西日本皮膚科
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71 巻, 1 号
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図説
綜説
  • PETによる脳内移行性に関する研究
    谷内 一彦, 田代 学, 岡村 信行
    2009 年 71 巻 1 号 p. 3-6
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    アレルギー疾患の罹患率が高いことにより多くの人が抗ヒスタミン薬を服用している。第一世代抗ヒスタミン薬はイタリアの薬理学者Daniel Bovetにより1930~40年代に開発され,その後,多くの中枢神経系作用薬(抗精神病薬や抗うつ薬など)の原型になった。1957年にBovetはその薬理学的業績によりノーベル医学生理学賞を受賞している。抗ヒスタミン薬は,アレルギー疾患に対する効果が認められる一方で,眠気や口渇,頻脈といった副作用が問題視されてきた。そのような背景から,抗ヒスタミン薬の改良が進められ,第二世代と呼ばれる眠気の少ない抗ヒスタミン薬が登場してきた。眠気はあくまでも主観的な感覚であり,鎮静性の正しい評価には覚醒度を客観的に表す指標であるインペアード・パフォーマンス(気づきにくい能力ダウン)が提唱されている。我々はPET(Positron Emission Tomography:陽電子放射断層撮影法)を用いるヒト脳内ヒスタミンH1受容体占拠率測定法を開発して,日本で市販されている抗ヒスタミン薬の鎮静性を評価している。国際標準になっている鎮静作用の少ない第二世代抗ヒスタミン薬の使用を皮膚科専門医には特にお願いしたい。
症例
  • ―コルヒチンとプレドニゾロン内服が著効した1例―
    浅尾 香恵, 古城 八寿子, 中村 徳志
    2009 年 71 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    33歳の男性。慢性腎炎と高血圧があり,抗血小板剤とCa拮抗剤を内服中であった。5ヶ月前から四肢を中心に有痛性皮下硬結が多発し,血栓性静脈炎の診断で2ヶ月間ワルファリンカリウムを投与されるも改善なく,2ヶ月後当科初診。索状皮下硬結を多数認め,病理組織学的に血栓性静脈炎と診断した。眼症状はなく,初診の1ヶ月後から徐々に関節痛,口内炎,陰部びらん,結節性紅斑が出現し,不全型ベーチェット病と診断した。コルヒチンが著効したが,肝機能障害が出現したため減量し,プレドニゾロンを併用して小康状態となった。
  • 高野 優佳子, 局 隆夫, 後藤 瑞生, 加藤 愛子, 片桐 一元, 藤原 作平, 横山 繁生, 迫 祐介, 熊本 俊秀
    2009 年 71 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    56歳,男性。1996年に両頬部紅斑を主訴に受診し,円板状エリテマトーデス(discoid lupus erythematosus)との診断を受けた。以後,外来受診が途絶えていたが,2005年頃より,右頬部,左大腿部に皮下硬結が出現した。左大腿部の皮下硬結に圧痛を伴うようになったため,近医整形外科を受診。MRI検査にて左大腿部の筋炎を指摘され,皮下硬結との関連の精査目的で当科紹介受診となった。右頬部,左大腿部は皮膚生検およびMRI所見よりlupus erythematosus profundusと診断した。左薄筋の筋生検を行ったところ,肉眼的に筋膜,筋肉ともに灰白色調を呈しており,病理組織では,筋炎と筋の線維化を認めた。経過中,クレアチニンキナーゼ,アルドラーゼ,ミオグロビンなどの上昇が間歇的に見られたが,両上肢,右下肢の筋力低下,嚥下困難,その他の全身症状は認めなかった。2007年に抗Sm抗体,抗U1-RNP抗体が陽転化したが,やはり,肺,腎を含め,皮膚,筋以外の症状はなかった。Lupus erythematosus profundusで見られる皮下脂肪織の炎症が,筋肉層にまで波及し,筋の線維化を生じたと考えた。
  • 大森 睦美, 占部 和敬, 辻田 淳, 内 博史, 幸田 太, 師井 洋一, 古江 増隆
    2009 年 71 巻 1 号 p. 17-20
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    73歳,女性。初診の8ヶ月前,顔面中央に青灰色の色素沈着が出現し,次第に体幹,手掌に拡大した。受診時,顔面,胸部,上背部,両手掌外側に青灰色の色素沈着を認めた。病理組織学的に汗腺や毛包周囲に黒褐色粒子の沈着を多数認めた。詳細な問診により初診の3ヶ月前まで約3年間,口内炎に対して連日硝酸銀を含む口腔含嗽液を使用していたことが判明し,銀皮症と診断した。診断後,外来にて3年間の経過観察を行っているが全身の色素沈着は軽快していない。
  • 藏岡 愛, 山岡 俊文, 小川 文秀, 佐藤 伸一, 関山 華子
