西日本皮膚科
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53 巻 , 6 号
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図説
綜説
症例
  • 皆本 景子, 木村 達, 高柳 かおり, 中村 昭典, 小野 友道
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1158-1162
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    症例: 47歳, 男子。初診: 平成元年1月11日。下顎部に母指頭大紫紅色隆起性腫瘤, 右口角部には示指頭大の紅色丘疹の融合したような局面を認め, 左鼻孔には腫張, 発赤を認め, 痂皮付着し, 鼻閉を訴えた。昭和63年4月頃から頭部, 臍部などにも皮疹が出現しており, 自然消退している。下顎部の腫瘤を生検したところ, 軽度の表皮肥厚と真皮全層に形質細胞を主とする密な細胞浸潤を認め, BSA酵素抗体法では, 肥厚した表皮細胞間に多数のTreponema pallidumを認めた。TPHA5120×, 緒方法16×, ガラス板法128×, 凝集法256×。バイシリンV2120万単位の内服を開始したところ, 皮疹は約3週間後に急激に消退した。2期大丘疹性梅毒と診断した。
  • 千葉 紀子, 鈴木 秀美, 芹川 宏二, 須永 知子, 森田 誠, 関 建次郎
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1163-1167
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    口腔内にびらんのある白血病の患者の看護にあたった内科病棟の看護婦3名に相次いで疱疹性ひょう疽を発生した。症例1: 25歳, 右小指先端。症例2: 26歳, 両示指先端。症例3: 23歳, 右示指先端。いづれも疼痛の激しい発赤腫脹, 小膿疱, 小水疱の集籏で発症した。いづれも外傷等の既往はなかった。症例2ではHSV-1をFITC標識蛍光抗体法にて病巣水疱部より認めた。血清抗体価は中和法にてHSV-1が4倍以下より32倍に, HSV-1 IgG20倍より640倍に, 12日目に上昇を認めた。HSV-1 IgMは陰性で上昇を認めなかった。病棟勤務の看護婦10人についてHSV-1とHSV-2の血清抗体価の測定を行った。HSV-1では4人が4倍ないしそれ以下でありHSV-2は8人が4倍ないしそれ以下であった。これらのことから医療従事者は仕事を行う上で常に感染予防に注意をはらう必要がある。
  • —放射線療法およびBRM療法の併用による治療経験—
    村上 義之, 中山 樹一郎, 永江 祥之介, 今山 修平, 堀 嘉昭
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1168-1173
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    74歳女子の右上肢に発生したStewart-Treves症候群の1例を経験した。右乳癌のため根治的乳房切断術と腋窩リンパ節郭清を受けてから20年後に右上肢に有痛性で易出血性の腫瘤が出現し, 生検にて脈管肉腫と診断された。入院時既に肺転移, リンパ節転移, 背部皮膚への転移が認められ, さらに肺機能不全のため手術療法は不適当と考えた。右上肢の腫瘤には放射線療法と温熱療法を行い, 全身的にはrIL-2とrIFN-γの静注を行った。また背部皮膚転移巣に対してはrIL-2の局注を行った。その結果, 右上肢腫瘤の著明な縮小と皮膚転移巣の消失がみられたが, 最終的には腫瘍死の転帰をとった。
  • 三砂 範幸, 西 隆久, 竹内 俊夫, 幸田 弘
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1174-1179
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    38歳女子の左手関節伸側に生じた, clear cell hidradenomaの1例を報告した。病理組織学的に, 一部において腫瘍巣が間質に浸潤し明らかに悪性化を示した。また, 悪性化の部位では, 腫瘍細胞巣のsquamous metaplasia, グリコーゲンおよびムチンの含有, および腫瘍間質の粘液様変性が顕著であった。このような興味ある組織像を呈した, 自験例について文献的考察を行い, おもにclear cell hidradenomaの悪性化の可能性について指摘した。
  • 麻生 和雄, 青木 武彦, 橋本 秀樹, 穂積 豊
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1180-1189
