西日本皮膚科
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36 巻 , 2 号
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図説
シンポジウム—皮膚科領域における治療の動向— 第1部 コルチコイド剤の全身療法にかんする再検討
  • 中村 家政
    1974 年 36 巻 2 号 p. 131-133
    発行日: 1974/04/01
    公開日: 2012/03/24
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  • —血中コーチゾル値からみた副腎皮質抑制について—
    西本 勝太郎, 中浦 優
    1974 年 36 巻 2 号 p. 134-139
    発行日: 1974/04/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    Murphyのradiostereoassayをもちい,種々の皮膚疾患患者でステロイド全身投与群と対照群につき血中コーチゾル値を測定し,その副腎皮質にたいする抑制について検討した。測定のための採血時間については,正常人につき日中のコーチゾル値の変動を測定し,早期において比較的定まつた値をえることができた。これは外来通院中の各種皮膚疾患患者で,コルチコイドの投与をうけていないものについてもほぼ同様であつた。ステロイドの全身投与をうけている患者の血中コーチゾル値は極端な低値を示し,つよい副腎皮質抑制のあることを示していた。そしてこの値はステロイド中止後,徐々に回復してくるのがみられた。ステロイド間欠投与群においては,連日投与群よりも高い血中コーチゾル値がえられ,またACTHによる副腎皮質の刺激と血中コーチゾル値の変動の一致を示した。今後個々の症例について,血中コノーチゾル値の測定とあわせて経過をみていくことにより,副腎皮質の抑制,萎縮を最小に止めることの可能性を示した。
  • —ことにSLEのコルチコイド療法について—
    田代 正昭
    1974 年 36 巻 2 号 p. 140-149
    発行日: 1974/04/01
    公開日: 2012/03/24
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    われわれはコルチコイド長期投与例ことにSLEの「コ」療法の再評価をなすべく,「コ」療法の現状を解析し,急性期すなわち初期抑圧療法を積極的に充実し,寛解期すなわち維持療法への導入時期は総合的に判定することが必要であり,剖検所見からは「コ」療法の合併症,副作用のひとつとして感染症誘発の重要性などについてのべた。
  • 島雄 周平, 三原 基之, 清水 康之, 井上 多栄子, 長野 拓三, 蓮尾 統子, 阿曽 三樹, 谷口 充, 臼井 敏明, 河本 裕子
    1974 年 36 巻 2 号 p. 150-166
    発行日: 1974/04/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    Corticoidの副作用にかんし,2·3の基礎的ならびに臨床的観察を試み,つぎの結果をえた。1)ラットにdexamethasoneの大量を注射し,摘出肝を病理組織学的·電顕的に検索したところ,肝細胞内の高度glycogen沈着の像を認めた。2)Steroid myopathyは,皮膚科領域でもまれな副作用ではない。これらの症例には病理組織学的ならびに筋電図学的に筋原性(myogenic)のほかに神経原性(neurogenic)の筋萎縮性変化を認める。3)家兎を用いての実験的観察によると,steroid myopathyの筋組織変化の程度と筋電図所見とは密接な関係を有し,その初期変化の発見には筋電図検査が有用である。また,コルチコイド投与は,末梢神経の軽度の変性を惹起するとともに神経維内へのNa+の貯留をきたす。4)コルチコイド全身療法の相対的適応症例群においても比較的少量の投与で明らかに副腎皮質予備能の低下をきたす症例がある。5)尋常乾癬などに15~30g/dayのステロイド軟膏をODTで用いる場合,全身投与時にみられるような副作用をきたす症例もある。
  • 半田 純雄
    1974 年 36 巻 2 号 p. 167-171