    2009 年 71 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    32歳,女性。初診の3ヶ月前に慢性副鼻腔炎を指摘された。初診の3週間前,両手掌の紅色丘疹とともに,右臀部痛が出現し,次第に歩行困難となった。掌蹠は膿疱を認めるようになり,2007年4月上旬,精査加療目的で当科紹介入院となった。MRIで仙腸関節炎を認め,掌蹠膿疱症性骨関節炎と診断した。サラゾスルファピリジン内服と慢性副鼻腔炎に対する抗生剤内服で皮疹,関節症状ともに軽快した。しかし,歩行リハビリ開始に伴い,関節症状が再燃したため,扁桃摘出術も施行したところ,歩行できるまでに軽快を認めた。文献上の歩行困難をきたした掌蹠膿疱症の症例は,いずれも仙腸関節や腰椎に炎症があり,30歳代の女性に多く認められた。掌蹠膿疱症性骨関節炎に対する確立された治療法はなく,個々の症例に合わせて治療法が選択されている。内服治療のみでは軽快を認めない症例でも扁桃摘出術を追加して行った後では日常生活をほぼ不自由なく送ることができるようになった症例も報告されており,症状の強い難治な掌蹠膿疱症性骨関節炎に扁桃摘出術は有効であると考えた。
  • 三谷 有史, 新谷 洋一, 磯村 巌, 森田 明理
    2009 年 71 巻 1 号 p. 26-29
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    72歳の女性。初診2ヶ月前より手掌より紅斑出現。全身に拡大し,全身症状を伴ってきたため受診。臨床・病理組織像などから汎発性膿疱性乾癬と診断した。エトレチナート,シクロスポリン,PUVA療法を行い症状は改善し,その皮疹はおよそ5年間ビタミンD3の外用のみで落ち着いていた。しかし初診の6年後になって,急速に皮疹再燃し入院となった。肝機能障害のためエトレチナートとシクロスポリンの治療は継続できずPUVA療法を選択した。しかしPUVA療法では一時的な軽快はするものの,十分な治療効果が得られずナローバンドUVB療法に変更した。17回照射し全身の皮疹は消失した。本症例においてナローバンドUVB療法は汎発性膿疱性乾癬に有効であった。
  • 小田 佐智子, 沖田 博, 濱崎 洋一郎, 籏持 淳, 山崎 雙次
    2009 年 71 巻 1 号 p. 30-32
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    10歳,男児。約2年前より右脛骨前面に自覚症状のない,可動性のある皮下結節に気付くも放置していた。今回切除を希望して当院を受診した。皮下結節は,剥離を要さず容易に摘出された。病理組織所見は結合織性被膜に覆われた脂肪壊死を示し,mobile encapsulated lipoma と診断した。本疾患は小児例の報告は少なく,20歳以下のほとんどの症例はスポーツに伴う機械的外力の誘因がある。自験例においてもサッカー部に入っており,下腿に繰り返し外力を受けていた事が発症に関与していると考えられた。
  • 仲村 郁心, 平良 清人, 安里 豊, 峯 嘉子, 眞鳥 繁隆, 山本 雄一, 上里 博, 照屋 美貴, 青木 武雄
    2009 年 71 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    57歳,男性。幼少期より左臀部に2~3cmの疣状の結節があった。2006年11月頃から結節は増大し,潰瘍を伴うようになったが放置していた。その後患者は座位が困難となり2007年3月近医を受診した。皮膚生検の結果,有棘細胞癌と診断され当科に紹介となった。初診時,左臀部に潰瘍を伴う表面不整な130×90×15mmの易出血性の腫瘤があり,その周囲に瘢痕を認めた。患者は入院時より全身倦怠感があり,検査の結果高カルシウム血症(高Ca血症),副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTH-rP)の上昇とSCC関連抗原の上昇がみられた。またクォンティフェロンTB-2G(QFT)は陽性であった。治療は高Ca血症に対して輸液,パミドロネート,エルカトニンの投与を行い,血清Ca値は正常化した。腫瘍に対しては切除術と化学療法を施行した。11ヶ月間経過したが,腫瘍の再発・転移は認めていない。また,腫瘍周囲に萎縮性瘢痕がみられ,QFTが強陽性であり,左内腸骨リンパ節にラングハンス型巨細胞を伴った乾酪性肉芽腫がみられた。このことから結核性リンパ節炎および皮膚結核による瘢痕が示唆され,有棘細胞癌の発症に結核性病変が関与した可能性が高いと考えられた。
  • 志賀 建夫, 横川 真紀
    2009 年 71 巻 1 号 p. 38-41