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    76歳, 女子の前頭部脂腺母斑にmultifocalにsebaceous adenoma(SA), sebaceoma(SO), superficial epithelioma with sebaceous differentiation(SESD), basaloid cell proliferation(BCP), basal cell carcinoma with sebaceous differentiation(BCSD), basal cell carcinoma (solid circumscribed type)の多様な腫瘍を併発, 腫瘍下層には褐色脂肪細胞の増殖像の認められた症例を報告した。症例での多様な分化性腫瘍, 褐色脂肪細胞腫の併発は, 脂腺母斑の潜在された多分化性腫瘍発症potentialを窺せると共に, またそれぞれの脂腺腫瘍—SA, SO, SESD, BCSDのhistogenesisでの関連性においても興味あるものと思われた。SOの概念を広く解釈して自験例のSA, SESD, BCSDをそれぞれSOのvariant型ともみなしうると考察した。
研究
  • 若松 信吾, 根岸 直樹, 竹内 正樹, 本田 隆司, 瀧本 玲子, 菊地 雄二, 仲沢 弘明, 野崎 幹弘, 平山 峻
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1190-1197
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    日常の植皮手術などにおいて, 手術に用いた後の余剰の皮膚片から, viableな表皮層と真皮層が簡単に剥離できる方法があれば, 熱傷, あざの治療などの臨床面でも, また人口皮膚, 移植免疫などの研究面でも好都合である。最近著者らは採取した任意の厚さと大きさの皮膚を酵素dispase®中に浸し, 減圧脱気し大気圧に戻すことにより酵素液を圧入浸透させ酵素反応の促進を図ることにより, 比較的短時間に表皮層と真皮層に分離することに成功した。しかしこの減圧酵素浸透法の原法(若松I法)は表皮層と真皮層の分離にやや時間がかかり, 実用上不都合があった。今回, 前処理として分層皮膚を液体窒素で超急速凍結·急速解凍を行った後に減圧酵素浸透法を行ったところ分離時間がほぼ半分に短縮したので報告した。得られた表皮層は直ちに恵皮部である刺青創部に再移植したところ原法と同様に生着をみた。本法(若松II法)により, 従来不可能であった任意の厚さと大きさの皮膚を表皮層と真皮層に短時間で容易に分離することが実現した。母斑や刺青切除後に分離した表皮層のみを創部に再移植することも可能になり創治癒の期間を大幅に短縮することができるようになった。またこれにより表皮と真皮の交差移植が容易に行えるようになり再構築皮膚に関する研究も夢ではなくなった。
  • 鹿野 由紀子, 前田 学, 森 俊二, 越野 保一, 加藤 則廣, 武藤 泰敏
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1198-1206
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    PSS 27例および年齢·性を一致させたcontrol 15例を対象に食道内圧を測定し, PSSの罹病期間, 臨床症状, 抗核抗体の型別との相関を検討した。結果, PSSはcontrolに比較して食道の中∼下部の内圧が有意に低下しており, PSSの食道内圧値は罹病期間, 皮膚硬化範囲, 肺線維症およびPSSの重症度(石川のscore値)と相関していた。以上より, 食道内圧値はPSSの内臓侵襲や重症度を知る指標となり得ると考えた。しかし, 萎縮期と考えられる症例で著明な低下を示したり, 胸やけの無い症例の中にも低下を示した例もあり, 興味深い。また, 粒良らが提案した食道X線毎10秒逐次撮影法をPSS患者に施行したところ, その所見と食道内圧値が有意な相関を示した。従って, 上記撮影法は食道内圧測定法同様, 食道収縮機能判定法として今後試みられるべき検査法と考えられる。
  • 西尾 達己
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1207-1212
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    弾力線維性仮性黄色腫6例について弾力線維, 膠原線維, ならびに酸性ムコ多糖について光顕的および電顕的に検討をおこなった。弾力線維および膠原線維については, silicotungustic acid染色における電顕所見, およびPicrosirius red染色と偏光顕微鏡観察の結果は, 弾力線維そのものに変化がないこと, 膠原線維はCa沈着の強い部位の周囲でのみ形態異常がみられたことより, コラーゲンには変化がなく, エラスチンの増加はあるにしても質的には変化がないことを示した。酸性ムコ多糖の検討では真皮中ないし下層における異常集積物質のalcian-blue親和性および酵素消化の結果は, 5例ではヒアルロン酸とデルマタン硫酸(1例ではコンドロイチン4硫酸あるいは6硫酸), そして他の1例はヒアルロン酸とその他の硫酸ムコ多糖(おそらくはヘパラン硫酸)からなることを示した。これらのことより, 弾力線維性仮性黄色腫の発症には, 酸性ムコ多糖の代謝異常が関与していることがうかがわれ, 本症には種々のphenotypeが存在することが示唆された。
