西日本皮膚科
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65 巻, 1 号
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図説
症例
  • 佐々木 喜教, 木村 裕, 角田 孝彦, 徳永 栄一, 大砂 博之, 田上 八朗
    2003 年 65 巻 1 号 p. 3-5
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
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    22歳男性。中学生の頃から,皮付きのリンゴを摂取し,口囲,口腔内のそう痒と腫脹,全身の蕁麻疹が出現したことが何度かあった。最近,リンゴの果肉のみを摂取しても,口腔内のそう痒,違和感が生じるようになった。今回,モモを皮ごと摂取し,口囲,口腔内のそう痒が出現,その後入浴したところ全身に蕁麻疹が生じ,呼吸困難感出現し加療された。モモとリンゴのそれぞれ皮と果肉での皮膚プリックテストは全て陽性であった。リンゴは皮での反応がより強かった。抗原特異的IgE(RAST)は,リンゴ,モモがClass 2の陽性,シラカンバ,ラテックスは陰性であった。本例は,リンゴにおいて皮と果肉の反応に差があった点が特徴的であり,シラカンバの抗原と交叉せず,リンゴの皮に多く含まれる抗原を原因とするoral allergy syndrome(OAS)と診断した。
  • 深津 藤子, 満間 照之, 古田 竜一, 神谷 玲子
    2003 年 65 巻 1 号 p. 6-9
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル 認証あり
    57歳,女性。感冒症状に引き続き両下肢を中心とする紫斑,血疱,潰瘍が出現,アナフィラクトイド紫斑と診断して入院,治療を行った。安静と軟膏処置で皮疹は順調に改善したが,入院後に激しい嘔吐,血性の下痢,上腹部痛が出現した。上部消化管内視鏡で胃から十二指腸にかけて広範な潰瘍を確認した。絶食とH2ブロッカー投与で嘔吐は止まったが,上腹部痛は非麻薬性鎮痛剤を投与しても無効であった。プレドニゾロン(PSL)30mg投与開始したところ,その当日に上腹部痛が消失し,また翌日には下痢も止まった。アナフィラクトイド紫斑の消化器症状に対してステロイド投与は未だ一定の見解が得られていないようであるが,消化器症状の本体は消化管の血管炎であり,ステロイド投与は理にかなっている。本症例でも,ステロイドが著効した。アナフィラクトイド紫斑の消化器症状に対して積極的にステロイド投与を試みるべきであると考える。
  • 横山(木下) 恵美, 高畑 ゆみ子, 石田 敏子, 橋本 由美子, 井上 佳代, 濱本 嘉昭, 武藤 正彦, 瀬口 雅人, 立石 彰男
    2003 年 65 巻 1 号 p. 10-14
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
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    62歳,女性。22歳時に腎孟腎炎を繰り返し慢性腎不全へ移行,30歳より腎性心不全,47歳より腹膜透析開始,59歳より腎性糖尿病で各々加療中であった。初診の2ヵ月前に口腔内にびらんが生じ,1週間前から体幹にそう痒を伴う小豆大までの紅斑が出現し,当科外来を受診。その後四肢に水疱が多発したため,初診の2週間後に当科入院。病理組織学的に水疱性類天疱瘡(以下BP)と診断。ステロイドの全身投与を開始したが,心不全·腎不全の増悪を来した。二重膜濾過法血漿交換を6回施行し,水疱は足背に限局するのみとなった。同時期より血小板数が減少し,抗血小板抗体(anti-platelet-associated IgG)が高値を示したことから,特発性血小板減少性紫斑病(以下ITP)を併発したと考えた。その後直腸潰瘍から大量出血を来したうえ,MRSA腹膜炎を併発し,敗血症に陥った。汎血球減少,フェリチン高値に加え,骨髄での血球貪食像がみられ,血球貪食症候群(hemophagocytic syndrome以下HPS)と診断した。抗生剤の全身投与及び腹腔内投与,ステロイドパルス,免疫グロブリンの大量投与を行ったが改善せず,初診より3ヵ月後に永眠された。自験例のBPは,背景に慢性腎不全があり腹膜透析加療中であったこと,ITPを合併したこと,HPSを来したことが特徴的であった。
  • —セザリー症候群との鑑別を中心に—
    笹木 慶子, 山本 剛伸, 濱田 利久, 藤本 亘, 岩月 啓氏, 荒田 次郎
    2003 年 65 巻 1 号 p. 15-19
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
