西日本皮膚科
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51 巻, 6 号
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図説
綜説
症例
  • 井田 充, 関 太輔, 斉藤 明宏, 諸橋 正昭
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1101-1105
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    32才男子。初診の約1週間前より右頸部に紅色丘疹が出現。徐々に増大し母指頭大の浸潤性紅斑となつた。発熱その他の全身症状は認められなかつた。同様の症状は2∼3年前より年に数回出現していた。検査所見として分葉核球優位の白血球増多を認め, 組織学的に真皮上∼中層の分葉核球浸潤, 核破壊像を認めた。自験例のごとく組織学的にはSweet’s syndromeと一致するが全身症状を欠く症例は, 1968年, Whittleら1)によりrecurrent neutrophilic dermatosis of the face(RND)として報告されており, 以後数例の報告がある。Sweet’s syndromeとRNDは本質的には一連の病態であり, 両者を一括して好中球性紅斑と総称すべきである。
  • 音山 和宣, 堀内 保宏, 榊原 隆次, 福武 敏夫
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1106-1108
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    発汗異常を伴つた30才男子に発症したコリン性蕁麻疹の一例を報告した。運動負荷により全身に米粒大の膨疹が誘発され, アセチルコリンと高濃度食塩水の皮内注射にても膨疹を形成した。また, 全身と胸部の温熱負荷によるヨード·でんぷん発汗テストにおいてはほとんど発汗がみられない強い発汗抑制がみられた。
  • 寺木 祐一, 杉浦 丹
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1109-1113
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    72才女子。顔面紅斑が先行した重症型の全身性強皮症を報告した。昭和55年頃より顔面に軽度浸潤を触れる浮腫性紅斑が出現し, 持続していた。われわれは, 当初, 皮膚筋炎やSLEを強く疑い, 種々の諸検査を施行するも, 抗核抗体が40倍陽性である以外に異常を認めなかつた。その後, 経過観察していたところ, 昭和61年3月に全身性強皮症様の臨床像を呈してきた。しかも急速に皮膚硬化が全身に拡大し, ネフローゼ症候群を伴つた強皮症腎に陥り同年9月に死亡した重症型であつた。われわれは先行した顔面紅斑と後に発症した全身性強皮症について考察し, 先行した顔面紅斑は全身性強皮症の初発症状であつた可能性が強いと考えた。
  • —診断·治療効果判定へのサーモグラフィの応用—
    皆本 景子, 小野 友道, 興梠 征典, 高橋 睦正
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1114-1119
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    50才男子。糖尿病, 高血圧を基礎疾患とし, 約5ヵ月前からの間歇性跛行, 左足底外側の紫斑, チアノーゼ, 疼痛を主訴として来院した。サーモグラフィにて, 左下肢は大腿中枢側から足趾に至る皮膚温低下を認め, 動脈造影にて左総腸骨動脈の近位部の著明な狭窄および左大腿動脈の狭小化が認められた。経皮的血管形成術(percutaneous transluminal angioplasty, 以下PTAと略)を施行後, サーモグラフィにて皮膚温の改善が認められ, 自覚症状も改善した。PTAはバイパス手術に比較し, 侵襲が少なく成功率も劣らない点で, 今後皮膚科領域でも動脈閉塞性疾患に非常に期待できる方法である。
  •  
    梯 洋子, 成沢 寛, 幸田 弘, 渕 曠二
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1120-1122
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    呼吸困難から左房粘液腫が発見され, 摘出手術を受けた66才男子の腹部, 腰部に多発している皮下結節を生検したところ, 左房粘液腫と同様の病理組織学的所見が得られたため, 左房粘液腫の皮膚転移と診断した。抗凝固療法を行つたところ, 残りの皮下結節がすべて消失した。心臓粘液腫の起源に関しては, 真性腫瘍説, 血栓器質化説があり, 論争されているが, 自験例は血栓器質化説をとれば理解できる。
  •  
    宿輪 哲生, 堀 真, 高木 博徳
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1123-1128
