西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
37 巻, 6 号
選択された号の論文の22件中1~22を表示しています
図説
長崎大学医学部皮膚科教室開講60周年記念論文
  • 野北 通夫
    1975 年 37 巻 6 号 p. 903
    発行日: 1975/12/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
  • 野中 薫雄, 広渡 徳治, 本多 哲三, 野北 通夫
    1975 年 37 巻 6 号 p. 904-908
    発行日: 1975/12/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    赤血球浮遊液のphotohemolysis現象をerythropoietic protoporphyriaの診断のスクリーニングテストに利用するため, 皮膚科外来をおとずれた光線過敏を主訴とする患者についてphotohemolysisをおこなつた。対照, 光線過敏を主訴とし血中ポルフィリン体に異常を認めない患者群では photohemolysisはすべて認められなかつた。Erythropoietic protoporphyrin患者ではphotohemolysis陽性で, 日光照射量に比例して溶血し, また血球中protoporphyrin値が1000μ/dl p.c.v.以上では著明なphotohemolysisをみた。以上のことより晴天時日光1時間照射をおこない, 24時間後の血度が0.050以上あれば陽性として血中ポルフィリン体測定をおこなつている。
  • 第1報: 正常人背部皮脂のガスクロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィーによる分析
    広渡 徳治
    1975 年 37 巻 6 号 p. 909-917
    発行日: 1975/12/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    アセトン拭き取り法で背部の前処理なしの皮脂を採取し, 薄層およびガスクロマトグラフィーで脂質分析, 総脂質脂酸分析, 各脂質画分の脂酸分析を行なつた。薄層クロマトグラフィーによる脂質分析では, 女差はみられなかつたが, コレステロールエステルは高令化により高値を示す傾向が認められた。ガスクロマトグラフィーによる総脂質脂酸構成では, 男女差は認められなかつたが, わずかに女性の方が分散が大で, C16-1は高令化するにしたがい低下し, C16-0は高令化するにしたがつて上昇するような傾向を示した。各脂質画分の脂酸分析では, II画分(遊離コレステロールおよびジグリセライド)では, C16-0, C14-0が高値を示し, III画分(遊離脂肪酸)ではC16-0, C18-1が高値を示し, IV画分(トリグリセライド)は総脂質脂酸構成に類似していた。V画分(コレステロールエステル)では C16-1, C14-1, X4.5.6が上昇しC16-0, C18-1が底値を示した。
  • 穐山 富雄, 佐藤 みち子
    1975 年 37 巻 6 号 p. 918-923
    発行日: 1975/12/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    長崎大学皮膚科外来における昭和39年から48年までの10毎間の尋常座瘡について統計的観察をおこなつた。外来患者数にたいする頻度は3.6%であり, 性別では女性が74.2%を占め, やや増加する傾向をみている。発症年令では男性が女性よりもわずかに早く発症している。季節別では秋にもつとも多く(29.6%), これにつづいて夏, 冬, 春の順になつている。増悪因子としては月経, 便秘, 食餌などが多くみられ, 女性においては月経前あるいは月経時増悪を訴えるものが約半数に認められている。治療では脂質代謝改善剤内服例に有効のものが多く, ステロイド外用の長期使用は良い結果をもたらしていない。
  • ―とくに免疫学的検査成績との関係―
    山浦 英明, 力丸 正治, 高橋 勇, 阿南 貞雄, 穐山 富雄, 笹岡 和夫
    1975 年 37 巻 6 号 p. 924-929
    発行日: 1975/12/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    エリテマトーデス(SLE)患者の治療にあたり, その長期管理上の指標として一番重要視するものは, 諸検査成績のうち, もつとも特徴的な免疫学的検査である抗核抗体(ANF), 免疫グロブリン値, 補体価の測定である。15例のSLE患者について1∼3年間にわたり臨床経過とともに定期的にこれらを検討し, つぎの結果をえた: すなわち活動期から寛解期へ向かうにつれて,
    1) 免疫グロブリンは正常値よりかなり高値を示し, その変動巾は軽度であるが, IgG, IgMはむしろ増加し, IgAは大差なく, IgEは減少傾向を示している。
    2) ANF titerの低下とともに著明な補体の増加が認められる。
    3) 免疫グロブリンの動向とANF titer, 補体価の変動には相関関係はみられない。したがつてSLEの経過を観察するにあたり, そのコントロールは, 臨床症状, 諸検査事項を加味しながら, ANF値と補体価の測定をすることによりかなりの程度に病態の把握ができると考える。
  • 力丸 正治, 阿南 貞雄, 高橋 勇, 笹岡 和夫, 山浦 英明, 穐山 富雄
    1975 年 37 巻 6 号 p. 930-933
    発行日: 1975/12/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    SLE, 中間型LE, DLE, 強皮症, 皮膚筋炎, シエグレン症倒群, 健常人について間接赤血球凝集反応を用いて抗DNA抗体を検出し, 螢光抗体間接法による抗抗体と比較検討した。抗DNA抗体はSLE, 中間型LE, DLEで検出された。抗SLE抗体はDNAの急性期において出現率, 抗体価ともに高かつた。抗核抗体は抗核抗体のshaggyパターンを示すものにおいて, その出現率, 抗体価ともに高かつた。
  • ―エリテマトーデスの1特殊型としての考察―
    笹岡 和夫, 高橋 勇, 阿南 貞雄, 力丸 正治, 山浦 英明, 穐山 富雄
    1975 年 37 巻 6 号 p. 934-940
    発行日: 1975/12/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    34才家婦, 6年来, 顔面, 肢上にダリエー遠心性環状紅斑に臨床症状, 組織像が近似した辺緑隆起性環状紅斑をくり返し生じ, ときおり指趾に凍瘡様皮疹を併発, 環状紅斑の増数, 拡大時に全身症状が発現して, LE細胞(+), 抗核抗体陽性, 白血球減少, 血沈亢進, 血清γ-Gl値の上昇, RAtest(+)となつたことから, エリテマトーデス(LE)と診断した。また, 環状紅斑を主徴としたLEおよび類縁疾患を内外文献から17例集め検討した結果, 臨床的には30才以上の女子にダリエー環状紅斑様の皮疹を長年月にわたりくり返し生ずるが, 重篤な全身症状を伴わず, 検査では(1)血沈亢進, (2)白血球減少, (3)γ-Gl値上昇, (4)リウチ因子陽性, (5)抗核抗体陽性(Speckled pattern), (6)LE細胞(±), と非常に特徴的な共通した検査所見が見出されたことから, 自験例のような症例は, 病型分類上SLEとDLEの中間に位置する(どちらかといえばSLEに近い)LEのまれな1特殊型であろうと考えた。