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    症例1:65歳,女性。2年ほど前より右乳房部に皮下腫瘤を自覚していたが放置していた。腫瘤が徐々に増大し皮膚表面から隆起した腫瘤となり,やがて自潰し,出血,強い悪臭を伴うようになったため当院外科を受診した。初診時すでに多発性肺転移,骨転移をきたした乳癌stage IVの状態であり,手術適応はなく局所処置について当科を紹介された。出血,疼痛,多量の滲出液,強い悪臭のコントロールを目的としてモースペースト塗布で局所処置を行った。処置を繰り返し行うことで腫瘤は徐々に縮小した。またモースペースト使用後も残存する腫瘍からの滲出液,悪臭に対してメトロニダゾール軟膏を使用し軽減をみた。症例2:61歳,女性。症例1と同様に乳癌の皮膚浸潤による腫瘍にモースペースト,メトロニダゾール軟膏の併用を行った。症例1,2とも腫瘤の縮小のみならず,出血,滲出液のコントロール,悪臭の軽減が可能であった。皮膚原発腫瘍あるいは転移性皮膚腫瘍においては,その表面が自潰し多量の滲出液,出血,悪臭を伴うようになることが多く,患者のQOLが著しく損なわれる。根治的治療ではないものの患者の全身状態,局所病変の状態にあわせてモースペースト,メトロニダゾール軟膏を使用することでQOLの改善が得られた。その使用法を含め文献的考察を加え報告する。
  • ―腎不全患者でのパクリタキセル,カルボプラチン有効例―
    川本 導史, 佐藤 秀英, 安松 知子, 大石 正樹, 後藤 瑞生, 竹尾 直子, 竹内 善治, 片桐 一元, 藤原 作平, 高山 明子, ...
    2009 年 71 巻 1 号 p. 42-47
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    76歳,男性。2001年左肩の悪性黒色腫に対して拡大切除,リンパ節郭清術(stage III C,pT3a,N3,M0)および術後6クールのDAV-Feron療法を受けた。2005年12月5-S-cysteinyldopa(5-S-CD)値が上昇し,PET(positron emission tomography)-CTなどを行うも異常を検出できなかった。2006年5月呼吸困難,腹部膨満感が出現し,近医で胸水,腹水貯留を指摘された。6月当院総合診療部を受診し,腹水穿刺・細胞診にて,悪性黒色腫の腹腔内播種と診断され,当科入院となった。5-S-CD値は9598ng/mlと著しく上昇し,CTで胃漿膜側に結節を認め,同部への転移および腹腔内播種と考えた。基礎疾患に慢性腎不全があり,残存腎機能に配慮した化学療法として,パクリタキセル,カルボプラチン併用療法を約3週毎に計7クール施行した。腹水および5-S-CD値は著明に減少し,残存腎機能も悪化しなかった。しかしながら,末梢神経障害の出現と治療効果の低下があり,カルボプラチンを用いたDAC-Tam療法変法に変更し,計5クールを追加施行した。一時的な効果はあったが,5-S-CD値の再上昇と腹水・胸水貯留が顕著となり,悪液質を経て,入院18ヶ月後に永眠した。この間,他臓器の転移は検出されなかった。
  • 澁谷 博美, 高安 進, 佐藤 崇史
    2009 年 71 巻 1 号 p. 48-52
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    症例は基礎疾患のない50歳男性。突然の腹痛出現し造影CTにて上腸管膜動脈解離と診断された。腸管虚血を疑う症状はなかった。絶食,補液管理としたが5日後にbacterial translocationによると思われる敗血症のため高熱,DIC,ショック症状をきたした。2日後,両手指,足趾,鼻尖部は黒色となり左前腕に壊死,出血性水疱形成。両下腿,両足は暗赤色となった。下腿の組織像では真皮小血管の壊死,血栓形成,赤血球漏出を認めた。血液,便,皮膚の水疱穿刺液からCitrobacter freundiiが検出された。入院22日目に両上肢,右下肢の切断を行った。後脛骨動静脈に血栓形成,中膜,内膜肥厚による狭窄,静脈壁壊死を認めた。その後も持続血液濾過透析,種々の抗生剤投与,ステロイド投与を行ったが,切断端の創は離開し,次第に全身状態は悪化した。更に多臓器不全をきたし,2ヶ月後にサイトメガロウイルス感染症を併発し死亡した。剖検により上腸間膜動脈解離が確認されたが,解離部から末梢の腸管壊死は認められなかった。Citrobacter freundiiによる敗血症により生じた電撃性紫斑の最初の症例である。
統計
  • 篠田 英和, 関山 華子, 西本 勝太郎
    2009 年 71 巻 1 号 p. 53-56
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    2004年1月から2008年4月までに当診療所を受診したTrichophyton tonsurans感染症100例について検討を加えた。学童9名,中学生33名,高校生52名,競技監督・指導者6名,男女比92:8であった。スポーツ種別は柔道85名,レスリング8名など格闘技スポーツが多く,スポーツクラブ所属なしが2名あり,友人や兄からの感染であった。病型は頭部白癬29例(black dot ringworm[BDR]16例,粃糠疹型8例,炎症型5例),体部白癬75例,手白癬2例,保菌者8例がみられた。体部白癬の皮疹は円形の淡紅色斑と環状の紅斑が主にみられた。体部白癬の多発例は単発例と比較し頭部白癬やhair-brush(HB)法の異常の合併が高く,またHB法で全スパイク陽性(コロニー数90個)の症例はBDRなど頭部白癬の合併の可能性が高いことがわかった。すべての症例に対しグリセオフルビン錠(GF)を投与し良好な結果を得た。