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    Erythrodermic actinic reticuloidは光線性類細網症(actinic reticuloid)の重症型であり,紅皮症を呈し,臨床的および血液·病理組織学的にセザリー症候群と酷似する。今回erythrodermic actinic reticuloidの2例を経験したので報告する。診断は,(1)末梢血液中の異型細胞が1000/μl以下であること,(2)皮膚への浸潤細胞·末梢血ともCD8陽性T細胞優位であること,(3)光線照射試験で皮疹を再現できたこと,(4)リンパ節生検では正常構築を残した“dermatopathic”な変化であったことに加えて(5)T細胞受容体遺伝子の再構成を伴うT細胞のクローン性増殖を認めないこと,などから確定できた。これらの所見を中心としてerythrodermic actinic reticuloidとセザリー症候群との鑑別について考察した。
  • 原 肇秀, 鳥山 史, 上田 康雄, 浜崎 洋一郎, 片山 一朗
    2003 年 65 巻 1 号 p. 20-24
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
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    29歳,女性。5年前より,顔面·掌蹠を除く躯幹·四肢に小結節が多発。右第4指背に出現した結節が増大し,出血を伴ってきたため,当科を受診した。初診時,躯幹·四肢に計33個の淡褐色~淡紅色の境界明瞭な円形の硬結を認めた。また,肥満,多毛,無月経も存在した。結節の病理組織像は,dermatofibroma(DF)と一致し,臨床像より,multiple dermatofibromas(MDF)と診断した。臨床,検査成績から,膠原病は否定的であった。空腹時血糖は正常であったが,著明な高インスリン血症およびインスリン抵抗性を認め,免疫染色で腫瘍細胞にinsulin-like growth factor-1(IGF-1)レセプターの発現がみられた。近年,間葉系細胞増殖性疾患におけるIGF-1の細胞増殖作用や,アポトーシスの抑制等が知られており,自験例においても高インスリン状態がIGF-1レセプターを介し,MDF発症の一要因である可能性が示唆された。
  • 後藤 多佳子, 西原 雄之介, 柴田 智子, 行徳 隆裕, 師井 洋一, 占部 和敬, 古賀 哲也, 古江 増隆
    2003 年 65 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル 認証あり
    54歳の男性。1965年に尋常性乾癬を発症し,1970年と1972年にゲッカーマン療法を受けた。その後光線療法は受けていないが,1985年頃より四肢,顔面,頭部にボーエン病,基底細胞癌が次々と多発し,2001年,右耳前部に生じた結節は有棘細胞癌であった。本症例では放射線治療や砒素摂取,シクロスポリン投与などの既往はなく,発癌危険因子としては過去におけるゲッカーマン療法以外には日常生活での大量の日光曝露(戸外でのランニング)があげられる。皮膚悪性腫瘍発生部位が露光部位にほぼ限局されていることも考え併せると,尋常性乾癬患者において過去のゲッカーマン療法に加え自然紫外線が皮膚発癌に大きく関与した症例と考えられた。
  • 鈴木 康之, 望月 良子, 三浦 由宏, 三砂 範幸, 成澤 寛, 小泉 徹, 原口 彰
    2003 年 65 巻 1 号 p. 30-33
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル 認証あり
    68歳,男性。初診の3年程前より右側頭部に米粒大の丘疹が出現し,2ヵ月前より急速に増大する腫瘤が右側頭部に出現した。15×40mmの辺縁堤防状に隆起し中央陥凹する腫瘤で一部角化を伴い排膿を伴った。病理組織学的所見にて有棘細胞癌(SCC)と診断した。術前の頭部MRI画像上硬膜まで浸潤していたため,硬膜を含めた腫瘍切除を行い大腿筋膜とセラミック製の骨を置き,皮弁術と遊離植皮術にて再建を行った。後療法として化学療法と放射線照射を行い術後24ヵ月現在,再発転移はみられていない。
  • 後藤 和重, 影下 登志郎, 石原 剛, 行徳 貴志, 小野 友道
    2003 年 65 巻 1 号 p. 34-37
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル 認証あり
    69歳,女性。左踵の肉芽腫様腫瘤に対し初診の5日前に生検を受け,無色素性メラノーマ(amelanotic malignant melanoma)疑いで当科紹介となった。臨床像や病理組織学的にメラニンをほとんど認めなかったがS-100蛋白強陽性であった。当教室過去10年間の無色素性メラノーマは全メラノーマの約6%であった(11例)。そのほとんどが術前に不適切な処置を受けていた。10例が下肢や足に発生し,また潰瘍を形成していた。なお全例において,メラノーマ細胞はS-100蛋白強陽性であったが,メラノーマ関連蛋白のMART-1及びgp100は陰性が多かった。
