西日本皮膚科
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44 巻 , 3 号
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図説
症例
  • 野見山 朋彦, 末永 義則, 西尾 一方
    1982 年 44 巻 3 号 p. 341-351
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
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    血管平滑筋腫と単発型グロムス腫瘍について, 主として電顕的観察に基づきその構造を比較し, 組織発生に関する若干の考察を加えた。自験例の検討の結果, 血管平滑筋腫は細静脈の中膜から発生する平滑筋細胞の腫瘍性増殖であり, 単発型グロムス腫瘍は動静脈吻合(いわゆる皮膚グロムス)由来の類器官性過誤腫であると考えられた。
  • 大熊 守也, 高橋 喜嗣, 手塚 正, 上石 弘
    1982 年 44 巻 3 号 p. 352-354
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    血管系でなくリンパ管性の平滑筋腫と思われる26才男子の包皮の冠状溝に沿つた腫瘤で, 弁があることよりリンパ管性のものであると断定され, 平滑筋の著明な増殖があることより非性病性硬化性陰茎リンパ管炎と鑑別した。またlymphangiomyomatosisとは罹患器官, 単発であることにより区別した。このような疾患の報告例は内外をとわず未だない。
  • 田尻 真輔, 加治 英雅
    1982 年 44 巻 3 号 p. 355-357
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    60才女子。初診2年前, 右上眼瞼に自覚症状のない丘疹があるのに気づく。2ヵ月前より増大傾向が著明となつたので受診。初診時, 腫瘍は小豆大で黄白色, 一部に毛細血管拡張をみとめた。組織学的に, 腫瘍は細胞質の乏しい細胞と細胞質の明るい大型の細胞からなつていた。核の異型性, 分裂像も著明であつた。しかし, 周囲組織への腫瘍細胞の侵襲はみられなかつた。所属リンパ節転移はみとめられなかつた。
  • 浪花 志郎, 藤田 英輔, 麻上 千鳥, 河村 邦彦
    1982 年 44 巻 3 号 p. 358-364
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
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    44才女子のlupus erythematosus profundusの1例を報告した。27才時より, 軽度に陥凹し, 多くは指頭大で赤褐色の瘢痕性局面が顔面, 頭部, 上腕に多発してきた。臨床症状や血液検査にSLEやDLEを示唆する所見はみられなかつた。鼻根部に排膿性瘻孔があり, 黄色ブドウ球菌が分離されたが, その底部は前頭骨上部に広範に存在した層状の石灰化巣に連続していた。上記皮疹の生検では, 表皮は萎縮性で, 軽度の液状変性を伴う部もみられた。真皮全層から皮下脂肪織にかけては膠原線維の増生·変性がみられ, 一部では均質化や石灰沈着を伴つており, リンパ球性脂肪織炎の所見も認められた。前頭骨直上の石灰化巣の生検では, 膠原線維が多くは密, 一部疎に集積し, その諸所に塊状の石灰化巣が認められた。電顕的には, collagen fibrilあるいはelastoid materialの近接部に高電子密度のカルシウム粒子が, 種々の大きさの塊状集積を形成していた。
  • —好酸球浸潤およびその脱顆粒と炎症発症についての考察—
    麻生 和雄, 渡辺 修一
    1982 年 44 巻 3 号 p. 365-372
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    生下時より発症した色素失調症女児例を, 約2年にわたり経過観察した。末梢血好酸球増多症は生下時から炎症期の間の約5ヵ月にわたつて認められた。生後1ヵ月の末梢血好酸球が52%の時に, 炎症部皮疹を電顕検索し, 多数の好酸球の真皮, 表皮への浸潤, および好酸球の脱顆粒像を観察した。好酸球顆粒は組織障害性であり, 色素失調症の炎症発生に好酸球の脱顆粒が重要な関係にあることを指摘, 色素失調症の好酸球増多症の要因について考察した。
