西日本皮膚科
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48 巻 , 3 号
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図説
綜説
シンポジウム
  • 三木 吉治
    1986 年 48 巻 3 号 p. 424-427
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
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    近年, 各種の薬剤や医療行為による医原性疾患が増加するにつれて, これらの医原性疾患のなかには, 従来, 原因や病態の不明であつた皮膚疾患と同様な, あるいは, よく似た臨床所見をしめすもののあることが見いだされるようになつた。そこで, このような医原性疾患ないし病変の研究を通じて, 医原性でない疾患の原因や病態に関する研究や, 治療が試みられている。この趣旨でこれまでの報告例をまとめてみると, アレルギー, 循環障害, 膠原病から水疱症, 角化症, 色素異常症, 感染症にいたるまで, ほとんどすべての皮膚疾患群が医原病としても見られていることがわかつた。
  • 宮脇 昌二, 小野寺 英朗, 坂本 賢司
    1986 年 48 巻 3 号 p. 428-435
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    厳密な意味での薬剤誘発ループスとは, 薬剤の連用によつてSLE類似症状が誘発され, その中断によつて症状が消失する病態であり, iatrogenic lupusとも呼称しうるものである。薬剤としてはhydralazine, procainamide, isoniazid, diphenylhydantoinなどが関連するが, 欧米と比較して本邦での発現はきわめて低率である。臨床像としてはSLEよりも女子の罹患率が低く, 中高年令層に多い。発熱, 関節痛, 筋痛などの発現が大で, 腎症や中枢神経症状の発現は低率である。約20%程度に皮疹が出現し, 蝶形紅斑, 麻疹様, 猩紅熱様, 扁平苔癬, 滲出性紅斑などと多彩である。病因として素因が重視されており, 上記薬剤の代謝に関係する肝N-acetyltransferase活性が遅延する個体(slow acetylator)に薬剤ループスが起りやすく, 逆に本邦人の90%が該当するrapid acetylatorの個体群には発現が低率である。また薬剤が核酸や核蛋白を質的に変化させ, 抗histone抗体などの抗核抗体の産生を促し, SLE様症状を誘発する機序も重要である。
  • 橋本 公二
    1986 年 48 巻 3 号 p. 436-442
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
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    種々の薬剤により天疱瘡様の皮疹が出現することが知られており, 薬剤誘発性天疱瘡と呼ばれている。誘発薬剤としては, D-ペニシラミン, リファンピシン, フェニルブタゾン, ペニシリン, カプトプリル, アモキシシリン, アンピシリン, チオラ, シオゾールによるものなどが報告されており, D-ペニシラミンによるものがもつとも多い。D-ペニシラミン誘発性天疱瘡は臨床的にherpetiform pemphigus様, あるいはpemphigus foliaceus様を呈することが多く, 組織学的には棘融解の認められない場合もあり, 天疱瘡と異なる。しかし, 蛍光抗体法所見および水疱発生機序では天疱瘡と共通する点があり, D-ペニシラミン誘発性天疱瘡は天疱瘡にきわめて類似するが, 異なる疾患ではないかと考えられ, その発生機序の解明, とくに自己抗原の同定, 水疱形成における蛋白分解酵素の関与の同定は天疱瘡の発生機序の解明に有力な手掛りを与えるものと考えられる。
  • 白石 聡
    1986 年 48 巻 3 号 p. 443-446
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
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    苔癬型薬疹の原因には従来, 砒素, 金製剤, 抗マラリア剤, 抗結核剤, サイアザイド系降圧利尿剤, スルフォニール·ウレア系糖尿病剤が知られていたが, 最近では欧米に比べ脳代謝改善剤, 末梢血管改善剤によるものがはるかに増加しており全報告数の66.7%を占めていた。教室で経験した苔癬型薬疹のうち, 定型的な扁平苔癬の組織像を呈する症例は37.5%であつた。苔癬型組織反応を呈する疾患は扁平苔癬, LE, graft vs host反応, 苔癬様日光角化症など多数あるが, 扁平苔癬では発症初期にランゲルハンス細胞の増加, Tリンパ球の表皮·真皮内浸潤, ついで基底層ケラチノサイトの破壊と再生が起ることからこれらの疾患の発生に遅延型アレルギーが関与していると考えられる。治療には, 原因薬剤の中止, 抗ヒスタミン剤, 副腎皮質ホルモン剤の外用のほかPUVA療法, エトレチネート, グリセオフルビンなどが有効である。
