西日本皮膚科
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目次
図説
  • 谷口 知与, 和田 尚子, 江藤 綾桂, 木村 七絵, 内 博史
    2019 年 81 巻 6 号 p. 457-458
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    症例:66 歳,男性

    主訴:下腹部から右大腿にかけての紅斑,びらん

    現病歴:飲酒後,自分の身体に灯油を被ったが,火は点けずに錯乱していたところを通報され,前医精神科に措置入院となった。入院後も灯油で汚染された衣服を身に着けたままで,翌朝になり皮膚障害を指摘された。皮膚への灯油の曝露時間は 18 時間程度と推測された。受傷後 3 日目に当科を初診した。

    初診時臨床:下腹部から右大腿にかけて,境界明瞭な疼痛を伴う紅斑,びらんを認めた。一部水疱が自壊していた(図 1)。

    診断:灯油皮膚炎

    治療:受傷後 2 日間は前医でアズノール®軟膏外用し,受傷 4 日目までデルモベート®軟膏を外用した。辺縁より上皮化を認めたため受傷 4 日目から 7 日目までエキザルベ®軟膏を外用,その後ヒルドイド®ソフト外用に変更し,受傷 12 日目に瘢痕を残さず上皮化した(図 2)。

  • 田代 綾香, 古賀 文二, 古賀 佳織, 今福 信一
    2019 年 81 巻 6 号 p. 459-460
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    症例:75 歳,女性

    主訴:左上腕の皮疹

    既往歴:高血圧,脳梗塞

    現病歴:3 年程前から,特に外傷などの既往なく,左上腕に青黒色の結節が出現した。徐々に周囲にひきつれを伴いながら増大したため当科を受診した。

    現症(図 1):左上腕伸側に境界明瞭な径 7 mm の青黒色の小結節を認めた。周囲の皮膚に軽度のひきつれを伴っていた。

    ダーモスコピー所見(図 2):全体的に白色~青灰色の色調を伴う黒色結節であった。

    病理組織学的所見(全切除生検):表皮直下から真皮全層にかけて境界明瞭な結節性病変を認めた(図 3 a)。中央の真皮浅層では,出血およびヘモジデリンの沈着や,小血管の増生を伴い,一部に軽度核異型を伴う紡錘形細胞が増殖していた。病変内には組織球も多数みられ,巨細胞も含まれていた(図 3 b)。真皮中層では膠原線維の増生を伴い紡錘形細胞は storiform pattern を呈して増殖していた(図 3 c)。

    免疫組織化学的所見:病変内の紡錘形細胞および組織球は Factor XIIIa と CD68 に陽性,CD34 と S-100 は陰性であった。

    診断:以上の所見より Aneurysmal Fibrous Histiocytoma(以下 AFH)と診断した。

綜説
症例
  • 岩永 知未, 井上 卓也, 成澤 寛
    2019 年 81 巻 6 号 p. 465-468
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    70 歳,女性。脊髄腫瘍手術後に軽度左下肢麻痺があり,3 年前よりプレガバリンと他 3 剤を内服していたが,当科初診の 4 日前より紅斑が出現した。体幹・四肢に typical target lesion がみられ,皮膚生検にて空胞変性,個細胞壊死を認めた。DLST にてプレガバリンのみ陽性で,内服薬の中止とステロイド内服にて症状が消退したことから,プレガバリンによる多形紅斑型薬疹と診断した。プレガバリンによる薬疹の報告は,これまでに国内外で 6 例と非常に稀である。自験例も含めた 7 例中では,多形紅斑型が 2 例,薬剤性過敏症症候群が 1 例と,比較的重症な薬疹が多かった。また,プレガバリン内服開始から薬疹発症までの期間については,紅斑丘疹型などでは 2 週間~1 カ月であったのに対し,多形紅斑型の 2 例はそれぞれ 11 カ月,約 3 年(自験例)と長かった。プレガバリンは,皮膚科領域でも帯状疱疹後神経痛に用いることが多く,その使用頻度は高くなっているが,長期内服中であっても薬疹に注意が必要な薬剤である。