  • 前田 学, 荒木 麻里, 山崎 隆治, 遠渡 舞, 藤沢 智美, 角坂 照貴
    2003 年 65 巻 1 号 p. 38-40
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル 認証あり
    86歳,男性(農林業従事),1週間前より亀頭部付近に青色丘疹が出現し,急速に増大し紅褐色調のドーム状結節となった。自ら抗生剤軟膏を塗布していたが,効果がないため2000年6月26日当科を初診した。近くの山畑で耕作中草むらで排尿をすることがあった。初診時,陰茎亀頭溝の包皮付近に4×5×3mmの黒褐色ドーム状隆起性の小結節を認めた。自覚症状や両鼠径部のリンパ節の腫脹·圧痛なし。初診時皮膚付属器の良性腫瘍を疑い,ビデオスコープで観察した所,4対の脚の一部が確認されたためにマダニ刺咬症と診断し,径5mmのトレパンで単純切除し,虫体をはずした。虫体は5.4×4.5mmで,外見的特徴からタカサゴキララマダニ(Amblyomma testudinarium)若虫と同定した。
  • 篠田 英和, 宜保 弓恵
    2003 年 65 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル 認証あり
    4歳,男児。1ヵ月前,頭頂部の痒みのある紅斑に気付き来院した。膿痂疹性湿疹の診断で抗生剤およびステロイド剤の投与を行うも紅斑の増強と脱毛を認めたため再診した。脱毛を伴う浮腫性紅斑と膿疱を認め,さらに初診時見逃していた毛孔一致性の黒点を発見した。毛髪のKOH鏡検で毛内性菌性寄生の像がみられ,Trichophyton glabrumを分離したBack dot ringworm(BDR)から発症したケルスス禿瘡と診断した。BDRより発症したケルスス禿瘡24例(1975~2002)を検討した。好発年齢,性別は10歳未満の小児,60歳以上の女性であり,BDRより発症するケルスス禿瘡の誘因として,BDRの見逃しによるステロイド剤の誤用とBDRに対する不用意な抗真菌剤の外用が考えられた。BDRを見逃さないためには,小児および中高年女性の脂漏性皮膚炎,頭部粃糠疹を診た場合頭部浅在性白癬を念頭におきKOH鏡検など慎重な真菌学的検索を行うことが重要である。
  • 竹尾 千景, 加藤 雪彦, 古賀 道之
    2003 年 65 巻 1 号 p. 45-48
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル 認証あり
    症例は53歳,女性。両側乳癌,脳転移のため当院脳神経外科入院中に,右側頚部~肩および左下腿外側に小水疱を伴う浮腫性紅斑が出現。全身には汎発疹と思われる小水疱も散在していた。汎発疹を伴った複発性帯状疱疹と診断し,アシクロビル点滴にて皮疹の軽快がみられたが,原疾患のために死亡した。1970年から2001年までの本邦報告65症例の複発性·多発性帯状疱疹では,単発性帯状疱疹に比べ悪性腫瘍の合併が高率に認められた。以上より,複発性·多発性帯状疱疹の患者に遭遇した際には,単発例の場合よりもいっそう注意深い検索が必要と思われた。
  • 奥田 未加子, 永井 浩, 一宮 誠, 武藤 正彦
    2003 年 65 巻 1 号 p. 49-53
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル 認証あり
    71歳,男性。2001年6月11日,山火事の消火中,顔面·胸部左側·腎部·両上肢·下肢前面にIII度25%,深達性II度5%の熱傷受傷(BI=27.5)。両下肢は全周性ではなかったが,前面は深達性熱傷であり,コンパートメント症候群により両側前脛骨筋は壊死に陥っていた。デブリードマンにより露出した脛骨に対し,トレファネーション(穿孔術)を施行したところ,術後約4週間後に肉芽形成を認めた。左脛骨の露出は10×2.5cmと広範であり,トレファネーションによる治療を断念したが,右脛骨の露出部(3×1cm,4×1cm)はトレファネーションにより治癒した。今回の症例から小範囲(2×3cm程度)の骨露出面では,筋皮弁を作成することなく,機能温存を目的としたトレファネーションによる肉芽形成が可能と考えられた。
研究
  • 加藤 陽子, 東 直行, 川名 誠司
    2003 年 65 巻 1 号 p. 54-57
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル 認証あり