  • 末木 博彦, 藤澤 龍一, 沼沢 聡, 黒岩 幸雄
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1213-1217
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    In vivoおよびin vitroの高glucose濃度条件によりケラチンの非酵素的糖化が亢進することを確かめるのを目的とした。1群: 250mM glucoseに37℃ 5日間incubationした角層(a: 52℃, b: 37℃にそれぞれ14日間保存), 2群: 100mM glucoseに同様にincubationし, 同様に保存した角層, 3群: glucose非添加bufferにincubationし, 同様に保存した角層, 4群: 糖尿病患者角層, 5群: 健常人角層を各々SteinertおよびSunらの変法によりケラチン分画, ケラチン+非線維性蛋白分画, cell debris分画に分け, 各群各分画の非酵素的糖化度をfurosine法により測定した。また各群のケラチン分画につきLaemmli法によるSDS-PAGEを施行した。その結果, 非酵素的糖化度は1, 2, 4群で有意に上昇していた。3分画間では非酵素的糖化度は, ケラチン+非線維性蛋白分画, ケラチン分画, cell debris分画の順に高かったが有意差はなかった。ケラチン分画のSDS-PAGEにおいては各群間に有意差はなかった。以上の結果から角層ではケラチンをはじめ種々の蛋白が非酵素的糖化を生じているものと考えられた。
講座
治療
  • 大河原 章, 古屋 和彦, 小泉 洋子, 飯塚 一, 藤井 理, 嶋崎 匡, 根本 治, 高島 巌, 小林 衣子, 中村 準之助, 加藤 直 ...
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1222-1228
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    各種炎症性皮膚疾患を対象に, ブデソニド製剤(ブデソン®)の臨床効果, 安全性, および有用性について多施設臨床試験により検討した。円形脱毛症を含み, ブデソニド製剤が投与された総症例数は130例であり, 全体として高い有用性が確認された。発現した副作用は, 皮膚刺激感と多発性毛包炎のそれぞれ1件1例の計2例であり, 発現率は1.5%であった。これらの成績と, 本剤の薬理学的特徴を考え合わせた時, 応用範囲の広い, また使用しやすい外用剤であると考えられる。
  • 星野 稔, 堀内 早苗, 藤澤 裕志, 飯島 茂子, 斎藤 義雄
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1229-1233
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    皮膚そう痒症95例を対象としてセルテクト®(オキサトミド)の臨床効果, 安全性および有用性について検討した。試験の結果, 全症例の総合的な全般改善度では, 著明改善が25.3%, 中等度改善以上が50.5%, 軽度改善以上は76.8%であった。副作用は7例(7.4%)に認められたが, ほとんどは眠気で, 口の中の苦味およびむくみを各1例に認めた。安全性を加味した有用度では, きわめて有用24.2%, 有用以上が48.4%, やや有用以上は76.8%であった。また前治療薬の明らかな25例について, そのうち15例(60%)が前治療より優れていた。以上より, セルテクトは皮膚そう痒症に対して第一選択薬とも言えるべき有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 五大学共同研究班
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1234-1241
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    1. 老人性皮膚そう痒症に対する漢方薬の効果について, 抗ヒスタミン剤(フマール酸クレマスチンtavegyl®錠)投与群と漢方(TJ-15黄連解毒湯®またはTJ-107牛車腎気丸®)製剤投与群との封筒法による比較試験を行った。
    2. 原則として6週間, 抗ヒスタミン剤投与群と漢方製剤投与群を比較したところ, 全般改善度, 安全性, 有用性において両者間に有意差はなく, 漢方薬は対照薬と同等の効果を示した。
    3. 「皮膚そう痒症」「かゆみ」に対して適応症のあるTJ-15黄連解毒湯®, TJ-107牛車腎気丸®は老人性皮膚そう痒症の患者に試みる価値の高い薬剤と思われた。
  • 鳥居 秀嗣, 金子 健彦, 相馬 良直, 中川 秀己, 石橋 康正
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1242-1245
