西日本皮膚科
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66 巻, 2 号
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症例
  • 宮倉 崇, 山田 七子, 山本 明子, 石原 政彦, 三原 基之
    2004 年 66 巻 2 号 p. 113-116
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    71歳, 男性。四肢に浸潤を触れる丘疹状の紫斑が出現。少し遅れて下腿浮腫, 蛋白尿も出現した。病理組織像では真皮上層を中心に壊死性血管炎の所見がみられ, 一部では真皮下層にまで同じような血管病変がみられた。また真皮下層の一部の血管病変でIgAの沈着が認められた。一方, 本例はネフローゼ症候群を合併したため, 内臓悪性腫瘍の有無について全身検索を行ったところ, 腎細胞癌が発見された。高齢者のアナフィラクトイド紫斑が内臓悪性腫瘍のデルマドロームであることを示唆する症例と思われた。
  • 野村 昌代, 浜崎 洋一郎, 山之内 寛嗣, 片山 一朗, 牛島 信雄
    2004 年 66 巻 2 号 p. 117-120
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    サルコイドーシスを合併した抗HTLV-1抗体陽性の強皮症の2例を報告した。症例1 : 65歳女性。58歳頃よりレイノー症状, 両手指の腫脹を自覚していた。65歳より両手指, 手背の腫脹が増強し, 紫紅色斑が出現した。手背部紫紅色斑の皮膚生検で非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫を認め, 抗セントロメア抗体陽性を示した。サルコイドーシスとの関連を疑う完全房室ブロックを認めた。症例2 : 55歳女性。45歳より両手指, 顔面の硬化とレイノー症状を自覚するようになった。55歳の8月頃左下肢伸側に手掌大の浸潤を触れる紅斑が出現した。組織学的に非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫であった。胸部CTで両側縦隔リンパ節腫脹を認め, 抗核抗体 (細胞質型) 320倍陽性。唾液腺生検では小唾液腺に巣状のリンパ球浸潤を示した。2例とも抗HTLV-1抗体陽性であった。サルコイドーシスに自己免疫的な機序の関与が示唆され, 若干の文献的考察を加えた。
  • 山中 新也, 小田 真喜子, 清島 真理子
    2004 年 66 巻 2 号 p. 121-123
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    57歳女性。1998年12月全身倦怠感に気づき, トランスアミナーゼ高値, 抗核抗体, 抗平滑筋抗体陽性より自己免疫性肝炎と診断した。プレドニゾロン (PSL) による治療を開始したところ症状が消失し, トランスアミナーゼも正常化した。PSLを漸減し2002年12月にはPSLを中止した。この頃より口渇, 関節痛, 顔面紅斑, 眼乾燥感が出現した。サクソンテスト, 唾液腺シンチグラフィ, 抗SS-A抗体陽性よりシェーグレン症候群と診断し, PSLの再投与により症状は改善した。自己免疫性肝炎は進行性であるがコルチコステロイドが著効するため早期診断, 早期治療が重要である。シェーグレン症候群患者に肝障害がみられた場合, 自己免疫性肝炎の可能性を念頭に置くことが必要であると考えられた。
  • 宮脇 さおり, 磯村 巌, 森田 明理, 榊原 茂
    2004 年 66 巻 2 号 p. 124-127
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    21歳女性。1年前より眼球および口腔乾燥感, う歯の多発に気付く。さらに腹部に紅色丘疹が出現, 胸部・上肢にも同様の皮疹が拡大し, 近医受診し加療されるも改善せず, 当科紹介受診となった。初診時, 腹部・胸部・上肢に暗紅色丘疹を認めた。シルマー試験陽性。唾液分泌の低下がみられた。口唇腺生検では腺細胞の軽度萎縮と形質細胞をまじえるリンパ球の浸潤を認めた。腹部の病理組織学的所見では, 真皮上層から皮下組織に結節状の密なリンパ球浸潤があり, 胚中心をもったリンパ瀘胞様構造を認めた。免疫組織学的所見では, L26染色陽性細胞が大部分を占めUCHL1染色陽性細胞が細胞塊の辺縁に局在したリンパ瀘胞様構造であった。臨床所見, 病理組織像より偽リンパ腫を伴ったシェーグレン症候群と診断した。
