地質学雑誌
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110 巻, 3 号
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論説
  • 御前 明洋, 永広 昌之
    2004 年 110 巻 3 号 p. 129-145
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/07
    ジャーナル フリー
    南部北上山地, 気仙沼北方上八瀬-飯森地域のペルム系を, 下位より, 石灰岩や砂岩主体の中平層, 主に黒色泥岩よりなる細尾層, 石灰岩, 石灰質泥岩および砂岩主体の上八瀬層, 黒色泥岩が卓越する黒沢層に区分した. 上八瀬層は岩相の側方変化が大きく, 北部では石灰岩や石灰質泥岩が, 南部では砂岩が卓越する. また, フズリナ類やアンモノイドを中心に多くの化石の産出層準を明らかにし, 細尾層中部からDemarezites, 上部からWaagenocerasParaceltites, 細尾層上部~上八瀬層最下部からPseudodoliolinaの産出を報告した. また, Monodiexodina matsubaishiLepidolinaの初産出層準より上位からも産出することを初めて確認した. 従来報告されたフズリナ類・アンモノイド化石データと今回のそれを合わせて判断すると, 中平層~細尾層下部はSakmarian~Kungurian, 細尾層中部はRoadian, 細尾層上部~上八瀬層下部はWordian, 上八瀬層上部~黒沢層下部はCapitanianに対比される.
  • 武井 雅彦, 松岡 篤
    2004 年 110 巻 3 号 p. 146-157
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/07
    ジャーナル フリー
    愛媛県城川地域に分布する今井谷層群下相層において, 泥岩中に異地性岩塊として混在する含大型化石泥質岩を発見した. 含大型化石泥質岩岩塊は, 生物擾乱を受けた塊状の砂質シルト岩からなり, 腕足類, 二枚貝, ウニ, アンモナイトおよび材化石などの大型化石を含む. 岩塊は, 周囲の泥岩と密着しており, 漸移関係は示さない. エッチング処理を施した泥質岩を観察した結果, 含大型化石泥質岩岩塊は基質の泥岩よりも粗粒な炭質物を含み, 特異的であることが明らかになった. 含大型化石泥質岩の初生的な堆積場は, 陸棚以浅の浅海環境が想定される. 含大型化石泥質岩は, 浅海域での斜面崩壊に伴いブロック化し, 下相層の形成場であるより深い斜面域の堆積盆へと移動し, 泥岩中に混在したものと考えられる. 岩塊に含まれるアンモナイトと今井谷層群の年代から, 混在化の時期はジュラ紀末期 (Tithonian前期) と推定される.
  • —テフラ層序学と記載岩石学に基づいて—
    竹下 欣宏
    2004 年 110 巻 3 号 p. 158-174
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/07
    ジャーナル フリー
    古期御岳火山の降下テフラおよび火砕流堆積物を記載し, 降下テフラの重鉱物組み合わせ, 重鉱物の主成分化学組成を明らかにした. 降下テフラの記載岩石学的特徴と年代値の明らかな溶岩層およびテフラ鍵層との層序関係に基づき, 古期御岳火山の詳細なテフラ層序を確立した. テフラの層序および重鉱物組み合わせに基づき, 古期御岳火山テフラステージを下位より, Hサブステージ (主に緑色角閃石を多く含む降下テフラを噴出する活動が盛んな時期 ; 約0.78 Ma以前), PHサブステージ (主に褐色角閃石, 斜方輝石, 単斜輝石を含むテフラを噴出する活動が盛んな時期 ; 約0.78-0.70 Ma), OPサブステージ (主にかんらん石, 単斜輝石, 斜方輝石を含むテフラを噴出する活動が盛んな時期;約0.70-0.64 Ma) に区分した. この区分は, 古期御岳火山の山麓全域において年代値の明らかな溶岩層やテフラ鍵層との層序関係と矛盾なく確認された.
  • 高橋 雅紀, 林 広樹
    2004 年 110 巻 3 号 p. 175-194
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/07
    ジャーナル フリー
    群馬県富岡地域に分布する海成中新統において, これまで複数の研究者により別個に報告されてきた浮遊性有孔虫化石について, 試料の採取地点をもとにそれぞれの層位関係を整理し, 年代層序学的に重要な有孔虫化石種の産出リストを作成した. また, 他のタクサについても, 年代学的に重要な種の産出層準を整理した. これらの浮遊性微化石層序とともに, 海成層に挟在する凝灰岩について測定された各種放射年代値に基づいて, 富岡地域の海成中新統の年代層序を総括した. また, 野外調査に基づいて従来の層序区分 (大石・高橋,1990) に若干の修正を加え, また庭谷不整合が観察される露頭の詳細を報告した. 庭谷不整合より下位層を富岡層群と再定義し, 不整合より上位の地層は安中層群として定義した.
口絵
エラータ
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