  • 籏持 淳, 幸田 衞, 植木 宏明, 石原 健二, 木原 彊, 佐野 清
    1982 年 44 巻 3 号 p. 373-378
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    Leser-Trélat徴候を呈したと考えられる2例を報告した。第1例では小腸bizarre leiomyoblastomaを, 第2例ではmalignant lymphomaを合併した。さらに類似症例として癌経過中に突然出現し, 急速に増大した単発性の老人性疣贅の2例を報告した。また当科における老人性疣贅の症例60例についてその現病歴と悪性腫瘍との関連性を検討したが, 有意な関連性は得られなかつた。
  • 倉田 三保子, 安野 秀敏, 藤田 英輔
    1982 年 44 巻 3 号 p. 379-382
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    症例: 78才女子。約10年前より肝機能障害の診断のもとにtioproninを内服していた。約40日前よりそう痒を伴う扁平苔癬型皮疹が四肢, 顔面に生じた。Tioproninの5%濃度の注射液によるpatch testは陽性で, 同剤100mgの内服試験では6時間後に皮疹が再現された。本症の本邦報告例は近年増加傾向にあり, これまでに22例がみられている。皮疹出現までの投薬期間は1∼2週間の症例が多く, 皮疹型では播種状紅斑丘疹型が最多で, ほかに紅皮症型, 扁平苔癬型および多形紅斑型もみられた。原因薬の検査では, 内服試験施行例のすべてに皮疹が再現され, またpatch testおよびskin window testでも陽性率が高かつたので, これらの検査法は本症の診断に有用と思われた。
  • 桜井 学, 新井川 勝久
    1982 年 44 巻 3 号 p. 383-389
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    Adenine arabinoside (9-β-D-arabinofuranocyladenine, vidarabine, Ara-A)はpurine nucleosideの1種で, herpes群ウイルスなどのDNAウイルスに抗ウイルス作用を示す薬剤であり, 臨床的に免疫低下状態や合併症のある例に有効とされている。今回, 汎発性帯状疱疹の2例(71才男子, 21才女子), およびSLEでprednisolone投与中に発症した帯状疱疹の47才女子例に対し, Ara-Aを500mg/day, 7∼10日間点滴静注し有効と思われた。ことに疼痛, 炎症症状の軽減, 皮疹新生の抑制に効果があり, 経過短縮に有効と考えられた。47才女子例で軽度の悪心, 嘔吐がみられた以外, 自覚症状, 臨床検査成績でとくに異常は認められなかつた。併せてAra-Aにつき若干の文献的考察を加えた。
研究
  • —特に血清リポ蛋白および脂質との関連について—
    原 曜子
    1982 年 44 巻 3 号 p. 390-399
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    各種皮膚疾患125例について, 血清チオバルビツール酸(TBA)を検索するとともに, 125例中の尋常乾癬, 黄色腫, 尋常ざ瘡, 脱毛症, 油症およびその他の疾患計77例では, 血清リポ蛋白電気泳動像および血清脂質をも同時に検索して, 以下の結果を得た。
    1) 尋常乾癬, 黄色腫, 尋常ざ瘡および油症において, 血清TBAの高値例が高頻度に認められた。
    2) 症例数は少ないが, 分枝状皮斑, 皮膚アレルギー性血管炎, Mondor病および全身性エリテマトーデスなど血管病変を主体とする疾患においてもTBA高値例が認められた。
    3) 尋常乾癬および油症で, 血清TBAの検索およびリポ蛋白電気泳動の同時施行例では, リポ蛋白電気泳動像がIII型を示す例が高頻度にみられた。
    4) 血清TBA値と他の脂質値との間の有意の相関は統計的に認められなかつた。
  • 高橋 誠, 大月 国司
    1982 年 44 巻 3 号 p. 400-404