  • ―経過中にデスモグレイン抗体構成が変化した症例―
    濱田 理恵, 岩垣 正人, 中島 喜美子, 池田 光徳, 小玉 肇, 和田 えみ, 橋本 隆
    2004 年 66 巻 2 号 p. 128-131
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    53歳, 女性。D-ペニシラミンの内服開始1年4カ月後, 肉眼的には落葉状天疱瘡, 病理組織学的には尋常性天疱瘡の所見を示す皮疹を生じた。免疫ブロット法で, デスモグレイン (Dsg)-1抗体が証明されたが, Dsg-3抗体は認められなかった。ELISA法では, Dsg-1およびDsg-3抗体ともに陽性だった。内服中止後も水疱の新生は続いた。プレドニゾロンの内服減量中に水疱が再燃した際には, Dsg-3抗体は陰性化していたがDsg-1抗体は陽性であったことから, Dsg-3抗体は薬剤によって修飾されたDsg-3に対する抗体であり, Dsg-1抗体は持続的に産生されていると考えた。抗核抗体と抗細胞質抗体が陽性であったことから, 自己抗体を産生しやすい素因があると考えた。水疱蓋および水疱内の多くの棘融解細胞が変性していたことも特徴であった。
  • 溝口 協子, 濱崎 洋一郎, 室田 浩之, 堀内 保宏, 片山 一朗
    2004 年 66 巻 2 号 p. 132-134
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    69歳, 女性。2002年7月下旬より左足関節部の疼痛, 腫脹, 熱感が出現し, 当科を受診。局所を関節穿刺したという病歴および臨床所見より蜂窩織炎を疑い, 抗生剤の投与を行った。しかし, 発熱はなく, 血液検査にて炎症反応を認めなかったことから精査したところ, リウマトイド因子陽性, 抗C型肝炎ウィルス抗体陽性を示し, クリオグロブリン陽性であった。イムノブロット法によるクリオグロブリンの解析ではpolyclonalにIgG, IgMが認められたため, III型クリオグロブリン血症と診断した。発症の誘因として, 近医からの指示で左足関節部の冷却を繰り返したためこの様な皮疹を生じたとも考えられた。C型肝炎ウィルス抗体陽性の患者で, このような臨床所見を呈する場合, クリオグロブリン血症も念頭に置いて寒冷曝露について問診を行うことが重要と考えた。
  • 馬渕 智生, 赤坂 江美子, 梅澤 慶紀, 太田 幸則, 飯塚 万利子, 松山 孝, 小澤 明
    2004 年 66 巻 2 号 p. 135-137
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    42歳, 男性。初診の約10日前に右前腕に丘疹が出現し, 約5日程度で急速に全身に拡大したため, 2002年9月6日, 当科を受診した。黄紅色調の丘疹が肘頭, 膝蓋部を中心に, ほぼ全身に散在していた。なお, 25歳頃発症の統合失調症にて他院精神科に通院加療していた。臨床検査では, 血清トリグリセリド 12080 mg/dl, 総コレステロール 1080 mg/dl, カイロミクロン (++), LDL 1900 mg/dl, VLDL 3500 mg/dl, グルコース 420 mg/dl, HbA1C 16.5%, 尿糖 (+++)。病理組織学的所見では, 真皮上層から中層にかけて, 泡沫細胞の浸潤および軽度の血管周囲性組織球浸潤が認められた。以上の所見より, V型高脂血症および糖尿病に伴う発疹性黄色腫と診断した。食事療法, ベザフィブラート 400 mg/day内服, インスリンを導入し, 約7カ月後に丘疹はほぼ消退した。自験例が著明なV型高脂血症を伴った理由として, 抗精神病薬の影響に加え, 統合失調症に伴う生活習慣の異常を考えた。
  • 濱田 理恵, 池野 史典, 横川 真紀, 池田 光徳, 小玉 肇, 中川 宏治
    2004 年 66 巻 2 号 p. 138-140
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    33歳, 男性。初診8カ月前に右側頭部に紅色腫瘤が出現した。病理組織学的に悪性度の高い悪性線維性組織球腫と考えた。転移所見は確認できなかった。しかし, 将来再発や転移の可能性が高いと予測されたので, 全摘後, シスプラチンとアドリアマイシンにカフェインを併用した化学療法を3クール行った。術後1年3カ月現在, 局所再発や遠隔転移はみられていない。