    発行日: 1974/04/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    コルチコイド剤の人間での催奇性は非常に小さいか,ほとんど無視できる程度と思われる。しかし,動物実験では高率に口蓋裂を生ずることが知られているので,妊娠の可能性のある婦人への投薬は慎重な配慮が望まれている。そのためには,動物実験からえられた知見から,つぎの諸点に留意すればよいであろう。
    1.妊娠初期,とくに妊娠5~9週ころの投薬に留意する。
    2.近親者に口唇·口蓋裂をもつ患者に留意する。
    3.長期間にわたる投与,ないし長期間胎児に作用すると考えられる投与方法はさし控える。
    4.催奇形量と臨床投与量との差が小さいコルチコイド剤の投与には留意する。
    5.他の薬剤との併用はできるだけ避ける。
    6.栄養条件をよくする。
  • 井上 勝平, 佐藤 隆久, 緒方 克己, 坂崎 善門
    1974 年 36 巻 2 号 p. 172-185
    発行日: 1974/04/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    西日本12大学皮膚科のアンケートに自験22例を加えて合成ACTH-Z療法について検討,つぎの諸点に言及した。
    1)副腎皮質機能検査として合成ACTH-Z 3日連日筋注法が有効である。
    2)ACTH療法の適応症はコルチコイドによる蛋白異化作用のみられる水疱性疾患,胃腸障害のあるもの,コルチコイド長期使用による成長抑制を避けるための幼小児例などがある。
    3)コルチコイドとの併用は今後十分検討すべきである。
    4)ACTHの副作用としては浮腫,高血圧,低カリウム血症,糖尿病,色素沈着症,精神障害などの頻度が高いが,副作用の防止には積極的にとりくむべきである。
  • 武田 克之
    1974 年 36 巻 2 号 p. 186-190
    発行日: 1974/04/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    Corticoid長期使用患者では,術中,術前,術後などに,corticoid投与を中止または減量すると,軽度の外科的侵襲によつてさえ,急性副腎皮質不全に基づくcirculatory collapseをひき起こす可能性があるので通常,妊娠に際してはcorticoidの全身投与はおこなわれていない。しかし,従来妊婦でもRh sensitization,喘息,lupus erythematosus,rheumatoid arthritis,皮膚粘膜症候群,Addison病などのendocrinopathy,septic abortionにともなうendotoxic shockなどでは多量のcorticoid剤が投与されてきている。他方,corticoidでマウス,家鬼に口蓋裂を形成したが,薬剤の催奇形実験では臨床では考えられないような大量を用いている。しかも種属あるいは系統の差による感受性の差が証明された点からすれば,cortisoneが胎児あるいは母親の遺伝子型とまつたく無関係に口蓋裂をおこしうるとは考え難く,環境,遺伝の両要因の相互作用と考えるのが妥当であろう。しかし妊娠第8~9週以前のcorticoid剤の投与はきわめて慎重であらねばならず,臨床上,不可欠な症例にのみ投与すべきであろう。妊娠時にもcorticoid投与が必要不可欠の疾患の代表としては,慢性関節リウマチとSLEがあげられる。とくにSLEは16才から30才までの出産可能な女性に圧倒的に多く,妊娠そのものがSLE発症の引きがねとなることもあり,SLEと妊娠の合併が決してまれでなく,妊娠,分娩もS LE誘発因子のひとつとみなされ,多くの重要な問題が含まれる。そこで原則として中等度以上の症例では,妊娠は継続すべきではないが止むをえぬときは緩解期,服用していない時期に分娩させ,たとえ少量でも長期服用中のケースでは,分娩によるストレスの急性副腎皮質不全予防の目的でプレドニソロンを倍量の30mgに増量して分娩に備え,分娩後約1週間は漸減投与するのがよい。
  • 原田 正純, 弟子丸 元紀
    1974 年 36 巻 2 号 p. 191-196