  • 森嶋 隆文, 八木 茂, 桧垣 美奈子
    1986 年 48 巻 3 号 p. 447-453
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
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    腸性肢端皮膚炎(A·E)は肢端部や開口部の特徴的皮疹, 脱毛, 下痢を3大症状とする遺伝性疾患である。1973年, Barnes & Moynahanの記載を契機とし, 亜鉛療法が奏効したA·E例が次々と報告された。ヒトの遺伝性亜鉛欠乏症がA·Eと認識され始めた1975年以降, 外科領域にて高カロリー輸液中に発症したA·E様病変の観察が多数なされ, 病態は輸液中の亜鉛含量の不足であることが解明された。1979年∼1981年, 無乳糖ミルク栄養に起因したあるいは未熟児に発症した, 獲得性A·E例が報告され, 国際勧告値を下まわつている, わが国の調製粉乳中の微量金属の不足が問題となり, 最近, 塩類による亜鉛や銅の強化が認可されたと聞く。このように, 遺伝性であれ, 獲得性であれ, 亜鉛欠乏による臨床症状は同一であるゆえ, A·Eの臨床像を把握することは亜鉛欠乏状態を推察するうえに重要であり, 亜鉛欠乏による重篤な障害は生長障害であり, 幼小児例では適切な亜鉛療法が重要である。
  • 辻 卓夫, 格谷 敦子, 田中 律子, 幸野 健, 濱田 稔夫
    1986 年 48 巻 3 号 p. 454-460
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
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    長期間ステロイド外用後に生じた稗粒腫について述べた。患者はいずれも老人(63∼85才)で男子6人, 女子3人からなり, 湿疹皮膚炎群, 乾癬, 白斑などの治療に種々のステロイドを1∼13年(平均6.3年)使用し続けていて稗粒腫が出現してきた。稗粒腫の出現部位はステロイド外用部位に限られるが, とくに前頸部から上胸部に好発する。稗粒腫の存在する部位には必ず皮膚の萎縮と毛細血管拡張がみられ, これらは稗粒腫の出現に先行する。組織学的特徴は表皮性嚢腫の像をとり, その内腔は角質成分で満たされ, しばしば毛を含む。生検した17個のうち15個(88%)は毛包由来で残りは由来不明であつた。これらの稗粒腫の発生機序ならびに本来の稗粒腫(原発性および続発性)との相違などについても記述した。
症例
  • 草場 辰哉, 嘉月 博, 武藤 公一郎, 小野 友道
    1986 年 48 巻 3 号 p. 461-464
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
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    スポロトリコーシスの下肢発生例は比較的少なく, とくに足底に生じた本邦例はまだ報告されていない。著者らは最近53才女子の足底に生じたスポロトリコーシス例を経験した。本例は原発巣としては稀有な臨床像とされる皮下硬結の所見を呈した。また本症の下肢発生例ならびに掌蹠発生機序について文献的考察を加えた。
  • 豊島 弘行, 鳥山 史, 堀 真, 西本 勝太郎, 吉田 彦太郎
    1986 年 48 巻 3 号 p. 465-471
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    56才男子の右耳前部に発生した耳下腺多形腺腫の1例を経験した。電顕的にその起源細胞を検討したが, 従来唱えられていた筋上皮細胞説を積極的に支持する所見はえられなかつた。すなわち, 腫瘍細胞内に細線維を, また周囲に基底膜様構造をみるものもあつたが, 筋上皮細胞の特徴とされているdense patchは見出されなかつた。また一部の報告にあるような分泌顆粒を有する細胞も認められなかつた。われわれは本腫瘍の起源はきわめて未分化な, しかし多分化能をもつ“blast cell”と想定することが, 臨床像, 組織像, 電顕所見などを説明する上で有利ではないかと考えた。なお, 間質の粘液腫様変化は腫瘍細胞内に多発する嚢胞内容との連続性が認められたことから腫瘍細胞由来の物質と考えた。