  • 平野 杏奈, 下村 裕
    2019 年 81 巻 6 号 p. 469-472
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    66 歳,男性。当科初診の 8 年前から,脱色素斑が頭部,顔面および四肢に出現した。前医で尋常性白斑の診断で加療されていたが,徐々に頭部に疼痛を伴う毛包炎様皮疹が出現し,難治性だったため,当科を紹介され受診した。当科初診時,頭皮に多数の毛包炎様皮疹と小紅斑が,顔面と手背には瘢痕形成を伴う境界明瞭な角化性局面が認められた。皮膚生検および血液検査などの所見から皮膚エリテマトーデス(cutaneous LE,CLE)の慢性円板状エリテマトーデスと診断し,ヒドロキシクロロキンの内服療法を開始した。その結果,頭部の毛包炎様皮疹は速やかに改善し,顔面と手背の瘢痕性紅斑も軽快した。CLE の患者の頭皮に出現する典型的な症状は瘢痕性脱毛で,自験例のように毛包炎様皮疹が認められることは比較的稀である。自験例の患者は男性型脱毛症を来していたために,瘢痕性脱毛ではなく毛包炎様皮疹を呈した可能性が考えられた。また,毛包炎様皮疹を含む CLE の皮疹に対してもヒドロキシクロロキンが有効な治療法であることが改めて示された。

  • 森 槙子, 永田 真央, 井上 卓也, 成澤 寛
    2019 年 81 巻 6 号 p. 473-477
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    48 歳,男性。てんかんの既往がありフェニトインを服用中に抗ラミニン γ1 類天疱瘡を発症した。ステロイドパルス療法や免疫グロブリン大量静注療法を数回施行し免疫抑制剤を併用したが,プレドニゾロンを漸減すると再燃することを繰り返しステロイド治療に抵抗性であった。経過中,フェニトインがプレドニゾロンの効果を減弱することに気付きフェニトインを中止したところ,皮疹は速やかに改善した。皮膚科診療ではステロイドを使用する機会が多々あるが,併用禁忌薬剤や併用注意薬剤については日頃見落とされているケースも少なからずあるのではないかと考える。我々は今回の症例を通して,ステロイド投与時にこれらをチェックすることの重要性を再認識した。

  • 村田 真美, 浅野 伸幸, 氏家 英之, 山田 隆弘, 下村 裕
    2019 年 81 巻 6 号 p. 478-482
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    58 歳,男性。初診の 2 週間前より,体幹・四肢に散在する紅斑・緊満性水疱と眼・口腔粘膜症状が出現した。体幹の紅斑部からの皮膚生検組織を用いた蛍光抗体直接法では,表皮真皮境界部に IgG,IgA および C3 の線状沈着を認めた。また,健常人の 1M 食塩水処理皮膚と患者血清を用いた蛍光抗体間接法では,真皮側に IgG が沈着した。さらに,健常人の真皮抽出液を用いた免疫ブロット法で,患者血清中の IgG がⅦ型コラーゲンの分子量に相当する 290kDa の蛋白と反応したため,後天性表皮水疱症と確定診断した。プレドニゾロンとアザチオプリンを併用したが,病勢を完全には抑えきれなかった。免疫グロブリン静注療法とシクロフォスファミドパルス療法を追加したところ,徐々に症状の改善を認めた。眼粘膜症状を呈する後天性表皮水疱症は稀であり,自験例では,IgG 型の抗Ⅶ型コラーゲン抗体だけでなく,IgA 型の自己抗体も病態に関与している可能性が示唆された。

  • 鶴町 宗大, 根木 治, 木村 有太子, 髙森 建二, 須賀 康
    2019 年 81 巻 6 号 p. 483-486
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    62 歳,女性。5 年ほど前より,頭部・陰毛部などに瘙痒を伴う紅斑局面が繰り返し出現し,近医では脂漏性皮膚炎と診断され,strongest class のステロイド外用と抗アレルギー剤内服で治療されていた。初診の数週前から,搔破により耳介部,鼻孔周囲などに次第にびらんを生じるようになり,皮疹は全身に拡大した。管理が困難となったため,精査加療を目的に当科に紹介された。皮疹からの細菌培養と皮膚生検の結果より,黄色ブドウ球菌による膿痂疹を合併した尋常性乾癬と診断した。ステロイド外用剤をランクダウンし,薬剤感受性試験に合わせた抗菌剤の内服薬・外用薬の投与で,膿痂疹のコントロールを行った。次いで拡大・増悪した乾癬に対しては,IL-17A の作用を阻害する生物学的製剤であるセクキヌマブ,続いてイキセキズマブの投与を行ったところ,皮疹および脱毛症状も改善した。皮膚の細菌感染により乾癬皮疹の増悪を繰り返し,管理が困難となっている難治例においては,自験例のように,1)まず抗菌剤で適切に細菌感染症のコントロールを行い,2)最終的には感染に対して比較的安全と考えられる IL-17A の生物製剤を併用することで対応が可能と考えた。

