Porphyria cutanea tarda (PCT) 5名,対照44名の尿中ポルフィリン体分析をおこなつた。定量法はSano-Granickの方法に準じておこない,対照44名の平均はcoproporphyrin (CP) 67.3
μg/
l,uroporphyrin (UP)は44名中11名に定量可能で5.0∼13.7
μg/
lであつた。PCT群においては5例中4例はCP,UPともに著増していたが,1例のみは正常値内に留つていた。尿ポルフィリンパターン分析は尿ポルフィリンをタルク吸着により採取し,メチルエステル化後,薄層クロマトグラフィー(展開液: トルエン,酢酸エチル,エチルアルコール80/15/5)にて展開後,螢光光度計にて螢光度を測定し,5画分の総和を100%として各画分を百分率で表わした。対照群ではCP 85.5%,penta carboxylic porphyrin 3.6%,hexa carboxylic porphyrin 2.5%,hepta carboxylic porphyrin 3.4%,UP 5.5%であつた。PCT群においては,2例はUP,hepta carboxylic porphyrinが優勢であつたが,3例は5画分ともに平均して出現していた。尿中ポルフィリンパターン分析は定量法とともにPCTの診断において有力な手段であり,本法は比較的に簡便にパターン分析をおこなうことができるものと考えられた。
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