    発行日: 1974/04/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    コルチコイド療法中におこつた精神障害例のうち代表的な4症例を報告した。精神症状はきわめて多彩で非特異的であつて,精神症状からのみでコルチコイドによる精神障害とは診断つきにくい。すなわち,意識障害,コルサコフ症候群,不眠,不安,不穏·恐怖感,被害·関係妄想,幻覚あるいは多弁·多動,多幸,行動異常,離人体験がみられ分裂病,躁うつ病などと似る状態もみられた。精神症状の発生には投与量や期間,種類に関係ない。われわれの症例は急性一過性型,急性遷延型,慢性型に分けることができる。急性一過性型はコルチコイド療法の中止によつて症状は改善され,遷延型は症状が多彩に持続する。慢性型は5~10年の投与によつておこつたものである。原則的に原疾患は増悪するが投与方法や薬剤種類の変更で切り抜けることもできる。慢性型は副腎皮質機能障害をおこしている可能性があるので治療は困難で工夫がいる。発生要因として病前性格や家族に精神病の負因があるものがみられて興味を引くが今のところ明らかな関係は不明である。
症例
  • 佐藤 隆久
    1974 年 36 巻 2 号 p. 197-200
    発行日: 1974/04/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    有機塩素中毒症についてはすでに数多くの臨床的ならびに実験的研究があるにもかかわらず,その治療法については今なおこれといつた対策がない。著者は2名の塩素ざ瘡患者に表皮剥削術と面皰圧出法を併施し,かなりの治療効果をえたので報告する。まず適応は顔面,とくに額,頬部など下部に骨のある部に色素沈着をともなつてみられるざ瘡様皮疹である。また原則として全身麻酔とする。はじめに表皮剥削術をおこない,ついで面皰圧出器で十分に時間をかけて毛包内の角質物質を押し出す。そのあと創面の消毒,抗生物質を押し出す。そのあと創面の消毒,抗生物質含有のコルチコイド軟膏を塗布する。表皮剥削—面皰圧出法をおこなつた2例中1例は術後3年目であり,色素沈着もざ瘡もほとんど目立たない状態である。第2例は術後1ヵ月であるが,今のところ経過は良好である。
研究
  • IV.基剤貼布試験成績
    篠 力
    1974 年 36 巻 2 号 p. 201-205
    発行日: 1974/04/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    化粧品基剤原料の安全性を検査する目的で若干の原料を用いて14種の基剤を作製し,それぞれ貼布試験をおこなつた。その結果はつぎの通りであつた。通常の使用濃度で安全性の高い原料はワセリン,流動パラフィン,ステアリン酸,セタノール,蜜蝋,イソプロピルミリステート,オリーブ油,ラノリン,プロピレングリコール,パラフィンワックス。界面活性剤ではポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体,ポリオキシエチレングリコールモノステアレート,ポリオキシエチレンステアレート,グリセロールモノステアレート,セチル硫酸ナトリウム,ポリオキシエチレンラウレート,ソルビタンセスキオレエート。安全性の劣るものはラウリル硫酸ナトリウム,防腐剤ではパラヒドロキシ安息香酸メチル,同ブチルは0.05%では一応安全であるが0.1%では滲透性の強い基剤では注意を要する。
  • 小倉 良平, 二宮 冬彦, 木下 啓
    1974 年 36 巻 2 号 p. 206-209
    発行日: 1974/04/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    AGS固形洗剤は,N-アシル-L-グルタミン酸ナトリウムを主成分とするものであるが,表皮タンパク質にたいする変性作用を,市販の脂肪酸ナトリウム系の石鹸とラウリル硫酸を主成分とする薬用石鹸とについて,タンパクSHを測定することにより比較検討した。終濃度0.25%以下では3者ともラツテ表皮タンパクになんら影響をあたえず,0.5%,1.0%と増加するにつれて変性が認められる。しかし,AGSはほかの2者よりも常に変性作用は低かつた。また生後3週,10週,12ヵ月のラツテよりえた表皮タンパクにたいしても,AGSはほかの2着よりも影響が少なかつた。また,ヒトの正常角層や乾癬落屑のタンパクにたいしても変性作用は低く,AGSはきわめて温和な固形洗剤であることが明らかとなつた。臨床的にも,有用な固形洗剤であると思われる。
治療
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