西日本皮膚科
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32 巻, 3 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
図説
シンポジウム—臨床検査の意義とその限界—
  • 野原 望
    1970 年 32 巻 3 号 p. 213-214
    発行日: 1970/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
  • 都外川 幸雄, 菊池 武英, 西尾 武, 森田 耕作, 福田 正博, 青木 タツノ
    1970 年 32 巻 3 号 p. 215-221
    発行日: 1970/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
    西日本諸機関の御協力をいただき,昭和38年より昭和43年までの梅毒第1期118例について初診時のSTSの結果を感染時よりの経過期間について検討を行なつた。非梅毒658例,梅毒153例,STS陽性妊婦血清191例について,STS,TPHA,FTA-ABSを行なつた結果に検討を加え,TPHA FTA-ABS不一致については,年令層による分散を検討する必要を認め,梅毒の診断としては,STS,TPHAを同時に行ない,それらのいずれかの陽性について,FTA-ABSを併せて検討することが望ましいと考えた。
  • 名嘉真 武男
    1970 年 32 巻 3 号 p. 222-235
    発行日: 1970/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
    真菌症の臨床検査法としては,直接検査法,皮内反応,ウッド灯検査,菌の分離培養と同定,組織学的検査法があり,ある種の真菌症では免疫血清学的検査も応用される。しかし実際の診療における菌学的検査途上においては,実地医はときに菌要素の発見ならびに病原菌の判定にとまどうことがある。われわれは,これまでわが教室で経験した真菌症についておこなつてきた各検査成績を検討し,臨床所見と菌陽性率,病原菌判定における雑真菌の問題をとりあげるとともに,われわれが日常の診療においておこなつているslide culture法による菌の簡易迅速同定について報告した。
  • 児浦 純生
    1970 年 32 巻 3 号 p. 236-242
    発行日: 1970/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
    著者が行なつた,標識抗Candida抗体の作成,Candidaの螢光染色,抗表皮抗体,抗核抗体の検出などの実験を通して,螢光抗体法の臨床応用の問題,とくに感度をたかめる問題,非特異染色をのぞく問題,および検査基準を確立する問題などを検討した。
  • 麻上 千鳥, 室田 省三, 末富 淑子, 内平 孝雄
    1970 年 32 巻 3 号 p. 243-254
    発行日: 1970/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
    紅斑性狼瘡25例,皮膚筋炎4例および汎発性鞏皮症5例計34例について免疫血清学的検索を含む臨床検査および染色体分析を行なつた。
    1)紅斑性狼瘡ではその病型を皮疹の分布と性状および全身症状の有無にしたがい8型に分けて検討したが,抗核抗体は,G-N-V群,G-D-V群の全例,G-E-C群,L-D-C群の各1例に陽性であつた。LE細胞はG-N-V群の7例中3例,G-D-V群の3例中1例に陽性のみでその敏感度は抗核抗体に比べ劣る傾向を示した。LE試験の敏感度はLE細胞と同程度ないしはそれ以下であつた。ツ反応はG-D-C群の全例,G-D-V群の3例中1例,G-D-C群の8例中2例に陰性であつた。
    2)皮膚筋炎では副腎機能低下およびツ反応陰性が全例に見られたが,免疫血清学的異常は見い出されなかつた。
    3)鞏皮症ではLE細胞,LE試験がともに陰性で,全例がツ反応陰性であつた。
    4)紅斑性狼瘡6例,皮膚筋炎3例および鞏皮症1例の末梢血染色体分析で,数および形に関する異常が認められた。
  • 吉田 彦太郎
    1970 年 32 巻 3 号 p. 255-266
    発行日: 1970/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
    蕁麻疹,接触性皮膚炎,薬物アレルギーなどに対する皮内反応,貼布試験などの診断的価値および限界について検討し,下記の所見をえた。
    1.蕁麻疹に対する食餌抗原の皮内反応はほとんど価値がない。しかし吸入抗原の皮内反応はしばしば特異的減感作療法への手がかりを与えることがある。
    2.接触性皮膚炎に対する貼布試験は,物理的,生理的要因の関与なく,アレルギー機序によつてのみ発症した場合には有意義な方法である。しかし人工的に加工された物質による場合には,検体の選択上製造工程に関する十分な知識が必要である。
    3.薬物アレルギーに対する皮膚反応は多くの場合価値に乏しい。しかし蕁麻疹様症状を呈した場合,ビタミンK1注射部位に発生した発疹,重症薬疹例,ペニシリン,クロラムフェニコールなどによる薬疹などでは,感作経路,臨床症状などを十分考慮に入れた皮膚反応はしばしば有意の結果をもたらす。
症例
  • 広渡 徳治, 福田 英彦
    1970 年 32 巻 3 号 p. 267-270
    発行日: 1970/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
    75才,男子,僧侶,昭和43年9月頃,臍下部に小指頭大の緊張性水疱数個を生ずる。2,3の病院で対症療法を受けたが,水疱は4肢,躯幹に拡がる。昭和44年4月,当科に入院した時は悪液質の状態にあつた。ただちに補液を行なつたが,入院第30病日に肺炎を併発して死亡した。経過中肝機能は軽度に侵され,貧血,好酸球増多,リンパ球減少,γ-グロブリン値の上昇を認めた。組織学的には表皮下に水疱形成をみとめ,水疱内はフィブリン網の中に好酸球·多核球よりなる細胞遊出が認められた。棘融解は認められなかつた。死亡後の剖検所見では,陳旧性の肺結核および胃の慢性潰瘍を認め,悪性腫瘍の合併はみられなかつた。
研究
  • 田崎 高伸
    1970 年 32 巻 3 号 p. 271-279
    発行日: 1970/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
    患者の病巣から新たに分離した単純疱疹ウイルスを用いて,マウスの背部にウイルス学的にも組織学的にもヒトの病巣と非常に類似した病巣を作成した。またこの病巣の発生は弱毒単純疱疹ウイルスの免疫によつて完全に阻止されたが,新生時胸腺摘出マウスにおいては免疫にもかかわらず6例に病巣が発生した。免疫後の補体要求性中和抗体の測定では,新生時胸腺摘出マウスにおいても非摘出マウスにおいても同様の上昇が認められた。以上の実験結果から,新生時胸腺摘出マウスにおける感染防禦能の低下は,血中の中和抗体以外の因子,おそらく細胞性の免疫の低下にもとづいていると思われる。
治験
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