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    他の治療に抵抗性でシクロスポリンA(CsA)が最も良好な効果を示した関節症性乾癬の1例を報告した。症例: 41歳, 男子。10年前, 両肘頭部, 膝蓋部, 腰部に疼痛が出現。その3年後, 頭部, 額部を中心に落屑性紅斑が出現し, 次第に全身に拡大。関節症性乾癬の診断のもとメトトレキサート, エトレチナート, アザチオプリン, 血漿交換, ステロイド剤内服および外用などによる治療を受けたが軽快せず, 当科紹介され入院。当初, エトレチナートを主体に治療を試みたが, 皮疹, 関節痛とも満足すべき効果が得られなかったため, これを中止。CsAを5mg/kg/日より開始したところ, 皮疹は速やかに軽快し, 約1ヵ月後には四肢にわずかに皮疹を残すのみとなり4mg/kg/日に減量した。この間関節痛も徐々に軽快した。3mg/kg/日まで減量した段階で手掌に紅色丘疹が散発し, これに対して内服PUVA療法を併用したところ皮疹はほぼ消失。2.5mg/kg/日まで減量した際, 一部に膿疱化がみられたので再び4mg/kg/日まで増量し経過観察中だが, 現在まで皮疹, 関節痛共に経過良好で, 多毛と軽度の血圧上昇以外重篤な副作用はみられていない。CsAは関節症性乾癬に有用であることが示されているが, その際本剤を用いる時の注意点を述べる。
  • 中山 樹一郎, 堀 嘉昭
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1246-1251
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    23例の尋常性乾癬患者にalclometasone 17,21-dipropionate軟膏(アルメタ®軟膏)を種々の内服剤との併用で単純塗布させ, その臨床効果, 有用性を検討した。最終全般改善度は改善以上が11例で47.8%, 有用度は有用以上が14例で60.9%であった。1日最大使用量9.6g, 最大総使用量575g, 最長期間190日であったが, 本剤によると思われる局所および全身に対する副作用は認めなかった。今回の使用目的別有効性の検討では, 皮膚萎縮局面の改善, 長期·大量使用のための副作用の防止がそれぞれ有効率77.8%, 100.0%と高値で, 緩解の維持, 光線療法による発赤の改善では各45.5%, 33.3%と比較的低値であった。以上の結果よりアルメタ®軟膏は強力なステロイド外用剤による萎縮した乾癬皮膚の回復に効果的に用いることが出来, さらに第1選択薬剤としても他の内服薬との併用で長期にかつ広範囲に使用できる薬剤であると結論された。
  • —Placebo(軟膏基剤)との二重盲検法による左右比較臨床試験成績—
    TV-02軟膏研究会
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1252-1261
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    活性型ビタミンD3の新しい類縁体である1α,24R-dihydroxycholecalciferol(1α,24R-(OH)2D3, TV-02)を2μg/g含有するTV-02軟膏の有効性を, 尋常性乾癬を対象に, 軟膏基剤(placebo)を対照薬剤として二重盲検法による左右比較試験にて検討した。効果判定解析対象症例106症例において, 最終全般改善度における「かなり軽快」以上の改善率は, TV-02軟膏の87.7%に対しplaceboは26.4%であった。また, 左右の皮疹の改善の優劣比較では, TV-02軟膏の改善がplaceboに対して「明らかな差があり」59.4%, 「少差があり」23.6%, 「同等」16.0%, placeboの改善がTV-02軟膏に対して「少差があり」0.9%であり, TV-02軟膏はplaceboに比し効果が有意に優れていた。副作用はTV-02軟膏, placeboともに各々1症例(0.9%)に認められた。また, 「有用」以上の有用率は, TV-02軟膏が86.8%に対しplaceboは16.0%であった。以上より, TV-02軟膏の尋常性乾癬に対する有効性および有用性が認められた。
  • 深谷 徹, 大河原 章
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1262-1267
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    滅菌凍結乾燥豚真皮(KT-104)の褥瘡に対する有効性ならびに安全性について検討するため, 北海道大学医学部皮膚科および関連の12施設の皮膚科において一般臨床試験を行った。II度23例, III度4例合わせて27潰瘍の褥瘡についてのそれぞれの改善度(改善以上)は, 82.6%, 100%と高い有効率を示した。また, 副作用はまったく認められなかった。以上の結果から, KT-104は褥瘡の治療に有用な薬剤であるといえる。
  • —Well-controlled comparative studyによるBifonazoleクリームとの比較試験—
