掲載の清家・平野(p.397–409)において,いくつかの誤りがございました.訂正してお詫び申し上げます.ご指摘いただいた鈴木舜一氏にお礼申し上げます.
    著者一同
    (1)p.397 左段第5行~8行,鈴木(1996)の見解について,鈴木(1996)の原著論文の表記を厳密に引用した表現に訂正します.
    訂正前:鈴木(1996)は,阿讃山地から和泉山脈まで東西250 kmにわたり西から東へ向かつてビトリナイト反射率が緩く減少するとし,和泉山脈地域でも四国の阿讃山地地域と同様に東西変化が主なる特徴であると解釈した.
    訂正後:鈴木(1996)は,横軸に松山を基点として,東に向かって,横軸に試料採集地点の距離をとり,縦軸にビトリナイトの平均最大反射率(Rmax)をプロットすると,和泉層群のRmax値は,概観すれば,西から東に向かって低下の傾向を示し,東端で再び大きく上昇しているが,讃岐山脈中部から和泉山脈中部まで約120 kmの間Rmaxが1.2%前後で,ほとんど変化がなく,また南北方向の断面で変化が認められないことから,地温勾配が緩やかであったと解釈した.
    (2)p.400 左段第41行.
    誤:測定粒子を回転せずに
    正:ステージを回転せずに
    (3)p.408 左段第20行,「文献」の著者名(ローマ字表記)の誤り
    誤:鈴木舜一(Suzuki, N.)
    正:鈴木舜一(Suzuki, S.)
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