治療
  • 久保田 由美子, 中山 樹一郎, 福岡地区アデルマエグゾメガ® クリーム研究会
    2009 年 71 巻 1 号 p. 57-62
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    乾皮症および皮脂欠乏性皮膚炎患者68名に対し,レアルバ®オート抽出物および月見草油とナイアシンアミド配合クリーム「アデルマエグゾメガ®クリーム」を使用し,その有用性と安全性を検討した。その結果4週間の使用により乾燥,そう痒,鱗屑は約98%改善し,乾燥感とそう痒感のvisual analog scale(VAS)も2週後から有意に改善した。4週後における全般改善度は98.4%,概括安全度は100%で有用度は有用以上で98.5%であった。使用感アンケートではつっぱり感がなく,しっとり感,なじみやすさがあり,香りも気にならない人がほとんどで96.0%が継続使用を希望した。以上より本剤は乾皮症および皮脂欠乏性皮膚炎に対し,安全かつ有用で使用感のよいスキンケア製品であると考えられた。
  • ―1日1回投与法と1日2回投与法との比較検討―
    高橋 英俊, 辻 ひとみ, 飯塚 一
    2009 年 71 巻 1 号 p. 63-69
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    ネオーラル®による乾癬治療のガイドライン(2004年改訂版)において初期用量は2.5~5.0mg/kg/日を目安とされているが,重症度別の至適投与量に関して一定の見解は得られていない。また,乾癬患者のQOL向上を目指した治療や患者治療満足度の向上という観点を含めたネオーラル®寛解導入療法における至適投与法の検討はほとんど行われていない。本研究では,重症・中等症に対するネオーラル®寛解導入療法における至適投与方法について検討した。中等症以上(PASIスコア5以上)の尋常性乾癬患者30例に対し,ネオーラル®寛解導入療法として3mg/kg/day 1日1回投与法(以下A群)と4mg/kg/day 1日2回投与法(以下B群)での有効性・安全性および患者アンケートによる患者治療満足度・患者薬剤費負担について比較,検討した。PASIスコアの改善について両群間に有意差なく,両群とも2週目より有意に改善が認められた。各部位の皮疹改善効果についても両群間に有意差なく,両群とも2週目から有意に改善が認められた。患者総合満足度については,両群ともに治療前と治療後を比較すると治療後で有意に改善が認められた。また,30例中9例に副作用は認められたが,重篤なものはなかった。以上より,重症・中等症に対するネオーラル®寛解導入療法において1日1回3mg/kg投与法は効果,治療満足度,安全性,患者負担の面から治療選択肢の一つとして考えられた。
  • ―市販後調査結果より―
    楠 俊雄, 穂積 香織, 小倉 達也, 小林 巧, 重田 文弥
    2009 年 71 巻 1 号 p. 70-78
    発行日: 2009/02/01
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル 認証あり
    イトラコナゾール(イトリゾール®カプセル50)は,ベルギー ヤンセン社で合成されたトリアゾール系抗真菌剤である。本邦では2004年2月に爪白癬に対し,本剤400mg/日を1週間服薬した後,3週間休薬するサイクルを3回繰り返す「パルス療法」が承認され,この承認に伴い,爪白癬の治療を受けた患者2000例を対象とした市販後調査を実施し,パルス療法の有効性及び安全性について検討を行った。有効性については,有効性解析対象症例1051例における全般改善度は84.3%であった。また,感染部位,初発・再発,肥厚度,混濁比等,爪白癬の状態や重症度によらず,いずれも80%以上の有効率を示すことが確認された。一方,爪白癬治療の継続状況を検討したところ,治療完結率評価対象症例2394例において,3サイクル分のイトラコナゾール処方が完結した患者の割合は93.0%であった。安全性については,安全性解析対象症例2532例中288例(11.4%)に副作用が認められたが,主な副作用は,既知で軽微な臨床検査値異常であった。以上より,イトリゾール®カプセル50パルス療法は,爪白癬に対して優れた有効性ならびに良好な安全性を有することが確認された。
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