  • 佐藤 清象, 中原 真希子, 内 博史, 宮崎 玲子, 辻 学, 中原 剛士, 三苫 千景, 古江 増隆
    2019 年 81 巻 6 号 p. 487-490
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    92 歳,男性。2 カ月前に頭頂部の出血を伴う結節を自覚した。皮膚生検にて異型性が強く,多形性のある線維芽細胞様の紡錘形細胞の増殖を認め,免疫組織化学的には平滑筋マーカーである α-SMA,h-caldesmon,calponin が部分的に淡く陽性で,desmin が陰性であった。平滑筋肉腫が疑われ,1 カ月後に拡大切除を行った。病理組織学的に,真皮全層性に境界明瞭な結節を認め,紡錘形細胞,多形な類上皮細胞が不規則な錯綜配列を呈して増殖し,多核巨細胞,核分裂像を多数認めた。免疫組織化学染色で α-SMA,h-caldesmon が部分的に陽性で,desmin,calponin,CK5/6,p40,p63,AE1/AE3,S-100p,CD31,CD34 が陰性であることから,atypical fibroxanthoma(AFX)と診断した。AFX は病理組織学的に,未分化多形肉腫など紡錘形細胞や組織球様細胞からなる腫瘍との鑑別が必要となる。自験例は平滑筋マーカーである α-SMA,h-caldesmon が陽性であり,平滑筋肉腫も鑑別に挙げられたが,いずれも部分的な陽性であり,腫瘍の境界が明瞭であることから AFX と診断した。部分生検では平滑筋肉腫との鑑別が困難であり,腫瘍全体の評価が診断確定に有用であった。

  • 堀口 亜有未, 山口 さやか, 粟澤 遼子, 高橋 健造
    2019 年 81 巻 6 号 p. 491-495
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    75 歳,女性。初診の約半年前に左下腿に紫紅色の結節が出現した。その後,左下腿を中心に同様の腫瘤が徐々に増加してきた。結節部の病理組織では,真皮全層に紡錘形の腫瘍細胞が管腔を形成して増殖し,管腔内部には赤血球が充満し,赤血球の血管外漏出がみられた。免疫組織化学染色では腫瘍細胞は LANA-1 陽性であった。以上の所見よりカポジ肉腫と診断した。初診の 1 年半前,視神経脊髄炎に対してステロイドパルスを実施後,プレドニゾロン(PSL)50 mg とタクロリムスの内服を開始しており,当科初診時は PSL 10 mg とタクロリムス 4 mg を内服中であった。HIV 抗原,抗体陰性であり,医原性カポジ肉腫と診断した。胸部 CT で肺結節影があり,上下部内視鏡検査,気管支鏡検査で胃体部,気管支にも播種性病変があり,いずれもカポジ肉腫の病変と考えられた。診断後 3 カ月間で,タクロリムスを漸減中止し,PSL を 10 mg/日から 7 mg/日に漸減し,下腿の結節は縮小した。しかし,肺炎と尿路感染症を併発して全身状態が悪化し,それと同時に結節が増大して両下腿に広がり,胸部 CT でも肺結節影が増加していた。肺炎,尿路感染症を発症して約 2 カ月後,呼吸不全のため死亡した。医原性カポジ肉腫は多くの場合,免疫抑制剤の減量や中止により軽快するが,自験例は,免疫抑制剤の減量中止で一旦改善したものの,全身状態の悪化とともにカポジ肉腫も悪化した。