  • 山上 温子, 市川 澄子, 谷口 芳記, 清水 正之
    1986 年 48 巻 3 号 p. 472-477
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
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    約10年前より春夏季にみられる脱毛と加えて9ヵ月前より出没をくりかえす顔面の浸潤性紅斑を有する59才男子例を報告した。組織学的に表皮萎縮, 液状変性とともに真皮上層の浮腫と毛包周囲, 血管周囲性の巣状のリンパ球を主とする細胞浸潤がみられた。電顕的に浸潤細胞と血管内皮細胞内にMTSをみとめ, 表皮内にfilamentous massと真皮内に30μ前後の無構造物質をみとめた。腎症状を欠き, 抗核抗体40倍, 抗DNA抗体80倍と低く, ARA(1982)の診断基準で11項目中4項目をみたした。本症例は北村の不全型としうるが, この型が全身型へ発展する可能性のあるものと考え, 最近のSCLEの概念との関連を考察した。
  • 野中 薫雄, 大神 太郎, 穐山 富雄, 本多 哲三, 吉田 彦太郎, 村山 史男
    1986 年 48 巻 3 号 p. 478-484
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    8例のporphyria cutanea tardaを報告した。患者は41才より72才で全例男子であつた。全例アルコール大量摂取歴を有していたが, 家族内に同症をみなかつた。患者は長崎県内在住6例, 福岡県1例, 佐賀県1例で, 長崎県内では, 長崎市1例, 佐世保市1例, 東彼杵郡2例, 北松浦郡2例であつた。皮膚所見では全例に露出部色素沈着が認められ, その他小瘢痕, 小水疱, 糜爛形成などが認められたが, 急性光線過敏状態は2例に認められるのみであつた。8例ともに皮膚症状は軽度であつた。尿中ポルフィリン体はuroporphyrin(以下UPと略記), coproporphyrin(以下CPと略記)ともに著増を示し, 8例中7例はUP優勢, 1例はCP, UP同程度の排泄像を示していた。糞便中ポルフィリン体は6例測定したが, 6例すべてCP優位の排泄像を示し, CP/protoporphyrin(PP)比は正常に比べ逆転していた。検査所見では軽度の肝機能異常が8例中7例に認められたが, GOT, GPTの軽度上昇が主であつた。5例に肝生検をおこなつたが, いずれも慢性肝炎の状態で, 4例に鉄顆粒の沈着を認めた。血清鉄は8例中4例が200μg/dl以上の上昇を, 4例に不飽和鉄結合能の低下を示していた。免疫グロブリンでは, 血清IgG値が3例に2,000mg/dl以上の上昇をみた。以上のことより8例はいずれも皮疹, 検査所見ともに軽度の変化を示しており, 軽症と思われた。尿中ポルフィリン体排泄量と皮疹の状態の間にとくに相関を認めず, 仕事などの違いによる日光曝露の差による影響が示唆された。
研究
  • 吉田 紀子
    1986 年 48 巻 3 号 p. 485-490
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    乾癬や細菌感染症において重要な役割を演ずると思われる好中球の膜荷電を細胞電気泳動法により検索した。対象は健常人, 尋常乾癬および抗生剤未投与の細菌感染症各20例である。その結果, 赤血球の泳動度において乾癬患者は健常人と比較して著明に遅かつた(p<0.001)。細菌感染症患者では赤血球のそれは健常人と比較して有意に遅かつた(p<0.05)。好中球の泳動度においては乾癬および細菌感染症でともに健常人より遅い傾向がみられた(p<0.1)。
  • —腫瘍の原因は神経·シュワン細胞·線維芽細胞のどれにあるのか—
    今山 修平, 八島 豊, 入来 敦, 佐藤 恵実子, 占部 治邦
    1986 年 48 巻 3 号 p. 491-499
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    von Recklinghausen病患者皮膚から採取した多発神経線維腫を, 結合織と基底膜に重点をおいて観察した。その結果, 本腫瘍は複雑に錯綜してはいるもののある“単位”から構成されていることが明らかとなつた。それは中心にSchwann様細胞の胞体を持ち, ほぼ同心円にその細胞突起と線維芽細胞の突起が交互に層状に配列され, その間を結合織が埋めるという“同軸ケーブル”のような構造であつた。間質の増加とともに線維芽細胞突起はさらに伸展されるのに対し, Schwann様の突起は変化せず相対的に小さい突起にとどまつた。この突起は神経軸を含んでおり, この細胞周囲の基底膜は過剰に産生され胞体を離れて, しばしば間質へ伸び, また基底膜上のanionic sireの分布, 酵素処理による消化も不規則であつた。また間質にはエラスティカが存在する。以上の所見より, 本腫瘍の第一義的異常を神経の側に求めて組織像と臨床を解釈した。