  • 森 智子, 山元 修, 戸倉 新樹, 末永 義則
    2004 年 66 巻 2 号 p. 141-146
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    Epidermolytic acanthomaは病理組織学的に顆粒変性を呈する上皮系腫瘍である。我々は陰茎に多発丘疹として生じたlocalized multiple epidermolytic acanthomaの1例を経験したのでサイトケラチン (CK) をはじめとする分子発現を免疫組織化学的に調べ, 顆粒変性を伴った表皮母斑, bullous congenital icthyosiform erythoroderma, および正常表皮と比較した。CK 10, CK 1は上記顆粒変性を呈する3疾患とも分布が不均一になっていた。CK 17はlocalized multiple epidermolytic acanthomaにおいて顆粒層で一部陽性, 他の2疾患では陰性であった。またポリクローナルCEA抗体による染色ではlocalized multiple epidermolytic acanthomaにおいて, 病変部の顆粒層のみならずそれに隣接し一見正常にみえる部分の顆粒層でも陽性であった。このことは丘疹以外の周囲表皮にも, 顕現化していない異常があることを示唆した。
  • 牧野 貴充, 平井 俊二
    2004 年 66 巻 2 号 p. 147-152
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    重篤な皮膚症状を呈した溶連菌感染症の3例を報告した。症例1 : 60歳, 男性。39度台の発熱, 右上肢の血疱, さらに左下腿の発赤, 腫脹が続発した。症例2 : 73歳, 女性。自宅での温熱マッサージ後に, 左足背の血疱出現。血小板低下を認めた。症例3 : 32歳, 女性。40度台の発熱, 血圧低下, 左膝周囲の激痛, 左下肢の発赤, 腫脹, 水疱を認めた。進行性の蜂巣炎に血疱, 水疱を伴っており壊死性筋膜炎様の皮膚症状を呈した。血疱, 皮膚穿刺液の細菌培養にて症例1および3は, Streptococcus (以下S.) pyogenes (group A), 症例2は, S. dysagalactiae (group C) を検出した。また症例3においては咽頭粘膜からもS. pyogenesを検出した。重症の溶連菌による軟部組織感染症と診断し, 手術を検討しつつも, 劇症型A群連鎖球菌感染症 (toxic shock-like syndrome : 以下TSLSと略す) の治療に準じてアンピシリン (ABPC) の大量投与, γグロブリンなどの投与を行い保存的治療を行ったところ3例とも症状の改善を認めた。
  • 凌 太郎, 三砂 範幸, 成澤 寛, 鈴木 康之, 井上 卓也, 萱場 光治
    2004 年 66 巻 2 号 p. 153-156
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    牛飼育者を父親に持つ1歳9カ月 (症例1) と3歳 (症例2) の姉妹例を報告した。頭部の脱毛を主訴に佐世保共済病院を受診した。症例1は左側頭部に頭部白癬と左耳介周囲および右下腿に体部白癬を, 症例2は頭頂部に頭部白癬を認めた。いずれも病毛からの培養にてTrichophyton verrucosumを検出した。症例1の頭部白癬に対して, 塩酸テルビナフィンクリーム外用のみで治療を行ったところ, 厚い鱗屑や痂皮の出現と湿潤性局面の形成を認め, 塩酸テルビナフィン内服療法への変更を要した。
  • 並川 健二郎, 小川 徹, 津田 毅彦, 飯島 茂子, 橋本 俊夫, 武田 真沙子, 飯田 利博
    2004 年 66 巻 2 号 p. 157-164
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    肺がん, 脳・骨転移にて内科入院, ステロイド内服および化学療法を施行中の58歳女。当科初診の1カ月前に転倒し右下腿前面に皮膚潰瘍を形成した。洗浄, デブリドマンおよび各種潰瘍治療剤による治療を試みたが増悪した。組織学的にHEにて赤血球より淡染性で同大または小型の大小不同性の強い類円形体を潰瘍直下と皮下脂肪織に多数認め, これらはPAS・グロコット染色で陽性に染まった。組織培養で乳白色のコロニーを形成, コロニーからの墨汁染色標本で厚い莢膜を有する球形の菌要素を確認した。分離菌の血清型はA型であった。血清クリプトコックス抗原陽性。他臓器に明らかな先行病変は認めず, 外傷を契機に発症していることから, 皮膚限局型クリプトコックス症と診断した。積極的なデブリドマンに加え, フルコナゾール (ジフルカン®) 200 mg/日の内服併用で症状改善せず, 約1カ月間イトラコナゾール (イトリゾール®) 200 mg/日内服を併用することにより略治した。