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    15才女子。7才ごろ胸部に黒色結節が出現し, 徐々に増大した。皮疹は径8mmのドーム状に隆起する硬い黒色結節で, 自覚症はなく, 可動性は良好であつた。組織学的には真皮上層から中層にかけてメラニン顆粒を充満する紡錐形の細胞の散在を認めた。また, 真皮深層では膠原線維の束状ないし渦巻き状に増殖する像が認められた。そこにはメラニン顆粒を含有する細胞や弾性線維はみられなかつた。電顕的には真皮上層に散在する細胞の細胞質にstage IIないしIIIの未熟なmelanosomeをもつ真皮メラノサイトが認められた。以上の所見から, 本症例は青色母斑に線維腫を合併した異型青色母斑(川村)の第3型と考えられた。
  • 福井 良昌, 松本 義也
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1129-1133
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    出生時より存在する顔面の青色母斑内に出現したmalignant blue nevusの1例を報告した。症例は59才男子で, 出生時より右前額から側頭部にかけて青色母斑が存在した。初診の約半年前より皮疹の中央部より腫瘤が出現し急速に増大してきた。悪性黒色腫の疑いで広範囲全摘と頸部リンパ節郭清を施行した。組織学的に, 周辺の色素斑部はcommon blue nevus, 腫瘤部は境界部活性を示さず, 表皮下にも一層のfree layerを持つmalignant blue nevusの所見を示した。腫瘍の主体は脂肪織下に存在した。電顕的には腫瘍細胞には種々の段階のプレメラノソーム, メラノソームが存在し, 成熟メラノソームの形態も不整であつた。免疫組織化学的に, 抗S-100蛋白抗体染色は弱陽性を示した。入院後, 全身検索中に早期胃癌が発見され根治的に切除できた。文献的に, とくにmalignant blue nevusの予後について検討し, 悪性黒色腫と同等か, より予後が悪いと考えた。
  • 金森 正志, 清水 正之
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1134-1138
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    色素性母斑を母地として生じたと考えられるacral lentiginous melanoma in situの1例を報告した。右足底の小色素斑の単純切除後, 2回の再発を繰り返し, 術中の迅速組織診断にて悪性黒色腫が疑われたため, 拡大切除術および遊離全層植皮術を施行した。病理組織学的にはacral lentiginous melanoma in situと診断した。化学療法としてDTIC 100 mg単独5日間を2クール併用し, 手術後2年6ヵ月を経過した現在, 再発は認められない。
研究
  • —毛鞘ケラチンの検出と病理組織学的毛鞘構造—
    麻生 和雄, 下浦 孝子, 橋本 秀樹, 穂積 豊
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1139-1144
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    毛鞘ケラチン(Moll catalog No. 6, 16, 17)は外毛根鞘に特異に存在するケラチンである。著者らは脂漏性角化症の15病巣から全例に毛鞘ケラチンを検出, デンシメトリーの分析では病巣の表皮ケラチン(Moll catalog No. 1)の25倍量の存在が推測された。病理組織学的に過去12年間の脂漏性角化症156例を検索し, 脂漏性角化症の各病理型において上部毛包(漏斗部, 中間部)由来を示唆する所見, すなわち腫瘍と上部毛包連続性, squamous eddy, 種々の割合の中間型, 澄明化細胞の有意義な存在をみた。毛鞘性ケラチンの存在と病理組織学的毛包関連性は, 脂漏性角化症の漏斗部, 中間部毛包由来を強く示唆するものである。
  • 福田 道夫, 石井 正光, 幸野 健, 深井 和吉, 水野 信之, 永浜 久美恵, 濱田 稔夫
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1145-1150
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    成人型アトピー性皮膚炎を発生母地としたKaposi’s varicelliform eruption 2例のホルマリン固定パラフィン包埋切片および凍結切片について, ビオチン標識herpes simplex virus(以下, HSVと略す)の相補的DNAをprobeとしたin situ hybridization法により, HSV-DNAの組織内分布を調べた。また, 症例1に関しては, 凍結標本にHSV-1型, 2型それぞれに特異的なモノクローナル抗体を用い, 蛍光抗体直接法にて, 抗原の局在, 型別を調べた。症例1は27才男子, 症例2は54才女子。2例ともウイルスDNAは感染細胞の核内に局在していた。また, 症例1に関しては, 原因ウイルスは, HSV-1であつた。ウイルス相補性DNAを用いるin situ hybridization法は比較的簡便, 安価で, DNAを確実に検出できる点で, きわめて有用な方法と思われる。