講座
統計
  • 鹿野 由紀子, 藤広 満智子, 前田 学, 森 俊二, 沢村 治樹, 北島 康雄
    1986 年 48 巻 3 号 p. 506-512
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    昭和54年1月から昭和58年12月までの5年間に岐阜大学医学部附属病院皮膚科を受診した患者について, 白癬の統計的観察を試み, 以下のような成績を得た。
    1) 新患患者18,620例中白癬患者数は1,836例(9.9%)であつた。
    2) 白癬の病型別比較では, 足白癬(52.6%)が最も多く, 爪白癬(14.7%), 陰股部白癬(13.7%)がこれに続き, この3病型で白癬の81.0%を占めていた。白癬患者に対する培養陽性率は55.5%であつた。
    3) 分離された菌株数は1,015株で,T. rubrumが787株(77.5%), T. mentagrophytes193株(19.0%), E. floccosum12株(1.2%), M. canis11株(1.1%), T. violaceum6株(0.6%), M. gypseum4株(0.4%), T. verrucosum1株(0.1%), 未同定1株(0.1%)であり, 主要原因菌は, T. rubrumT. mentagrophytesの2菌種であつた。T. rubrumT. mentagrophytesとの分離比は4.1であり, 九州大(4.4), 和歌山大(4.6), 山口大(4.6), のそれに近く, 金沢大(1.6), 北海道大(1.6), 秋田大(2.7)など北陸および関東から北の地方に比べて高かつた。
治療
  • —Open Studyによる検討—
    E5166臨床研究班
    1986 年 48 巻 3 号 p. 513-519
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    レチノイド類似の作用を有する新規化合物である3,7,11,15-tetramethyl-2,4,6,10,14-all transhexadecapentaenoic acid(E5166)の難治性皮膚疾患に対する治療効果, 安全性および有用性を多施設共同研究によるopen studyで検討した。E5166は1日300mgを経口投与した。治療効果および有用性の解析対象例は169例で, 有効率は66%, 有用率は63%であつた。乾癬群および掌蹠膿疱症では, 4週から8週までの期間内で投与期間の延長にともない, 有効率はより高くなつた。またE5166と酪酸ヒドロコルチゾン軟膏外用との併用により効果の増強が認められた。安全性の解析対象例は180例で, 副作用は13%, 血清トリグリセリドの上昇が1.1%に認められたが, すべて一過性であつた。これらの成績からE5166は対象疾患に対して高い有用性を有するものと考えられた。
  • 手塚 正, 吉田 正己, 栗本 圭久
    1986 年 48 巻 3 号 p. 520-523
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    掌蹠膿疱症10例(手掌または足蹠のいずれかに皮疹があつた症例4例, 掌蹠にあつた症例5例, 掌蹠以外にもあつた症例1例)を一側にロコイド軟膏, 他側に5%サリチル酸ワセリンまたはアンダーム軟膏併用群7例と, 両側にネリゾナ軟膏またはリンデロンDP軟膏使用群3例に分けてE5166 1日300mg(分3, 食後15分内服)を2ヵ月(1例で1ヵ月)内服させたところ, 前者の有効以上の有効率は85.7%, 後者で100%であつた。治癒または有効例にE5166を続けて内服させたところ, 内服中は皮疹の再燃が抑制された。E5166内服療法はこのようにすぐれた臨床効果が得られた上に, 口唇炎などの副作用がまつたく認められなかつた点, E5166は掌蹠膿疱症に対する使いやすい, 非常にすぐれた薬剤と考える。
  • 北村 公一, 池上 隆彦, 浦上 紘三, 奥村 睦子, 岸本 亮四郎, 谷 徹郎, 古河 順子, 増谷 ヨシ子, 長野 拓三, 山田 徹太郎
    1986 年 48 巻 3 号 p. 524-527
