沖縄本島南部のうりずん露頭とそれに近接する守礼ゴルフ場露頭における知念層の石灰質ナンノ化石および浮遊性有孔虫化石生層序を検討した. その結果, 知念層基底の地質時代は両露頭とも1.97Maよりやや古い鮮新世末に対比されるが, うりずん露頭における知念層の基底の地質年代は, 守礼ゴルフ場露頭の同基底年代よりやや古い. また, うりずん露頭および守礼ゴルフ場露頭のいずれにも時間間隙が認められたが, うりずん露頭では知念層下部に約30万年の時間間隙が, 守礼ゴルフ場では新里層と知念層の境界に若干の時間間隙が推定され, 両露頭は近接するにもかかわらず, 時間間隙の層準および規模が異なることが明らかとなった.
本研究の結果は, 琉球列島が現在のようなサンゴ礁の広がる海域へと姿を変えた過程を復元するためには, 知念層およびその上下層の岩相層序と微化石層序との関係を解明することが, 重要であることを示唆している.
抄録全体を表示