    2001年1月から6月まで当科で経験した成人麻疹20例について,臨床検査所見,麻疹ワクチン接種歴の有無,流行抑止のための対策などについて検討した。当科では2001年1月から成人麻疹患者が多く認められ,1月から6月の上半期で前年上半期の12名を上回った。全国的にも麻疹患者が多数発生した。皮疹は全例典型的で,大半の症例で白血球,血小板の減少,異型リンパ球の増加,肝機能障害を認めた。患者は,麻疹ワクチン任意接種世代(現在およそ25歳から35歳)10人,定期接種世代(現在およそ24歳以下)9人とほぼ半数ずつをしめた。麻疹ワクチンは不明2例を除く18例中8例が既接種,10例が未接種で,未接種者は任意接種世代が10人中4人(40%),定期接種世代が9人中5人(56%)であった。自験20例を検討した結果,今回の成人麻疹流行の要因として,1)ワクチン任意接種世代の低接種率に加えて定期接種開始後の患者世代における低接種率,2)ワクチン既接種者におけるprimary or secondary vaccine failureを考えた。我が国においては,近年のワクチン普及に伴う麻疹感受性密度の低下により流行の周期は延長したが,いまだ地域的な小流行に加え1)2),今回の様な全国的な流行の発生を認める。今後の麻疹流行の抑止には,ワクチン接種率の向上,またワクチン2回接種制度の導入が必要と考えられた。
講座
治療
  • 橋壁 道雄, 山崎 雙次
    2003 年 65 巻 1 号 p. 65-69
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル 認証あり
    帯状疱疹後神経痛21例にワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液(商品名: ノイロトロピン®)を投与し,その前後で疼痛スコアを測定した。ノイロトロピン投与前後のスコアを全体で比較すると有意な差はなかったが,投与後には低下傾向がみられた。21例中8例(38.1%)については明らかなスコアの低下がみられ有効であったと考えた。また,サーモグラフィーを用いた投与前後の皮膚温の比較では,投与前に皮疹部の皮膚温が健側より低下していた症例は,差がなかった症例より有意にノイロトロピン有効例が多かった。有効例8例中5例(62.5%)にサーモグラフィー上,皮膚温上昇が認められたが,不変·無効例13例では全例に投与後に有意な皮膚温上昇は見られなかった。また,有効例は不変·無効例より有意に投与前の疼痛スコアが高かった。よって,PHN患者ではサーモグラフィーを施行し,皮疹部の皮膚温の低下がみられた場合,あるいは投与前の疼痛スコアが高い症例にノイロトロピンの投与を行うと疼痛の軽減が期待できるものと考えた。
  •  
    小泉 伸枝, 籏持 淳, 新海 浤
    2003 年 65 巻 1 号 p. 70-73
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル 認証あり
    ロキシスロマイシン(RXM)が奏効した顔面播種状粟粒性狼瘡の2例を報告した。症例1: 74歳の男性。3ヵ月前より前額から眼囲,口囲にかけて米粒大までの紫紅色小結節が多数出現した。組織は乾酪壊死を伴った類上皮細胞肉芽腫の像を呈していた。近医でミノサイクリンを3ヵ月間内服投与されたが効果なく,RXM内服を開始した。開始後4週目より小結節は平坦化し,3ヵ月目には小結節の消退傾向を認め,5ヵ月目にはほぼ消失したため治療中止した。中止後8ヵ月経過した現在も再発は認められない。症例2: 53歳の男性。1年前より両頬部を中心に前額部,眉毛部,眼囲に半米粒大までの紅色小結節が出現した。組織は乾酪壊死を伴った類上皮細胞肉芽腫の像を呈していた。1年間ミノサイクリンを内服投与したが効果なく,RXM内服に変更した。その後6週目には皮疹は消退傾向を認め,20週日には皮疹はほぼ消失し,内服を中止した。中止後3ヵ月目の現在も再発は認められない。
  • 桐生 美麿, 中山 樹一郎
    2003 年 65 巻 1 号 p. 74-78
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル 認証あり
    前治療に抵抗性を示すなど,難治性の蕁麻疹に対し,塩酸セチリジンを投与し,その臨床効果,安全性,有用性を検討した。前治療が明らかなものに対しては,それと比較検討した。その結果,対象症例22例のうち,2週間後では著明改善が9例(41%),中等度改善が9例(41%)と早期に十分な改善がみられた。16例で前治療が明らかであり,そのうち13例において切り替え後2週間で前治療より優れた効果があると判定された。全例において副作用(有害事象)はなく,前後を比較できた6例で臨床検査値の異常変動は認められなかった。以上より,塩酸セチリジンは速効性と持続性を有する優れた抗アレルギー剤であり,切り替え治療に有用であったことから,特に難治性蕁麻疹の治療に有効で安全な薬剤であることが示唆された。
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