  • 西本 勝太郎, 中島 康雄
    1975 年 37 巻 6 号 p. 941-943
    発行日: 1975/12/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    ケニアで感染し帰国した37才医師の「砂のみ」症例を報告した。病巣は右第IV, V趾にみられ, 第V趾のものは新らしく, 中に虫体および卵を含んでいた。第IV趾のものは自然に, 第V趾のものは虫体および卵の出後, 速やかに治癒した。おそらく本邦での第1例と思われる。
  • 第2報 アトピー皮膚炎における血清IgE濃度
    高橋 勇, 阿南 貞雄, 山浦 英明
    1975 年 37 巻 6 号 p. 944-950
    発行日: 1975/12/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    RIST法を用いてアトピー皮膚炎186例, 健常人40例について血清IgE濃度の測定を行なつた。測定手技上RIST法は感度, 精度の点より非常に秀れた方法であることがみとられた。健常人の平均IgE濃度は115.4unit/ml, アトピー皮膚炎単独群では326.8unit/ml, 他のアトピー性疾患を合併する合併群では1510.5unit/mlとなり, 明らかに合併群においてIgE濃度の上昇がみられた。また種々の臨床的要因とIgE濃度との関連性をみると, 苔癬化局面の汎発する, いゆる重症型のアトピー皮膚炎においてIgE値の上昇がみられ, この傾向は単独群および合併群に共通していた。また年令, 発症年令, 経過年数などとIgE値との関連性はみとめられなかつたが, 好酸球数500/mm3以上の群ではIgEが上昇する傾向がみられた。
  • 前島 和樹, 掘 真, 小里 八州子, 西本 勝太郎
    1975 年 37 巻 6 号 p. 951-957
    発行日: 1975/12/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    皮膚腫瘍患者12例の腫瘍にたいする細胞性免疫能をマクロファージ遊走阻止試験(直接法)を用いて検索した。対象は有棘細胞癌4例, ボーエン病3例, 基底細胞上皮腫4例, 脂漏性角化症兼血管腫1例であつた。結果は, 1例の有棘細胞癌が陽性を示したのみで, 他の腫瘍11例および健康人3名は陰性にとどまつた。
  • 掘 真, 穐山 富雄, 西本 勝太郎
    1975 年 37 巻 6 号 p. 958-965
    発行日: 1975/12/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    83才, 女性の左のこめかみに生じた皮膚色, 表面潰瘍性の拇指頭大の腫瘤について検討した。組織学的にはpilosebaceous unitあたりより発生した上皮性悪性腫瘍で, 角質真珠の形成, 異形有棘細胞, sebaceous ghost cellなどが存在し, Sudan IIIで陽性物質を含む細胞を多数みとめる。Urban and Winkelmannはsebaceous malignancyを3型に分類しているが, そのなかのsquamous cell epithelioma with sebaceous cell differentiationに一致するものである。電顕的には, 腫瘍小葉の辺縁に存在する比敏的好酸性の細胞はtonofilament, R.E.R., polysome, desmosomeの発育が良好である。また, 中心部に存在するSudan III陽性細胞では, 脂肪存在部位は膜様物質でふちどられ, なかには, 雲状の物質をいれている。核は辺縁に圧排されている。Tonofilament desmosomeの発育はかなり良好であり, keratinocyteおよびsebaceous cellの双方の性格をもつようにおもわれた。
講座
統計
  • 三浦 幹枝, 笠井 達也
    1975 年 37 巻 6 号 p. 972-978
    発行日: 1975/12/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    Total number of the patients with burns for the last seven years (1968∼1974) was 649 cases, that account for 2.67% of the total out-patients of our clinic. The proportion of the cases of burns to total out-patients reached maximum in 1970, and then decreased gradually. The total number of the female cases was slightly more than the male, there found, however, no difference between both sexes in the last two years. The frequency of burns by age group showed two peaks at the male of 0∼5years old and the female in her twenties, and the number of male baby under one year old showed the most high frequency. Seasonal changes of the number of patients showed relative increasing in winter, especially from December to April. The burns caused by liquid of high temperature were most frequent in these patients and by flame or heated gas were the least. Boiling water stocked in the thermos bottle was the chief cause of burns of infants, particularly under five years old. The burnt area of the most cases remained less than 5% of the whole body surface, and hands, legs and forearms were most frequently suffered. The number of patients with the second grade burns amounted to three quaters of the whole patients: These facts showed the patients with burns in our clinic remained mostly in slight injuries.
治療
feedback
Top