各種皮膚疾患125例について, 血清チオバルビツール酸(TBA)を検索するとともに, 125例中の尋常乾癬, 黄色腫, 尋常ざ瘡, 脱毛症, 油症およびその他の疾患計77例では, 血清リポ蛋白電気泳動像および血清脂質をも同時に検索して, 以下の結果を得た。
1) 尋常乾癬, 黄色腫, 尋常ざ瘡および油症において, 血清TBAの高値例が高頻度に認められた。
2) 症例数は少ないが, 分枝状皮斑, 皮膚アレルギー性血管炎, Mondor病および全身性エリテマトーデスなど血管病変を主体とする疾患においてもTBA高値例が認められた。
3) 尋常乾癬および油症で, 血清TBAの検索およびリポ蛋白電気泳動の同時施行例では, リポ蛋白電気泳動像がIII型を示す例が高頻度にみられた。
4) 血清TBA値と他の脂質値との間の有意の相関は統計的に認められなかつた。
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