西日本皮膚科
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36 巻 , 5 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
図説
綜説
症例
  • 猿田 隆夫, 中溝 慶生
    1974 年 36 巻 5 号 p. 646-650
    発行日: 1974/10/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    Eosinophilic pustular folliculitisの19才男子例を報告した。胸部,背部,腰部,下腿に色素沈着斑があり,その中に丘疹,膿疱が集簇している。掌蹠には掌蹠膿疱症類似の皮疹がみられた。組織所見において,腰部の膿疱は,毛包内膿瘍を示し,好中球,好酸球の浸潤をみた。足蹠の膿疱では多房性の水疱がみられ,その中に好酸球の浸潤がみられた。検査成績においてleucocytosisとeosinophiliaがみられた。本症報告例17例を集計し,本症は臨床所見,組織所見とともにeosinophiliaが重要な診断条件ではないかと考えた。
  • 吉井 恵子
    1974 年 36 巻 5 号 p. 651-655
    発行日: 1974/10/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    患者は35才女子,以前よりときどき陰部にそう痒をみており,今回も月経開始のころより外陰部を掻いていたところ丘疹に気づき,さらには悪寒戦慄をともなう高熱をみた。皮疹に気づく約2週間前1才および6才の2人の子供が種痘をうけ,そう痒を訴えるため,ときどき掻いてやつていたという。患者の皮疹は紅斑,水疱,膿疱の時期を経て約1週間で瘢痕治癒した。病変部よりワクチニアウイルスを分離し,本例を子供の種痘部に接触することによつて発症したvaccinia inoculataと考えた。
  • —絶食療法を中心に—
    相模 成一郎
    1974 年 36 巻 5 号 p. 656-661
    発行日: 1974/10/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    既報告につづいて慢性PCB中毒患者の検査所見を追加し,あわせて絶食療法についての報告をおこなつた。臨床所見と検査成績を綜合してつぎのことがいえる。
    1) 自験症例は慢性PCB中毒患者であることをさらに確めえた。
    2) 体内のPCB(ここではKC500)は胆道を経て腸内に排泄される。
    3) 絶食療法により改善されたものは皮膚所見と尿中17KS値である。脂肪中のPCB量の減少も特筆すべきであるが,体内のPCBは残留しており改善されないものが多い。ことに,一時的であるとは考えられるが,絶食療法により肝の障害は強くなるといえる。
  • 中原 哲士, 丸田 宏幸, 皆見 紀久男, 皆見 省吾
    1974 年 36 巻 5 号 p. 662-669
    発行日: 1974/10/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    8才男子にみられたMicrosporum Canisによる頭部白癬の1例についてのべた。本症例は九州地方におけるM.Canis感染症の第1例と思われる。患家では脱毛斑を有するネコを飼つていた。患者の家族にはなんら皮膚病変のあるものはいない。ネコおよびイヌを感染源とするM.Canis感染症は九州地方においてもさらに増加するものと思われる。
研究
  • I. ラット皮膚におけるDNA合成ならびにPyrimidine Nucleotide合成について
    居村 洋
    1974 年 36 巻 5 号 p. 670-676
    発行日: 1974/10/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    皮膚はつねに細胞分裂を続ける器官である。その分裂調節機構を分子レベルで明らかにする目的で,細胞分裂を調整する因子のひとつであるpyrimidine nucleotideおよびDNA pyrimidineの合成を中心に実験をおこなつた。Pyrimidine nucleotideおよびDNA pyrimidineの合成には,いわゆるde novo系とsalvage系とのふたつの経路が知られている。そこで被験対象にラットを選び,皮膚のDNA合成の素材となるpyrimidine nucleotide合成が,de novo系によるか,salvage系に基づくかを,ラベルされた種々のDNA前駆物質皮の膚DNAへの取り込みから検討し,他の組織と比較した。その結果,皮膚におけるDNA合成の主要経路は,肝,再生肝と異なり,salvage系経路であり,de novo系はほとんど利用されていないと考えた。
  • 宮河 昭雄
    1974 年 36 巻 5 号 p. 677-679
    発行日: 1974/10/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    ラットとモルモット表皮抽出液にはphosphodiesterase(PDase)I,IIの活性が存在していた。PDase Iは9に,PDase IIは5付近に至適pHを示した。Mg++はこれらの酵素活性を上昇させた。EDTAはPDase Iをいちじるしく阻害し,PDase IIにたいしては逆にわずかではあるが活性を上昇させた。PDase IはTriton X-100(終濃度0.1%)により3.4倍も酵素活性は上昇した。表皮の核酸異化過程における本酵素の関与について考察した。
  • 木下 啓, 島田 達生, 野田 和良, 二宮 冬彦, 小倉 良平
    1974 年 36 巻 5 号 p. 680-687
    発行日: 1974/10/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    モルモット表皮ホモジネートに紫外線を照射し,20,000×g上清分画の酸性フォスファターゼ活性を測定し,紫外線が選択的にライソゾーム膜に障害をあたえ,酵素の遊離をおこさせることを再確認した。ついでステロイドホルモン製剤と表皮ホモジネートをpreincubateしておくと紫外線による酵素の遊離が阻止されることを明らかにした。このような条件下の実験ではfluocinonide,betamethasoneは低濃度において(とくにfluocinonide),良くライソゾーム膜の安定化に効果を示した。Fluocinolone acetonideやindomethacin(非ステロイド)も効果はあつたが,前者に比すれば程度は低かつた。
統計
  • I.薬疹について
    内平 孝雄
    1974 年 36 巻 5 号 p. 688-697
    発行日: 1974/10/01
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル 認証あり
    最近10年間における山口大学医学部皮膚科の薬疹例は776例で,外来患者総数29,440例の2.6%を占める頻度を示した。これらについて統計的観察をおこないつぎの結果をえた。1)年令階級別患者数の年令階級別外来患者数にたいする100分率でみた年令階級別罹病率は,70才代にやや落ちこみを示した以外は,年令階級とともに増加する傾向を示した。2)固定疹の原因薬剤は,サルファ剤,バルビタール剤およびピラツオロン系剤の順に頻度が高かつた。3)主として,誘発試験後におこなわれた臨床検査成績についてみると,肝機能障害の存在を示す所見が比較的高頻度に認められた。このことは薬物アレルギーが皮膚を反応の主座とする場合の他に,皮膚と肝臓とを同時に反応の場とする場合も可能性として必ずしも否定できないことを示していると思われた。4)誘発試験陽性66例中,貼布試験がおこなわれた31例において,それが陽性を示したのは6例であつた。また,掻破試験が行なわれた29例において,それが陽性を示したのは,わずかに3例のみであつた。これらのことは貼布あるいは掻破による皮膚反応のみでは原因薬剤の検索が困難な症例の少なくないことを示していると思われた。
治療
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