  • 飯吉 英理子, 高橋 泰英, 佐々木 哲雄, 中嶋 弘
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1151-1156
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    SLE, PSSをはじめとする膠原病およびその類縁疾患87例について, 抗カルジオリピン抗体(A-CL; IgG, IgM)をELISA法にて測定した。陽性例は21例であり, 強皮症15例を除いた6(男1, 女5)例について, 臨床症状を中心に検討し報告した。陽性例は, 皮膚筋炎(DM), DM+シェーグレン症候群(SjS), クリオグロブリン血症+SjS+橋本病, chilblain lupus, ベーチェット病, livedo reticularis with summer ulcerationの各1例ずつであつた。臨床所見ではA-CLに関連した末梢循環不全に基づくリベドー症状, 紫斑, 潰瘍は6例中2例で認められたが, 子宮内胎児仮死, 習慣性流産の既往は認められなかつた。検査所見では末梢血, 血液生化学検査では一定傾向はみられなかつたが, 抗核抗体はベーチェット病を除く5例に陽性であり, そのパターンはhomogeneous & speckled 4例, nucleolar 1例であつた。SLEの診断基準は満たさないが, LE様所見を備えた例が2例含まれており, A-CL陽性例はある程度共通の臨床病状, 検査所見を有し, SLEやDMなど各膠原病としては非定型的で診断基準を満たさない膠原病群としての症候群を形成していると推察された。A-CLは膠原病患者の病態の理解に役立つものと考えられる。
  • —創傷治癒過程における血管新生過程の観察を中心に—
    戸田 則之, 中西 秀樹
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1157-1162
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    血管新生(agiogenesis)は, 創傷治癒過程に重要な役割を果たす。われわれは, 創傷治癒過程を追究する一環として, ウサギ耳介にチャンバーを装着後, 微小循環網が完成するまでの過程を経時的に観察し, 浸出期, 血管芽期, 血管増殖期と完成期の4期に分けえることを報告した。
講座
統計
  • 広永 正紀
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1174-1177
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    滋賀県守山市に在る一皮膚科診療所において, 昭和57年7月から同63年12月までの間におこなつた皮膚糸状菌分離培養の成績を報告した。全分離株数は3,609株で, その内訳はT. rubrum 2,808株(77.8%), T. mentagrophytes 672株(18.6%), E. floccosum 32株(0.9%), T. violaceum 7株(0.2%), M. canis 78株(2.2%), M. gypseum 12株(0.3%)であつた。滋賀県下におけるT. violaceum分離の報告はこれが初めてであり, 7例の内6例は同一感染経路によるもので, ある家族の子供二人とその祖母と母親, およびその子供達の遊び仲間である隣家の子供二人が罹患していた。M. canisは昭和60∼61年に大きな分離のピークがみられたが, そのなかに, 一匹の飼い猫が次々と人手を渡るうちに, これと接触をもつた子供や成人合わせて13名が感染した例があつたので, その概略をも報告した。
  • —SLE患者より出産した出生児について—
    堀内 早苗, 馬場 徹, 上野 賢一
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1178-1181
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    SLE患者より生まれた出生児は未熟児, 早産が多いと一般的に言われている。そこでSLE患者より生まれた出生児の出生体重に注目し胎内発育遅延の程度が正常分娩と早産との間に差異があるか否かを検討し, さらに各種検査成績と胎内発育との関連について統計学的検討をおこなつた。対象はARAのSLE分類予備基準を満たし, 分娩経験のあるSLE患者10例(正常分娩5例, 早産5例)である。正常分娩2例, 早産3例に胎内発育遅延を認めたが, 出生体重比にて検討すると正常分娩と早産との間には有意の差を認めなかつた。また一方出生体重比と分娩時CH50との間には相関関係を認めた。しかし妊娠初期, 中期における各種臨床検査成績と出生体重比との間には相関関係は認められず, われわれの行つた検討結果では妊娠経過中の各種検査データは胎内発育遅延の予測には供し得ないものと思われた。
治療
  • TV-02軟膏研究会
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1182-1189
