西日本皮膚科
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42 巻, 6 号
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図説
綜説
症例
  • 和田 秀敏, 武石 正昭
    1980 年 42 巻 6 号 p. 953-957
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    足穿孔症の1型であるacropathies ulcéro-mutilantes pseudo-syringo-myéliques non familiales des membres inférieurs(Bureau型足穿孔症)の56才男子例を報告した。足穿孔症の分類はいまだ明確なものではないが, Bureau型は後天性の要因が強いこと, 中年男子に多いこと, 社会的地位の低いアルコール中毒患者に多いこと, 外傷などが発症要因となること, 交感神経症状をともなうこと, 両側下肢, 足に限局すること, 著明な知覚障害をともなうこと, しばしば肝機能障害がみられることなどの特徴がある。今回われわれの報告した症例は, 典型的なBureau型足穿孔症としては本邦第1例と思われる。
  • 出来尾 哲, 浜中 和子
    1980 年 42 巻 6 号 p. 958-962
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    52才男子に生じたMajocchi’s diseaseの1例を報告した。初診の3ヵ月前より両側大腿∼下腿に点状の赤色皮疹が集簇して存在し, 一部は環状配列を呈していた。臨床検査結果ではRAテストのみが陽性であつた。治療をすることなく経過を観察したところ, 初診の約4ヵ月後RAテストは陰性になり, 皮疹は自然に完全に消失した。本症はおそらくhypersensitivityないしallergicreactionによつておこるものであろうと想像された。
  • 橋爪 鈴男, 鯵坂 義之, 福原 俊子, 内田 博子, 千葉 紀子, 下田 祥由
    1980 年 42 巻 6 号 p. 963-967
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    67才女子の頭部皮膚に転移した腎細胞癌の1例を報告した。肉眼所見では, 血管腫様弾性軟の腫瘍であり, 光顕上は, 真皮に腫瘍塊があり, 澄明細胞と顆粒細胞の2種類からなつている。電顕上は, 胞体の明るい細胞と暗い細胞の2種類からなつている。明るい細胞は, リボゾームに富み, グリコーゲン顆粒も認められた。暗い細胞では, 膜様構造が著明である。腫瘍細胞の一部には, 刷子縁様構造が認められる。腎細胞癌は, 微細構造における刷子縁構造の存在などにより近位尿細管由来といわれている。転移巣においてもこれが認められたことは, 腎細胞癌においても微細構造の検索が原発巣の診断に有力な方法となりうることを示している。本邦皮膚科領域における腎細胞癌の皮膚転移報告例についての若干の考察も行なつた。
  • 下川 優子, 鮫島 利尚, 田代 正昭
    1980 年 42 巻 6 号 p. 968-972
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    68才男子, 鹿児島県生まれの成人T細胞白血病の1例を報告した。本症例では, 指趾末端の潰瘍, 壊疽が先行し, 後に白血病化した。また, 糖尿病, 悪性関節リウマチを疑わせる関節リウマチ, 動脈硬化症が存在した。初期の病変部にも異型細胞の浸潤がみられ潰瘍, 壊疽の主因は, 白血病によるものと考えた。
  • 猪塚 憲機
    1980 年 42 巻 6 号 p. 973-976
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    3ヵ月女児の右大腿部にみられた限局性多毛症につき臨床所見および組織所見を報告した。組織学的に多数の平滑筋線維が認められ, その一部は毛包組織と連絡を有していた。臨床所見および組織所見からnevus leiomyomatosusと診断した。これまでの報告例の臨床像および組織像を総括し, またleiomyomaとの異同およびBecker’s nevusとの関連性についても述べた。
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