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    老化や, 悪性腫瘍, 肝炎などを含む種々の疾患において, 血清過酸化脂質が上昇することは知られている。いくつかの皮膚疾患においても, 血清過酸化脂質の上昇がすでに報告されている。今回われわれは8才から88才までの男女175例の健康人および皮膚疾患患者における血清過酸化脂質を八木法にて測定し, 以下の結果を得た。健康人38例の平均は2.14±0.41nmol/mlであつた。男女では, 男子2.14±0.44nmol/ml, 女子2.14±0.37nmol/mlで両者間に差を認めなかつた。年令別では10才代で最も低値を示し, 30才ないし40才代まで上昇傾向, 50才では再び低下傾向にあつたが, 統計的な有意差は認めなかつた。疾患別では, 細網症, 膠原病, 悪性腫瘍, 尋常乾癬, 悪性黒色腫の患者において, 正常コントロールに比較し, 統計的にも有意の高値が得られた。これに対し, 帯状疱疹, 良性腫瘍, アトピー皮膚炎などの患者では, 正常コントロールとの間に差を認めえなかつた。今回の検討では, 疾患の経過との関連, また病変局所の組織における脂質過酸化物の測定については行つておらず, 今後これらの差について検索すべきものと考える。
  • 樋口 満成, 西尾 達己, 一木 幹生, 津田 真五, 笹井 陽一郎
    1982 年 44 巻 3 号 p. 405-408
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    水疱性類天疱瘡(以下BPと略す)患者9例について, 水疱液中のarylsulfatase活性を測定した。対照として用いた熱傷患者4例では, arylsulfatase A 3.118±0.224μg/ml/hr, arylsulfatase B 3.447±0.508μg/ml/hrであるのに対し, BPでは, arylsulfatase A 6.552±1.083μg/ml/hr, arylsulfatase B 25.797±7.052μg/ml/hrで, とくにarylsulfatase Bの活性の上昇が観察された。BPのうち2例の患者では, corticosteroid治療後にも残存していた水疱液のarylsulfatase活性は, 著明に減少していた。この減少は, 末梢血の好酸球数の減少および血清IgE値の低下ともある程度平行していた。Arylsulfataseは好酸球に多く内包されているhydrolytic enzymeで, 特にarylsulfatase Bは, eosinophil chemotactic factor of anaphylaxis (ECF-A)やslow reacting substance of anaphylaxis (SRS-A)を不活性化することが知られている。BPにおいて, 本酵素がECF-Aと関連しながら水疱形成あるいは治癒機転に関与している可能性が示唆された。
  • —その縦断面の電顕的観察—
    三原 基之
    1982 年 44 巻 3 号 p. 409-415
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    透過電顕によりモルモットの背部皮膚の休止期毛包の毛包周囲神経終末を縦断切片で観察した。外毛根鞘の両側に長さ約20μmにわたつて毛包周囲神経終末がみられた。これらの神経の原形質膜と外毛根鞘の基底細胞の原形質膜との間には基底板のみが介在していた。これらの神経は軸索とシュワン細胞の原形質からなり, それらは交互に配列していた。軸索は2型に区別された。1つはミトコンドリアが豊富で, しかもミトコンドリアおよびそのクリスタが外毛根鞘の基底板に対して平行に走つているもの, 他は神経分泌顆粒とみなされる50nmのcored vesicles, 30nmのclear vesiclesをもつものであつた。シュワン細胞の原形質は多数の飲液胞をもち, これらは軸索に面する部位に多数集まつていた。
  • 坂崎 善門, 武藤 公一郎, 乃木田 俊辰, 永田 貴士
    1982 年 44 巻 3 号 p. 416-420