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    乾癬を除く角化症を対象に活性型ビタミンD3のアナログである1α,24R-dihydroxycholecalciferol(1α,24R-(OH)2D3, TV-02)を含有するTV-02軟膏の臨床効果を20施設共同研究により検討した。実施症例数は120例, 除外·脱落症例を除く解析対象は115例であつた。その結果, 解析対象115例における最終全般改善度において, 治癒11.3%, 著しく軽快19.1%, かなり軽快29.6%であり, かなり軽快以上の改善率は60.0%であつた。有用性については, きわめて有用20.9%, 有用37.4%であり, 有用以上の有用率は58.3%であつた。また, 前治療との比較については, TV-02軟膏が優れている40.3%, 同等43.3%と同等以上が83.6%であつた。副作用は実施症例120例において認められなかつた。以上より, 本剤は難治性疾患である角化症に対し, 高い有用性をもつものと考えられた。
  • 北島 拓弥
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1190-1195
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    虫刺症における抗ヒスタミン剤の適応はいくらか見られるが, 抗アレルギー剤の適応は見当たらない。抗アレルギー剤であるオキサトミド(セルテクト)の投与による虫刺症に対する臨床効果および副作用につき, 若干の文献的考察を加え検討し, 以下の結果を得た。(1)有効以上が94.7%とかなり高い評価を見た。(2)IgEは16例中6例(37.5%)に高値を認めた。(3)オキサトミド(セルテクト)投与による副作用についてはとくに臨床的に重篤な副作用は認めなかつた。(4)虫刺症に対する抗アレルギー剤であるオキサトミド(セルテクト)の有用性が示唆された。今後, 虫刺症とIgEの作用機序についても検討を加えたい。
  • —トリエタノールアミン石鹸(コラージュ石鹸)の使用経験—
    久藤 しおり, 沼田 恒実
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1196-1201
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    広島大学附属病院皮膚科アレルギー外来にて加療中のアトピー性皮膚炎患者41例を対象に, トリエタノールアミン石鹸(コラージュM, コラージュD石鹸)の使用が臨床症状におよぼす影響と補助的治療効果について検討した。各患者の従来の治療法に加えコラージュ石鹸を規則正しく使用させたところ, 皮膚乾燥の増加, 刺激物質に対する防御作用の低下, 石鹸の成分による刺激症状など石鹸の使用によると思われる悪影響は全例に認められず, 41例中38例(92.7%)に補助的治療効果が認められた。アトピー性皮膚炎患者の石鹸使用に関しては否定的な意見も見られるが, コラージュ石鹸の使用はアトピー性皮膚炎患者の臨床症状を悪化させることはなく, 多くの症例において補助的な治療効果を有すると考えられた。
  • 松本 忠彦, 西本 勝太郎
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1202-1206
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    2%トルナフテート含有マイクロエマルジョン(TL-61)を糜爛を伴う趾間型足白癬に使用し, 有効率81.8%, 副作用発生率8.7%, 有用率86.4%の結果を得た。TL-61は趾間型足白癬の滲出液の多い糜爛面にも使用できる適用範囲の広い優れた液状タイプの外用抗真菌剤であることが示唆された。
  • —10%尿素軟膏(ウレパール)併用群との比較検討を加えて—
    田沼 弘之, 中村 健一, 岩崎 雅, 西山 茂夫
    1989 年 51 巻 6 号 p. 1207-1210
    発行日: 1989/12/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    角質増殖型足白癬は足蹠の角質増生を主とする難治性の疾患であり, 本症の治療法としては, 従来, グリセオフルビンの内服が主流であり, 一般的には抗真菌剤の外用のみでは治癒させることは非常に困難であるとされてきた。今回, われわれは角質増殖型足白癬に対し, ビフォナゾール(マイコスポール液)単純塗布群〔I群〕とビフォナゾールと10%尿素軟膏(ウレパール)との併用群〔II群〕に2分し, それぞれの有用性について比較検討を加えたところ, 下記の結果を得た。1)改善率(改善以上)はI群で46.7%, II群で86.7%であつた。2)菌の陰性化率は4週後ではI群で6.7%, II群で26.7%, 12週後ではそれぞれ40%, 73.3%であつた。3)有用率(有用以上)はI群で46.7%, II群で86.7%であつた。以上より, ビフォナゾールと10%尿素軟膏の併用による角質増殖型足白癬に対する治療は, 有効性ならびに安全性に優れており, グリセオフルビンの内服不可能な症例あるいはグリセオフルビンの内服単独では改善傾向を認めない場合には, 積極的に試みられるべき治療法であると考えられた。
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