  • 田中 絵理子, 永瀬 浩一, 岩永 知未, 井上 卓也, 成澤 寛
    2019 年 81 巻 6 号 p. 496-499
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    77 歳,女性。発症時期不明の右大腿結節を主訴に受診した。初診時,同部に径 1 cm のドーム状に隆起し,皮下との可動性は良好な暗赤色から青色調の皮内結節を認め,類表皮囊腫を疑い全摘生検を行った。病理組織検査では真皮から皮下組織にかけて線維性隔壁で隔てられた粘液様物質中に腫瘍細胞を認め,粘液様物質はアルシアンブルー pH2.5 と PAS 染色に陽性を示した。免疫組織化学染色では腫瘍細胞は CK7 陽性,CK20 は一部陽性,GCDFP15 陽性であった。全身検索にて他臓器の悪性腫瘍は認めなかったことから,mucinous carcinoma of the skin(MCS)と診断した。MCS は頭頚部に好発し,下肢に生じることは稀である。比較的稀な疾患ではあるが,鑑別診断として念頭に置く必要がある。

  • 臼田 千穂, 岩田 洋平, 秋田 浩孝, 黒田 誠, 杉浦 一充
    2019 年 81 巻 6 号 p. 500-503
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    IgG4 関連疾患は,血中 IgG4 上昇及び組織への IgG4 陽性形質細胞浸潤を特徴とした疾患概念である。IgG4 関連疾患は膵臓,腎臓,涙腺,唾液腺など全身臓器の肥厚や腫大を来す。IgG4 関連疾患に伴う皮膚病変は多岐にわたり,そのなかに偽リンパ腫に似た臨床症状および病理所見を示すものがある。自験例では,鼻根部に出現した紅色腫瘤が急速に増大し,病理組織学的に真皮全層性に稠密な形質細胞浸潤とリンパ濾胞形成を認め,偽リンパ腫に合致した所見を呈していた。免疫グロブリン H 鎖の遺伝子再構成バンドは検出されず,免疫組織化学染色で IgG4 陽性形質細胞浸潤を認め,IgG4/IgG 陽性形質細胞比は 30%であった。血中 IgG4 値の上昇は認められたが皮膚以外の臓器病変はなく,IgG4 関連偽リンパ腫と診断した。これまで原因不明の良性リンパ増殖性疾患と定義される偽リンパ腫の中にも,IgG4 が病態に関与するものが混在すると推測される。IgG4 関連皮膚疾患に関して文献的考察を含めて報告する。

  • 村上 真依, 岡 大五, 杉山 聖子, 山本 剛伸, 青山 裕美
    2019 年 81 巻 6 号 p. 504-508
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    症例 1 は左中大脳動脈領域の脳梗塞で当院に救急搬送され,搬送時にはすでに左第 2,3 頚神経領域の帯状疱疹が出現していた。症例 2 は右三叉神経第 3 枝領域の帯状疱疹でファムシクロビル内服,ビダラビン軟膏外用治療を受けていた。治療開始翌日に両側の大脳半球と小脳半球の多発脳梗塞で当院に救急搬送された。2 例とも脳梗塞発症時に帯状疱疹が出現していたが,高血圧症,糖尿病,高脂血症,心房細動など脳梗塞の危険因子はなかった。そのため,帯状疱疹関連脳梗塞と診断した。神経節に潜伏感染していた水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus : VZV)が血管内皮細胞に感染し,血管炎を惹起し脳梗塞を引き起こしたと考えた。

  • 呉竹 景介, 小田 真理, 竹内 聡, 古江 増隆
    2019 年 81 巻 6 号 p. 509-512
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    81 歳,女性。初診 5 日前に右肩から上肢の帯状疱疹と強い痛みを生じたため当科に入院して治療を開始した。入院時より右上肢の動きが悪かったが,疼痛が著しく評価困難であった。アシクロビル点滴 500 mg/日,アンピシリン/スルバクタム 1125 mg/日,アセトアミノフェン 1200 mg/日,プレガバリン 50 mg/日内服により第 5 病日には疼痛は改善したが,右上肢運動障害が残存していた。神経内科的精査で三角筋など皮疹分布と一致する C5,C6 領域の筋力低下,MRI で右腕神経叢に T2 高信号がみられ,帯状疱疹による右腕神経叢炎と診断された。水疱が痂疲化した後の第 9 病日に当院神経内科へ転科し,同日および 16 病日に 2 回のステロイドパルス療法およびプレドニゾロン(以下,PSL)45 mg/日内服を行ったが,上肢挙上に重要な三角筋麻痺は改善しなかった。第 28 病日に免疫グロブリン大量静注療法を施行した直後より同筋麻痺は改善に転じ,第 37 病日にステロイドパルス療法を追加して第 45 病日より PSL は漸減し,第 54 病日に退院した。帯状疱疹は日常よく遭遇する疾患の一つで近年増加傾向にある。2016 年 3 月から 50 歳以上で帯状疱疹生ワクチンが,さらに 2018 年 3 月には同サブユニットワクチンも承認されたが,さほど普及している印象はない。本例のような ADL 低下に直結する帯状疱疹の神経関連合併症を減らすためにも,より積極的に帯状疱疹ワクチンを推奨するなどの施策が重要と思われる。