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    過去11年間に経験した陥入爪51例の臨床症状, 誘因, 治療について検討した。性別は男14例, 女37例 (男女比約 1:2.6), 発症年令では10∼20才代に多く全症例の54.9%を占めた。誘因として矮小爪, 短趾症などの爪甲あるいは趾の奇形がみられ, 同胞3人に陥入爪が発症した家族性陥入爪ともいうべき症例もみられた。また長時間立ち仕事を行う職業, スパイク靴を着用するスポーツなども誘因と考えられた。保存的療法で再発を反復する症例にたいして鬼塚法による爪母を含めた爪甲部分切除術を施行し良好な結果をえた。爪甲部分切除術では爪甲部の適当な処理が再発防止の重要なポイントと考えられ, この点について考察した。
講座
  • —患児とのRapport確立の考え方—
    山本 一哉
    1982 年 44 巻 3 号 p. 421-424
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    小児患者では, その家族とくに母親との相互理解が診療する側にとつて必要であることが強調されている。しかしながら, 診療を受ける者はあくまでも患者である小児であり, したがつて, 医師は患児の年令, 発育の程度などに相応した患児との相互理解を, 母親に対する関係と同様あるいはそれ以上に持つように努力しなければならない。このためにどのような問題が考慮されるべきかについて, 患児の年代を乳児期, 前幼稚園期, 幼稚園期, 学童期, 思春期に大別して, それぞれの年代の患児とのrapportの確立手段を具体的に述べた。
治療
  • チオコナゾール研究班
    1982 年 44 巻 3 号 p. 425-443
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    九州地区の大学および病院13施設の共同研究として, 1980年, 1981年の2年間にわたり皮膚真菌症に対するチオコナゾールクリームの有用性をクロトリマゾール1%クリームを対照薬とした二重盲検法により比較検討した。1980年は外用抗真菌剤の薬効評価の対象として適しているといわれている股部白癬および体部白癬を選び比較試験を実施, チオコナゾール1%および2%クリームの有用性が実証された。本試験にてチオコナゾール1%および2%クリーム両剤間の有効性に差を認めなかつたことから, 1981年には評価対象を足白癬, 癜風とし, チオコナゾール1%クリームとクロトリマゾール1%クリームとの比較試験を行い, 股部白癬, 体部白癬の試験成績と同様, チオコナゾール1%クリームの有用性が実証された。以上2年間にわたる試験成績から, チオコナゾールは皮膚真菌症に対して, その臨床効果ならびに安全性から有用な薬剤と判定された。
  • チオコナゾール研究班
    1982 年 44 巻 3 号 p. 444-451
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    全国20施設の共同研究により, チオコナゾール1%クリームの皮膚カンジダ症(カンジダ性間擦疹およびカンジダ性指間糜爛症)に対する有用性に関し, クロトリマゾール1%クリームを対照薬とする二重盲検法により比較検討した。本試験によつてチオコナゾールは最終全般改善度と有用性の評価においてクロトリマゾールに比し有意に優れていることが認められた(U検定)。また最終全般改善度の「治癒または略治」, 「改善以上」, 有用性の「極めて有用」の項目でもチオコナゾールはクロトリマゾールに比較して有意に優れる(F法)ことが実証された。病型別に考察すると, カンジダ性間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)で, 最終全般改善度と有用性の評価(U検定), 最終全般改善度の「治癒または略治」および有用性の「極めて有用」(F法)でチオコナゾールはクロトリマゾールに比して有意に優れた。またカンジダ性指間糜爛症では, 最終全般改善度の評価(U検定)でチオコナゾールはクロトリマゾールに比し有意に優れた。またC. albicansが同定された症例では, 最終全般改善度と有用性評価(U検定), 最終全般改善度の「治癒または略治」および「改善以上」(F法)で, チオコナゾールはクロトリマゾールに比し有意に優れていた。菌陰性化率, 患者による評価および再発·再感染追跡調査結果などでは, 両剤間に有意差は認められなかつた。副作用は両剤に1例ずつ皮膚の局部症状がみられ, 臨床検査では両剤によると思われる異常値は認められなかつた。
  • Beclomethasone Dipropionate外用剤臨床研究班