    Terbinafine研究会
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1268-1287
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    Terbinafine 1%クリーム(以下, TEBと略)1日1回塗布療法の, 足·手白癬, 体部白癬, 股部白癬, カンジダ性指間びらん症, 間擦疹型皮膚カンジダ症(乳児寄生菌性紅斑を含む)および癜風の治療における有効性と安全性を検索するため, 全国27施設からなる共同研究班を組織し, bifonazole 1%クリーム(以下, BFZと略)を比較対照薬として, 2群によるwell-controlled comparative studyを実施した。本試験における評価項目は原因真菌に対する真菌学的効果, 皮膚症状に対する改善度, 総合効果, 副作用, 有用性, その他の諸項目とした。回収された総症例数は566例(TEB群278例, BFZ群288例)であり, 有効性解析の対象になり得た症例数は510例(TEB群247例, BFZ群263例)であった。その結果によると, 股部白癬では菌陰性化率および総合効果において, TEB群がBFZ群に勝る傾向差が認められたが, 両群間に有意差は認められなかった。皮膚症状の改善度および有用性では両群間に有意差は認められなかった。また, 間擦疹型皮膚カンジダ症(乳児寄生菌性紅斑を含む)では皮膚症状の改善度, 総合効果ならびに有用性において, TEB群がBFZ群より有意に勝り, また菌陰性化率では, 傾向差が認められた。他方, 癜風では, 皮膚症状の改善度においてBFZ群がTEB群より有意に勝っていた。その他の最終評価項目においては, 両薬剤間に有意差は認められなかった。足白癬, 体部白癬およびカンジダ性指間びらん症においては, いずれの最終評価項目においても, 両薬剤間に有意差は認められなかった。副作用については, TEB群では265例中3例(1.1%)において発赤の増加, そう痒感および刺激(鱗屑増加)が認められた。BFZ群では279例中3例(1.1%)において接触皮膚炎, 発赤の増加および刺激症状が認められた。これらの副作用の発現率はいずれも低率であり, かつ両薬剤間に有意差は認められなかった。臨床検査値については, 両薬剤とも, 薬剤に起因すると思われる副作用は認められなかった。以上の成績から, 各種皮膚真菌症に対するTEBの1日1回塗布療法はBFZの1日1回塗布療法とほぼ同程度の, ないしはより優れた有用性を示したものと判断され, TEBは表在性皮膚真菌症の治療薬として有用な薬剤であると評価された。
  • MT-861研究班
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1288-1296
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    新たに開発された外用抗真菌剤MT-861(一般名: amorolfine hydrochloride)の0.5%クリーム剤の皮膚真菌症に対する有効性および安全性を検討する目的で, 全国25施設からなる研究班を結成し, 後期第二相臨床試験を実施した。皮膚所見ならびに菌検査の結果を考慮した最終総合判定の有効率は足白癬76.9%, 手白癬86.1%, 体部白癬87.2%, 股部白癬92.9%, 間擦疹型皮膚カンジダ症89.5%, カンジダ性指間びらん症88.9%, カンジダ性爪囲炎73.7%, 癜風89.3%であった。副作用は612例中9例1.47%に認められ, うち6例は薬剤投与を中止したが, 他剤に変更など適当な処置により軽快, 消失した。有用率は足白癬77.0%, 手白癬88.9%, 体部白癬88.3%, 股部白癬91.5%, 間擦疹型皮膚カンジダ症89.5%, カンジダ性指間びらん症88.9%, カンジダ性爪囲炎73.7%, 癜風89.3%であった。以上により, MT-861 0.5%クリーム剤は皮膚真菌症に対し有用な薬剤と考えられた。
  • 城野 昌義, 荒尾 龍喜, 石原 和之
    1991 年 53 巻 6 号 p. 1297-1306
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    (1)成人T細胞白血病·リンパ腫(ATLL)6例および菌状息肉症(MF)1例にMY-1を投与し, 臨床効果を検討した。
    (2)ATLLでは, 急性型の症例でPD, 慢性型でCR, リンパ腫型でCR, 皮膚腫瘤型でNCとPR, 皮膚紅斑丘疹型でPRを示した。MFでは, 副作用のため持続できなかったが, PRを示した。
    (3)4例ではインターフェロン(IFN)投与の既往があったが, 2例ではMY-1の方が明らかに優れ, 2例では同程度であった。MY-1の副作用はIFNより頻度が少なかった。
    (4)以上から, MY-1はATLLやMFという末梢T細胞由来の悪性リンパ球増殖性疾患に, 有効かつ安全な治療薬と思われた。
世界の皮膚科学者
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