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    角質増殖型足白癬29例に対してエンペシドクリームによる密封療法を行い, その有用性と問題点を検討した。4週間以上, 治療を継続した症例を効果判定の対象とすると, 臨床症状に対する効果と真菌検査成績を基準にして判定した総合評価では, 著効1例, 有効10例, やや有効8例, 無効6例, 悪化2例であり, また総合評価, 副作用および被験者の感想を考慮して判定した有用性では, きわめて有用1例, 有用9例, やや有用10例, 無効5例, 有害2例, 判定不能2例であつた。以上の成績は, 本症の難治性と外用療法のみによることを考え合せると有用な治療法であることを示している。密封療法の効果は, まず角質増殖の減少としてあらわれ, そう痒の軽快, そして菌陰性化の順序で現れた。忌むべき副作用はなかつたが, 足のほてりと不眠による脱落例があり, 本治療の施行にあたつては, 患者の治療意欲, 治療法の理解, 施行季節などに十分な考慮を払う必要がある。
  • 羽田 妙子, 遠藤 秀彦
    1986 年 48 巻 3 号 p. 528-533
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    皮膚そう痒症女子患者24例に対し, メサルモンF錠の臨床効果を検討した。1日3錠, 食後内服を2週間から8週間続け, その臨床的有用性を検討した。その結果, 24例中16例に有用性を認めた。閉経後, とくに61才以上, 発症1年以内の症例に, より有用であつた。また投与期間が長期にわたるときに, 有用性が増すように思われた。明らかな因果関係を認める副作用は存在しなかつた。
  • —多施設二重盲検群間比較試験によるClemastine Fumarateとの比較—
    Ketotifen皮膚科研究班
    1986 年 48 巻 3 号 p. 534-552
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    化学伝達物質遊離抑制剤であるketotifenシロップのアトピー皮膚炎に対する臨床効果を検討する目的で, clemastineシロップを対照薬とした多施設二重盲検試験を実施した。投与開始2週後の全般改善度はketotifen投与群(K群)41.0%, clemastine投与群(C群)21.1%と有意に(U検定: p<0.05)K群がすぐれ, 4週後でもK群64.4%, C群34.4%と有意に(U検定: p<0.001)K群がすぐれていた。副作用はK群で9.8%に, C群で13.2%に発現し, 安全度は両群間で差がなかつた。有用度はK群の有用性が有意に(U検定: p<0.001)高く「有用」以上の有用率はK群53.8%, C群29.3%であつた。また, 2週後そう痒, 湿潤·糜爛などの皮膚症状において, K群はC群に比べて有意に(U検定: p<0.05)高い改善度を示し, 4週後ではそう痒, 紅斑·丘疹, 表皮剥離·掻破痕に対しK群はC群より有意に(U検定: p<0.10∼p<0.001)すぐれた効果が認められた。K群では継続投与により効果が増大したが, C群ではこのような傾向は認めなかつた。またK群では単独投与でも高い効果を認めた。今回の試験で認めた副作用は主に眠気で, 重篤なものはなかつた。以上の結果よりketotifenシロップは従来用いられていた抗ヒスタミン剤にはみられない皮疹改善効果を発揮し, 効果発現もはやい特徴を有することが明らかになつた。また小児に服用しやすい剤型であり, 1日2回の内服で充分であることなどを考え合わせると, アトピー皮膚炎の治療に有用性の高い薬剤であると考えられる。
  • —Well-Controlled Comparative Studyの新解析—
    KH-101研究班
    1986 年 48 巻 3 号 p. 553-562
    発行日: 1986/06/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    皮膚潰瘍に対するKH-101軟膏(リフラップ軟膏; 5%塩化リゾチーム含有)の有用性を明らかにする目的で, リフラップ軟膏基剤(プラセポ), ベンダザック軟膏を対照としたwell-controlled comparative studyを行い公表したが, 今回は臨床比較試験の最終全般改善度·有用性判定に関連が深いと考えられる項目についてさらに検討し, 新たに解析を追加し若干の知見を得たので追加公表した。
    1) 背景因子には3群間に有意差は認められず患者背景には偏りはなかつた。
    2) 各性状には群間差は認められず時間差のみが有意に検出された。潰瘍の大きさの差(治療前後の潰瘍の大きさの差)においてリフラップ軟膏がベンダザック軟膏に比べ, 潰瘍の修復面積が有意に大きかつた。
    3) 最終全般改善度判定は各性状の変化を中心に評価した。
    4) 有用性判定は, 潰瘍の大きさの差, 最終全般改善度, 副作用を評価した。
    5) 有用性判定と潰瘍の大きさの差との関係においてプラセポが優位にたつケースは皆無でリフラップ軟膏の優位が示された。
世界の皮膚科学者
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