  • 舛 貴志, 角田 孝彦, 桜井 學, 高橋 俊之
    2004 年 66 巻 2 号 p. 165-168
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    40歳, 女性。月経不順のため, 初診の3カ月前より低用量ピル (トリキュラー®28) を服用していた。1カ月前より体幹, 四肢に痒みを伴う皮疹が出現し, 前医で色素性痒疹として加療したが改善しなかった。初診時, 体幹, 四肢に軽度浸潤を触れる紅斑を地図状に認め, 多形紅斑と考えた。病理組織では真皮上層に多数の好酸球の浸潤を認めた。他に内服中の薬剤はなく, 低用量ピルによる薬疹を考えた。内服中止後, 皮疹はすみやかに消退し, 軽度の色素沈着を残すのみとなった。患者が服用した低用量ピルはエチニルエストラジオールとレボノルゲストレルの2つのホルモン成分からなる。スクラッチパッチテストでは, レボノルゲストレルの濃度が高い剤型で反応が大きかった。コントロールパッチテストはすべて陰性であった。内因性プロゲステロンの皮内テストでは即時型, 遅延型ともに陰性であった。以上より, 本症例は低用量ピル (トリキュラー®28) に含まれるレボノルゲストレルが主たる原因の多形紅斑型薬疹と考えた。ただし, 薬剤の添加物の影響も否定はできなかった。低用量ピルによる薬疹の報告は本症例で2例目である。
  • 芦田 美輪, 浜崎 洋一郎, 清水 和宏, 片山 一朗, 芦田 隆一, 河野 茂, 鳥山 史
    2004 年 66 巻 2 号 p. 169-174
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    73歳, 女性。抗HTLV-1抗体陽性。半年前より四肢体幹に軽度の浸潤を伴う萎縮性の紅斑が多発。Parapsoriasis en plaqueの診断でPUVA治療を3カ月間行ったが, しだいに増悪してきたため当科に紹介入院となった。ベシル酸アムロジピンによる薬疹を認め, 中止により軽快したため退院したが, 発熱, 喀痰の増加により3カ月後に当院第2内科に入院, 肺放線菌症と診断され抗生物質が投与された。その後, センノシドによる薬疹を併発, 2カ月後より発熱とともに急激に全身にびらん, 潰瘍が多発した。潰瘍部の病理組織像は, 脈管周囲にリンパ球を中心とする細胞浸潤と核塵を伴う好中球を認めた。塩酸ミノサイクリン, ステロイドミニパルス療法を行ったが無効。肺病変が再燃したためST合剤を開始したが, さらに潰瘍化が進み急性腎不全にて死亡した。臨床経過, 病理組織像より, febrile ulceronecrotic Mucha-Habermann's diseaseと診断した。
  • 森田 有紀子, 満間 照之, 岩井 みほ
    2004 年 66 巻 2 号 p. 175-177
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    65歳, 女性。不明熱にて内科入院中, 手指の有痛性紅色結節について当科を受診した。結節部より生検し, Osler結節と診断した。後に, 心臓超音波検査にて, 大動脈弁に疣贅が検出され, 感染性心内膜炎と診断された。Osler結節は症例数の割に皮膚科で診る機会は少ないが, 皮膚症状により感染性心内膜炎を示唆できる点からその所見を熟知しておく必要があると思われた。
研究
  • 菊池 英維, 津守 伸一郎, 黒川 基樹, 瀬戸山 充
    2004 年 66 巻 2 号 p. 178-182
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    我々は1991年4月から2003年3月までの12年間に当科を受診し, 病理組織学的に脈管肉腫と診断した9症例についてその臨床的事項について検討した。男女比は8 : 1であり, 平均年齢は68.7歳 (60~77歳) であった。ほとんどの症例で腫瘍は頭部に発生していた。初診時の臨床像は紫紅色斑+結節が8例, 紫紅色斑のみが1例であった。全例にIL-2の投与と電子線照射が行われ, 2例には手術療法が追加された。現在, 治療中の1例を除き, 2例が生存中である。以前に当科より報告された9例を加え, 治療中の1例を除いた17例の平均生存期間は23.6月 (1~120月)で, 5年生存率は14.1%であった。初診時からの生存期間および予後を解析したところ, 全17例中 (治療中の1例を除く) 大量放射線療法+BRM療法で加療された群の5年生存率は18.8%であり, 他施設の手術症例の生存率と同様と思われ, 現在のところ, 広範囲切除術は不要と考えた。