  • 永田 真央, 鶴田 紀子, 米倉 直美, 永瀬 浩太郎, 井上 卓也, 成澤 寛
    2019 年 81 巻 6 号 p. 513-516
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    基礎疾患のない 54 歳,女性。歯科治療後に頚部皮下結節が出現した。顎下腺炎として治療するも改善に乏しく,症状出現から 9 カ月後に当科初診となった。右顎下部に発赤を伴い,なだらかに隆起する径 2 cm 程の結節を認め,切開排膿を施行したところ膿汁中に 1~2 mm の緑色顆粒を認めた。病理組織学的検査と臨床経過から慢性型放線菌症と診断した。抗生剤加療に切開排膿・外科的切除を併用し,約 4 カ月の治療期間で治癒した。

  • ――いわゆる生毛部急性深在性白癬と小児のケルスス禿瘡――
    正 百合子, 山手 朋子, 酒井 貴史, 生野 知子, 石川 一志, 竹尾 直子, 藤原 作平, 安西 三郎, 竹中 基, 宇谷 厚志, 西 ...
    2019 年 81 巻 6 号 p. 517-522
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    Trichophyton verrucosum(T.verrucosum)感染症は,主にウシからヒトへと接触感染する人畜共通感染症として知られ,ヒトに感染した場合には一時的に激しい皮膚症状を来すことがある。小膿疱が多発融合して隆起し,中心治癒傾向の乏しい浸潤性紅斑局面をとることもあり,診断に苦慮する例も多い。今回,診断が遅れた結果,ステロイド外用剤により難治となった,いわゆる生毛部急性深在性白癬と小児のケルスス禿瘡を経験したので報告する。症例 1:50 歳,男性。畜産農家。左前腕伸側に小膿疱を伴う暗赤色の紅斑性局面を認めた。痂皮の KOH 標本にて分枝した糸状菌を認めたため,いわゆる生毛部急性深在性白癬と診断し,イトラコナゾール(以下 ITCZ) 125 mg/日の内服とネチコナゾール塩酸塩(以下 NCZ)の外用を約 9 週間行い軽快した。症例 2:7 歳,男児。自宅の流し台の棚の開き戸で頭部を受傷し,生じた潰瘍は難治で排膿を認めた。母子ともにウシとの直接的な接触歴はないが,母親の勤務先には牛舎があった。病変部の毛髪の KOH 標本にて菌糸,胞子を認めたため,ケルスス禿瘡と診断し,テルビナフィン塩酸塩 60 mg/日の内服,NCZ の外用にて加療を約 4 週間継続したが,効果が乏しく,ITCZ 150 mg/日の内服と白色ワセリン外用を約 16 週間継続し軽快した。形態学的特徴と遺伝子解析にて症例 1,2 ともに原因菌は T.verrucosum と同定した。

世界の皮膚科学者
  • Chih-Hung Lee
    2019 年 81 巻 6 号 p. 525-526
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/03/12
    ジャーナル 認証あり

    Dr. Chih-Hung Lee (also known as Abel Lee) is currently the Chair and Professor in Department of Dermatology, Kaohsiung Chang Gung Memorial Hospital (KCGMH) and Chang Gung University (CGU) College of Medicine in Kaohsiung, Taiwan. He is also the Chief Editor of Dermatologica Sinica, the official journal of Taiwanese Dermatological Association (TDA) and Taiwanese Society for Investigative Dermatology (TSID). He served as Board Director of TDA from 2015 to 2018 and Executive Director of TSID from 2012 to 2018. He has served as the Executive Director of TDA and the Secretary General of TSID since 2018.

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