    1982 年 44 巻 3 号 p. 452-463
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    0.025% beclomethasone dipropionate (BCD)外用剤の掌蹠膿疱症など6疾患に対する有用性の検討を全国25施設の共同研究として行つた。外用方法は疾患の種類に応じ, 夜間密封法昼間1回単純塗擦または昼間2∼3回単純塗擦とした。試験期間は3週間とし各週ごとに皮疹の観察·記録を行つた。試験を実施した722例中666例が解析対象となつた。有用性の判定において, 有用以上を有用とした場合の有用率はBCD軟膏およびBCDクリームでそれぞれ掌蹠膿疱症75.6%(59/78); 60.3%(44/73), 痒疹類77.9%(53/68); 81.3%(52/64), 虫刺症95.9%(70/73); 91.0%(61/67), 扁平苔癬95.2%(20/21); 55.6%(10/18), 慢性円板状エリテマトーデス78.3%(18/23); 69.6%(16/23), 進行性指掌角皮症84.0%(79/94); 65.6%(42/64)との成績が得られた。副作用が3.2%(23/713)の症例に認められたが大部分は軽度であり他のコルチコステロイド外用剤に比べ特別な傾向は認められなかつた。以上の成績より, BCD外用剤は対象とした6種類の皮膚疾患に有用な薬剤と判定された。また, BCD外用剤は全身的影響の弱いことより掌蹠膿疱症, 痒疹類などの難治性皮膚疾患に長期に使用する場合にも安全性の点で優れたコルチコステロイド外用剤と考えられる。
  • 川岸 郁朗, 金子 史男
    1982 年 44 巻 3 号 p. 464-469
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    青年性扁平疣贅患者20例に細胞性免疫能賦活剤であるLevamisoleによる治療を試み, つぎの結果を得た。
    1) 20例中8例(40%)に皮疹の完全消退, 7例(35%)に皮疹の軽快をみて, 有効率75%であつた。皮疹の消退した患者ではツベルクリン反応では, 治療前に比してその皮内反応の増強をみた。
    2) 副作用と思われる胃腸症状, 感冒様症状, 蕁麻疹様症状および感覚異常の出現を10例(50%)にみたが, いずれも一過性で治療を中止する必要はなかつた。
    3) 副作用の点から本剤による治療は積極的に試みられるべきであるとはいえないが, 他剤で効果のみられない長期にわたる患者には試みる価値のある治療法といえる。
  • —女子の顔面色素増加症にたいする治療効果—
    伊川 知子, 武田 克之, 山本 忠利, 高橋 智津子
    1982 年 44 巻 3 号 p. 470-473
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    女子の顔面色素増加症に対しては, ビタミンC, グルタチオン製剤内服などの治療が行われているが難治である。外用剤には著効を示すものは見当らず, 女性の顔面であるだけに悩みは深刻であり, 種々の民間療法が試みられている。今回, 私達はコウジ酸配合剤を27例の女子顔面色素増加症を対象に試用した。被験対象の約半数に化粧品による接触皮膚炎の既応があり, それらでは副作用の出現率が明らかに高かつた。51.9%の治効を得たが, これは, 他の外用剤に比べ優るとも劣らぬと考えられ, 内5名については自他共に満足すべき結果を得た。
  • 皆見 紀久男
    1982 年 44 巻 3 号 p. 474-478
    発行日: 1982/06/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    コウジ酸配合クリームを肝斑患者37名に使用して, 著効13名, 有効10名, やや有効3名, 計26名で有効率70.3%という成績をえた。効果発現には短くて1ヵ月, 長くて12ヵ月を要した。軽症のものより中等症, さらには重症のものにも有効症例をみとめた。副作用は3名で, 2例にざ瘡を生じ, 1例に発赤をみとめた。なおざ瘡を生じた2例は, 使用を続行しえた。本剤は肝斑治療に有効な塗布剤と思われた。
世界の皮膚科学者
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