統計
  • 金森 志奈子, 長田 智子, 上里 博, 野中 薫雄
    2004 年 66 巻 2 号 p. 183-187
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    1988年から2003年2月までの14年間の琉球大学皮膚科学教室における水疱性類天疱瘡を集計し検討した。患者数は26例で性別は男11例, 女15例, 平均発症年齢は男69.3歳, 女75.0歳, 全体では72.6歳であった。平均観察期間は3年3カ月であった。治療はステロイド単独内服例が26例中16例, DDS併用例が2例, シクロスポリン (CYA) 併用例が4例, 塩酸ミノサイクリン (MINO) とニコチン酸アミド (NA) 併用が2例, ステロイド外用とMINO/NAの単独投与例が2例であった。初診後2カ月から11年9カ月までの観察期間中, 死亡率は42%であった。また発症後1年以内の死亡率は21%と予後は悪く, 肺炎による死亡が多かった。さらに死亡例10例のうちステロイド治療中に死亡した例は9例, ステロイド中止し寛解中に死亡した例が1例であった。
治療
  • 戸倉 新樹, 森 智子, 伊豆 邦夫, 瀧川 雅浩
    2004 年 66 巻 2 号 p. 188-191
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    左右同一程度の病変を持つ17例の尋常性乾癬患者において, 活性型ビタミンD3軟膏 (マキサカルシトール軟膏) 単独塗布 (朝夕2回塗布) と, 2回塗布のうち1回を吉草酸ジフルコルトロン軟膏に代える併用療法とを左右比較した。塗布は4週間と比較的短期間行った。この結果, 6例が併用側, 1例が単独側が優れて改善し, 10例は同等であった。併用内服療法としてシクロスポリン (5例) やロキシスロマイシン (1例) を内服している患者では全例同等であったが, 抗アレルギー薬を内服している3例では全例併用が優っていた。これは免疫抑制作用のある薬剤投与下では併用効果がマスクされてしまう可能性を示唆した。シクロスポリン, ロキシスロマイシン内服患者を除いた11例では6例が併用が優れた治療効果を発揮しており, 吉草酸ジフルコルトロン軟膏併用により約半数の患者で併用効果が現れるものと考えられた。
お詫びと訂正
  • 9999 年 66 巻 2 号 p. 210
    発行日: 9999年
    公開日: 2005/10/21
    ジャーナル 認証あり
    前号掲載論文「塩酸エピナスチンドライシロップの小児アトピー性皮膚炎に対する第III相臨床試験−フマル酸ケトチフェンドライシロップを対照薬とした二重盲検群間比較試験−」(塩酸エピナスチンドライシロッブ小児アトピー性皮膚炎研究会, 第66巻1号, p.p.60-79)の英文抄録中に, 誤りがありました。
    これらの誤りは, 製作作業上の手違いによって生じたものです。ご迷惑をおかけした著者ならび読者の皆様に心よりお詫び申し上げます。
    (誤)タイトル3行目 Hyderochloride
    抄録2行目 …Epinastine Hydrochloride Dry Syrup. The primary endpoint ; … (文章一部抜け)
    抄録4行目 Hysrochloride
    抄録最後から3行目 acceptable renge
    (正)タイトル3行目 Hydrochloride
    抄録2行目 Epinastine Hydrochloride Dry Syrup on pruritus associated with pediatric atopic dermatitis in comparison with Ketotifen Fumarate Dry Syrup. The primary endpoint ; …
    抄録4行目 Hydrochloride
    抄録最後から3行目 acceptable range
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